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第八十八話
腐男子、異世界で結婚する ※(完)
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翌日、案の定腰に激痛が走り、歩くのもままならなかった。今日が定休日で良かったと安心しつつ、朝食で顔を合わせたシリウスとキールにもう二度と5Pはしないと告げた。
あと尿道プラグも禁止とキールに伝えると、酷く悲しみ大きく狼狽していた。
やっぱりあの異物感というか、神経を直接なぞられている様なピリピリとした感覚は今思い出しただけでも背筋がゾッとする。
かわりにキールのに入れてあげるよと申し出たが頑なに拒否された。
キールは俺がプラグを入れられてヒィヒィ鳴いている姿が見たいのであって、自分は挿れられたくないのだそうだ。何か、理不尽だ。
* * * * *
それからはたまに3P位はあったものの、一人一人と愛し合いお互いの愛を確め合い、四人と寝食を共にした。
特に大きな事件も無く平穏で幸せな日々が過ぎていき、気が付けば更に三年の月日が経って俺は二十歳になっていた。
あいも変わらず愛し続けてくれた四人と、俺はついに若くして正式に結婚をした。まだ結婚なんてしたくなかったが、シリウスと早く孫の顔が見たいという王様の強い希望でケジメをつける様な形となった。
正式にシリウスの妻となった俺は本屋を辞め、連日執事のアレフさんに、最低限のマナーと教養を身につけて頂くとかで連日朝から晩まで、食事のマナーから立ち振る舞い、勉学、護身術等々教え込まれている。
更にはミツアキさんと同様の能力が使える事を皆に打ち明け、鑑定師としても務める事になり、本屋で働いていた時以上に忙しい毎日を送っていた。
キールやディルトさん、ロタ達も一緒に住んでいた家を出て、全員王城の方へと移り住んでいる。
俺の部屋はシリウスの部屋に通じている小部屋(と言ってもかなり広い)をあてがわれ、キール、ロタ、ディルトさんの部屋はシリウスの部屋のすぐ隣の部屋、その更に隣の部屋、その更に隣の部屋、といった感じに横並びの三つの部屋に住む事になった。
三人の部屋は空き部屋になっていたらしく中の造りは同じだったが、どの部屋も以前住んでいた家の部屋より広々としていた。ロタはお城に住む事になり、騎士団本部がすぐ隣だし宿舎の様に厳しく無いし食事は最高だしパラダイスだね! と大喜びしていた。
キールは今まで通り、使用人さんの送迎でノインさんの本屋に勤め続けている。
一つ変わった事と言えば、前に騒動になって取次店を辞めたエバン君が、何とノインさんの本屋で働きだした事だった。
キールの話によるとエバン君は真面目に勤務している様だが、ノインさんに対して最近様子がおかしいらしい。頼むからノインさんには手を出さないでいてもらいたい。
そして俺が正式に結婚し二十歳になったとの事で、鑑定師のミツアキさんに妊娠出産に適した、成熟した体になっていると皆の前で鑑定結果を発表されてしまい、その日の晩から早速シリウスに体を求められた。
初めての子は後継者等の事を考えてシリウス、と四人で話し合って決めていたらしい。
「ちょ……ま、待ってシリウス、あっ、んんっ!」
「……待つ訳ないだろ。俺はこの日が来るのをずっと待ってたんだよ……」
ベッドの上で四つん這い状態で、後ろから生で挿れられている。
シリウスの硬く猛った性器が一番奥まで届き、激しく突かれ続けていた。
「はっ、あぁっ、奥まで当たる……! 気持ちい……! いっ、んんっ!」
「俺も……滅茶苦茶気持ちいい……腰止まらねー……!
