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第9章 サンルートの王、参上!

第212話 クレーム

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「……とまぁ、そういうわけさ! いやはや、君の言葉は大変参考になったんだよ! どうもありがとう!」
「言葉?」
「あぁ! 君の言葉を余の配下……じゃない、今は部下か……部下に言ったところ、作業効率が上がってねぇ!」
「あの、話が見えてこないんですけど……」

 配下? 部下? 私の言葉? 一体何の話をしているんだろう?

「あの、陛下……」
「うわぁ!? びっくりした……」

 困惑する中、突然、陛下の後ろから、金髪の白人の女の子が出てきた。
 ……どこにいたのこの子!?

「おいおい『ジルコ』、ここでは『陛下』じゃなくて、『店長』と呼べと言っているであろう?」
「あぁ、すみません……店長、お客様からお電話で……まぁ所謂クレームが来ています、処理お願いします」
「はいはい、すまないがちょっと待っていてくれたまえ、すぐに終わるから」

 そう言って、陛下は女の子と一緒に店の中へと入っていった。
 て、店長? 店長ってどういう事?
 それにあの女の子……多分サンルートの子だよね? 白人っぽい見た目なのに日本語ペラペラだったし。

「ねぇルリルリ、ずっと思うんだけど……なんでこのお店、サンルートの人しか働いていないんだろう?」
「確かに、それは私も思った」

 あの女の子も店の中のサンルート人と同じようにスーパーの制服を着ていたし、名札もつけていた……。

「このスーパー……一体どうなっているんだろう?」

 私とリンは、店長が戻ってくるまで、待ち続けた。



「まだかなー」
「クレーム対応に時間掛かってるみたいだね」

 あれから10分くらい経っているが、まだ陛下は戻ってこない。
 さっきクレームがどうのこうのって女の子が言っていたけど……これは電話の向こうの人、かなりキレてるね。

「くれーむたいおう……って具体的に何するの?」
「あー、まぁ簡単に言えば、自分の扱いに納得できなくて文句を言う人を宥めることだよ」
「うーん……大体分かったかも! つまりイチャモンつけてきた人を鎮めるんだね!」
「う、うん、まぁそうかな?」

 やはり人間、自分の扱いが不当だと感じたら不満の一つや二つは出てくる。
 それが限界まで近づくとクレームをつけたくなるものだ。
 現に私も……。

「……」

 やばい、今日の私、なんか変だ。
 疲れてるのかな? 大学院の研究に、ダンジョン探索……一回休んだ方がいいかも……。

「お待たせ!」
「う、うわぁ!? い、いつのまに!?」

 考え事をしていると、突然目の前に先程消えた陛下と女の子が現れた。
 ……本当に、突然現れた。
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