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51.幸せのエピローグ(完)
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あれから何事もなく数年の月日が流れた。
皇太子アラン殿下が死去したという号外が帝都や近隣諸国、このオリーブに衝撃とショックを与えたが、半年以上も経てば落ち着き、次の皇太子の話題に移り変わっていた。当時はアラン殿下が亡くなったという事でたくさんのファンの女性達が嘆き悲しんだが、女性達は現金なもので、今はもう現皇太子殿下の話題で持ちきりだった。
「フレッドがもうすぐ皇帝に即位するらしいな」
「嫁さんももらって、これで帝都も安泰だね」
フレッドさんが皇太子殿下として現在進行形で公務を行っている。時々、次期皇帝陛下として大人達に混じって摂政を行っているらしく、その手腕は確かなようだ。それにあと数か月で戴冠式も迫っている。きっと立派に成長しているのだろう。
ちなみになぜこんな事を知っているかって?それは時々、帝都に住んでいるアンから手紙がきて逐一報告してくれるからだ。
「みんな息災のようだな」
「これからさらに忙しくなるから健康には気を付けているみたいだよ。特にアンは初出産も控えているらしいし」
彼らも幸せな夫婦生活を送っているようで一安心。帝都ではチラホラと平民と貴族が結ばれるようになって、時代が少しだけ変わったように思う。アンの結婚を皮切りに身分の壁はどんどん隔たりが消えていっているのかもしれない。私達にしたらとてもいい事だ。
「カーリィも二人目だからといって調子に乗って動き回るなよ。お前は落ち着きがないんだから」
「ノア君だって私が数時間いないだけで大騒ぎするくせに」
「お前がいないなんて嫌だからだよ。でもカーリィのおかげで今は一人で何でもできるようになった。父親としてオムツ替えもお手の物になった。成長したなあって自分でも思う」
「ノア君……」
最初こそなかなか平民の生活に慣れず、皇太子時代の偉そうな態度がなかなか抜け切れずに揉める事もあったが、今じゃ立派な村人の一員として、私の愛する旦那様として隣にいてくれる。
「オジー!ノランは寝ちゃった?」
「ああ、ぐっすりだ。今日はいっぱい遊んでやったからな。ひ孫と遊べるわしは幸せ者じゃ」
「オジーったら……まだまだ長生きしろよな。これから二人目も生まれるんだから」
「当然だ。生まれてくるひ孫を全部見るまでまだまだくたばらんぞ。老い耄れを舐めるな」
髪も歯も全部無くなっちまったけどオジーは老害が治ってから元気溌剌だ。これなら100歳以上は生きるだろう。目指せ世界最高齢!である。
「二人目の名前、何にしよっか」
「次は女の子がいいな。女の子だったらカイリーがいい。カーリィーに似てると思うから」
「私はどちらでもいいよ。ノア君と私の子供だから性別はなんであれ可愛いと思うし」
「カーリィ……あー……ヤリたい。可愛いお前を見てるとムラムラするんだけど」
「っ、出産するまで我慢してよね。もうすぐ、だから」
「我慢できるかなぁ。まあ、可愛い二人目の赤ちゃん産んだ後は抱きつぶしてやるから」
ノア君は楽しみにそう言う。ノランを生む前もこう言ってて、いざ産んだ後はその言葉通り抱きつぶされて二人目がすぐ発覚。ノア君の精力がありすぎて三人目もすぐできてしまいそうだ。
「営みできない分、いっぱいキスしていちゃいちゃしたい」
「……うん。いっぱいしようね」
「おいこら!わしを忘れてリア充バカップルになるでない!!わしが居たたまれんだろうが~~!!」
入れ歯が飛びそうなオジーと、可愛い我が息子、そして愛しい旦那様。
私達は家族みんなで幸せに暮らしましたとさ――。
終わり
ここまで読破してくださりありがとうございました!次回作はBLとなります。
皇太子アラン殿下が死去したという号外が帝都や近隣諸国、このオリーブに衝撃とショックを与えたが、半年以上も経てば落ち着き、次の皇太子の話題に移り変わっていた。当時はアラン殿下が亡くなったという事でたくさんのファンの女性達が嘆き悲しんだが、女性達は現金なもので、今はもう現皇太子殿下の話題で持ちきりだった。
「フレッドがもうすぐ皇帝に即位するらしいな」
「嫁さんももらって、これで帝都も安泰だね」
フレッドさんが皇太子殿下として現在進行形で公務を行っている。時々、次期皇帝陛下として大人達に混じって摂政を行っているらしく、その手腕は確かなようだ。それにあと数か月で戴冠式も迫っている。きっと立派に成長しているのだろう。
ちなみになぜこんな事を知っているかって?それは時々、帝都に住んでいるアンから手紙がきて逐一報告してくれるからだ。
「みんな息災のようだな」
「これからさらに忙しくなるから健康には気を付けているみたいだよ。特にアンは初出産も控えているらしいし」
彼らも幸せな夫婦生活を送っているようで一安心。帝都ではチラホラと平民と貴族が結ばれるようになって、時代が少しだけ変わったように思う。アンの結婚を皮切りに身分の壁はどんどん隔たりが消えていっているのかもしれない。私達にしたらとてもいい事だ。
「カーリィも二人目だからといって調子に乗って動き回るなよ。お前は落ち着きがないんだから」
「ノア君だって私が数時間いないだけで大騒ぎするくせに」
「お前がいないなんて嫌だからだよ。でもカーリィのおかげで今は一人で何でもできるようになった。父親としてオムツ替えもお手の物になった。成長したなあって自分でも思う」
「ノア君……」
最初こそなかなか平民の生活に慣れず、皇太子時代の偉そうな態度がなかなか抜け切れずに揉める事もあったが、今じゃ立派な村人の一員として、私の愛する旦那様として隣にいてくれる。
「オジー!ノランは寝ちゃった?」
「ああ、ぐっすりだ。今日はいっぱい遊んでやったからな。ひ孫と遊べるわしは幸せ者じゃ」
「オジーったら……まだまだ長生きしろよな。これから二人目も生まれるんだから」
「当然だ。生まれてくるひ孫を全部見るまでまだまだくたばらんぞ。老い耄れを舐めるな」
髪も歯も全部無くなっちまったけどオジーは老害が治ってから元気溌剌だ。これなら100歳以上は生きるだろう。目指せ世界最高齢!である。
「二人目の名前、何にしよっか」
「次は女の子がいいな。女の子だったらカイリーがいい。カーリィーに似てると思うから」
「私はどちらでもいいよ。ノア君と私の子供だから性別はなんであれ可愛いと思うし」
「カーリィ……あー……ヤリたい。可愛いお前を見てるとムラムラするんだけど」
「っ、出産するまで我慢してよね。もうすぐ、だから」
「我慢できるかなぁ。まあ、可愛い二人目の赤ちゃん産んだ後は抱きつぶしてやるから」
ノア君は楽しみにそう言う。ノランを生む前もこう言ってて、いざ産んだ後はその言葉通り抱きつぶされて二人目がすぐ発覚。ノア君の精力がありすぎて三人目もすぐできてしまいそうだ。
「営みできない分、いっぱいキスしていちゃいちゃしたい」
「……うん。いっぱいしようね」
「おいこら!わしを忘れてリア充バカップルになるでない!!わしが居たたまれんだろうが~~!!」
入れ歯が飛びそうなオジーと、可愛い我が息子、そして愛しい旦那様。
私達は家族みんなで幸せに暮らしましたとさ――。
終わり
ここまで読破してくださりありがとうございました!次回作はBLとなります。
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