……前擦ってやるから一緒にイこう、ヤマト……」
「っはぁぁっ!! だっ、駄目、そこっ、やっ、あぁぁぁっ!!」
「愛してる……ヤマト……うっ……うぐっっ……!!」
性器の先端から白濁した液がドクドクと飛び出し、ベッドシーツを汚した。
と同時に、体の奥で大量の温かい液が吐き出されるのを感じた。
(あ……これが中出し……)
シリウスは中の肉壁に性器を擦り付けた後、体内からズルッと引き抜いた。穴からはゴプッという音と共にシリウスが出した液が腿を伝って滴り落ちた。
「ヤバイ、中出し凄い気持ち良かった……
あぁ、ヤマトはそのままで待ってろ、俺が処理してやる」
シリウスがベッドの横に置いてあるティッシュ箱を取り、甲斐甲斐しく俺の体を拭いて穴の中に出された精液を掻き出してくれている。
異世界に来て四年、とうとう中出しされ、これでシリウスとの子を妊娠……
これまでの色んな出来事やこれからの事を色々考えていると
『ゴホン、中出しおめでとう~、めでたいめでたい!
これであの王子も王様も喜ぶのう!』
突然頭の中に聞き覚えのある間の抜けた幼女声が響いてきた。
声の正体は知っている。俺をこの世界に転移させた幼女天使のハニエルだ。
今更何の用だろうと思いつつ、俺はシリウスに気付かれない様に心の中で話しかけた。
(……その声、幼女天使か。久しぶりだな、ってか、また行為を見てたのかよ! どうしたんだよ、今頃になって)
『その後も色んな転移者の経過観察をしとったんじゃが、他の転移者が発狂したり精神が病んでいた反面、お主が意外と順応性が高くてよろしくやっていてビックリしたぞ。
ちゃっかり王子やらイケメン騎士やハーフエルフなんぞ捕まえおってからに。人生勝ち組じゃな』
(はぁ……最初の頃はどうなるかと思ってたけど、何とかなるようになったって感じかな)
『……そうか。
ワシはお主をそっちの世界へ転移させて少し後悔していたぞ。
腐男子だからと言ってお主は男好きでは無かったと気付いてからな……
…………なぁ、お主は今、幸せか?』
遠慮がちに呟くハニエルの声に俺は本当の気持ちを心の声として送った。
(……あぁ、とっても幸せだよ)
* * * * *
夕暮れの庭園。俺は中央の大きな噴水前の白い鉄製のベンチに座り、美しく咲き乱れる薔薇の花々を眺めていた。
腕の中にはおくるみに包んだ小さな赤子を抱っこしている。
薄紫色の髪に黒い瞳、シリウスとの間に生まれた愛する息子、リゲル。人差し指を弱々しく握る小さく細い手が何とも愛らしい。
「ヤマト妃殿下、本日は風が少し強いのでお体に障りますよ。さ、中へ」
「……その妃殿下っていう呼び方、未だに慣れないよ」
執事のアレフさんがクスリと笑いながら俺の腰に手をあて立ち上がるのを補助し、シリウスの部屋へと連れて行ってくれた。
部屋の中にはシリウスの他に仕事が休みのキール、仕事が終わったディルトさんとロタもいた。
「おぉ~リゲルや、おじいちゃんが抱っこしてあげよう」
「父上……ホント、リゲルにはメロメロだよなぁ」
超デレデレ顔の王様にリゲルを抱っこしてもらい、俺はキール達が座っているソファーに腰掛けた。
「体の調子はどうだい、ヤマト君」
「あー、うん、全然大丈夫。ありがとう、ディルトさん」
人生初の出産だが、助産師さんらしき人が魔法で陣痛の痛みを無くしてくれたのと、瞬間移動の魔法で俺の体内から胎盤とへその緒がついた赤ちゃんを移動させたので俺の出産は呆気なく終わったのだった。
テレビで見た産婦人科24時みたいな、苦痛で悲鳴をあげる妊婦さんの様になるのかと内心ドキドキしていたが杞憂に終わった。
「ね、次は誰の子を産んでもらう?
