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第4章 少年期 アラキア編
第七十話「獣人との出会い」
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約一か月が経った。
ランスロットによると、もう少しで獣人が居る集落に到着するらしい。
もう少しとは言っても、あと二、三日はかかるみたいだが。
長旅をしていると、時間感覚がバグるんだよな。
三日という時間は、体感だとものの数時間くらいに感じるほどだ。
「これから森に入る。
森の中は魔物が多い可能性があるから、油断はするなよ」
「りょーかいですっ!」
エルシアの元気のいい返事が、静まり返った森に木霊する。
やっぱり、森に入ると途端に雰囲気が変わるな。
いつどこから魔物が出てくるか分からない、この緊張感。
竜車が走る足音のおかげで、少し緊張が和らぐような気がする。
閑散としすぎていると、余計に気を張ってしまうからな。
「何だか、昔を思い出すわね、ベル」
「昔?」
「森って言ったら、ほら、ライラと出会った森があったじゃない」
「ライラ……! 懐かしいですね」
両親に無断で森に魔物狩りに行った時に出会った、魔族の少女。
俺が魔術を教えたら、すぐにコツを掴んで凄い速さで成長していったな。
あの子が引っ越す前に花火を見せたら、とても喜んでくれた覚えがある。
「元気にしているかしらね!」
「あの子のことですから、僕よりも凄い魔術師になってるかもしれませんね」
「ライラはベルと同い年でしょ?
その歳で聖級魔術師なんてベルくらいなんじゃないの?」
「ライラは、僕よりもよっぽど飲み込みが早かったんです。
今は僕の方が上でも、いずれは抜かれそうな気がしてなりませんよ。
まあ、抜かれないように僕も頑張りますが」
「ベルはあの子の先生なんだから、抜かされないようにしなさいよ」
先生、か。
何か恥ずかしいな。
俺に「師匠」って呼ばれた時のシャルロッテの気持ちが分かったような気がする。
ライラ。
いつか、また会えたらいいな。
「森の中で野宿はできるのかな?」
「どうでしょうね。ていうか、出来なきゃ終わりだわ。
寝不足でぶっ倒れちゃう自信しかないもの」
「ある程度開けた所があればいいが……。
最悪、道の途中に馬車を止めてこの中で寝るしかないな」
「それも、交代交代で見張りをしなきゃですよね?」
「もちろんだ」
「はぁ……」
もう一か月も、まともに眠れていない。
起こされると分かっていると、余計に眠れなくなる。
眠りにつけないまま自分の番が来て、終わった後に寝ようとしてもほとんど寝られない。
そういえば、何度か夜に魔物との戦闘になった。
この「月蝕眼」の効果は、絶大とまではいかないが多少は感じられた。
特に「魔力の増大」というアドバンテージは、戦闘中にかなり恩恵を感じた。
まず、放つ魔法の威力が高くなった。
月蝕眼で魔力を増大し、更にこの杖で魔力を増大。
撃つまでに、二段階の強化ができるってわけだ。
後は、あまり疲れなくなった。
魔力を使えば当然、多少なりとも消耗はする。
どれだけ魔力最大量が多い魔術師でも、これは共通している。
だが夜の間だけは、どれだけ魔術を使っても疲れないような気がする。
無論、限界はあるだろうが。
ちなみに、やはり月がどれだけ満ちているかによって月蝕眼の効果は変わるようだ。
つまり、新月のときは効果がなく、逆に満月の夜に最大効果を発揮するということである。
ちょっと、あまりあの痛みに見合っていない気がする。
まあ総括すると、この魔眼はかなり優秀だ。
あの痛みに耐えた甲斐があったかもしれない。
まあ、もう二度と味わいたくはないが。
魔力の増大ができるだけで凄い能力だが、
もしかして魔力最大量も増大していたりするのだろうか。
魔術を使っても疲れなくなったということは、そういうことなのか?
