夜間勤務のメイド

灯埜

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彼女のひざの上… この状況はいったい…(困惑)

夜、しばらく行っていなかった台所に行くと、彼女がいた。

顔色がよくないことを彼女に言われてしまった。

。"ここ数日寝ていないので、そのせいかもしれませんね"

「~♪」
"え!?寝てないんですか!?"

"ええ、まぁ…"

"すぐ寝ましょう!"

"え"


椅子を並べて簡易ベッドを作り出す彼女。

小走りで保存庫の方に消え、すぐに戻ってきた。
長い座布団のようなものを持ってきて、並べたイスにペソっと置いた。


"これはなんでs~─√\"

書いている途中で彼女に両手で軽く横から引き寄せられてしまい、俺の文字はおかしな線を描いている。

ふかふかの座布団に柔らかい彼女の膝……  ひざ!?






 ──────────────────────








一つ一つ問題を解決していくのが、騎士の努め。

一生懸命やっても終わらないことはある。

日々の業務に加えて、三つ子の暗殺者の様子見と王妃様の誕生日パーティーの準備が加わった。
三つ子の暗殺者は俺の姿を見るたびに怯えるし、話にならん。それになんか阿保だし(呆れ)。
ため息をつく暇もないくらいだった。

夜はベッドから出ず、魔法の本を読み漁った。
昼休憩に読めない分、我慢できなくて。



お城の全体図の写しを使い、当日の人事(メイドや執事など)の配置と配属する騎士の配置と人数や動きの確認など念入りに練っていく。

それに加えて城下町の警護、見廻り。
当日の当番や時間帯も振り分ける。

「当日は忙しくなる…」
大規模なパーティーの日にちが迫ってきた。
王家のみのパーティーも…。

トントンと指で机を叩き、考えを整理していく。


その日は夜通し数人の騎士らで練り直していった。



次の日



お城の中はバタバタと慌ただしく忙しなく人があちこち動き回っている。
「花の手配は?」や「机の位置はそこで」とか「椅子が3脚足りないんだけど、そっち余ってない?」など会場作りが始まっている。

パーティーまであと1日。

細々としたものは当日に、先に大まかに大きな物の配置を。という動きになっている。


「俺たちも何か手伝いますよ」
午後からは確認を終え、少しでも手の空いた騎士達で、城の内装を手伝う業務となっていた。


普段はそんな業務はあてがわれていない。
だが、執事長わメイド長から手伝ってほしい!という切実な要請があったため、受け入れることにしたのだ。

重たいものや移動の難しいものなどの運搬を主にお願いされていた。

「そっちに持っていって下さい」
「はい」
俺も時間が空いた時に少しでも手伝いたくて、運搬に参加をしていた。

料理を置くテーブルを数人の騎士で運んでいく。


「気を付けて運んでね」
「わかったよ。君も気を付けて作業してね」

メイドと結婚した騎士もいると聞いたが、夫婦の会話をここで聞くとはな。

「ラブラブですね」
アキュールが羨ましいよと2人を眺めていると、一緒にテーブルを運んでいたユキが「……俺がいる」とアキュールの肩に頭をコツンと乗せてきた。
「ユキ~!独り身同士、仲良くしような!」
アキュールはユキの頭をよしよしと撫でる。
「ん」
ユキは頭を撫でられて満足げな顔をしている。

「お前らもだな」
「ん?何がです?」
「………」
俺の言葉によくわかっていないアキュールと俺の顔をジッと見てくるユキを見なかったことにして、「ほら、休憩終わり」と促して運搬作業を再開した。


手伝いの甲斐もあり、作業が順調に進んで当日の準備のみとなった。

「さすがに寝ないとまずい」
連日の徹夜で眠れていない。
なんか具合が悪い気がする。


「こんばんは…」
夜中に久々に台所を訪れると、彼女はおやつを作っていた。

「~♪」
"こんばんは。飲み物ですか?"

"はい。今回もお願いできますか?"


彼女は俺の顔をじっと見てから、書き始めた。
"顔色が悪いように見えますが、大丈夫ですか?"

顔に出ていたのか…。
"ここ数日寝ていないので、そのせいかもしれませんね"

「~♪」
"え!?寝てないんですか!?"

"ええ、まぁ…"

"すぐ寝ましょう!"

"え"

"さぁ、まず座ってください"

返事を書こうとすると彼女は俺の腕を引っ張ってイスに座らせ、その横に何個かイスを並べ始めた。

小走りで保存庫の方に消え、すぐに戻ってきた。
長い座布団のようなものを持ってきて、並べたイスにペソっと置いた。

"これはなんでs~─√\"

書いている途中で彼女に両手で軽く横から引き寄せられてしまい、俺の文字はおかしな線を描いている。

ふかふかの座布団に柔らかい彼女の膝……  ひざ!?


カッ!と目を見開いてチラッと上を向くと、彼女の胸の膨らみが見……。
(わっ💦)
慌てて視線をまっすぐに戻す。

膝枕をされている状況に困惑と恥ずかしに体が固まる。
この癒される香りは彼女の香りなのだろうか。それに太ももが柔らかいのか、下に敷いたタオルが柔らかいのかわからないが、寝心地が良い。

あまりに心地よくてタオルに顔をスリ…と寄せる。

そっと俺の頭を優しく撫で、お腹の横をぽんぽんと一定のリズムで叩きながら歌を歌う彼女。

「~♪♫」

(あ、これ知ってる。母上がよく歌ってくれる……… たしか……  愛…しいわが…  こ────)



イチコロだった。



また人の声で目を覚まし、料理長が「お疲れ様です」とお菓子を持たせてくれた。

頭がすっきりしている。


ポケットに筆談した紙が入っていた。

"ちゃんと寝てくださいね。おやすみなさい"
"おつかれさま"


長い座布団とブランケットを持って早足で自室に戻る。


ちょうどユース卿が扉を叩こうとしているところだった。


「っとと💦」
少し離れたところで立ち止まり、静かにかかとをトントンと叩き、魔方陣を展開、転移。
長い座布団とブランケットをマジックバッグにしまい、何事もなかったかのようにユース卿に対応した。

「おはようございます!今日は王妃様の誕生日パーティーですよ」

「忙しくなりますね、頑張りましょう」

「はい!」
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