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第7章 吸血鬼、日々鍛えてますから!

第162話 夜のサバンナ

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「うわぁ……なにここ?」

 ダンジョンを入ると……そこは草原が広がる……夜のサバンナだった。
 上を見上げると、満月、半月、三日月の3つの月が浮かんでいて、ここが現実世界ではないことを伝えてきていた。

「うわぁ、厄介やわぁ」
「ワシ、このダンジョンは苦手だ」

 ラピスとキセノンは、ダンジョンに入るや否やそんなことを呟いた。
 確かに、辺りは真っ暗で、灯りと言ったら空に浮かぶ月ぐらいだった。
 ……ていうかラピス、身に纏ってる鎧が黒いからか、全く姿が見えない……月の光の反射でなんとなくわかるけど。

「これ、モンスター見つけられるかな? そもそも安全地帯も……」
「大丈夫! アタシに任せてよルリルリ!」

 私の心配をよそに、リンは自信満々だった。

「そういえば、お前は目が良いからな」
「うん! 援護は任せて!」

 なるほど、やはり狙撃が得意なだけあって、こういう暗闇も得意なのか。
 目が良いっていいな……。
 
「……と、悠長に話をしている場合じゃないで、ほな、前……」

 ラピスの声を聞き、前を見ると、確かに黄色い光がこちらに近づいてきているのが分かった。

「……コボルトだね、ルリルリ、奴らはゴブリンよりもバリ賢いから気を付けて!」
「う、うん!」

 コボルト……つまり狼の怪物か。
 奴らは群れで行動しているのか、目と思われる光が複数個見えてきた
 私は刀を構え、応戦する準備を整えた。

「ゴル爺! 伏せてそのまま切りつけて!」
「おうよ! おらぁ!」

 リンが指令を出すと、ゴルドはその通りに動いた。
 ゴルドが伏せると同時に、リンが矢を放った……そしてそれは、ゴルドの目の前にいたコボルトに命中し、煙になった。
 ゴルドは伏せたと同時に突撃を開始し、1体ずつコボルトを切りつけて行った。

「ラピラピ! 左側のコボルトがルリルリに襲い掛かってる!」
「お? せいや!」

 ラピスはリンの指令を聞き、私の前に瞬間移動の如く移動し、扇子でコボルトを切りつけた。
 あ、あぶない……やられるところだった……。

「ルリルリ! 目の前にコボルトの隊列! 前進しながら左右交互に切り付けて!」
「う、うん!」

 前にコボルトの隊列……確かに、光が複数個浮いているように見える……よし。
 私はリンの指令通りに左右交互に切り付けて行った。
 すると、獣の唸り声が聞こえ、煙になっていくのが分かった。

「よーし! ラピラピはゴル爺を踏み台にして向こうのコボルトを! ゴル爺は馬飛びの体勢! ルリルリはゴル爺の近くに居る敵を切りつけて!」
「おいおい、ワシが踏み台!?」
「つべこべ言わんと背中向けろや!」
「あぁちくしょう!」

 ゴルドはリンの指示通りに、お辞儀をよりも深く腰を下げた。
 ラピスはゴルドを踏み台にし、高く飛び上がった。
 なるほど……遠くの方にいるコボルトをラピスが、そしてゴルドががら空きになったのでそれを私が処理するわけね! よーし!
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