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第3章 少年期 ミリア編
第六十三話「新メンバー・エルシア」
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---ベル視点---
エルシアと一緒に避難所に戻ると、エリーゼが突然俺を抱きしめてきた。
そして俺の顔を見るなり、「ごめんなさい」と何度も口にしてきた。
エリーゼに何かされた覚えはないんだが。
と思って理由を聞いてみると、どうやら自分のせいで宿を出て行ったと思い込んでいたらしい。
まあ確かに、あの時のエリーゼの態度はいつになく冷たかったけど、あまり気にしていなかった。
逆に、そこまで気にしていたエリーゼに申し訳なくなったから、俺も謝った。
「ランスロットさんは、もう大丈夫なんですか?」
「ああ。一時は危なかったが、治癒術師たちのおかげで何とか回復した」
「それは良かったです。
エリーゼは、何もなかったですか?」
「ええ、何ともないけど……。
皆命懸けで戦ってたのに、あたしだけこの避難所から動かずにただ待っていただけだったから、申し訳ないの。
あたしが直前まで一緒にいたのに、シャルロッテをそのまま見送ったせいで、シャルロッテが……。
だって……まさか怪我人の治療をした後にっ、外に出て行ったなんてっ、思わなかったからっ……!」
「――――」
エリーゼは喋りながら、泣き出してしまった。
……そうだったのか。
シャルロッテがこっちに来る直前まで、エリーゼはシャルロッテと一緒にいたのか。
だからといって、エリーゼが悪いわけがない。
悪いのは、全部あの執行官だ。
あいつさえ来なければ、誰が死ぬことも、街が壊されることもなかったんだ。
「エリーゼちゃん、だっけ。
大丈夫だよ。あなたは悪くなんかない」
「……誰よ、あんた」
「わたしはエルシア。ベルとシャルロッテと一緒に戦ったんだ。
ごめんね、シャルロッテを守れなくて。
わたしがもっと上手くやれば……」
「謝らないでちょうだい。あなたは悪くないわ」
そう。
誰も、悪くないんだ。
ランスロットもエルシアも俺も、そしてシャルロッテも、最後まで戦い抜いた。
そして、『九星』の執行官に勝ったんだ。
犠牲になってしまったシャルロッテが居なければ、俺達は全滅していただろう。
もちろん、納得はいっていない。
どうして、彼女が死ななければならなかったのかと。
でももしかしたら、シャルロッテは最初からああするつもりだったのかもしれない。
その場で考え付いて、自爆魔法なんて使わないだろう。
悲しい。
そりゃ、めちゃくちゃ悲しいよ。
一度会話がひと段落するごとに、シャルロッテの顔が思い浮かぶ。
そのたびに、涙が出そうになる。
でも、決めたんだ。
もうシャルロッテの顔を思い出して、泣かないと。
「シャルロッテは、死んでいません」
「……え?」
「シャルロッテは、ここにいるじゃないですか」
「――」
シャルロッテは、ここにいる。
この杖は、シャルロッテが俺に託してくれた大切な杖だ。
シャルロッテはきっと、一番近くで見守ってくれているだろう。
裏を返せば、シャルロッテに監視されていることになる。
魔術の練習をサボったりしたら、杖から手足が生えて怒られたりして。
それはちょっと怖いな。
「それで、二人とも。一つ、相談なのですが」
「何だ?」
「エルシアが、僕達の旅に同行したいと言ってくれているんです」
そう言うと、エルシアも体がビクンと跳ねた。
心の準備をしておけよな。
ランスロットとエリーゼは、互いに顔を見合わせた。
予想外、だろうな。
正直、エルシアからこの話を持ち掛けられた時は俺も感情の収拾がつかなかった。
「ベルは、どう思うの?」
「もちろん、僕としてはお願いしたいです。
シャルロッテが抜けてしまった今、戦力的にはかなりまずいと思います。
エルシアは聖級剣士なので前衛になりますが、エルシアが加わってくれれば、すごく心強いです」
「ふむ……」
エルシアは固唾を飲んで、二人の顔をうかがっている。
もし断られたら、どうするつもりなのだろうか。
この場から逃げ出したりしそうで怖いな。
そうなったら、今度は俺が彼女を諭す番だな。
「ベルがいいなら、いいんじゃないかしら?」
「……えっ? 僕ですか?」
「――やったぁぁ!」
「俺もエリーゼと同感だ。
シャルロッテの次に頭が使えるのはお前だ。
だから、シャルロッテの後はお前を継がせようと思っている」
……え?
今、なんて?
「僕を、継がせる?」
「パーティのリーダーにするということだ」
「――!」
俺が、この三人を率いるってのか?
エルシアの加入を喜ぶよりも先に、そっちに驚いてしまっている。
……でも、シャルロッテの後を継ぐ、か。
早速、シャルロッテが喜びそうだな。
ともあれ、エルシアが加わってくれるのはとても大きい。
申し訳ないなんて思う方が失礼だろう。
それに、シャルロッテは「頼られたい」と言っていた。
それなら、お言葉に甘えさせてもらうしかない。
「改めて、よろしくお願いします、エルシア」
「……うんっ! よろしく、みんな!」
この日、エルシアが新たな仲間に加わった。
エルシアと一緒に避難所に戻ると、エリーゼが突然俺を抱きしめてきた。
そして俺の顔を見るなり、「ごめんなさい」と何度も口にしてきた。
エリーゼに何かされた覚えはないんだが。
と思って理由を聞いてみると、どうやら自分のせいで宿を出て行ったと思い込んでいたらしい。
まあ確かに、あの時のエリーゼの態度はいつになく冷たかったけど、あまり気にしていなかった。
逆に、そこまで気にしていたエリーゼに申し訳なくなったから、俺も謝った。
「ランスロットさんは、もう大丈夫なんですか?」
「ああ。一時は危なかったが、治癒術師たちのおかげで何とか回復した」
「それは良かったです。
エリーゼは、何もなかったですか?」
「ええ、何ともないけど……。
皆命懸けで戦ってたのに、あたしだけこの避難所から動かずにただ待っていただけだったから、申し訳ないの。
あたしが直前まで一緒にいたのに、シャルロッテをそのまま見送ったせいで、シャルロッテが……。
だって……まさか怪我人の治療をした後にっ、外に出て行ったなんてっ、思わなかったからっ……!」
「――――」
エリーゼは喋りながら、泣き出してしまった。
……そうだったのか。
シャルロッテがこっちに来る直前まで、エリーゼはシャルロッテと一緒にいたのか。
だからといって、エリーゼが悪いわけがない。
悪いのは、全部あの執行官だ。
あいつさえ来なければ、誰が死ぬことも、街が壊されることもなかったんだ。
「エリーゼちゃん、だっけ。
大丈夫だよ。あなたは悪くなんかない」
「……誰よ、あんた」
「わたしはエルシア。ベルとシャルロッテと一緒に戦ったんだ。
ごめんね、シャルロッテを守れなくて。
わたしがもっと上手くやれば……」
「謝らないでちょうだい。あなたは悪くないわ」
そう。
誰も、悪くないんだ。
ランスロットもエルシアも俺も、そしてシャルロッテも、最後まで戦い抜いた。
そして、『九星』の執行官に勝ったんだ。
犠牲になってしまったシャルロッテが居なければ、俺達は全滅していただろう。
もちろん、納得はいっていない。
どうして、彼女が死ななければならなかったのかと。
でももしかしたら、シャルロッテは最初からああするつもりだったのかもしれない。
その場で考え付いて、自爆魔法なんて使わないだろう。
悲しい。
そりゃ、めちゃくちゃ悲しいよ。
一度会話がひと段落するごとに、シャルロッテの顔が思い浮かぶ。
そのたびに、涙が出そうになる。
でも、決めたんだ。
もうシャルロッテの顔を思い出して、泣かないと。
「シャルロッテは、死んでいません」
「……え?」
「シャルロッテは、ここにいるじゃないですか」
「――」
シャルロッテは、ここにいる。
この杖は、シャルロッテが俺に託してくれた大切な杖だ。
シャルロッテはきっと、一番近くで見守ってくれているだろう。
裏を返せば、シャルロッテに監視されていることになる。
魔術の練習をサボったりしたら、杖から手足が生えて怒られたりして。
それはちょっと怖いな。
「それで、二人とも。一つ、相談なのですが」
「何だ?」
「エルシアが、僕達の旅に同行したいと言ってくれているんです」
そう言うと、エルシアも体がビクンと跳ねた。
心の準備をしておけよな。
ランスロットとエリーゼは、互いに顔を見合わせた。
予想外、だろうな。
正直、エルシアからこの話を持ち掛けられた時は俺も感情の収拾がつかなかった。
「ベルは、どう思うの?」
「もちろん、僕としてはお願いしたいです。
シャルロッテが抜けてしまった今、戦力的にはかなりまずいと思います。
エルシアは聖級剣士なので前衛になりますが、エルシアが加わってくれれば、すごく心強いです」
「ふむ……」
エルシアは固唾を飲んで、二人の顔をうかがっている。
もし断られたら、どうするつもりなのだろうか。
この場から逃げ出したりしそうで怖いな。
そうなったら、今度は俺が彼女を諭す番だな。
「ベルがいいなら、いいんじゃないかしら?」
「……えっ? 僕ですか?」
「――やったぁぁ!」
「俺もエリーゼと同感だ。
シャルロッテの次に頭が使えるのはお前だ。
だから、シャルロッテの後はお前を継がせようと思っている」
……え?
今、なんて?
「僕を、継がせる?」
「パーティのリーダーにするということだ」
「――!」
俺が、この三人を率いるってのか?
エルシアの加入を喜ぶよりも先に、そっちに驚いてしまっている。
……でも、シャルロッテの後を継ぐ、か。
早速、シャルロッテが喜びそうだな。
ともあれ、エルシアが加わってくれるのはとても大きい。
申し訳ないなんて思う方が失礼だろう。
それに、シャルロッテは「頼られたい」と言っていた。
それなら、お言葉に甘えさせてもらうしかない。
「改めて、よろしくお願いします、エルシア」
「……うんっ! よろしく、みんな!」
この日、エルシアが新たな仲間に加わった。
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