7 / 11
パパラ、プレゼントをいただきました!
しおりを挟む
さて程なくして彼女はちゃんと指定通り、飲み物を用意して戻ってきた。
器が満たされる様子を見つめていたシークが、ああそういえば、と何気なく口を開く。
「一応言っておくが、万が一媚薬なんか入れていたら全部貴様にぶち込んで適当な所に放置するからな」
「まあ――!」
「顔を赤らめるな」
「ダーリンそんな……わたくしにもシチュエーションの好みや心の準備というものが……せめて日が降りてから、ゆっくりと一枚ずつ……ああでも、激しいのもそれはそれで――」
「そなたの趣味嗜好はこの際どうでもいいのでこの茶の安全性について答えよ。飲めるのかこれは」
パパラは己の妄想で身をくねらせていたようだが、突っ込みのないボケほど不毛なものはこの世にない。
シークがあくまで真面目モードを続けていると、鍛えた軍人のようにぴしりと伸びた姿勢、美しく敬礼して微笑んだ。
「ご安心なさいませ。正真正銘ただのお茶です。多少リラックス効果があり疲労が取れる程度でしょうか。いえ別にご期待にお応えしてもいいのですけれど? こういう場合、悪さをすると真っ先に自分に返ってくるのがお約束――」
「大体わかった。ではそなたも飲むがよい」
「ほら案の定。慎重なお方ですこと」
パパラは首をすくめつつ、特に逆らう事なく自分の分も注いだ。
ということは彼女の分まで茶器が用意されているということでもあるのだが、もはや誰もそのことを不自然と思っていないらしい。
「……ところでこの場合、顔の布はどうするのが正解ですの?」
「部族にもよるが、どこにも共通して言えることは頭の布を人前で取ってはならぬということのみ、顔はそなたの好きにするがよいだろう。見せても構わなければ取れば良い、見せて不都合ならまあ少々頑張って顔を見せずになんとかするがよい」
「かしこまりましてよ、我が王」
女は微笑むと、素早く口元を隠す布を外し、お茶を楽しむ。
しかし本当に美しい女だ。
シークも美形だが、男らしさは失っていない。
一方パパラは顔ですぐ女性とわかる、優美な眉や細い鼻筋、それでいて赤く艶やかな唇を持っていた。美醜の好みは個人にあれど、万人に確かに整っていると言わしめる顔であることは確かだ。
これで普段のあれこれがなければいくらでも貰い手はあるだろうに、むしろこの女を巡って戦争すら起こるだろうに、天は二物を与えなかったか、それとも逆にこれが神の愛情の産物なのか……。
さてそんな男の複雑な胸中を知ってか知らずか、女は茶の香りを楽しんだ後、ゆっくり時間をかけて飲み干してほっと息を吐いた。
それを見計らい、王は懐をごそごそ漁って何やら取り出し、手を突き出す。
「飲んだか。ではこれを」
女がぎょっとしたように目を見張り、硬直した。それからおずおず、恐る恐る小声で尋ねる。
「……あのう、我が王」
「なんだ。早く受け取れ」
「いえその……わたくしの勘違いだと思うのですけれどね? 気のせいでなければこれは、プレゼント、というものなのでは……」
「なんでもいい、くれてやるから受け取って首から提げるのだ」
パパラは彼女にしては珍しいことに狼狽した。周囲に目をやれば、付き人達は「どうぞどうぞ、王のご意向ですから」と手でジェスチャーをしている。無視より逆に怖い気もする。
しかし最終的には恋する乙女だ、どういう理由かはさっぱりわからない、最悪嫌われているが故の行動なのだとしてももらえるものは嬉しい。
おっかなびっくり受け取った後、言われた通り身につけてみれば、それはアブラダーバ国特有のお守りだった。
砂漠には昔から、目に魔が宿る、見る事で邪を追い払う、という信仰が存在する。
人の目を模した首飾りのお守りは、この地方特有のものであり、外国からの観光客など真っ先にお土産に選ぶ縁起物でもある。
さてパパラが貰ったお守りは、一見魔石で作られたかのように思われるのだが、よくよく観察してみればそれは魔油を加工して固めたものではないか。
しかも珍しいことに、金色の目を模していた。通常のお守りは青色だ。これはもしかしなくともチョーシーク達の一族の目を表している特別製なのでは――はっとなった彼女が顔を上げれば、そういえばシークがぶら下げている数あるじゃらじゃらの一つに同じデザインのお守りが存在しているではないか!
