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第12章 戦いの結末は、探索者たちが決める!

第310話 その空想は、現実となりて

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「じゃあ……クロムちゃん……ここに……横になって」
「おう」

 クロムはソファの上で横になり、目を閉じた。

「それじゃ……今から……魔法で……皆のピカピカを……クロムちゃんに……流し込む」
「そんなことできるの!?」
「うん……みんな……クロムちゃんの……頭の上で……手を翳して」

 私たちはキセノンの指示通り、クロムの頭上に手を置いた。

「それじゃ……みんなのピカピカ……想像して……」

 私の……ピカピカか。
 ピカピカと聞いてまず真っ先に思い付いたのは……異世界の住人……リン達4人と出会ったこと、その異世界の人たちと一緒に食事をしたり、笑い合ったり、ダンジョン探索をしたりしたこと。
 それが……私のピカピカだ。

「それじゃ……行くよ? 『我らが考え……貴殿の考え……その空想は……現実となりて……』」

 キセノンが何やら呪文を唱えると、私たちの掌の下から魔法陣が現れた。
 それはやがてクロムを覆いつくすくらいに大きくなっていった。
 これ、クロムは大丈夫なの? なんか心配なんだけど……。

「おお……これが、みんなのピカピカかぁ……」

 クロムの顔を魔法陣越しに見てみると……目を閉じながら、歯を見せて笑っていた。
 なんだかクロム、とても幸せそうに見える……。
 キセノンは呪文を唱え続けていたが……段々と、その唱える口が遅くなっていることに気付いた。
 ふと、キセノンの方を見ると、今にもバランスを崩そうとしていた。

「あ、危ない!!」

 咄嗟に叔母さんがキセノンの体を支えた。
 か、間一髪……あと少しで、キセノンの後頭部が床に激突するところだったね。

「ほら、皆もよそ見しないで! 集中しなさいな!」

 叔母さんはキセノンを支えつつ、私たちを応援し続けた。
 そうだ、ここは集中……私のピカピカ……考え続けないと……。

……私たちは目を閉じ、集中し続けた……
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