動物に成り切るしか能がないと言われて追放された私、慰謝料代わりにもらったゴミアイテムで街に現れたモンスターを倒したら英雄になった件

立風館幻夢/夜野一海

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第43話 合流

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「死ね……死ねえええええええええええええええええええええ!!」

 ドラゴンロードの両腕が……それぞれ、2人の肉体を貫いた。

「ぐはぁ……」
「な、なんだと……毒が……効いてるはずじゃ……」

 ……ニクスの予測は大きく外れ、ドラゴンロードは意気揚々と復活する。
 そして、2人はそのまま……血を流して倒れた。
 ……だが、そんな2人の体が突然脈打ち、カロンは獣のような体毛が生え、ニクスは顔が豚のように変化した。
 カロンは……「コボルトロード」に、ニクスは、「オークロード」に覚醒した。

「ふぅ……ふぅ……」

 ドラゴンロードは覚醒した仲間を見ると、殺せないと判断したのか、どこかへと飛び去ってしまった。
 ……カロンとニクスは、血だらけのまま、何事も無かったかのように立ち上がった。
 そして……己の欲望を口にした。

「俺は……強いんだ、言う事を……聞けえええええええええ!!」
「あぁ、汚い、汚らわしい!! 綺麗にしなくちゃ……綺麗にいいいいいいいいいいい!!」

 2人は各々欲望を叫び、暴れ始めた。



「はぁ……はぁ……」

 私は走っていた、街の中を。
 ロープは既に先に行っていると言っていた……早く援護しなければ。

「きゃああああ!!」
「だ、誰か助けてくれ!!」

 前から人が走ってきている。
 各々恐怖を露わにしながら私とは反対の方向へ向かっていった。

「あそこに……ロードモンスターが……」

 ……逃げる人々を掻い潜りながら、走り続けていると、所々で、人々が眠っていた。
 この人たちは……ロードモンスターに……。
 許せない、早く止めなきゃ……。
 ……そんな時。

「……いた!」

 遠くの方で豚のような怪物……恐らくオークと思われる者が暴れていた。
 奴は……オークロードというべきなのだろうか?
 オークロードは、街中が殺戮の限りを尽くしていて、数人の冒険者が、奴と戦っているようだった。
 そのうち一人は……。

「……ロープ!!」

 ロープだった。
 ロープは、オークと戦っているが……押されているようだ。
 行けない! 私も応戦しなきゃ! 私は弓を弾き、奴目掛けて攻撃を仕掛けた。

「アニマさん! 来てくれたんですね!」
「うん! ごめんね! 待たせちゃって!」

 私はロープを抱きしめ、お互いの安否を確認した。

「私……決めた、もう迷わないって」
「……アニマさん」
「確かに彼らは元々人間だった……でも、彼らを止めなければ、また犠牲になる人が増える……それを止められるのは……私たちしかいない!」

 ……これが私の決意だ。
 彼らを止めなければ、もっと犠牲者が出る……それを止められるのは、私たちしかいない。
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