「我が王とおそろい……ウフフフフ……」
ここまで衝撃展開が重なると驚きはちょっと弱くなるらしい。
感極まって奇声を漏らし始めた女を見て、少し遅れて茶を口にしていたシークが杯を置く。
「少しは落ち着いたか。顔色も戻ってきたようだな」
「何のことでございましょう?」
「魔力酔いだろう。そなたは人間離れした魔力を持つ。この施設で全く影響がないと言う方がおかしい。耐性がなければさぞいるだけで辛かろう」
お茶を飲み終わったためだろう、口元の布を戻した女は訝しげに眉を顰めたが、シークの言葉にまたも目を見開いた。
「私の寝所にすら潜り込むそなたが国家機密を重視してくれるとは思わぬからな。現にここにもしれっと入り込んでいる。しかしやはりいつもに比べると元気がない。ならば、そうできない理由がある――順当に言って魔力酔い、と考えるのが自然であろうよ」
「この格好でおわかりになりますの?」
「人を読むのも私の仕事の一つだ」
「……それでわたくしにこれを下さりましたの?」
「仕事をしろと言ったろう。報酬が必要ではないか」
「よろしいのですか? 敵に塩を送ったりして」
「敵対の意思があればもっと効率よく動く。……まあ私には度しがたいことだらけだし迷惑していないと言えば嘘になるが、少なくとも私が本腰を入れてそなたを排除せねばと思うほどのことをするつもりはないのだろうよ――と、思わない、わけでも、ない」
そこでシークは居心地悪そうにお茶に手を出した。
のだが、先ほど空にしたばかりである。
口に持ってきてそれを思い出したらしい王は一瞬固まり、それからわざとらしさを感じさせるような咳払いをして、そうだ私は最初からこうするつもりだったのだ、とでも言うように空の茶器の中に視線を落とす。
「これはどうやらオリジナルのブレンドらしいな。肉体の疲労感を緩和すると共に、精神面を落ち着かせ、魔力を整えさせる効果を持つといったところか」
「……我が王は本当に良い目をお持ちですこと。このような方に運命を感じられて、わたくし、幸せ……」
ほう、と感嘆する女に、ちらっとシークは流し目を送り、迷った風情を見せてから、それでも唇を薄く開いた。
「そなた、私のために故郷を追い出されたと以前申したが。私は本当に、国を捨てるほどの男か?」
「あら、意外ですこと。我が王はご自分に自信がおありにならないのでしょうか?」
「そんなことはない。自負がなければシークなど務まらぬ。ただ……どうしても、理解できぬだけだ。それほどの熱を向けられる理由が」
そしてなぜだろう、その理解できない部分を、以前ならばどうでもいいと切り捨てていただろうに、最近では知ってみたい――とまで、思うようになってきている。
残る言葉は口には出されない。
パパラはふっと虚空に目を彷徨わせた後、チョーシークに微笑みかけた。
「……では王にお応えしまして、もう少し詳しくお話を致しましょうか」
器が満たされる様子を見つめていたシークが、ああそういえば、と何気なく口を開く。
「一応言っておくが、万が一媚薬なんか入れていたら全部貴様にぶち込んで適当な所に放置するからな」
「まあ――!」
「顔を赤らめるな」
「ダーリンそんな……わたくしにもシチュエーションの好みや心の準備というものが……せめて日が降りてから、ゆっくりと一枚ずつ……ああでも、激しいのもそれはそれで――」
「そなたの趣味嗜好はこの際どうでもいいのでこの茶の安全性について答えよ。飲めるのかこれは」
パパラは己の妄想で身をくねらせていたようだが、突っ込みのないボケほど不毛なものはこの世にない。
シークがあくまで真面目モードを続けていると、鍛えた軍人のようにぴしりと伸びた姿勢、美しく敬礼して微笑んだ。
「ご安心なさいませ。正真正銘ただのお茶です。多少リラックス効果があり疲労が取れる程度でしょうか。いえ別にご期待にお応えしてもいいのですけれど? こういう場合、悪さをすると真っ先に自分に返ってくるのがお約束――」
「大体わかった。ではそなたも飲むがよい」
「ほら案の定。慎重なお方ですこと」
パパラは首をすくめつつ、特に逆らう事なく自分の分も注いだ。
ということは彼女の分まで茶器が用意されているということでもあるのだが、もはや誰もそのことを不自然と思っていないらしい。
「……ところでこの場合、顔の布はどうするのが正解ですの?」
「部族にもよるが、どこにも共通して言えることは頭の布を人前で取ってはならぬということのみ、顔はそなたの好きにするがよいだろう。見せても構わなければ取れば良い、見せて不都合ならまあ少々頑張って顔を見せずになんとかするがよい」
「かしこまりましてよ、我が王」
女は微笑むと、素早く口元を隠す布を外し、お茶を楽しむ。
しかし本当に美しい女だ。
シークも美形だが、男らしさは失っていない。
一方パパラは顔ですぐ女性とわかる、優美な眉や細い鼻筋、それでいて赤く艶やかな唇を持っていた。美醜の好みは個人にあれど、万人に確かに整っていると言わしめる顔であることは確かだ。
