理不尽に抗議して逆ギレ婚約破棄されたら、高嶺の皇子様に超絶執着されています!?

鳴田るな

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「あの、殿下……」

 少しひりつく舌をこらえながら口を開く。
 皇子殿下はん? と小首を傾げられた。
 ちょっとまた心臓が縮んだが、わたくしがめげるといつまで経っても話が進まない気がしてきた。頑張って続きの言葉を絞り出す。

「その……先日のご無礼は、どのようにしてお詫びすれば……」
「あれ? まさかシャンナ、ぼくが怒ると思っていたの?」
「大変申し訳ございませんでしたどうすればご満足いただけますか腹を切ればいいのでしょうか!!」
「切らない切らない。落ち着いて? ほら、席に戻って」

 渾身のローリング土下座なのに、あっさり皇族スマイルで流された。わたくしが虚無の顔で椅子に戻ると、皇子殿下ははにかむようにぽりぽりと指で頬をかいている。

「んー……まあ、昨日きみが面白い登場の仕方をしたから興味を持ったことは、確かなんだけどさ。ぼくはきみと……そうだな、友達になりたいんだと思う」

 ごめんなさい、いと尊き雲上人のおっしゃられるありがたき御言葉であらせられますが、ちょっと何を言っているのかわからないです。

 という気持ちが、おそらくは割と全面的に顔に出ていたのだろう。
 皇子殿下は速やかに補足を追加してくれる。

「友達はちょっと気が早いなら、知り合いからでもいいんだけど。ほら、ぼくは隣国からやってきたばかりだから、この国のことにも、学園のことにも疎いでしょう? 世話をしてくれる人というか、案内をしてくれる人というか……だれかいてくれたら、嬉しいなって」

 一応道理は通っているような。
 第一皇子はずっと皇室にいたお方、隣国という新環境で過ごすにあたり、誰か現地人の伝手がほしいと考えるのは自然なことだ。

 ここでわたくしは、一つの疑問を思い出す。

「その……差し出がましいことかやしれませんが、殿下にお付きや護衛の方などは……?」
「いないよ。自由に気分転換してこいって言われているからね!」

 爽やかに返されてしまったら、「なるほどだからお一人で学園内をふらふらなされていたし、お茶の準備もご自分でなされるのですね!」と納得せざるを得ない。

 だが「知り合いから始めましょう」の部分は、いささか荷が重すぎるように感じられる。

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