腐男子が男しかいない異世界へ行ったら色々と大変でした

沼木ヒロ

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第四十三話

ロタ、初めての恋 前編(ロタ視点)

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 俺の名前はロタ。王都セイルーンの、第二騎士団の副長をやっている。
 元々父親が騎士団に所属していた事もあり、小さい頃から親の期待に応える為その道の教育を受け、入団試験に合格し晴れて兄と共に入団。
 実力を認められ、俺は去年から第二騎士団の副長を任されるまでに至った。

 団長はディルトさんという眼鏡をかけた蒼髪の背の高い人。
 真面目で紳士的、上司からの信頼も厚く頭脳明晰、品行方正、才色兼備、更に一級剣士で剣の腕前は騎士団の中でも最強クラス。完璧超人の様な人だ。

 しかし最近になって、いつもどんな業務も物事もそつなくこなすディルトさんの様子がおかしい。
 仕事中もどこか上の空だ。
 
 ある日、今まで仕事一辺倒で浮いた話が無かったディルトさんが、突然俺に
「好きな人ができたが、どうアタックしたら良いか教えて欲しい」
 と真剣な顔をして聞いてきた。
 その恋の相手は先日、王都の飯屋地下の隠し監禁部屋で助け出した被害者の子だそうで、ディルトさんは不謹慎にもその子に一目惚れをしたらしい。

 しかし、恋の相談をされても俺は困った。
 いつも想いを寄せられて一方的に告白され、適当に体の関係を持って飽きたらサヨナラなパターンばかりだったからだ。
 心の底から好きになった人などいないし、真剣な恋愛をした事が無いから、どうアドバイスしたら良いか分からない。
 とりあえずディルトさんには
「会いに行って好きな想いを告げたらどうですか?」
と伝えたら、事件の事後報告も兼ねて早速行くとの事。
 面白そうなので馬車の御者ぎょしゃをかってでて、ついて行く事にした。

 行き先は王都と村を繋ぐ街道途中にある本屋。
 そこで働いているヤマト君という少年が恋の相手らしい。

 馬車で本屋まで行き、少し離れた場所に馬車を止め、ディルトさんを降ろす。
 俺は御者ぎょしゃ席にすわったまま、本屋の方を眺めて待っていた。

 頃合いを見て俺も本屋に入ろうかと思っていたが、少しするとディルトさんが誰かを連れて本屋から出てきた。
 連れられている人は……黒髪で深緑のエプロン姿……本屋の店員かな?
 という事は、あの子がディルトさんの恋のお相手か?
 少し離れているので顔がよく見えない。

 しばらく二人を眺めていたら、ディルトさんがヤマト君を抱きしめて何かを話している。
 どんな状況が知りたくなったので俺は馬車を降り、ディルトさんの後ろの方から歩み寄りながら声を掛けた。

「ディルトさーーん、まだですかぁ? 俺暇で超死にそーなんですけどー」

 ディルトさんが邪魔をするなという顔でこっちを向いた。

「ロタ……もう少しで終わるから、大人しく待っていてくれ」
「この後まだ仕事が詰まってるんだから、早くして下さいねぇー…………んお!?」

 ディルトさんの隣の子……よく見たら……な、何だあの可愛い子は!?
 サラサラの黒髪に大きくて黒蝶真珠 ブラックスピネルの様な綺麗な黒い瞳、整った鼻と艶々した唇に、幼さが少し残っている顔立ち。
 ディルトさんが惚れた子は、俺が今まで見た事が無い、とてつもなく美人で可愛い子だった。

 俺はあごに手を当て、ヤマト君に近付き、顔を思わず凝視しながら自己紹介をした。
 ヤマト君が上目遣いで俺を見ている。破壊力が半端ない。

(ヤベェ……ヤマト君、マジ天使……
 俺、この子とヤリたい)

 右手を前に出し、握手を求めるフリをして抱きしめた。
 髪、イイ匂い……体細い……抱き心地最高、たまらない。
 俺はつい、ディルトさんに宣戦布告した。

「ディルトさんの恋の応援をする予定だったけどー、やっぱやーめた。
 俺もヤマト君に一目惚れしちゃったから~アタックする事にしまーす。
 別に構わないですよねぇ?」

 そう言って俺はヤマト君のおでこにキスをした。
 ヤマト君が目を見開いて驚いている。
 慣れてないのかな? 反応が可愛いなぁ。

「ロタ!! オマエェェェ!!」

 しかし、当然っちゃ当然なんだけど、ディルトさんがめっちゃくちゃ怒って腰の剣のグリップを握り、鞘から抜こうとしている。
 とりあえず、ヤマト君を独占する気はないのと、ディルトさんさえ良ければ3P大歓迎という事を伝えたら納得して貰えた様だ。助かった。