これで普段のあれこれがなければいくらでも貰い手はあるだろうに、むしろこの女を巡って戦争すら起こるだろうに、天は二物を与えなかったか、それとも逆にこれが神の愛情の産物なのか……。
さてそんな男の複雑な胸中を知ってか知らずか、女は茶の香りを楽しんだ後、ゆっくり時間をかけて飲み干してほっと息を吐いた。
それを見計らい、王は懐をごそごそ漁って何やら取り出し、手を突き出す。
「飲んだか。ではこれを」
女がぎょっとしたように目を見張り、硬直した。それからおずおず、恐る恐る小声で尋ねる。
「……あのう、我が王」
「なんだ。早く受け取れ」
「いえその……わたくしの勘違いだと思うのですけれどね? 気のせいでなければこれは、プレゼント、というものなのでは……」
「なんでもいい、くれてやるから受け取って首から提げるのだ」
パパラは彼女にしては珍しいことに狼狽した。周囲に目をやれば、付き人達は「どうぞどうぞ、王のご意向ですから」と手でジェスチャーをしている。無視より逆に怖い気もする。
しかし最終的には恋する乙女だ、どういう理由かはさっぱりわからない、最悪嫌われているが故の行動なのだとしてももらえるものは嬉しい。
おっかなびっくり受け取った後、言われた通り身につけてみれば、それはアブラダーバ国特有のお守りだった。
砂漠には昔から、目に魔が宿る、見る事で邪を追い払う、という信仰が存在する。
人の目を模した首飾りのお守りは、この地方特有のものであり、外国からの観光客など真っ先にお土産に選ぶ縁起物でもある。
さてパパラが貰ったお守りは、一見魔石で作られたかのように思われるのだが、よくよく観察してみればそれは魔油を加工して固めたものではないか。
しかも珍しいことに、金色の目を模していた。通常のお守りは青色だ。これはもしかしなくともチョーシーク達の一族の目を表している特別製なのでは――はっとなった彼女が顔を上げれば、そういえばシークがぶら下げている数あるじゃらじゃらの一つに同じデザインのお守りが存在しているではないか!
「我が王とおそろい……ウフフフフ……」
ここまで衝撃展開が重なると驚きはちょっと弱くなるらしい。
感極まって奇声を漏らし始めた女を見て、少し遅れて茶を口にしていたシークが杯を置く。
「少しは落ち着いたか。顔色も戻ってきたようだな」
「何のことでございましょう?」
「魔力酔いだろう。そなたは人間離れした魔力を持つ。この施設で全く影響がないと言う方がおかしい。耐性がなければさぞいるだけで辛かろう」
お茶を飲み終わったためだろう、口元の布を戻した女は訝しげに眉を顰めたが、シークの言葉にまたも目を見開いた。
「私の寝所にすら潜り込むそなたが国家機密を重視してくれるとは思わぬからな。現にここにもしれっと入り込んでいる。しかしやはりいつもに比べると元気がない。ならば、そうできない理由がある――順当に言って魔力酔い、と考えるのが自然であろうよ」
「この格好でおわかりになりますの?」
「人を読むのも私の仕事の一つだ」
「……それでわたくしにこれを下さりましたの?」
「仕事をしろと言ったろう。報酬が必要ではないか」
「よろしいのですか? 敵に塩を送ったりして」
「敵対の意思があればもっと効率よく動く。……まあ私には度しがたいことだらけだし迷惑していないと言えば嘘になるが、少なくとも私が本腰を入れてそなたを排除せねばと思うほどのことをするつもりはないのだろうよ――と、思わない、わけでも、ない」
そこでシークは居心地悪そうにお茶に手を出した。
のだが、先ほど空にしたばかりである。
口に持ってきてそれを思い出したらしい王は一瞬固まり、それからわざとらしさを感じさせるような咳払いをして、そうだ私は最初からこうするつもりだったのだ、とでも言うように空の茶器の中に視線を落とす。
「これはどうやらオリジナルのブレンドらしいな。肉体の疲労感を緩和すると共に、精神面を落ち着かせ、魔力を整えさせる効果を持つといったところか」
「……我が王は本当に良い目をお持ちですこと。このような方に運命を感じられて、わたくし、幸せ……」
ほう、と感嘆する女に、ちらっとシークは流し目を送り、迷った風情を見せてから、それでも唇を薄く開いた。
「そなた、私のために故郷を追い出されたと以前申したが。私は本当に、国を捨てるほどの男か?」
「あら、意外ですこと。我が王はご自分に自信がおありにならないのでしょうか?」
「そんなことはない。自負がなければシークなど務まらぬ。ただ……どうしても、理解できぬだけだ。それほどの熱を向けられる理由が」
そしてなぜだろう、その理解できない部分を、以前ならばどうでもいいと切り捨てていただろうに、最近では知ってみたい――とまで、思うようになってきている。
残る言葉は口には出されない。
パパラはふっと虚空に目を彷徨わせた後、チョーシークに微笑みかけた。
