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第八十六話

腐男子、盛大に噴く

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 晴れてディルトさんと復縁できた後、馬車で王都の騎士団本部まで行き、ディルトさんにノインさんから頼まれた注文分の本入り段ボールを手渡した。
 ディルトさんとミツアキさんに連れられて行くエバン君を見送った後、街中で適当なお店で昼食を食べ、ついでに本屋でBL文庫本を数冊買って馬車を乗り継ぎながら夕方に本屋へと戻り、その日は終わった。

 数日後、荷物を持って再び戻ってきたディルトさんを加えて全員で少し豪華な夜ご飯を食べた。
 特にメインディッシュの伊勢海老の様な姿で甲殻に覆われた生き物の蒸し焼きがとても美味しく、殻を剥きながらバクバク食べていると横からシリウスが笑みを浮かべ、俺の顔を覗き込んできた。

「今日の夕食は珍しい食材を使って作って貰った。今ヤマトが食べているのも滅多に採れない非常に珍しい食材らしいぞ。
 どうだ、ヤマト、美味しいか?」
「んん、おいひい」

 手に持った伊勢海老風の物の身を口に突っ込んで頬張りながら美味しい、と伝えるとシリウスは何故か頬を赤らめた。

「……なんつーか……ヤマト、エロイな」
「ふぁっ!?」

 何言ってんだよ、と思い顔を上げると周りに座っているキールやロタ、ディルトさん達もジッと俺の方を見ていた。

「……ヤマト……たまんない……」
「ヤマト君、無自覚なのがまた……」
「……ゴホッ、これは目に毒だな」

 訳が分からず、口の中に入れた物を噛み砕きお茶と一緒に喉の奥へ流し込んでいると、シリウスが肩に手を回し抱き寄せられた。

「ヤマト、しっかり食べて体力つけておけよ。
 今晩は全員で愛してやるからな」
「ブッッ」

 予期せぬ発言に盛大にお茶を噴いてしまった。
 おかげで目の前に座っているロタの顔面や服がお茶で所々濡れてしまっていた。

「わっ……! ゴメン、ロタ」

 慌てて席を立ち、テーブルの上にあったティッシュ箱を抱えてロタの所へ駆け寄り、濡れた箇所を急いで拭いた。

「もー、ヤマト君、俺にお茶ぶっかけないでよぉ」
「……いや、これをヤマトが飛ばした精液だと思えば……」
「あー、そういう風に考えると興奮するかもぉ」

 ロタの横に座っているキールが余計な事を言った後、遠くの方を見て何やら想像していた。
 変な事を考えているキールは置いておいてロタの顔や髪の毛を拭いていると、突然ロタに手首をギュッと掴まれた。

「もういいよ、ヤマト君。どうせこれからお風呂入るし……
 あ! そーだヤマト君、もう食べ終わったでしょ? 一緒に入ろうよ」
「えっ、ロタと?」
「おい、ロタ。浴室の中でヤマト襲うんじゃないぞ。この後皆で楽しむんだから、その時まで取っておけ」
「大丈夫ですよ、シリウス様。さ、ヤマト君、着替え取りに行こうか」

 まだ食事中のシリウス、キール、ディルトさんを残して俺とロタは食堂を後にした。
 そして途中、俺の部屋とロタの部屋に立ち寄って着替えを持ち、浴室へと向かった。

 脱衣所で服を脱ぎ、腰にタオルを巻いて二人で浴室の中へと入った。
 既に大きな浴槽の中にはお湯が張ってあり、浴室内は湯気が充満して温かかった。
 重ねてある風呂イスを取ってロタと並んで腰掛け、湯おけでかけ湯をして頭と体を石鹸で手早く洗い、逃げる様に湯船へと浸かった。

「あれー、ヤマト君、もう洗い終わったの?
 俺が隅から隅まで洗ってあげたのにぃ」
「いいよ、別に。体ぐらい一人で洗えるから……」

 湯船の中で体育座りをして、先程シリウスから言われた言葉を思い出した。
 シリウスが今晩は全員で愛してやるとか言っていた。

(え、これからまさかの5Pをするのか俺)

 頭を抱えて激しく困惑してしていると、全身を洗い終えたロタが湯船に入ってきて俺の背後に座り、後ろから手をお腹の辺りへと回して抱え込むようにして座った。横へと逃げようとしたがガッチリホールドされてしまって動けない…………

