【完】初恋相手が皇子とか勘弁しておくれよ

いとこんドリア

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36.逢瀬

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 満足するまで求められて、求められ尽くされて、唇が果実のようにふやけたままでゆっくり顔を離された。熱がこもった視線があうと、ノア君は吐息を吐きながらしつこく訊いてくる。

「は……なあ、言えよ。何を期待してるのか」
「い、言わなくてもわかるでしょっ」
「言わないとわかんないな。キスだけでこんなに色っぽい顔して。淫乱になってきたなオマエ」
「い、淫乱って……」
「俺の前だけ限定」
 
 私の頬をスッと撫でて、大事そうに、愛おしそうに頬にキスをされる。意地悪な事を言いながらもとても大事に扱われるから嬉しい。

 ノア君だけだよ、私を女の子扱いしてくれるのは。村にいた頃は女どころか男扱い同然だったから、優しくされるのはくすぐったくてますますキミに虜になってしまう。再会した当初はあれだけ下働きブスだのなんだのと言っていたのにね。ノア君から目が離せなくなる。

「ノア君のせいじゃんか。こんな体にさせたのだって……」
 
 体が熱い。もっと、それ以上の何かを期待するように躰が疼く。体はとても正直で、腰の奥がキュンキュンとして異物を欲しがってる。ノア君の熱くて火傷しそうな存在と、注がれるたくさんの欲望を。想像するだけで下着が少し湿ってきたかもしれない。

「たしかに俺のせいだな……成り行きでお前を激しく抱いたんだから」
「……っ」
「お前の最奥をあんなに侵した」

 腹の奥がまたピクンと疼く。先日の濃厚な情事の事を思い出すたびにこうだった。体にあの行為の快楽が鮮明に刻まれてしまったのだ。触れられる悦びと、奥を貫かれる快楽を。愛し、愛される幸せに何度も悦に入っていた。

 知らなかった頃の、淡い初恋を抱いていた自分にはもう二度と戻れない。大人の階段へと一気にのぼってしまったんだ。

「お前の口からはっきり言えよ、カーリィ。聞きたい」

 耳元で煽るような命令口調と熱っぽい視線から逃げられない。
 私は顔を赤くして押し黙る。余計な理性と羞恥心が邪魔をして言葉にならない。

「言わないとこれから何もしてやらないよ」

 そんな意地悪な事言う。こんな体にしておいて尚恥ずかしがらせようとする。私は羞恥心を我慢しながら口をもごもごと開く。

「さ、最近、先日の事ばっか考えちゃって……ノア君のことが……頭から離れなくてっ。だから……あ、あの時の、こと……期待して……ました……うぅ、もうばかっ!」
 
 仕事中にもふと先日の情事が頭をよぎって体が疼くことが増えて困っていた所だ。シたくてたまらないって。そう自棄になって説明すればさらに恥ずかしくなって、逃げようとしたらノア君に腕を掴まれて壁に追いやられた。そのまま再び唇を重ねられる。今度は軽く唇をくっつけるだけのもの。

「俺も……カーリィの事ばかり考えてた。お前を激しくかき抱いたあの時からずっと。脳内でお前を犯している妄想ばかり考えてしまうんだ」

 唇がくっつくかくっつかないかの距離で見つめられて、吐息が頬にかかる。背後は壁だから逃げられない。腰がガクガクして、ノア君の色気にあてられてますま下着が濡れてきている事に気づく。

「ノア君のすけべ」
「俺はカーリィに対してだけ助平でいい。それ以外は空気にすら思えないくらいどうでもいい事」

 背中に手をまわされて、抱きしめられる。大好きな人の匂いに胸がきゅうっと締め付けられて満たされる。欲しかったぬくもりと香りに包まれて幸せな気持ち。ここに快楽も加わればもっと幸せな気持ちになれる確証がある。

「可愛いお前を脳内で可愛がるだけじゃ足りなくて、生ではやく味わいたい。いっぱい触れたくてたまらなかった」

 髪を解かれて手櫛で優しく梳かれる。時々、髪や耳や頬の至る所に口づけられて、ノア君の愛撫が心地いい。

「お前もだろ?」

 耳元で訊ねられて私は恥ずかしげに頷くと、

「んっ……」

 三度唇を重ねられる。ノア君の舌先が優しく私の唇を舐めて吸う。私も愛おしくなって吸いかえして舌を差し出す。ノア君がその舌を優しく絡め取って、私の舌先を愛撫しながら体中をまさぐるように撫でまわしてきた。

 もう後戻りはできない。この関係とこの甘い淫蕩に浸る事に。

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