「……では王にお応えしまして、もう少し詳しくお話を致しましょうか」
0
あなたにおすすめの小説
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
9時から5時まで悪役令嬢
西野和歌
恋愛
「お前は動くとロクな事をしない、だからお前は悪役令嬢なのだ」
婚約者である第二王子リカルド殿下にそう言われた私は決意した。
ならば私は願い通りに動くのをやめよう。
学園に登校した朝九時から下校の夕方五時まで
昼休憩の一時間を除いて私は椅子から動く事を一切禁止した。
さあ望むとおりにして差し上げました。あとは王子の自由です。
どうぞ自らがヒロインだと名乗る彼女たちと仲良くして下さい。
卒業パーティーもご自身でおっしゃった通りに、彼女たちから選ぶといいですよ?
なのにどうして私を部屋から出そうとするんですか?
嫌です、私は初めて自分のためだけの自由の時間を手に入れたんです。
今まで通り、全てあなたの願い通りなのに何が不満なのか私は知りません。
冷めた伯爵令嬢と逆襲された王子の話。
☆別サイトにも掲載しています。
※感想より続編リクエストがありましたので、突貫工事並みですが、留学編を追加しました。
これにて完結です。沢山の皆さまに感謝致します。
【完】まさかの婚約破棄はあなたの心の声が聞こえたから
えとう蜜夏
恋愛
伯爵令嬢のマーシャはある日不思議なネックレスを手に入れた。それは相手の心が聞こえるという品で、そんなことを信じるつもりは無かった。それに相手とは家同士の婚約だけどお互いに仲も良く、上手くいっていると思っていたつもりだったのに……。よくある婚約破棄のお話です。
※他サイトに自立も掲載しております
21.5.25ホットランキング入りありがとうございました( ´ ▽ ` )ノ
Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.
ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)
悪役令嬢だとわかったので身を引こうとしたところ、何故か溺愛されました。
香取鞠里
恋愛
公爵令嬢のマリエッタは、皇太子妃候補として育てられてきた。
皇太子殿下との仲はまずまずだったが、ある日、伝説の女神として現れたサクラに皇太子妃の座を奪われてしまう。
さらには、サクラの陰謀により、マリエッタは反逆罪により国外追放されて、のたれ死んでしまう。
しかし、死んだと思っていたのに、気づけばサクラが現れる二年前の16歳のある日の朝に戻っていた。
それは避けなければと別の行き方を探るが、なぜか殿下に一度目の人生の時以上に溺愛されてしまい……!?
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした
ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!?
容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。
「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」
ところが。
ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。
無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!?
でも、よく考えたら――
私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに)
お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。
これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。
じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――!
本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。
アイデア提供者:ゆう(YuFidi)
URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
悪役令嬢の大きな勘違い
神々廻
恋愛
この手紙を読んでらっしゃるという事は私は処刑されたと言う事でしょう。
もし......処刑されて居ないのなら、今はまだ見ないで下さいまし
封筒にそう書かれていた手紙は先日、処刑された悪女が書いたものだった。
お気に入り、感想お願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる