腐男子が男しかいない異世界へ行ったら色々と大変でした

沼木ヒロ

文字の大きさ
21 / 96
第十九話

腐男子、本屋に帰る

しおりを挟む
 帰りも馬車の御者ぎょしゃと交渉しないとな、と思っていたらディルトさんが騎士団の馬車で送ってくれる事になった。
 アレだな、元の世界で言う、犯罪に遭った被害者をパトカーで自宅まで送る的なやつか。

 白を基調とし金の縁取りと装飾が豪華な、屋根と扉が付いた馬車に俺とキール、ディルトさんの三人で乗り込んだ。
 行きの馬車では木の板に直に座っていて(途中からキールの膝の上だったが……)お尻と腰が痛くなったけど、この騎士団の馬車の椅子の背もたれと座面は少し弾力があり、クッションが良さそうだ。さすが騎士団の馬車。
 騎士団の団員らしき人が俺達が全員座ったのを確認し、前の方へ座り手綱を持つ。ゆっくりと馬車が前へと進み出した。

 俺とキールが並んで座り、向かい側にディルトさんが座っている。
 真ん中分けの髪型に、瞳は髪と同じ蒼色で長方形の銀フレームの眼鏡をかけている。
 背はキールと同じ位で、騎士団の白色の制服と相まってインテリエリート系イケメンな感じ。
 しかも、俺がディルトさんの名前をどう呼んだら良いか悩んでいたら呼び捨てでいいよ、という気さくさ。
 王都の騎士団長なのに気さくで高身長でイケメンとか、ハイスペックすぎるだろ!

 俺のひがみはさておき、目の前で外の景色を眺めているディルトさんにも鑑定能力を使ってみる。

【名前 ディルト】
【年齢 28歳】
【身長 182センチ】
【体重 70キロ】
【種別 人族ヒューマン
【職業・役職 セイルーン王都第二騎士団長 一級剣士】
【趣味 読書・剣術、武術の稽古】
【好きなタイプ 自分より背が小さくて素直で可愛らしい人】
【性行為時立場 攻め】
【好きな体位 正常位】
【局部の長さ 20センチ】
【初体験年齢 15歳(学園の担任による行き過ぎた愛情行為)】
【性的嗜好 純愛・正常性愛ノーモフィリア

 暇なので、いつもは飛び飛びで見ている項目を全部見てみる事にした。ごめん、ディルトさん。澄ました顔で景色を眺めておられますが、貴方の恥ずかしいステータスを俺がこっそり覗いています。

 ふむ、モノが超デカイ事に驚いたが、好きな体位や性的嗜好も至って普通な感じ。
 初体験の項目は……見なかった事にしておこう。
 でも一通りステータスを見る限り、さすが王都騎士団長、真面目さが滲み出てる。
 イケメンで騎士団長で、真面目で強くて性癖も変態要素が無くノーマルとか、非の打ち所がない。
 ディルトさんに愛されてお嫁さんになる人は幸せだろうなぁ。

 そんなこんなで、時々ディルトさんと雑談をしているうちに本屋に無事着いた。
 店の外も中も暗いままだ。ノインさんはまだ帰ってきていないみたいだ。
 ちなみにキールは馬車の中で一言も喋らなかった。
 どうしたんだろう、やっぱり俺の事怒っているんだろうか。
 後からまた改めて謝ろう。

 ディルトさん達にお礼を言って馬車を降り、見えなくなるまで見送ってから、俺は部屋に王都で買ってきた本を置き、着替えを持って風呂場に直行した。
 カミユヤツに舐められた所、指を出し入れされた所を早く洗い流したいからだ。
 
 服を脱ぎ、風呂場に入ってシャワーのハンドルを回し、お湯が出てくるのを待つ。
 この世界は電気は無いが天然のガスはあるので、シャワーや風呂は普通に入れるのがありがたい。
 ボーッとして待っていると、突然キールが風呂場の扉を開け、服のまま中に入ってきた。

「うわぁぁぁぁ! キール、俺今からシャワー浴びるんだけど!」
 
 俺が下を隠し慌てていたら、キールが無言でズカズカこっちにやって来て……イキナリ口にキスをしてきた。

 俺のファーストキスが!!

