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第8章 立ち上がライズ! ドワーフじゃーないと!

第190話 突然の攻撃

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「はぁ……はぁ……もう少しだ、頑張れ!」

 ゴルドは看護師と銀次を抱え、進み続けていた。

「ほら、あそこだ!」

 ゴルドが指を差した先、そこには魔法陣が目印の洞穴があった。

「……ゴルドちゃん!」

 洞穴の前、キセノンがもしもの事を考え、3人が来るのを待っていた。
 キセノンは3人を見ると、一目散に駆けだした。

「私……2人……運ぶ……」
「おう、頼む……」

 キセノンがまず、看護師を抱え、次に銀次を抱えようとした……その時。

「……危ない!」

 キセノンが咄嗟に看護師を引っ張り、「攻撃」を避けた。
 そう、4人に目掛けて、ワイバーンが突進攻撃を仕掛けてきたのだ。
 看護師とキセノン、銀次とゴルドの二手に分かれてしまい、その中で、ワイバーンが再び攻撃を仕掛けようとしていた。

「キセノン! その女を早く安全地帯に運べ!」
「でも……ゴルドちゃん……」
「早くしろ!」
「うん……」

 キセノンは看護師を抱え、早急に安全地帯へと入った。

「よし、銀次、このトカゲ野郎はワシが何とかする、お前はあそこの洞穴に向かえ! いいな?」
「ちょ、ちょっとおじちゃん……僕には……そんなこと……」
「お前ならできる! 自分を信じろ! 銀次!」
「そ、そんな……」

 ゴルドの言葉に銀次は何も言えないでいた。
 果たして自分にはできるのであろうか? この人は何を無茶なことを言っているのであろうか?
 そんなことを銀次は思い浮かべた。

「ほら銀次! 来るぞ! ここはワシに任せていけ!」
「お、おじちゃん……」
「いいからいけ!! お前ならできる!!」

 ゴルドが銀次の背中を押し、銀次は脚を震わせながらも、物陰に隠れながら前へ前へと進み始めた。

「はぁ……はぁ……」

 無茶だ、できない、途中で転んで死んでしまう。
 銀次の脳内には、そんな言葉しか思い浮かばなかった。
 一方、背中を押したドワーフ……ゴルドはワイバーンを迎え撃ち、斧で応戦していた。

 銀次は……その様子を横目で覗いた。

「お、おじちゃん……」

 銀次の目から見えたゴルド、その姿はまるで、西洋の神話に登場するような戦士だった。
 聖書を読んだことのない銀次も、その姿はとても壮大なものだと、そう認識した。

「……かっこいい」

 物陰に隠れ、思わず見とれてしまう銀次だったが……。

「えぇ!? な、なにあれ……」

 突如、ゴルドと戦っていたワイバーンの後ろから……そのワイバーンよりも4倍近く大きい個体が現れた。
 この世の物とは思えない……映画やゲームでしか見ないような怪物が、銀次の目の中に飛び込んできた。
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