倒れるほど魔力を使ってはいないから、今度試してみようかな。
極力倒れたくはないが。
それと、一つ忘れていたことがある。
エリーゼの剣だ。
エリーゼはミリアを出る際、「次の街で剣を新調する」と言っていた。
そのことを、四人揃って忘れていたのだ。
そのことを、昨日ふと思い出した。
もう一週間早く気づいていれば、途中でどこか適当に街に寄れたのに。
そんなことをしたら、エリーゼは面倒くさがるだろうな。
どちらにせよ、リンドで買わなかった時点でどこにも寄らなかっただろう。
「眠そうだね、ベル」
「もう何日もまともに寝てませんから……」
「おいで。わたしの極上の膝枕でお昼寝しなさい」
「ちょっと! それならあたしがやるわ!」
「では、半分ずつお願いします」
「何言ってるの?」
「何言ってんのよ」
え、急に裏切られた。
背中からぶわっと汗が出た。
せっかく、両方味わえると思ったのに。
「じゃあ、ジャンケンで決めましょう!」
「ふっふっふ。かかってくるがいい」
ジャンケンの結果、エルシアが勝利した。
エリーゼが定番の「三回勝負」を希望するもむなしく、
俺はエルシアの肩に寄りかかることにした。
直前になって、膝枕は少し恥ずかしくなってしまったのだ。
「……エリーゼ?」
「これならいいでしょ」
エルシアの肩に寄りかかる俺の肩に、更にエリーゼが寄りかかってきた。
一番得をしているのは間違いなく俺だな。
美女に挟まれるというのは、いくつになっても幸せなことだ。
「あまりくつろぎすぎるなよ。
いつ魔物が襲ってくるか分からない」
「二人は寝ててもいいよ。
わたしが周りを見張っておくから」
エルシアにそう言われ、俺とエリーゼはそろって礼を言った。
お言葉に甘えて、ゆっくりと目を閉じた。
エルシアの肩は、安心感がある。
こう見えて、彼女は聖級剣士だからな。
速度だけなら、四人の中でダントツで速いだろう。
この間、三日ほど全く魔物と遭遇しない期間があった。
その時に、「二人が戦ってるところを見てみたい」とエリーゼが言い出した。
あまり乗り気じゃなかったが、二人は俺達の前で一戦を交えてくれた。
一言でいうなら、「異次元」だった。
お互いを傷つけないように、どちらも手加減はしていただろう。
だがそれでも、ものすごい戦いだった。
俺も将来、あれくらい戦えるようになりたい。
ランスロットの本当の強さは、未知数といえば未知数だ。
命を懸けて戦っているところは、まだ見たことがない。
だが、『九星』の第八位を単独で撃破したくらいだから、
相当実力は上であることはまず間違いないだろう。
あれだけの強さがあれば、戦っていて楽しいだろうな。
生きている年月の桁が違うとはいえ、
相当な努力を重ね、場数をこなしてきたからこその強さなのだろう。
俺の目標とすべき人間は、この世界には多すぎる。
「――ん?」
「何の音だろ?」
「あたしも聞こえたわ」
「え、何か聞こえましたか?」
別のことを考えていたからか、全然何も聞こえなかった。
聞こえていないのは俺だけらしい。
周りを見渡してみるが、何も見えない。
だが、今度ははっきりと聞こえた。
どうして、こんなに大きな音が聞こえなかったんだ。
「魔物かしら」
「恐らくな」
大きな何かの足音。
コンスタントに響く足音に、内臓が震える。
一応、杖を出しておくか。
普段は、この黒い袋に包んでいる。
こんな森の中で魔物を相手するのは久しぶりだな。
それこそ、ライラと出会った時以来じゃないか?