「ハァ~、ヤマト君とのお風呂、幸せ~」
「…………ねぇ、ロタ、シリウスが今晩全員で愛してやるとか言ってたけど、あれ本当……?」
「んー、本当なんじゃないかなぁ。
 シリウス様、言い出したら聞かない人だからねぇ。ヤマト君、もしかして嫌なの?」
「い……嫌に決まってるだろ!?
 四人も一度に相手したら俺のお尻が壊れるって」
「大丈夫だよ、しっかりほぐして気持ちよくしてあげるから。違う意味で壊れちゃうかもだけど~」
「いやいや、それはちょっと……」

 ロタと話しているうちに、さっきからお尻の上辺りに硬いモノが擦り擦り宛てがわれている事に気付いた。

「……ちょっと待って、何か後ろに硬いモノが……」
「あぁ、目の前に裸のヤマト君がいるし、更にこの後の事を想像したら勃っちゃったぁ……あはは」

 ロタは笑いながら後ろから更に抱きしめてきて、硬く反ったチンコをギュッと押し付けてきた。

「んー、ヤバイ、興奮しちゃっておさまりそうにない……一回抜いてもいい?」

 ロタが首筋に舌を這わせて吸い付きながらチュ、チュと音を立ててキスをしてきた。少し強めに吸われた時に思わず体がビクッと反応してしまった。

「ヤマト君、ホント感じやすいんだから……可愛いね」
「……ぅわっ!!」

 湯の中で手を膝の下に回され、お姫様抱っこをされた状態で浴槽から出たロタは、俺を抱えたままさっき体を洗っていた所のイスに座らされた。

「さすがに湯船の中に出せないからねぇ……
 ヤマト君は何もしなくていいよ、そのかわり、ちょっと舐めさせて」

 ロタは向かい合って座ると、手で自慰をしながら俺の首や乳首を舐めだした。

「……んっ」

 平たい舌でレロレロと優しく舐められ、立ってしまった乳首を舌で執拗に転がされたり甘噛みされた。思わず声が出る。

「あっ、んんっ……ん……!」
「……はぁ、あ……美味しい……ヤマト君の乳首……」

 俺の体を舐めながら自慰を続けているロタの息子からは、先走りの透明な汁が溢れ出て擦る度にヌチヌチいやらしい音が鳴りだした。その光景に、つられて俺の息子も勃起してしまった。
 その間も、ロタにひたすらじっくりと舐められ続けた。
 乳首を舐められるだけで他の場所は何もされないなんて、ちょっとした拷問だ……
 俺は我慢出来なくなって自分の勃ち上がった息子を握り、自分も擦りだした。

「んっ……うっ……」
「ハァ、ハァ…………あ……ヤマト君も擦ってる…………そこも舐めてあげよっか」

 ロタは俺の体を持ってゆっくり立たせると、膝を広げた正座の体勢になり、性器に手を添えてじゅぷ、と躊躇なく口に含んだ。

「あっ、あぅっ、はぁ、あっ」
「んんっ、ふ、は…………凄い、ヤマト君の先っちょ、ビショビショ……」

 ロタの唾と相まってじゅぽじゅぽ、と物凄い卑猥な音が浴室内に響いている。
 ロタが裏筋や亀頭、鈴口など気持ちが良い所を重点的に舐められ、声も我慢出来なくなり段々と体の底から快感が持ち上がってきた。

「ロ、ロタ、気持ちいい……俺もう……もういきそう……」
「ん……はっ、いいよ出して……俺もイキそう……んぐっ、んっ、んっ」
「や、あ、あっ、もう駄目……イク……ロタ……あぁっ!」

 その瞬間、俺はロタの口の中で果て、ロタもびゅくびゅく、と床に吐精して果てた。
 ロタは肩で息をしながらゴクッと飲み込み、手で唇を拭った後床に落ちている精液をシャワーで流した。

「……ハァ、ハァ……ゴメンねヤマト君、シリウス様にヤマト君襲うなって言われてたのに……結果的に襲っちゃった」

 ロタは椅子にへたり込んでいた俺に軽くキスをすると、石鹸を泡立てて体を洗ってくれた。

「ううん、俺が勝手にシゴいてたのをロタが舐めてくれて、しかも飲み込んでくれて……今もこうして体洗ってくれてるし、ロタは全然悪くないよ、ありがとう」
「ヤマト君…………お礼を言うのはコッチの方だって……
 今晩は思いっきり優しく抱いてあげるからね」
「……っ!! いや、いい!! それはいい!! ってかマジで皆でするの!?」

 大きく狼狽ろうばいしている俺の体を、ロタはニコニコ笑いながら丁寧に洗ってくれたのだった。
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