腐男子が男しかいない異世界へ行ったら色々と大変でした

沼木ヒロ

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第四十五話

ロタ、初めての恋 後編(ロタ視点)※

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 それから更に一週間後、シリウス様はディルトさんを連れてお忍びで本屋を訪れたそうだ。
 前々から本を選んでくれているヤマト君にご興味があったそうだし……
 問題は、シリウス様が案の定ヤマト君の事をかなり気に入られたそうで、本屋を辞めさせてシリウス様専属のお世話役(事実上側室だろうけど)として囲うおつもりの様だ。
 でもそうなってしまったら、今みたいに気軽にヤマト君に会えなくなるし、勿論手出しも出来なくなってしまう。

 シリウス様には諦めて貰いたいが、あの方は欲しい物は絶対に手に入れるお方らしいし……
 その噂が本当なのかどうなのかは不明だが、シリウス様が本屋を訪れた日の夜、城内の見回りをしていると裏庭に人の気配がした。柱の陰に隠れて様子を見る。
 シリウス様と……何人かの黒マント姿の、見た事が無い男達。
 少し離れた距離で話の内容が聞き取り辛いが、しばらく話を盗み聞きしていると、人さらいという単語が聞き取れた。
 
(……人さらい? まさか、ヤマト君を……?)

 拉致をする人物の名前までは聞き取れなかった。他の人物の事を言っていたのかもしれないが、標的ターゲットがヤマト君である可能性もゼロではない。
 俺はそっとその場を離れ、巡回後部屋に戻りヤマト君宛に念の為用心しておいた方が良い旨の手紙を書いた。

 次の日の夕方、シリウス様とディルトさんがまた本屋へ行くとの事だったので、ヤマト君に手紙を渡すべく同行させて貰った。
 シリウス様やディルトさんの目を盗んで、何とかヤマト君に手紙を渡す事ができたが、シリウス様は人前で堂々と、俺達に見せつける様にヤマト君とキスをした。
 俺はヤマト君がシリウス様に取られてしまった感覚を覚え、胸が張り裂けそうだった。

(ヤマト君がやっぱり心配だ。今夜から……見回り来なくちゃ……)

 早速その日の夜から街道沿いと森、村の見回りの後、本屋の近くに馬車を止め、店の周囲を見て回った。
 深夜だが特に怪しい人影は無し。

 このまま帰ろうかと思ったが、ヤマト君の事がふと気になった。
 二階の一室に薄暗い明かりがともっていた。
 あの部屋がヤマト君の部屋かな?
 石のカケラをその部屋の窓めがけて投げて、小さい音を鳴らして合図してみた。
 もう一回投げて反応が無かったら帰ろう。
 二回目を投げ、少し待つ。
 すると、裏口から寝間着姿のヤマト君が出てきてくれた。

(ヤマト君の寝間着姿……か、可愛い)

 髪の毛も少し乱れ気味で、少しトロンとした瞳、服も少しよれている感じがとても可愛くて新鮮で……抱きしめたいのを我慢してたけど

「心配してくれてありがとう。ロタって優しいのな」

 と言いながら柔らかな笑みを浮かべて見上げるヤマト君の顔にドキッとし、抱きしめてしまった。
 そして、胸に秘めていたヤマト君への想いを告げた。
 でも、これが本気の恋だと気付いたけど、気付いたのが遅かった。
 シリウス様が相手じゃ、絶対勝てっこない。
 だからせめて、シリウス様の所へヤマト君が行かない様に、行かせない様に悪あがきさせて欲しい。
 月明かりの中、少し艶っぽい表情でヤマト君に見つめられ、鼓動が激しくなった。
 指でヤマト君の頬を撫でる。温かくて柔らかい。
 キスをしたい衝動に駆られ、顔を近づけた。

『ヤマトッ……!』

 あと少しの所で、後ろの方から声が入り邪魔された。
 あの背の高い金髪君……同じ本屋の店員だった。
 金髪君は早足で歩いてきて、ヤマト君と俺を無理矢理引き剥がした。

 俺はこの金髪君が嫌いだ。
 いつも目にかかる位の前髪で表情もよく分からないし、愛想も無いし無口だけど、よく見たらムカつく位整った顔をしている。
 更に仕事中のヤマト君に必要以上にぴったりひっついたり、肩や腰に手を回しているのを見かけた事がある。
 今もこうして邪魔をしに来た。
 本当に腹が立つ。

 俺と金髪君がしばらくいがみ合っていたら、ヤマト君が見かねたのか仲裁に入ってくれた。優しいなぁ……

 しかしこの金髪君、とんでもない事にヤマト君に一緒のベッドで寝ようとか言いだした。えっ!?
 俺が驚いてると、金髪君は更に追い討ちをかけてきた。

「昨日も今日も、ベッドの中でヤマトと抱き合ってキスして……柔らかかったなぁ。
 また俺の手と口で気持ち良くイかせてあげるからね、ヤマト」
「ウワァァァァ! キール! ちょっと黙ってて!」

 ヤマト君が真っ赤な顔をして両手で金髪君の口を塞いだ。

(え、マジで……? そ、そんな……)

 まさかヤマト君が金髪君にそんな事をされていたなんて……
 俺は物凄いショックを受け、血の気が引いた。が、それと同時に怒りが沸々と湧いてきた。

……決めた。金髪君がヤマト君に手出し出来ない様にこれからしばらくヤマト君の部屋で夜の見張りをしよう。
 二人にそう宣言し、その日から夜の見張りをヤマト君の部屋でする事になった。

 裏口から入り、螺旋階段を上がってすぐの部屋がヤマト君の部屋だった。
 初めてのヤマト君の部屋……
 室内は綺麗に片付けられてあり、必要最低限のものが置かれてあった。
 ベッド横の棚にはヤマト君が好きな本が沢山並んでいた。
 さらにその横の窓からは、王都方面へ続く街道の先が見渡せた。
 ここからだったら、外の様子が分かるから対処しやすいな。

 でも結局二週間程夜の見張りをしたが、怪しい人物の気配も姿も感じ取る事は無かった。
 もしかしたら俺の勘違いだったのかもしれない。
 俺は今夜見張りして、何も無かったら一旦見張りを辞めてみようかと提案した。
 二人は納得してくれ、ヤマト君はおやすみの挨拶をして布団を頭まで被り、早々に就寝した。

 金髪君は……入り口横のベッドに腰掛けて、何故か窓際で外の様子を眺めていた俺の方を見ている。
 金髪君、ヤマト君とはよく喋っているけど、俺にはホント無口なんだよね。
 真顔でじーっと見られて正直気まずいから早く寝て欲しいんだけど……

 すると、金髪君は部屋を出て行ったかと思ったら、下から瓶入りの葡萄酒とグラスを二つ持ってきた。
 部屋の隅にあった円形の小さなテーブルを部屋の真ん中に移動させ、椅子を二つ向かい合わせで置いた金髪君は
「……副長さん、飲む?」
 と、ボソッと呟いた。

 ヤマト君の寝息が聞こえる中、俺と金髪君で葡萄酒を飲みながら、お互いヤマト君のどういう所が好きかを語り合った。
 金髪君、ヤマト君の事になるとよく喋るなぁ。
 俺自身、お酒があんまり強くないけど、共通の話題で盛り上がり、それにつられてお酒も進み金髪君と意気投合した。

 でも……ヤマト君の寝息を聞きながらヤマト君の話をしているうちに、段々ムラムラしてきちゃったし。
 俺はつい
「あ~、ヤマト君とセックスしたいよぉ」
 と心の中で思っている事がそのまま声になって口から出てしまった。
 ハッとして片手で口を押さえた。
 ヤバイ、殴られるか? そう思っていたら

