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後
しおりを挟む思わずその場にうずくまる。
「シャンナ!」
頭を押さえて唸るわたくしに、殿下が駆け寄ってくる気配がする。ああだけど、顔を上げるのはちょっと難しいかも。首を動かすとずきっと嫌な感覚が走る。
「大丈夫? 気分が悪くなった?」
「わからないです……めまいかな……」
だって今日、全然良いところがなかったから、せめてこれぐらいって張り切っちゃったのだ。あと純粋に、知らなかった世界が見えるようになったことが楽しくて。そういえばさっき、あれ? ちょっと視界ぼやけてない? とか途中思ったんだったなあ。
(これが精霊眼の反動ですか……目の奥から後頭部にかけてぎゅーっと締め付けられるような)
眉間とこめかみのあたりが、嫌な脈を打っているように感じる。うう、なんとも形容しがたい気持ち悪さ。
すると額にぴとっと、ひんやりした感触が押し当てられた。殿下が冷気を作り出してくださったのだろうか。
「まだ痛む?」
「今のでほっとしました……」
あああ、生き返る……。
回復中のわたくしの耳に、遠くからはしゃぐ声が聞こえてきます。
「にーさま!」
「どうしてここに……家で待っているはずでは」
幼児が嬉しそうに駆けていく気配と、応じる低い男性の声。
「なんか、あんたのことを追っかけてきたんだと。ああ、俺たちはその、通りすがりに迷子を見つけたというか」
「……そうか。感謝する。クリスタ、お前からも礼を言うんだ」
「ありがとう!」
ロジェが事情を説明すると、保護者は妹に声をかけ、幼児は元気よく感謝の言葉を放っている。
良かった。親御さんによっては、連れ回したことを嫌がるって可能性もあったから、表向きだけでもすんなりと受け入れてもらって。
「……きみは、ロジェ=ギルマンか。それに……なぜ貴方までここにいらっしゃるのです、殿下」
もうそろそろ目が開けられるかな、と思ったわたくしが次に聞いた言葉は、幼児の保護者がわたくしたちを見比べて正体を言い当てたものでした。
あれ? さっきぱっと見た感じでは、妹さん同様見るからに良い所のお育ちの方、という風情に見えましたが――ああ、そういうことか。
「ああん? なんで知って――ああ、もしかして。学園の生徒?」
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