3 / 15
第1章 結成 「月夜の白兎団」
第3話 部室にて
しおりを挟む
放課後
僕は現代文化研究同好会の部室の前に来ていた。
「とりあえず、入るか」
ノックをしてドアを開ける。
「失礼しまーす」
部室に入ると、目の前に2つの机が横向きにくっつけて置いてあり、正面は窓、右側にはロッカー、左奥にケージが置いてある。
そして目の前机の右の席に彼女が座っていた。
「あ、どうぞー」
と笑顔で言ってくれた。
とりあえず、彼女の向かいの席に座る。
「ケージが置いてあるけど、何か飼ってるの?」
「はい、うさぎを飼っています」
と、その時急に彼女と机の間からうさぎが顔を出した。
「うわっ!?」
「あ、驚かせちゃってすみません…」
「い、いや別に大丈夫だよ」
「それなら良かったです」
そのうさぎは全身真っ白で、赤色の首輪がついていた。
「綺麗な色をしているね」
「はい、真っ白でとってもかわいいです!!」
「名前は?」
「ラビ助です!」
「ふーん、ラビ助か……いい名前だね」
「ありがとうございます」
と、部室に来た目的を忘れるところだった。
「そういえば、君の持っている「能力」って?」
「ああ、そういえばそうでしたね」
と言って彼女は立ち上がり、ラビ助をケージに戻した。
「じゃあ、さっそく使いますね」
そう言いつつ彼女は、模様が描いてある右手を前に突き出した。
模様が光り、部室が黄緑色の光に包まれる。
すると彼女の目の前に本が突如出現した。
本が出現すると、光は徐々に小さくなっていく。
そして彼女は目の前に現れた本を手に取った。
「何出したらいいかわからなかったので、適当に家にある本を出して見ました」
「君の「能力」って……」
「私の「能力」は1度見た事のあるものを自由にコピー能力です」
「1度でも見たことがあると、どんな物でもコピーできたりする?」
「多分どんな物でも出せると思います」
凄い、流石は能力者だ……
「それで、あなたの「能力」はなんですか?」
「えっと、なんて言うんだろうな……僕のは、「力」であって「能力」では無いらしいんだよね」
「つまり、どういうことですか?」
「えっと、……」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
彼女に昨日博士から聞いたことをそのまま説明した。
が、彼女の頭にはまだクエスチョンマークが残っているらしい。
「まあ、とりあえずあなたも「身体能力を強化する能力」を持っていることでいいですか?」
「んー、そういうことでいいね」
「そういえば、まだお互いに名前を言ってませんでしたね」
「ああ、確かに」
「それでは、私から自己紹介しますね。私は1年C組の夢野ツムギです。よろしくお願いします!」
「じゃあ僕も、僕は1年A組の湊宮アラタ、こちらこそよろしく!」
「さて、自己紹介も終わりましたし今後どうするかを決めましょう。」
「だね」
そういえば、博士は脅威がどうのこうのとか言っていたような……
「えっとさ、夢野は脅威がどうしたとか聞いてる?」
「はい、聞いてますよ。」
「なら良かった、じゃあ教えて貰ってもいい?」
「良いですよ。脅威というのは、宇宙から来た謎の影のような存在らしいです。」
「影のような存在……」
「その影は何か特別な力とかって持ってたりするの?」
「どうやらその影は他の生命体の体を乗っ取ることができるみたいです」
「乗っ取られるとどうなるかって知ってる?」
「乗っ取られると元の生命体の意識は完全に消えて、その影に操られて死ぬまで他の生命体を襲うようです。……しかも元の生命体よりもかなり能力が上がっているらしいです」
「乗っ取られた生き物を元に戻すことは可能?」
「それがどうやら絶対に出来ないそうです」
それは恐ろしい、1度乗っ取られるとそのまま「死」確定という訳か……
「ですけど、どうやら「力」を貰った人はどうやら乗っ取られることは無いようです」
「じゃあ、僕や夢野は大丈夫っていうことだね、良かった……」
「はい、それとその影は完全に日が落ちてからじゃないと活動できないようです」
「まあ、影だしね昼間に活動できたらどうかと思うね。じゃあ、今後はその影を倒すということで良い?」
「はい、それがいいと思います。」
とここで夢野が言った。
「せっかくなんだか正義の味方みたいなことするので、何かそういう団体とか作りませんか?」
なんだか少し夢野のテンションが上がった気がした。
「もしかして、ヒーローとか正義の味方になってみたかったりした?」
「いえ!全く!!」
夢野がどこか楽しんでいるように見える。
まあ、シリアスな雰囲気ばっかりだと気が参ってしまいそうだし、少し楽しむのも良いかもしれない。
「別に良いんじゃないかな」
「それじゃあ明日までに団体の名前を考えてきてください!!」
と夢野は笑顔で言った。
「ああ、わかったよ。じゃあ影の退治も名前が決まってからにする?」
「いえ、さっそく今日から影を探して退治しましょう!被害が出るかもしれません」
という訳で今日から謎の影退治が始まるのだった。