どんどん足音は近づいてくる。
ゴライアスみたいな巨大な魔物ってわけじゃなさそうだが、足音はかなり大きい。
「来るぞ――」
「!?」
俺達は、絶句した。
「何よ、こいつ」
俺達の目の前に現れたのは、大きな犬の魔物だった。
---
「……ヴォルガルムか」
「初めて見る魔物だよ……」
「俺もこの目で見るのは初めてだ」
巨大というほどではない。
サモエドの究極体みたいな感じだ。
全身が白い体毛に覆われていて、翡翠色の双眸で俺たちをギロリと睨んでいる。
「とりあえず、モタモタしてたら食べられちゃうわよ!」
エリーゼが真っ先に飛び出した。
剣を抜き、その剣が炎を纏う。
「ウガアアアアアアアアア!」
エリーゼの剣は、ヴォルガルムの巨躯を貫いた。
ヴォルガルムの咆哮が、森林中に鳴り響く。
木々が揺れ、悲鳴をあげるように枝葉が音を立てる。
ランスロットとエルシアもほぼ同時に馬車を飛び出し、それぞれ武器を抜いた。
「ベル! 馬車からは離れるな!」
「ベルは後衛を頼んだよ!」
「分かりました!」
誰かが馬車を見ていなければ、荷台ごと馬が姿を眩ませてしまう。
馬の扱いに慣れているのはランスロット。そしてベルも一応馬の扱いは心得ている。
「はァァッ!」
「しっ!」
斬り付けられたヴォルガルムから、紫色の鮮血が飛び散る。
飛び出した瞬間に早くも返り血を浴びたエルシアだが、
今はそんなことを気にしている余裕などない。
今だけは全ての感覚を忘れて、剣を振り、目の前の巨獣を撃破することに全力を注ぐ。
「――はっ!」
「――『黒炎』!」
二色の斬撃が、ヴォルガルムを斬り付ける。
二人の斬撃は、あまり大きなダメージは期待できない。
そもそも、大きな魔物を相手にする時に物理攻撃は効果的とは言えない。
大きなダメージ、つまり致命傷を与えるには、やはり魔術が最適である。
しかし、このパーティに魔術師はベルただ一人。
四人のうち、剣士が三人……正確には剣士二人と槍使い一人だが、
これは陣形としてはあまりにもバランスが悪すぎる。
もっと言えば、ベルは後衛型ではない。
無論、後衛に徹するなら話は別だ。
しかし、ベルは前衛型の魔術師。
ベル達が普通の冒険者ならば魔術師の補充が急務であるが、彼らの場合は少し特殊。
故に、この条件で戦うしかないのだ。
「ウオオオオオオオオオ!」
「かはっ……!」
「エルシア!」
「『土壁』!」
「ごえっ!」
「あ、すみません!」
衝撃を和らげようとベルが生成した土壁に、エルシアは背中から突っ込んだ。
全く衝撃が和らぐことはなく、ただ激突するまでの距離が短くなっただけだった。
『土壁』は、注ぐ魔力の量によって形状や硬さなどを自在に変えることができる。
ベルは注ぐ魔力の量の調整を誤ったのだ。
「『アースウォール』」
ベルは馬車を降り、再び土壁を作った。
これは、馬を守るための壁だ。
壁で馬車ごと包み込み、周りからの衝撃を守る。
「はぁ……。あいつ、めちゃくちゃ強いよベル」
「ええ……攻撃が通っている気がしませんね」
「ベルっちの大技で一気に焼き払う、ってのはダメなの?」
「森の中であの規模の魔術を使うのは流石に……今、ベルっちって呼びました?」
「きっ、気にしないで!」
ベルの言う通り、ここは森の真ん中だ。
こんな閉塞した場所で魔法陣を用いた大技を使ってしまえば、辺りは焼け野原になってしまう。
以前「ボスミノタウロス」と戦った時に使った、
雨を同時に振らせることによって発生した火を消すという作戦も、今回は使えないだろう。
あの時にベルが使った魔術は、「紅蓮嵐」という技である。
炎を巻き上げる竜巻を起こす魔法であるため、周りの木々が少々吹き飛んだ程度で済んだ。
が、エルシアの言う大技、「ヴァルクルス・ヴォルト」は、辺り一帯を「薙ぎ払う」魔術だ。