俺がいいなぁ~、ヤマト君に俺との子供、身籠ってもらいたいなぁ」
「……次は俺だよね、ヤマト。
俺とヤマトの子……絶対可愛いよ。想像しただけで涎が……」
「皆何を言っている、ヤマト君の体の事が一番だろう。
…………まぁ、ヤマト君が大丈夫そうなら、次は私の子を……産んで欲しい」
ロタとキール、ディルトさんが早速次が誰の子を産んでもらうかで揉めている。
結局全員の子を妊娠する事になるんだろうから、順番なんて別にこだわらなくても…………そう思いながら、この状況に幸せを感じて笑みがこぼれた。
男だらけの異世界に転移して色々と大変だったけど、俺は今、最高に幸せです。
あと尿道プラグも禁止とキールに伝えると、酷く悲しみ大きく狼狽していた。
やっぱりあの異物感というか、神経を直接なぞられている様なピリピリとした感覚は今思い出しただけでも背筋がゾッとする。
かわりにキールのに入れてあげるよと申し出たが頑なに拒否された。
キールは俺がプラグを入れられてヒィヒィ鳴いている姿が見たいのであって、自分は挿れられたくないのだそうだ。何か、理不尽だ。
* * * * *
それからはたまに3P位はあったものの、一人一人と愛し合いお互いの愛を確め合い、四人と寝食を共にした。
特に大きな事件も無く平穏で幸せな日々が過ぎていき、気が付けば更に三年の月日が経って俺は二十歳になっていた。
あいも変わらず愛し続けてくれた四人と、俺はついに若くして正式に結婚をした。まだ結婚なんてしたくなかったが、シリウスと早く孫の顔が見たいという王様の強い希望でケジメをつける様な形となった。
正式にシリウスの妻となった俺は本屋を辞め、連日執事のアレフさんに、最低限のマナーと教養を身につけて頂くとかで連日朝から晩まで、食事のマナーから立ち振る舞い、勉学、護身術等々教え込まれている。
更にはミツアキさんと同様の能力が使える事を皆に打ち明け、鑑定師としても務める事になり、本屋で働いていた時以上に忙しい毎日を送っていた。
キールやディルトさん、ロタ達も一緒に住んでいた家を出て、全員王城の方へと移り住んでいる。
俺の部屋はシリウスの部屋に通じている小部屋(と言ってもかなり広い)をあてがわれ、キール、ロタ、ディルトさんの部屋はシリウスの部屋のすぐ隣の部屋、その更に隣の部屋、その更に隣の部屋、といった感じに横並びの三つの部屋に住む事になった。
三人の部屋は空き部屋になっていたらしく中の造りは同じだったが、どの部屋も以前住んでいた家の部屋より広々としていた。ロタはお城に住む事になり、騎士団本部がすぐ隣だし宿舎の様に厳しく無いし食事は最高だしパラダイスだね! と大喜びしていた。
キールは今まで通り、使用人さんの送迎でノインさんの本屋に勤め続けている。
一つ変わった事と言えば、前に騒動になって取次店を辞めたエバン君が、何とノインさんの本屋で働きだした事だった。
キールの話によるとエバン君は真面目に勤務している様だが、ノインさんに対して最近様子がおかしいらしい。頼むからノインさんには手を出さないでいてもらいたい。
そして俺が正式に結婚し二十歳になったとの事で、鑑定師のミツアキさんに妊娠出産に適した、成熟した体になっていると皆の前で鑑定結果を発表されてしまい、その日の晩から早速シリウスに体を求められた。
初めての子は後継者等の事を考えてシリウス、と四人で話し合って決めていたらしい。
「ちょ……ま、待ってシリウス、あっ、んんっ!」
「……待つ訳ないだろ。俺はこの日が来るのをずっと待ってたんだよ……」
ベッドの上で四つん這い状態で、後ろから生で挿れられている。
シリウスの硬く猛った性器が一番奥まで届き、激しく突かれ続けていた。
「はっ、あぁっ、奥まで当たる……! 気持ちい……! いっ、んんっ!」
「俺も……滅茶苦茶気持ちいい……腰止まらねー……!
……前擦ってやるから一緒にイこう、ヤマト……」
「っはぁぁっ!! だっ、駄目、そこっ、やっ、あぁぁぁっ!!」
「愛してる……ヤマト……うっ……うぐっっ……!!」
性器の先端から白濁した液がドクドクと飛び出し、ベッドシーツを汚した。
と同時に、体の奥で大量の温かい液が吐き出されるのを感じた。
(あ……これが中出し……)
シリウスは中の肉壁に性器を擦り付けた後、体内からズルッと引き抜いた。穴からはゴプッという音と共にシリウスが出した液が腿を伝って滴り落ちた。
「ヤバイ、中出し凄い気持ち良かった……
あぁ、ヤマトはそのままで待ってろ、俺が処理してやる」
シリウスがベッドの横に置いてあるティッシュ箱を取り、甲斐甲斐しく俺の体を拭いて穴の中に出された精液を掻き出してくれている。
異世界に来て四年、とうとう中出しされ、これでシリウスとの子を妊娠……
これまでの色んな出来事やこれからの事を色々考えていると
『ゴホン、中出しおめでとう~、めでたいめでたい!
これであの王子も王様も喜ぶのう!』
突然頭の中に聞き覚えのある間の抜けた幼女声が響いてきた。
声の正体は知っている。俺をこの世界に転移させた幼女天使のハニエルだ。
今更何の用だろうと思いつつ、俺はシリウスに気付かれない様に心の中で話しかけた。
(……その声、幼女天使か。久しぶりだな、ってか、また行為を見てたのかよ! どうしたんだよ、今頃になって)
『その後も色んな転移者の経過観察をしとったんじゃが、他の転移者が発狂したり精神が病んでいた反面、お主が意外と順応性が高くてよろしくやっていてビックリしたぞ。
ちゃっかり王子やらイケメン騎士やハーフエルフなんぞ捕まえおってからに。人生勝ち組じゃな』
(はぁ……最初の頃はどうなるかと思ってたけど、何とかなるようになったって感じかな)
『……そうか。
ワシはお主をそっちの世界へ転移させて少し後悔していたぞ。
腐男子だからと言ってお主は男好きでは無かったと気付いてからな……
…………なぁ、お主は今、幸せか?』
遠慮がちに呟くハニエルの声に俺は本当の気持ちを心の声として送った。
(……あぁ、とっても幸せだよ)
* * * * *
夕暮れの庭園。俺は中央の大きな噴水前の白い鉄製のベンチに座り、美しく咲き乱れる薔薇の花々を眺めていた。
腕の中にはおくるみに包んだ小さな赤子を抱っこしている。
薄紫色の髪に黒い瞳、シリウスとの間に生まれた愛する息子、リゲル。人差し指を弱々しく握る小さく細い手が何とも愛らしい。
「ヤマト妃殿下、本日は風が少し強いのでお体に障りますよ。さ、中へ」
「……その妃殿下っていう呼び方、未だに慣れないよ」
執事のアレフさんがクスリと笑いながら俺の腰に手をあて立ち上がるのを補助し、シリウスの部屋へと連れて行ってくれた。
部屋の中にはシリウスの他に仕事が休みのキール、仕事が終わったディルトさんとロタもいた。
「おぉ~リゲルや、おじいちゃんが抱っこしてあげよう」
「父上……ホント、リゲルにはメロメロだよなぁ」
超デレデレ顔の王様にリゲルを抱っこしてもらい、俺はキール達が座っているソファーに腰掛けた。
「体の調子はどうだい、ヤマト君」
「あー、うん、全然大丈夫。ありがとう、ディルトさん」
人生初の出産だが、助産師さんらしき人が魔法で陣痛の痛みを無くしてくれたのと、瞬間移動の魔法で俺の体内から胎盤とへその緒がついた赤ちゃんを移動させたので俺の出産は呆気なく終わったのだった。
テレビで見た産婦人科24時みたいな、苦痛で悲鳴をあげる妊婦さんの様になるのかと内心ドキドキしていたが杞憂に終わった。
「ね、次は誰の子を産んでもらう?
俺がいいなぁ~、ヤマト君に俺との子供、身籠ってもらいたいなぁ」
「……次は俺だよね、ヤマト。
俺とヤマトの子……絶対可愛いよ。想像しただけで涎が……」
「皆何を言っている、ヤマト君の体の事が一番だろう。
…………まぁ、ヤマト君が大丈夫そうなら、次は私の子を……産んで欲しい」
ロタとキール、ディルトさんが早速次が誰の子を産んでもらうかで揉めている。
結局全員の子を妊娠する事になるんだろうから、順番なんて別にこだわらなくても…………そう思いながら、この状況に幸せを感じて笑みがこぼれた。
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