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第2章 新たな仲間
第10話 2つの影
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「それでは、画面に点が表示されるまで待ちましょう」
と夢野が言い、本を出して読み始める。
「うん、そうだね」
と僕が返す。
今の時刻は16時ちょうどだ。花霞とソラはまだ来ていなく、部室には僕と夢野の2人だけだ。
「花霞とソラは?」
「花霞さんは追試で、繰上くんは多分自分の部活だと思います」
「へぇー、ソラって部活入ってたんだ」
「らしいですよ。部活と……ものづくり何とかも頑張っているなんて凄いですよね」
「だね。……そういえば、この同好会の活動ってしなくても大丈夫なの?」
僕がこの同好会の活動を特に何もやっていない。一応同好会に入っているんだし何かやった方が良いような気がする。
「それなら大丈夫ですよ。顧問の先生が『廃部にならなければ自由にやってて良い』って言ってたので」
「へぇー、それなら良かった」
その後夢野は本を読んで、僕は課題をやっていたが気がついたら机に突っ伏して寝ていた。
しばらくして、誰が僕の肩を何回か叩きながら、起こしてきた。
「アラタくん! アラタくん!」
「おーいアラタくーん!」
声が2つ聞こえる。 夢野と……多分花霞だろう。一体全体慌ててどうしたんだろう。
「画面見てください! 点が出てます!」
「え!?」
急いで起き画面を見ると、学校から少し離れた神社の場所に赤い点が2つ出ている。
「点が2つ!? 夢野、いつくらいから出てた?」
「ついさっきです。花霞さんが来て色々話してたら、機械からブザーみたいなのが鳴って、画面を見たら2個点が表示されていたんです」
「まじか……」
部室の時計を確認する。今の時刻は18時過ぎくらいだ。
「ソラは?」
「多分まだ部活の最中です。ちょっと出る時に体育館まで行って呼んでこようと思ってるんですけど……」
「じゃあね私が呼んでくるね。2人は先に行ってて!」
と花霞が言う。
「わかった。じゃあ夢野、早く行こう」
「はい!」
花霞と別れ、玄関へと走る。
「それじゃあ、急いで呼んでこないと……」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
夢野と玄関を出てすぐさま神社へと走る。
外は完全に日が落ちていて、辺りは暗闇に包まれている。
神社の烏居の前まで来たが、幸い神社の敷地内は外灯がいくつかあり、周りの状況を確認することは出来そうだ。
「行こう。夢野」
「はい」
と言って僕らは少ししかない石の階段を登り、拝殿の方を見る。
そこには、1人の女の子が賽銭箱の前で参拝していた。一体何故ただの平日に来たのか知らないが、ここにいては危ない。
女の子の周りを見渡すと拝殿の20メートルくらい右側の茂みの方に影らしき物が2ついる。
だが、幸いなことに影はまだ女の子のことには気がついてはいないようだ。今のうちに彼女を安全なところに移動させなければ。
と考えていると、その女の子が鈴をならそうと手を伸ばし、糸を掴んだ。
「まずいっ! 夢野!」
「はい! 行きます!」
全力で女の子の元へ走り出す。意識を首に集中し、「力」を使う。
夢野も走りながら右手の模様を光らせ、何かを出そうとしている。
と、そこで女の子が鈴を揺らす。
ガランガランと鈴の音が鳴り響く。
影が女の子の方を見るのとほぼ同時に僕が彼女の前に立つ。
「早く逃げて!」
と少女の方を向き言うと、その少女は頷き影とは逆の方向へと走り出した。
影の方を見る。
さっきは遠くからで気が付かなかったが、片方は大きな犬のような形をしている。
「間に合わなかったか……」
「アラタくん!」
と夢野が追いつき、僕を呼ぶ。
夢野の手には、ラビ助を倒した時に使った刀と同じようなものが2本握られていた。
夢野はそのうち1本を僕に渡すと、また右手を光らせ何かを出したが、その手には何も握られていない。おそらく、あの時と同じように僕の「力」を出したのだろう。
犬の形をした影がその凶暴な前足の爪で僕達に襲いかかる。
僕と夢野はどちらも上手く躱したが、残っていたもう片方の影が、躱したばかりで隙ができた夢野の横っ腹に突進した。
「キャァァァ!」
影の突進をまともにくらった夢野は数メートル吹き飛ばされ、近くの木にぶつかり、その衝撃で刀を落としてしまった。
「夢野!」
急いで夢野の方へ駆け寄ろうとするが、犬の形をした影が、「俺が相手だ」と言っているかのように立ち塞がり通れない。
「ああ……うう……」
と夢野が立ち塞がり、刀を拾う。
「大丈夫か! 夢野!」
と夢野に叫ぶ。
「はい……まだ大丈夫です……」
と言って、夢野は刀を影の方へと向ける。