後から雨で鎮火したとて、一瞬にして荒地となってしまうだろう。
そして、使えない理由がもう一つある。
ここから近いところに、獣族の集落があるのだ。
ここで大技を使ってしまえば、集落にも被害が及ぶ可能性がある。
だから、ベルは不用意に大規模な魔術を撃てないのだ。
「僕も出ます」
「え? でも、ランスロットに馬車を任せられてるんじゃないの?」
「土の壁で覆っているので平気です!」
ベルは勢いよく駆け出した。
エルシアは少し呆気にとられたが、ベルに続く。
「『雷殺』!」
「――『翠風の裁き』!」
翠色の閃光が、エルシアの剣から放たれた。
ベルはその長い杖に魔力を込め、雷魔術を放つ。
ヴォルガルムの顔面に直撃したベルの魔術は、その体に広がっていく。
雷魔術は、術者の力量によっては相手の体を麻痺させることもできる。
ベル個人の持つ魔力量、そしてベルの杖の魔力増大能力が、それを可能にしている。
「ガアアアアアアアアア!」
活発だったヴォルガルムの動きが僅かに鈍る。
流石にベルの魔術でも、動きを封じられる時間はそう長くない。
「ナイスアシストだ、ベル!」
「畳みかけましょう!」
物理攻撃が効果的ではないとはいえ、全く通らないというわけでもない。
地道ではあるが、着実にダメージは与えられている。
「ギャアアアアアアアアア!」
ヴォルガルムの悲鳴が森に木霊する。
のたうち回って抵抗するが、四人の攻撃は止まることなくヴォルガルムを襲う。
――行ける。
そう思った次の瞬間だった。
「ウガアア!」
ヴォルガルムによく似た、しかしヴォルガルムから発せられたものではない雄叫びが、四人の耳に入った。
一斉に声が聞こえた方を見ると、そこには、
「――人間?」
---ベル視点---
犬のような耳の生えた人間が、数十人。
一人を除く全員が四つん這いになって、こちらを向いていた。
これ、絶対犬系獣族だろ。
『我らの守護獣様に、何をしている!』
守護獣?
このバケモンが?
全員、上半身が裸である。
まるで縄文人みたいな身なりだな。
『これがお前達の守護獣なのか?』
『そうだ。貴様らは、許されざる大罪を犯した』
確かに、そういうことならまずいことをしたのかもしれないが。
でも、先に攻撃されたのは俺達の方だし……。
いや、違う。
真っ先に飛び出したのはエリーゼだった。
どう考えても俺達が悪い。
エリーゼのやつ……昔から暴走機関車なのはやっぱり変わってないよな。
まあ、後に続いて攻撃したから俺達も同罪なわけで。
『皆さん、すみませんでした。
これだけ大きな魔物だったので、身の危険を感じて攻撃をしてしまいました』
『守護獣様は魔物ではない。
そんな低俗な物と同じにしないで欲しい』
やべ、失言だったな。
だが、これが動物だなんてにわかには信じがたいぞ。
どっからどう見ても化け物じゃないか。
なんて口に出したら首が飛びそうだな。
『だが、悪気がなかったのであれば、見逃してやろう』
『ありがとう、ございます』
ひとまず、許しては貰えた。
ただ、この後だよな。
俺達は、獣族の集落で何日かを過ごそうと思っていた。
でも、初対面がこんなんじゃな……。
『……すまないが、一つ頼みがある』
『何ですか?』
『もうすぐ雨季が来る。
だから、物資などを高台に運ぶ手伝いをして欲しいんだが』
棚から牡丹餅とは、このことだな。
正直、また何日か野宿を覚悟していた。
「エリーゼ、エルシア。
物資を運ぶ手伝いをして欲しいそうだ」
「いいわよ。ゆっくり寝られる寝床があるなら何でもいいわ」
「わたしもいいよ! 肉体労働なら任せなさいっ!」
エルシアは腕をまくって力こぶを見せた。
いや、本当にムキムキだから困るんだよな。
顔は可愛くても体は全然可愛くない。
『分かりました。お詫びと言ってはなんですが、是非手伝わせてください』
『ああ、助かるよ』