僕は現代文化研究同好会の部室の前に来ていた。
「とりあえず、入るか」
ノックをしてドアを開ける。
「失礼しまーす」
部室に入ると、目の前に2つの机が横向きにくっつけて置いてあり、正面は窓、右側にはロッカー、左奥にケージが置いてある。
そして目の前机の右の席に彼女が座っていた。
「あ、どうぞー」
と笑顔で言ってくれた。
とりあえず、彼女の向かいの席に座る。
「ケージが置いてあるけど、何か飼ってるの?」
「はい、うさぎを飼っています」
と、その時急に彼女と机の間からうさぎが顔を出した。
「うわっ!?」
「あ、驚かせちゃってすみません…」
「い、いや別に大丈夫だよ」
「それなら良かったです」
そのうさぎは全身真っ白で、赤色の首輪がついていた。
「綺麗な色をしているね」
「はい、真っ白でとってもかわいいです!!」
「名前は?」
「ラビ助です!」
「ふーん、ラビ助か……いい名前だね」
「ありがとうございます」
と、部室に来た目的を忘れるところだった。
「そういえば、君の持っている「能力」って?」
「ああ、そういえばそうでしたね」
と言って彼女は立ち上がり、ラビ助をケージに戻した。
「じゃあ、さっそく使いますね」
そう言いつつ彼女は、模様が描いてある右手を前に突き出した。
模様が光り、部室が黄緑色の光に包まれる。
すると彼女の目の前に本が突如出現した。
本が出現すると、光は徐々に小さくなっていく。
そして彼女は目の前に現れた本を手に取った。
「何出したらいいかわからなかったので、適当に家にある本を出して見ました」
「君の「能力」って……」
「私の「能力」は1度見た事のあるものを自由にコピー能力です」
「1度でも見たことがあると、どんな物でもコピーできたりする?」
「多分どんな物でも出せると思います」
凄い、流石は能力者だ……
「それで、あなたの「能力」はなんですか?」
「えっと、なんて言うんだろうな……僕のは、「力」であって「能力」では無いらしいんだよね」
「つまり、どういうことですか?」
「えっと、……」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
彼女に昨日博士から聞いたことをそのまま説明した。
が、彼女の頭にはまだクエスチョンマークが残っているらしい。
「まあ、とりあえずあなたも「身体能力を強化する能力」を持っていることでいいですか?」
「んー、そういうことでいいね」
「そういえば、まだお互いに名前を言ってませんでしたね」
「ああ、確かに」
「それでは、私から自己紹介しますね。私は1年C組の夢野ツムギです。よろしくお願いします!」
「じゃあ僕も、僕は1年A組の湊宮アラタ、こちらこそよろしく!」
「さて、自己紹介も終わりましたし今後どうするかを決めましょう。」
「だね」
そういえば、博士は脅威がどうのこうのとか言っていたような……
「えっとさ、夢野は脅威がどうしたとか聞いてる?」
「はい、聞いてますよ。」
「なら良かった、じゃあ教えて貰ってもいい?」
「良いですよ。脅威というのは、宇宙から来た謎の影のような存在らしいです。」
「影のような存在……」
「その影は何か特別な力とかって持ってたりするの?」
「どうやらその影は他の生命体の体を乗っ取ることができるみたいです」
「乗っ取られるとどうなるかって知ってる?」
「乗っ取られると元の生命体の意識は完全に消えて、その影に操られて死ぬまで他の生命体を襲うようです。……しかも元の生命体よりもかなり能力が上がっているらしいです」
「乗っ取られた生き物を元に戻すことは可能?」
「それがどうやら絶対に出来ないそうです」
それは恐ろしい、1度乗っ取られるとそのまま「死」確定という訳か……
「ですけど、どうやら「力」を貰った人はどうやら乗っ取られることは無いようです」
「じゃあ、僕や夢野は大丈夫っていうことだね、良かった……」
「はい、それとその影は完全に日が落ちてからじゃないと活動できないようです」
「まあ、影だしね昼間に活動できたらどうかと思うね。じゃあ、今後はその影を倒すということで良い?」
「はい、それがいいと思います。」
とここで夢野が言った。
「せっかくなんだか正義の味方みたいなことするので、何かそういう団体とか作りませんか?」
なんだか少し夢野のテンションが上がった気がした。
「もしかして、ヒーローとか正義の味方になってみたかったりした?」
「いえ!全く!!」
夢野がどこか楽しんでいるように見える。
まあ、シリアスな雰囲気ばっかりだと気が参ってしまいそうだし、少し楽しむのも良いかもしれない。
「別に良いんじゃないかな」
「それじゃあ明日までに団体の名前を考えてきてください!!」
と夢野は笑顔で言った。
「ああ、わかったよ。じゃあ影の退治も名前が決まってからにする?」
「いえ、さっそく今日から影を探して退治しましょう!被害が出るかもしれません」
という訳で今日から謎の影退治が始まるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる