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第六十八話
腐男子、診察される
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「こんにちは、ヤマト君……じゃないですか。まさかここで会うとはビックリです」
目の前の医者が椅子に腰掛けた俺を見て、ニッコリ微笑んだ。
俺、この人見た事ある。でも何処で……?
先生の顔を凝視しながら考えていると、先生はキャスター付きの椅子で俺の傍まで移動してきた。
「まだ分からないですか? これで思い出してくれるでしょうか」
先生は突然、白衣を半分程脱ぎ俺の手を握ってきた。
俺の後ろに立っていたロタが驚いた様子で、慌てて止めに入ってきた。
「ちょっ……ヤマト君に何を……」
「ん…………あ、思い出した!
先生、本屋の常連のクリスさんだったんですね!」
「そうです、思い出してもらえましたか。
ここの病院で医師として勤めているんですよ」
思い出した、毎週必ず土曜と日曜の午後に来店する常連のクリスさんだ。
それまではたまに来る程度だったらしいが、キールが言うには俺が勤めだしてから毎週来店するようになったようだ。
クリス先生は来店すると、決まって俺に声を掛けてきて手をギュッと握ってくる。そして困った事に中々離してくれない。
キールには、客からベタベタ触られたらそれとなく手を払えと言われているが、常連さんだし手を握る位なのでまぁいいか、といつもされるがままの状態になっている。
そっか、ここの病院の先生だったんだ。白衣を着てるから分からなかった。
クリス先生は半分脱いだ白衣を直しながら、机の上に置いてあるカルテを見た。
「ふむ……不法侵入してきた奴に後頭部を殴られ、その箇所がずっとズキズキする、と。
他にも床に叩きつけられた時に肩を痛め、そこも痛むので診てもらいたい、ですね。大変な目に遭われたんですね」
「ハイ、そうなんです……」
「吐き気や眩暈、意識喪失や痺れなど普段と違った症状はありますか?」
「いえ、無いです、痛みだけです」
そう言うとクリス先生はサラサラとカルテにメモをし
「それじゃ、頭と肩の方診ますので上着を脱いで下さい。
あ、付き添いの方は廊下の方でお待ち頂けますか?」
と、俺とロタを交互に見ながら言った。
いや俺、別に脱ぐの恥ずかしくないし、ロタに傍にいてもらっても全然構わないんだけど……
そう心で思っているとロタは俺の頭を撫で、また後でねと言いながら部屋を出て行った。
ロタの後に次いで看護師さんも診察室から出て行き、部屋にはクリス先生と俺の二人だけになった。
クリス先生が俺の方をジッと見ていたので、待たせてると思い急いで上着を全部脱いで、横の籠に服を入れた。
「それじゃ、診ましょうか。まず肩から……痛むのはどちら側ですか?」
「あ、えと、右側です」
先生は立ち上がり、俺の右斜め後ろに立ち、両手で肩の辺りを触って何かを唱えながら少しずつ手の位置をずらしていった。
「ふむ…………今、肩の辺りの内部を診させてもらいましたが、骨は折れたりヒビは入っていない様ですね。
ただの打撲で特に目立つ腫れも無いので、自然に治りますよ」
「そうですか、良かったです」
「次は後頭部を診ましょうか」
クリス先生は俺の後頭部を両手で包み、再び何かを唱えた。
「……脳や血管等への損傷や出血も無く、吐き気や眩暈、言語障害や痺れも無いそうなので一時的な痛みだと思いますよ。
痛み止めのお薬、出しておくのでそれで様子を見てみて下さい。
あと今日明日は激しい運動はしないで下さいね」
「ハイ、分かりました」
クリス先生、魔法か何かで体の内部の様子が分かるんだな……凄い。
俺の他人の性癖とか初体験の事が分かる鑑定能力とはエライ違いだぞ。俺もクリス先生みたいな能力が欲しかった。
というか、俺の首元に多数付いているであろうキスマークの事には触れられなかったので良かった。
その辺は配慮してくれたって事かな。
頭と肩の診察が終わったので服を着ようとすると、クリス先生に止められた。
「あ、まだ服は着ないで下さい、念の為他の部位も診てみましょう」
「えっ、あ……ハイ……」
「では、楽にしていて下さい」
俺は言われた通り全身の力を抜いて楽にした。
クリス先生が俺の前側に移動して、首や胸元を触ってきた。
気のせいか、さっきより鼻息が荒くなってる気がする……
クリス先生の指が故意なのか偶然なのか、少し寒くて立ってしまった俺の乳首がピンと弾かれた。
「……っあんっ!!」
体がビクッと反応し、つい変な声が出てしまって手で口を覆った。
「あ……す、すみません、変な声が……」
「いや、いいんですよ……敏感なんですね、ヤマト君は……」
んん? アレ?
目の前のクリス先生の様子がおかしい。
顔は平静を装っているが、息遣いが荒くて目が少し血走っている。
ここ最近の経験からして、嫌な予感がしてきた。
「あ、あの、クリス先生……?」
「ヤマト君……君は悪い子ですね……病院でも私を魅了するとは……
この首筋の赤紫色の跡は……キスマークですよね? こんなに沢山付けられて……気持ち良かったですか?」
クリス先生が息を荒げながら、指で俺の唇をつつっとなぞった。その瞬間、背筋がゾワッとした。
そうだ、廊下にいるロタに助けを……
「ロ…………んんっ!?」
ロタの名前を叫ぼうとしたと同時に、クリス先生の手が俺の口元を塞いでいた。
「ヤマト君、病院では静かにして下さいね……これは診察ですから…………
さ、続きをしましょう、ヤマト君の体、隅から隅まで診させて下さいね……」
「んんーー!!」
クリス先生はそう言うと、俺の口元を塞いだまま、もう片方の手で俺の体を弄りだした。
抵抗しても力ではかなわず、座ったままの体勢から動けない。
ヤバイ、まさか病院でこんな目に遭うとは……
エバン君にくれぐれも気を付けて下さいねって言われた事、ちゃんと心に留めておくんだった。もっと用心していかないといけないのに、自分の勉強のしなさ加減に腹が立った。
まぁ俺には時間停止能力が…………と思ったけど、そう言えばナックルに既に使ってしまったから今日はもう使えないんだった!!
(ロターー! ロタ助けて!! ってか、看護師さんか誰か来てー!!)
俺は心の中で虚しく叫びながら、クリス先生に体を触られ続け、何とか逃げ出す隙が無いかを探っていたのだった。
目の前の医者が椅子に腰掛けた俺を見て、ニッコリ微笑んだ。
俺、この人見た事ある。でも何処で……?
先生の顔を凝視しながら考えていると、先生はキャスター付きの椅子で俺の傍まで移動してきた。
「まだ分からないですか? これで思い出してくれるでしょうか」
先生は突然、白衣を半分程脱ぎ俺の手を握ってきた。
俺の後ろに立っていたロタが驚いた様子で、慌てて止めに入ってきた。
「ちょっ……ヤマト君に何を……」
「ん…………あ、思い出した!
先生、本屋の常連のクリスさんだったんですね!」
「そうです、思い出してもらえましたか。
ここの病院で医師として勤めているんですよ」
思い出した、毎週必ず土曜と日曜の午後に来店する常連のクリスさんだ。
それまではたまに来る程度だったらしいが、キールが言うには俺が勤めだしてから毎週来店するようになったようだ。
クリス先生は来店すると、決まって俺に声を掛けてきて手をギュッと握ってくる。そして困った事に中々離してくれない。
キールには、客からベタベタ触られたらそれとなく手を払えと言われているが、常連さんだし手を握る位なのでまぁいいか、といつもされるがままの状態になっている。
そっか、ここの病院の先生だったんだ。白衣を着てるから分からなかった。
クリス先生は半分脱いだ白衣を直しながら、机の上に置いてあるカルテを見た。
「ふむ……不法侵入してきた奴に後頭部を殴られ、その箇所がずっとズキズキする、と。
他にも床に叩きつけられた時に肩を痛め、そこも痛むので診てもらいたい、ですね。大変な目に遭われたんですね」
「ハイ、そうなんです……」
「吐き気や眩暈、意識喪失や痺れなど普段と違った症状はありますか?」
「いえ、無いです、痛みだけです」
そう言うとクリス先生はサラサラとカルテにメモをし
「それじゃ、頭と肩の方診ますので上着を脱いで下さい。
あ、付き添いの方は廊下の方でお待ち頂けますか?」
と、俺とロタを交互に見ながら言った。
いや俺、別に脱ぐの恥ずかしくないし、ロタに傍にいてもらっても全然構わないんだけど……
そう心で思っているとロタは俺の頭を撫で、また後でねと言いながら部屋を出て行った。
ロタの後に次いで看護師さんも診察室から出て行き、部屋にはクリス先生と俺の二人だけになった。
クリス先生が俺の方をジッと見ていたので、待たせてると思い急いで上着を全部脱いで、横の籠に服を入れた。
「それじゃ、診ましょうか。まず肩から……痛むのはどちら側ですか?」
「あ、えと、右側です」
先生は立ち上がり、俺の右斜め後ろに立ち、両手で肩の辺りを触って何かを唱えながら少しずつ手の位置をずらしていった。
「ふむ…………今、肩の辺りの内部を診させてもらいましたが、骨は折れたりヒビは入っていない様ですね。
ただの打撲で特に目立つ腫れも無いので、自然に治りますよ」
「そうですか、良かったです」
「次は後頭部を診ましょうか」
クリス先生は俺の後頭部を両手で包み、再び何かを唱えた。
「……脳や血管等への損傷や出血も無く、吐き気や眩暈、言語障害や痺れも無いそうなので一時的な痛みだと思いますよ。
痛み止めのお薬、出しておくのでそれで様子を見てみて下さい。
あと今日明日は激しい運動はしないで下さいね」
「ハイ、分かりました」
クリス先生、魔法か何かで体の内部の様子が分かるんだな……凄い。
俺の他人の性癖とか初体験の事が分かる鑑定能力とはエライ違いだぞ。俺もクリス先生みたいな能力が欲しかった。
というか、俺の首元に多数付いているであろうキスマークの事には触れられなかったので良かった。
その辺は配慮してくれたって事かな。
頭と肩の診察が終わったので服を着ようとすると、クリス先生に止められた。
「あ、まだ服は着ないで下さい、念の為他の部位も診てみましょう」
「えっ、あ……ハイ……」
「では、楽にしていて下さい」
俺は言われた通り全身の力を抜いて楽にした。
クリス先生が俺の前側に移動して、首や胸元を触ってきた。
気のせいか、さっきより鼻息が荒くなってる気がする……
クリス先生の指が故意なのか偶然なのか、少し寒くて立ってしまった俺の乳首がピンと弾かれた。
「……っあんっ!!」
体がビクッと反応し、つい変な声が出てしまって手で口を覆った。
「あ……す、すみません、変な声が……」
「いや、いいんですよ……敏感なんですね、ヤマト君は……」
んん? アレ?
目の前のクリス先生の様子がおかしい。
顔は平静を装っているが、息遣いが荒くて目が少し血走っている。
ここ最近の経験からして、嫌な予感がしてきた。
「あ、あの、クリス先生……?」
「ヤマト君……君は悪い子ですね……病院でも私を魅了するとは……
この首筋の赤紫色の跡は……キスマークですよね? こんなに沢山付けられて……気持ち良かったですか?」
クリス先生が息を荒げながら、指で俺の唇をつつっとなぞった。その瞬間、背筋がゾワッとした。
そうだ、廊下にいるロタに助けを……
「ロ…………んんっ!?」
ロタの名前を叫ぼうとしたと同時に、クリス先生の手が俺の口元を塞いでいた。
「ヤマト君、病院では静かにして下さいね……これは診察ですから…………
さ、続きをしましょう、ヤマト君の体、隅から隅まで診させて下さいね……」
「んんーー!!」
クリス先生はそう言うと、俺の口元を塞いだまま、もう片方の手で俺の体を弄りだした。
抵抗しても力ではかなわず、座ったままの体勢から動けない。
ヤバイ、まさか病院でこんな目に遭うとは……
エバン君にくれぐれも気を付けて下さいねって言われた事、ちゃんと心に留めておくんだった。もっと用心していかないといけないのに、自分の勉強のしなさ加減に腹が立った。
まぁ俺には時間停止能力が…………と思ったけど、そう言えばナックルに既に使ってしまったから今日はもう使えないんだった!!
(ロターー! ロタ助けて!! ってか、看護師さんか誰か来てー!!)
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