獣人の集団を率いている屈強な男が、ふっと笑った。
なんだ、実はいい人なんじゃないか。
馬車を守らせていた土壁を解除し、俺達は馬車に乗り込んだ。
そして、獣人達に導かれるまま森の奥へと進んだ。
ランスロットによると、もう少しで獣人が居る集落に到着するらしい。
もう少しとは言っても、あと二、三日はかかるみたいだが。
長旅をしていると、時間感覚がバグるんだよな。
三日という時間は、体感だとものの数時間くらいに感じるほどだ。
「これから森に入る。
森の中は魔物が多い可能性があるから、油断はするなよ」
「りょーかいですっ!」
エルシアの元気のいい返事が、静まり返った森に木霊する。
やっぱり、森に入ると途端に雰囲気が変わるな。
いつどこから魔物が出てくるか分からない、この緊張感。
竜車が走る足音のおかげで、少し緊張が和らぐような気がする。
閑散としすぎていると、余計に気を張ってしまうからな。
「何だか、昔を思い出すわね、ベル」
「昔?」
「森って言ったら、ほら、ライラと出会った森があったじゃない」
「ライラ……! 懐かしいですね」
両親に無断で森に魔物狩りに行った時に出会った、魔族の少女。
俺が魔術を教えたら、すぐにコツを掴んで凄い速さで成長していったな。
あの子が引っ越す前に花火を見せたら、とても喜んでくれた覚えがある。
「元気にしているかしらね!」
「あの子のことですから、僕よりも凄い魔術師になってるかもしれませんね」
「ライラはベルと同い年でしょ?
その歳で聖級魔術師なんてベルくらいなんじゃないの?」
「ライラは、僕よりもよっぽど飲み込みが早かったんです。
今は僕の方が上でも、いずれは抜かれそうな気がしてなりませんよ。
まあ、抜かれないように僕も頑張りますが」
「ベルはあの子の先生なんだから、抜かされないようにしなさいよ」
先生、か。
何か恥ずかしいな。
俺に「師匠」って呼ばれた時のシャルロッテの気持ちが分かったような気がする。
ライラ。
いつか、また会えたらいいな。
「森の中で野宿はできるのかな?」
「どうでしょうね。ていうか、出来なきゃ終わりだわ。
寝不足でぶっ倒れちゃう自信しかないもの」
「ある程度開けた所があればいいが……。
最悪、道の途中に馬車を止めてこの中で寝るしかないな」
「それも、交代交代で見張りをしなきゃですよね?」
「もちろんだ」
「はぁ……」
もう一か月も、まともに眠れていない。
起こされると分かっていると、余計に眠れなくなる。
眠りにつけないまま自分の番が来て、終わった後に寝ようとしてもほとんど寝られない。
そういえば、何度か夜に魔物との戦闘になった。
この「月蝕眼」の効果は、絶大とまではいかないが多少は感じられた。
特に「魔力の増大」というアドバンテージは、戦闘中にかなり恩恵を感じた。
まず、放つ魔法の威力が高くなった。
月蝕眼で魔力を増大し、更にこの杖で魔力を増大。
撃つまでに、二段階の強化ができるってわけだ。
後は、あまり疲れなくなった。
魔力を使えば当然、多少なりとも消耗はする。
どれだけ魔力最大量が多い魔術師でも、これは共通している。
だが夜の間だけは、どれだけ魔術を使っても疲れないような気がする。
無論、限界はあるだろうが。
ちなみに、やはり月がどれだけ満ちているかによって月蝕眼の効果は変わるようだ。
つまり、新月のときは効果がなく、逆に満月の夜に最大効果を発揮するということである。
ちょっと、あまりあの痛みに見合っていない気がする。
まあ総括すると、この魔眼はかなり優秀だ。
あの痛みに耐えた甲斐があったかもしれない。
まあ、もう二度と味わいたくはないが。
魔力の増大ができるだけで凄い能力だが、
もしかして魔力最大量も増大していたりするのだろうか。
魔術を使っても疲れなくなったということは、そういうことなのか?