「……そうですね、俺もヤマトとしたいです。ここ二週間、ずっとヤマトに気持ちいい事をしてあげられなかったですし」

 金髪君もお酒をちびちび飲みながら呟いた。
 俺は冗談で
「じゃあ~3Pでもして皆で一緒に気持ちよくなろーよ」
 と言うと、金髪君は目を見開き、
「いいですねそれ。副長さん、ずっと見張りして貰ったし、特別に今日だけ三人で気持ち良い事しましょうか」

 などと言い放った。お酒が入っているせいか金髪君もノリがいい。
 俺はふわふわ浮いた気分のまま、金髪君と二人で立ち上がり、フラフラと寝ているヤマト君の方へ行った。
 ヤマト君はいつの間にか布団を蹴って上半身が出た状態で、仰向けでスースー寝ていた。

(寝顔かっ、可愛いっ……)

 俺が寝顔を見て立ち尽くしてると、金髪君はハァハァ荒い息遣いをしながらかがみ、ヤマト君の口端からでていたヨダレを何度も舐めとりキスをし出した。

「ん……美味しい……ヤマト好き、大好き」

 いきなりおっぱじめた金髪君。凄いなぁ、がっついてるなぁ。
 相当溜まってたんだね……俺も早速始めよう。
 とりあえず、ヤマト君の服ジャマだから、全て脱がした方がイイな。
 金髪君にヤマト君の上着を脱がせてと頼んだ後、俺は下のパンツと下着を重ねて持ち一気に脱がせた。

 ヤマト君は全裸状態になったが、まだスースー寝ている。余程深い眠りに入っているようだ。
 それにしても、ヤマト君の全裸……初めて見たけどお顔同様綺麗な体つきだなぁ……
 全体的に細いんだけどガリガリではなくて、程よく筋肉と脂肪がついていて無駄が無い。
 肌も白くて体毛も薄くて……萎えてしまっているモノも、小さすぎず大きすぎずな大きさで色も薄汚れてなくて……

(ヤマト君の……舐めたい)

 でも、その行為に及んでいる時に起きて暴れられたらいけないと思い、キスに夢中になっている金髪君はおいといて、部屋にあったパンツの腰紐を使ってヤマト君の手首を縛り、頭上のベッドの柵に結び付けた。
 それと大声を出されたら下にいる店主さんに気付かれてしまうので、可哀想だけど口も俺のハンカチで塞がせて貰った。

 よし、これで心置きなくヤマト君のをしゃぶれる……と思ったら、いつの間にか金髪君がヤマト君の足元にまたがってしゃぶっていた。

「金髪君、ヒドイよ~俺が先にしゃぶりたかったのに。ズルイなぁ」
「我慢できなくて……先にさせて下さい、すぐ終わらせますから」

 金髪君はそう言ってまたヤマト君のをウットリした顔でじゅぶじゅぶ舐めだした。
 うーん、それじゃあ俺はヤマト君の乳首でもいじってみようかなぁ。
 両手で両方の乳首をつまみ、クリクリしながら、ヤマト君の首筋をベロベロと舐め上げる。
 ヤマト君がピクッと反応した。体は気持ち良いのかな。そのまま続けると乳首も立ってきた。
 あぁ、段々と興奮してきた。ヤマト君……好きだよ……

 すると、やっとヤマト君が目を覚ましたようで、俺達二人を見て固まってしまった。
 金髪君がヤマト君のモノをしゃぶるのを止め、手でヌチヌチシゴきながら状況を説明した。
 ヤマト君は顔を赤くしてフーフーと荒い呼吸で話を聞いていた。感じてくれているみたいだ。
 俺は口元にキスをし、さっきよりも強めに乳首をつまんだ。
 金髪君はヤマト君のモノを口で咥え、更に指をお尻の方で出し入れしている。
 前立腺を刺激しているのか、俺がキスをしているとヤマト君は涙目で

「んうぅっ!? んん、うぅ、んぅ!」

 と、ゾクゾクする様な声を出した後、体をビクビクさせイッた。

(……ヤマト君のイッた顔……間近で見れた。マジ可愛い……たまんない)

 金髪君に合図され、俺は持っていたゴムを渡した。
 俺ももう我慢できない……
 ベルトをガチガチに勃起しているモノを出し、ヤマト君の口元や頬にキスをしながら自分の手で擦った。
 ヤマト君は金髪君にイイ所を突かれている様で、塞がれている口の端からよだれをダラダラ垂らしながらあえぎよがっていた。
 ヤマト君の柔らかい肌にあえぐ声だけで既にイきそうだった俺は、ヤマト君に口のを外し、しゃぶって貰った。
 と言うより、縛られているヤマト君の頭を掴み、口に向けて腰を上下に振った。
 根元までしゃぶって貰い、もう限界だった俺はヤマト君と金髪君がイッたのと同時に、ヤマト君の口の中に大量に出してしまった。

「はぁ、はぁ……ヤマト君、ゴメン……口の中の、ここに出して」

 上着のポケットに入っていたティッシュを何枚か取り出し、ヤマト君の口元下に添えた。
 ヤマト君の小さい口からドロドロと白濁した精液が出て……涙と鼻水も出てて物凄くエロくて……思わず興奮で肩が震え、出したばかりなのに勃起がおさまらなかった。

「ヤマト君……エッロイ……次、俺が挿れるね……」
 
 ヤマト君の口元を拭き終え、金髪君と位置を替わりゴムを付ける。
 ヤマト君のお腹の辺りにヤマト君が出した精液がベットリついたままだったので、それを手に取り、ヤマト君のお尻の穴に塗りだくりズプズプと挿れた。
 割とスムーズに入ったので一番奥まで挿れ、ゆっくり突いた。

「うぐっ、あぁ、久しぶりのヤマト君の中……あったかい、気持ちいい……!」
「あぁぁっ! うっ、あぅっ、や、やめ……!」
「あぁ……俺以外の人に挿れられてあえぐヤマトも可愛い……! 俺の、俺のも舐めて……」

 ヤッバイ、メチャクチャ気持ちいい……腰止まんない……!
 俺は、ヤマト君の細い脚を持ち上げながら、奥まで深く激しく突いた。
 すると、ヤマト君は射精はしていないのに体がビクビクし、お尻の穴がキュウキュウ締まった。
 ヤマト君、中だけでドライでイッたんだ……嬉しさのあまり金髪君と何回も入れ替わり立ち代わりでヤマト君とヤッてしまった。

 結局、全てが終わったのが朝の五時だった。
 服を着たヤマト君は疲れたのか、ベッドの上で膝を抱え頭を伏せたまま座っている。
 お酒が入っていたからって、ちょっとヤリすぎてしまったかもしれない。
 俺と金髪君二人で謝るとヤマト君は

「……いーよ、別に謝らなくても。
 俺も気持ち良かったし、二人の事も……す、好きだから」

 と、まさかの返事が返ってきた。
 良かった……嫌われていなかった。むしろ好きって言って貰えた。
 俺は嬉しくて、ヤマト君の片手を握り、愛しさのあまり頬ずりをした。

 久しぶりに複数プレイしたけど、今回のが今までで一番、最高に気持ち良かった。
 体だけじゃなく、心も満たされて凄く満足している。
 自分の本当に好きな人とセックスするのが、こんなに気持ち良くて安心できるものだとは思わなかった。
 体だけじゃなくて、ヤマト君の心ごと全て俺の方に傾いて貰えるよう頑張らなくちゃ。

 結局、今日で見張り最終日だったけど怪しい奴等は現れず、大好きなヤマト君と金髪君で3Pをして終わったなぁ。
 俺は幸せだったけど、まだシリウス様と話していた奴等の事が分からないままだ。
 もっと詳しく調べる必要がありそうだ。

 俺はヤマト君達に別れを告げ、店を後にした。

 帰りに待ち伏せされているとは知らずに……
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