「アラタくんは……そっちをお願いします……!」
と言った夢野に僕は
「…ああ!」
と叫び返した。
と夢野が言い、本を出して読み始める。
「うん、そうだね」
と僕が返す。
今の時刻は16時ちょうどだ。花霞とソラはまだ来ていなく、部室には僕と夢野の2人だけだ。
「花霞とソラは?」
「花霞さんは追試で、繰上くんは多分自分の部活だと思います」
「へぇー、ソラって部活入ってたんだ」
「らしいですよ。部活と……ものづくり何とかも頑張っているなんて凄いですよね」
「だね。……そういえば、この同好会の活動ってしなくても大丈夫なの?」
僕がこの同好会の活動を特に何もやっていない。一応同好会に入っているんだし何かやった方が良いような気がする。
「それなら大丈夫ですよ。顧問の先生が『廃部にならなければ自由にやってて良い』って言ってたので」
「へぇー、それなら良かった」
その後夢野は本を読んで、僕は課題をやっていたが気がついたら机に突っ伏して寝ていた。
しばらくして、誰が僕の肩を何回か叩きながら、起こしてきた。
「アラタくん! アラタくん!」
「おーいアラタくーん!」
声が2つ聞こえる。 夢野と……多分花霞だろう。一体全体慌ててどうしたんだろう。
「画面見てください! 点が出てます!」
「え!?」
急いで起き画面を見ると、学校から少し離れた神社の場所に赤い点が2つ出ている。
「点が2つ!? 夢野、いつくらいから出てた?」
「ついさっきです。花霞さんが来て色々話してたら、機械からブザーみたいなのが鳴って、画面を見たら2個点が表示されていたんです」
「まじか……」
部室の時計を確認する。今の時刻は18時過ぎくらいだ。
「ソラは?」
「多分まだ部活の最中です。ちょっと出る時に体育館まで行って呼んでこようと思ってるんですけど……」
「じゃあね私が呼んでくるね。2人は先に行ってて!」
と花霞が言う。
「わかった。じゃあ夢野、早く行こう」
「はい!」
花霞と別れ、玄関へと走る。
「それじゃあ、急いで呼んでこないと……」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
夢野と玄関を出てすぐさま神社へと走る。
外は完全に日が落ちていて、辺りは暗闇に包まれている。
神社の烏居の前まで来たが、幸い神社の敷地内は外灯がいくつかあり、周りの状況を確認することは出来そうだ。
「行こう。夢野」
「はい」
と言って僕らは少ししかない石の階段を登り、拝殿の方を見る。
そこには、1人の女の子が賽銭箱の前で参拝していた。一体何故ただの平日に来たのか知らないが、ここにいては危ない。
女の子の周りを見渡すと拝殿の20メートルくらい右側の茂みの方に影らしき物が2ついる。
だが、幸いなことに影はまだ女の子のことには気がついてはいないようだ。今のうちに彼女を安全なところに移動させなければ。
と考えていると、その女の子が鈴をならそうと手を伸ばし、糸を掴んだ。
「まずいっ! 夢野!」
「はい! 行きます!」
全力で女の子の元へ走り出す。意識を首に集中し、「力」を使う。
夢野も走りながら右手の模様を光らせ、何かを出そうとしている。
と、そこで女の子が鈴を揺らす。
ガランガランと鈴の音が鳴り響く。
影が女の子の方を見るのとほぼ同時に僕が彼女の前に立つ。
「早く逃げて!」
と少女の方を向き言うと、その少女は頷き影とは逆の方向へと走り出した。
影の方を見る。
さっきは遠くからで気が付かなかったが、片方は大きな犬のような形をしている。
「間に合わなかったか……」
「アラタくん!」
と夢野が追いつき、僕を呼ぶ。
夢野の手には、ラビ助を倒した時に使った刀と同じようなものが2本握られていた。
夢野はそのうち1本を僕に渡すと、また右手を光らせ何かを出したが、その手には何も握られていない。おそらく、あの時と同じように僕の「力」を出したのだろう。
犬の形をした影がその凶暴な前足の爪で僕達に襲いかかる。
僕と夢野はどちらも上手く躱したが、残っていたもう片方の影が、躱したばかりで隙ができた夢野の横っ腹に突進した。
「キャァァァ!」
影の突進をまともにくらった夢野は数メートル吹き飛ばされ、近くの木にぶつかり、その衝撃で刀を落としてしまった。
「夢野!」
急いで夢野の方へ駆け寄ろうとするが、犬の形をした影が、「俺が相手だ」と言っているかのように立ち塞がり通れない。
「ああ……うう……」
と夢野が立ち塞がり、刀を拾う。
「大丈夫か! 夢野!」
と夢野に叫ぶ。
「はい……まだ大丈夫です……」
と言って、夢野は刀を影の方へと向ける。
「アラタくんは……そっちをお願いします……!」
と言った夢野に僕は
「…ああ!」
と叫び返した。
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