倒れるほど魔力を使ってはいないから、今度試してみようかな。
極力倒れたくはないが。
それと、一つ忘れていたことがある。
エリーゼの剣だ。
エリーゼはミリアを出る際、「次の街で剣を新調する」と言っていた。
そのことを、四人揃って忘れていたのだ。
そのことを、昨日ふと思い出した。
もう一週間早く気づいていれば、途中でどこか適当に街に寄れたのに。
そんなことをしたら、エリーゼは面倒くさがるだろうな。
どちらにせよ、リンドで買わなかった時点でどこにも寄らなかっただろう。
「眠そうだね、ベル」
「もう何日もまともに寝てませんから……」
「おいで。わたしの極上の膝枕でお昼寝しなさい」
「ちょっと! それならあたしがやるわ!」
「では、半分ずつお願いします」
「何言ってるの?」
「何言ってんのよ」
え、急に裏切られた。
背中からぶわっと汗が出た。
せっかく、両方味わえると思ったのに。
「じゃあ、ジャンケンで決めましょう!」
「ふっふっふ。かかってくるがいい」
ジャンケンの結果、エルシアが勝利した。
エリーゼが定番の「三回勝負」を希望するもむなしく、
俺はエルシアの肩に寄りかかることにした。
直前になって、膝枕は少し恥ずかしくなってしまったのだ。
「……エリーゼ?」
「これならいいでしょ」
エルシアの肩に寄りかかる俺の肩に、更にエリーゼが寄りかかってきた。
一番得をしているのは間違いなく俺だな。
美女に挟まれるというのは、いくつになっても幸せなことだ。
「あまりくつろぎすぎるなよ。
いつ魔物が襲ってくるか分からない」
「二人は寝ててもいいよ。
わたしが周りを見張っておくから」
エルシアにそう言われ、俺とエリーゼはそろって礼を言った。
お言葉に甘えて、ゆっくりと目を閉じた。
エルシアの肩は、安心感がある。
こう見えて、彼女は聖級剣士だからな。
速度だけなら、四人の中でダントツで速いだろう。
この間、三日ほど全く魔物と遭遇しない期間があった。
その時に、「二人が戦ってるところを見てみたい」とエリーゼが言い出した。
あまり乗り気じゃなかったが、二人は俺達の前で一戦を交えてくれた。
一言でいうなら、「異次元」だった。
お互いを傷つけないように、どちらも手加減はしていただろう。
だがそれでも、ものすごい戦いだった。
俺も将来、あれくらい戦えるようになりたい。
ランスロットの本当の強さは、未知数といえば未知数だ。
命を懸けて戦っているところは、まだ見たことがない。
だが、『九星』の第八位を単独で撃破したくらいだから、
相当実力は上であることはまず間違いないだろう。
あれだけの強さがあれば、戦っていて楽しいだろうな。
生きている年月の桁が違うとはいえ、
相当な努力を重ね、場数をこなしてきたからこその強さなのだろう。
俺の目標とすべき人間は、この世界には多すぎる。
「――ん?」
「何の音だろ?」
「あたしも聞こえたわ」
「え、何か聞こえましたか?」
別のことを考えていたからか、全然何も聞こえなかった。
聞こえていないのは俺だけらしい。
周りを見渡してみるが、何も見えない。
だが、今度ははっきりと聞こえた。
どうして、こんなに大きな音が聞こえなかったんだ。
「魔物かしら」
「恐らくな」
大きな何かの足音。
コンスタントに響く足音に、内臓が震える。
一応、杖を出しておくか。
普段は、この黒い袋に包んでいる。
こんな森の中で魔物を相手するのは久しぶりだな。
それこそ、ライラと出会った時以来じゃないか?