 それにしても、ヤマト君の頬を味見とばかりにひと舐めしたら、物凄い驚いた顔をして俺を見た。
 ヤマト君……ピュアなんだなぁ。
 これだけの容姿で恋愛経験がまさか無し?
 俺から離れようとしていたヤマト君のお尻を、試しにグニグニ揉んでみた。
 反応は……さっきよりも一層激しくビックリしている。
 揉まれ慣れてない? 初々しくて可愛い。
 ヤマト君に入れたい方か入れられたい方か聞いたけど、絶句して固まってしまった。
 まだピュアなヤマト君には刺激が強すぎたか。
 でもこの子、お持ち帰りしたい。
 隙を見て犯して、俺の虜にしてしまいたい。

「ディルトさん、ヤマト君このまま王都へお持ち帰りするんですかぁ?
 エプロン姿そそるわぁ~。裸にエプロンで3Pとか、俺何十回でもイケそー」

 俺は思わずニヤつきながらヤマト君を肩にかつぎ(メチャクチャ軽かった)、馬車の方へ向かい歩き出した。
 ヤマト君がまだ仕事中だから、と言いながらジタバタ足掻あがいて抵抗している。
 いやマジで、何なのこの可愛さは!! 動作がいちいち可愛くて悶えてしまうんだけど。

 でも、そんな幸せな気分も束の間だった。
 次の瞬間、担いでいたヤマト君がパッと消えたのだ。アレ?
 何かの術を使ったのか?
 俺とディルトさんは慌てて二人で本屋の中や周辺を探したが、結局見つからず、その日は諦めて大人しく帰った。

 あの後ヤマト君が何処へ行ったのか心配で気になっていたが、丁度次の日おつかいで本屋へ行く機会があったので行ってみると、ヤマト君がハタキを持って掃除をしていた。
 良かった、俺達から逃げて隠れていただけだったんだな。
 若干嫌な顔をされたがおつかいで来た事を告げ、本のリストが書かれた紙を胸ポケットから取り出しヤマト君へ渡した。

 あー、俺この子とヤリたい。
 さっき腰に手を回して髪の匂いを嗅いだ時はヤバかった、興奮した。
 この本屋のエプロン姿もそそる。
 この格好のまま犯したい。
 でもヤマト君、今まで俺に言い寄ってきた奴等に比べたらガード固そう。
 試しに媚薬でも飲ませてみて、チャレンジしてみる事にした。

 俺はコッソリと媚薬一粒を取り出した。
 凄く小さい錠剤で、水無しでも飲めるタイプのやつだ。
 俺はそれをヤマト君に飲ます事に成功し、効果が出始めた頃に馬車の中で背後からブラウス越しに乳首を試しにギュッとつかいじりながら、耳と首元を舐めてみた。
 乳首が立ってきて顔が上気してる。アソコもガチガチになってる。
 うん、薬効いてる効いてる……いや、効きすぎているのか?

 ヤマト君の勃起したモノを握る。それだけでビクビク反応している。
 ヤマト君の興奮して我慢している姿が可愛くて、つい意地悪でおねだりしてよって言った。
 そしたら、ハァハァ乱れた息遣いで涙とよだれを流しながら俺に懇願してきた。

「……舐めて……舐めて……下さい……!」

 ヤッベェ……全身に電流が走り、背筋が物凄くゾクゾクしてしまった。激しい高揚感に包まれる。

 俺はヤマト君の勃起したモノを夢中でしゃぶりイかせた後、前立腺も刺激してみた。
 お尻の穴がキッツイ……慣れてない感じからしても、やっぱり処女はじめてっぽいなぁ。
 妊娠……しないと思うけど、最初だから一応避妊しておいてあげた方が良さそうだ。

 俺はヤマト君を四つん這い状態にさせ、後ろから挿れ、ヤマト君と最後までヤッた。
 ハッキリ言ってめちゃくちゃ気持ち良かった。今までのセックスが霞んでみえる位、段違いの気持ち良さだった。

 顔も可愛いし、またセックスできたらいいな~と軽い気持ちでその日は別れたが……
 その日以降、ヤマト君の事が頭から離れなくなった。
 悶々としながら資料室で書類を探していたら、最近俺に告白してきた奴が資料室で迫ってきたのでヤッた。
 夜も、部屋に俺の事が好きだとか言う奴が入って来たのでヤッた。
 けど、心も体も全然満たされなかった。

 俺とセックスしていた時のヤマト君……凄くイヤらしくて可愛かった。
 涙とよだれを流しながらおねだりしたあの顔と声、思い出しただけでゾクゾクし、股間がガチガチになった。
 穴の中の前立腺にゴリゴリ当てながら腰振った時の、全身がビクビク震えている姿、馬車の座席にすがってあえいでいるあのなまめかしい姿も脳裏から離れない。

 俺は毎日毎晩ヤマト君で抜いた。
 というか、ヤマト君でしか抜けなくなってしまった。

 ヤマト君に会いたい。

 この気持ちは一体何なんだ?

 俺がその想いの正体に気付くのは、もう少し先の事だった。
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