どんどん足音は近づいてくる。
ゴライアスみたいな巨大な魔物ってわけじゃなさそうだが、足音はかなり大きい。
「来るぞ――」
「!?」
俺達は、絶句した。
「何よ、こいつ」
俺達の目の前に現れたのは、大きな犬の魔物だった。
---
「……ヴォルガルムか」
「初めて見る魔物だよ……」
「俺もこの目で見るのは初めてだ」
巨大というほどではない。
サモエドの究極体みたいな感じだ。
全身が白い体毛に覆われていて、翡翠色の双眸で俺たちをギロリと睨んでいる。
「とりあえず、モタモタしてたら食べられちゃうわよ!」
エリーゼが真っ先に飛び出した。
剣を抜き、その剣が炎を纏う。
「ウガアアアアアアアアア!」
エリーゼの剣は、ヴォルガルムの巨躯を貫いた。
ヴォルガルムの咆哮が、森林中に鳴り響く。
木々が揺れ、悲鳴をあげるように枝葉が音を立てる。
ランスロットとエルシアもほぼ同時に馬車を飛び出し、それぞれ武器を抜いた。
「ベル! 馬車からは離れるな!」
「ベルは後衛を頼んだよ!」
「分かりました!」
誰かが馬車を見ていなければ、荷台ごと馬が姿を眩ませてしまう。
馬の扱いに慣れているのはランスロット。そしてベルも一応馬の扱いは心得ている。
「はァァッ!」
「しっ!」
斬り付けられたヴォルガルムから、紫色の鮮血が飛び散る。
飛び出した瞬間に早くも返り血を浴びたエルシアだが、
今はそんなことを気にしている余裕などない。
今だけは全ての感覚を忘れて、剣を振り、目の前の巨獣を撃破することに全力を注ぐ。
「――はっ!」
「――『黒炎』!」
二色の斬撃が、ヴォルガルムを斬り付ける。
二人の斬撃は、あまり大きなダメージは期待できない。
そもそも、大きな魔物を相手にする時に物理攻撃は効果的とは言えない。
大きなダメージ、つまり致命傷を与えるには、やはり魔術が最適である。
しかし、このパーティに魔術師はベルただ一人。
四人のうち、剣士が三人……正確には剣士二人と槍使い一人だが、
これは陣形としてはあまりにもバランスが悪すぎる。
もっと言えば、ベルは後衛型ではない。
無論、後衛に徹するなら話は別だ。
しかし、ベルは前衛型の魔術師。
ベル達が普通の冒険者ならば魔術師の補充が急務であるが、彼らの場合は少し特殊。
故に、この条件で戦うしかないのだ。
「ウオオオオオオオオオ!」
「かはっ……!」
「エルシア!」
「『土壁』!」
「ごえっ!」
「あ、すみません!」
衝撃を和らげようとベルが生成した土壁に、エルシアは背中から突っ込んだ。
全く衝撃が和らぐことはなく、ただ激突するまでの距離が短くなっただけだった。
『土壁』は、注ぐ魔力の量によって形状や硬さなどを自在に変えることができる。
ベルは注ぐ魔力の量の調整を誤ったのだ。
「『アースウォール』」
ベルは馬車を降り、再び土壁を作った。
これは、馬を守るための壁だ。
壁で馬車ごと包み込み、周りからの衝撃を守る。
「はぁ……。あいつ、めちゃくちゃ強いよベル」
「ええ……攻撃が通っている気がしませんね」
「ベルっちの大技で一気に焼き払う、ってのはダメなの?」
「森の中であの規模の魔術を使うのは流石に……今、ベルっちって呼びました?」
「きっ、気にしないで!」
ベルの言う通り、ここは森の真ん中だ。
こんな閉塞した場所で魔法陣を用いた大技を使ってしまえば、辺りは焼け野原になってしまう。
以前「ボスミノタウロス」と戦った時に使った、
雨を同時に振らせることによって発生した火を消すという作戦も、今回は使えないだろう。
あの時にベルが使った魔術は、「紅蓮嵐」という技である。
炎を巻き上げる竜巻を起こす魔法であるため、周りの木々が少々吹き飛んだ程度で済んだ。
が、エルシアの言う大技、「ヴァルクルス・ヴォルト」は、辺り一帯を「薙ぎ払う」魔術だ。
後から雨で鎮火したとて、一瞬にして荒地となってしまうだろう。
そして、使えない理由がもう一つある。
ここから近いところに、獣族の集落があるのだ。
ここで大技を使ってしまえば、集落にも被害が及ぶ可能性がある。
だから、ベルは不用意に大規模な魔術を撃てないのだ。
「僕も出ます」
「え? でも、ランスロットに馬車を任せられてるんじゃないの?」
「土の壁で覆っているので平気です!」
ベルは勢いよく駆け出した。
エルシアは少し呆気にとられたが、ベルに続く。
「『雷殺』!」
「――『翠風の裁き』!」
翠色の閃光が、エルシアの剣から放たれた。
ベルはその長い杖に魔力を込め、雷魔術を放つ。
ヴォルガルムの顔面に直撃したベルの魔術は、その体に広がっていく。
雷魔術は、術者の力量によっては相手の体を麻痺させることもできる。
ベル個人の持つ魔力量、そしてベルの杖の魔力増大能力が、それを可能にしている。
「ガアアアアアアアアア!」
活発だったヴォルガルムの動きが僅かに鈍る。
流石にベルの魔術でも、動きを封じられる時間はそう長くない。
「ナイスアシストだ、ベル!」
「畳みかけましょう!」
物理攻撃が効果的ではないとはいえ、全く通らないというわけでもない。
地道ではあるが、着実にダメージは与えられている。
「ギャアアアアアアアアア!」
ヴォルガルムの悲鳴が森に木霊する。
のたうち回って抵抗するが、四人の攻撃は止まることなくヴォルガルムを襲う。
――行ける。
そう思った次の瞬間だった。
「ウガアア!」
ヴォルガルムによく似た、しかしヴォルガルムから発せられたものではない雄叫びが、四人の耳に入った。
一斉に声が聞こえた方を見ると、そこには、
「――人間?」
---ベル視点---
犬のような耳の生えた人間が、数十人。
一人を除く全員が四つん這いになって、こちらを向いていた。
これ、絶対犬系獣族だろ。
『我らの守護獣様に、何をしている!』
守護獣?
このバケモンが?
全員、上半身が裸である。
まるで縄文人みたいな身なりだな。
『これがお前達の守護獣なのか?』
『そうだ。貴様らは、許されざる大罪を犯した』
確かに、そういうことならまずいことをしたのかもしれないが。
でも、先に攻撃されたのは俺達の方だし……。
いや、違う。
真っ先に飛び出したのはエリーゼだった。
どう考えても俺達が悪い。
エリーゼのやつ……昔から暴走機関車なのはやっぱり変わってないよな。
まあ、後に続いて攻撃したから俺達も同罪なわけで。
『皆さん、すみませんでした。
これだけ大きな魔物だったので、身の危険を感じて攻撃をしてしまいました』
『守護獣様は魔物ではない。
そんな低俗な物と同じにしないで欲しい』
やべ、失言だったな。
だが、これが動物だなんてにわかには信じがたいぞ。
どっからどう見ても化け物じゃないか。
なんて口に出したら首が飛びそうだな。
『だが、悪気がなかったのであれば、見逃してやろう』
『ありがとう、ございます』
ひとまず、許しては貰えた。
ただ、この後だよな。
俺達は、獣族の集落で何日かを過ごそうと思っていた。
でも、初対面がこんなんじゃな……。
『……すまないが、一つ頼みがある』
『何ですか?』
『もうすぐ雨季が来る。
だから、物資などを高台に運ぶ手伝いをして欲しいんだが』
棚から牡丹餅とは、このことだな。
正直、また何日か野宿を覚悟していた。
「エリーゼ、エルシア。
物資を運ぶ手伝いをして欲しいそうだ」
「いいわよ。ゆっくり寝られる寝床があるなら何でもいいわ」
「わたしもいいよ! 肉体労働なら任せなさいっ!」
エルシアは腕をまくって力こぶを見せた。
いや、本当にムキムキだから困るんだよな。
顔は可愛くても体は全然可愛くない。
『分かりました。お詫びと言ってはなんですが、是非手伝わせてください』
『ああ、助かるよ』
獣人の集団を率いている屈強な男が、ふっと笑った。
なんだ、実はいい人なんじゃないか。
馬車を守らせていた土壁を解除し、俺達は馬車に乗り込んだ。
そして、獣人達に導かれるまま森の奥へと進んだ。
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