「んっ!? んんっー! っふぁっ、んーっ……!」

 口を離そうとしたら頭を抑えられ、キールの舌がずるっと入ってきた。舌や歯の裏などネットリ舐め回される。
 ファーストキスなのにいきなりハードモードで攻められている。
 これは一体どういうこと? キール怒ってなかったっけ?
 口の中をキールにベロベロと滅茶苦茶に舐め続けられ、段々抵抗していた手に力が入らなくなり、足腰がガクガクしてきた。
 キールは俺にキスをしながら、俺の少し半立ちになっているモノをギュッと握り、上下に強めにシゴきだした。

「!! んんんっ!! んんーっ! っはっ、キール……あぅっ、うっ、やめ……やめて……!」

 やっとの事でキールの唇から離れ、やめてと懇願したがキールは我を忘れているのだろうか、下半身をシゴいている手を止めず、俺の頬や首筋を舐めてきた。
 俺はいつもと様子の違うキールに恐怖を感じ、思わず涙がポロポロ出てしまった。

「うっ……イヤだ……こんなのイヤだよ……うぅっ……」

「…………!!」

 俺の顔を見たキールはハッとし、口と手の動きを止めた。
 キールは小さな声でゴメン、と一言だけ呟くと風呂場から出て行った。

 俺はそのままその場にへたり込み、風呂場にはシャワーの流れる音が虚しく響いた。
しおりを挟む
感想 88

あなたにおすすめの小説

実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…

彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜?? ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。 みんなから嫌われるはずの悪役。  そ・れ・な・の・に… どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?! もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣) そんなオレの物語が今始まる___。 ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

有能すぎる親友の隣が辛いので、平凡男爵令息の僕は消えたいと思います

緑虫
BL
第三王子の十歳の生誕パーティーで、王子に気に入られないようお城の花園に避難した、貧乏男爵令息のルカ・グリューベル。 知り合った宮廷庭師から、『ネムリバナ』という水に浮かべるとよく寝られる香りを放つ花びらをもらう。 花園からの帰り道、噴水で泣いている少年に遭遇。目の下に酷いクマのある少年を慰めたルカは、もらったばかりの花びらを男の子に渡して立ち去った。 十二歳になり、ルカは寄宿学校に入学する。 寮の同室になった子は、まさかのその時の男の子、アルフレート(アリ)・ユーネル侯爵令息だった。 見目麗しく文武両道のアリ。だが二年前と変わらず睡眠障害を抱えていて、目の下のクマは健在。 宮廷庭師と親交を続けていたルカには、『ネムリバナ』を第三王子の為に学校の温室で育てる役割を与えられていた。アリは花びらを王子の元まで運ぶ役目を負っている。育てる見返りに少量の花びらを入手できるようになったルカは、早速アリに使ってみることに。 やがて問題なく眠れるようになったアリはめきめきと頭角を表し、しがない男爵令息にすぎない平凡なルカには手の届かない存在になっていく。 次第にアリに対する恋心に気づくルカ。だが、男の自分はアリとは不釣り合いだと、卒業を機に離れることを決意する。 アリを見ない為に地方に移ったルカ。実はここは、アリの叔父が経営する領地。そこでたった半年の間に朗らかで輝いていたアリの変わり果てた姿を見てしまい――。 ハイスペ不眠攻めxお人好し平凡受けのファンタジーBLです。ハピエン。

ひみつのモデルくん

おにぎり
BL
有名モデルであることを隠して、平凡に目立たず学校生活を送りたい男の子のお話。 高校一年生、この春からお金持ち高校、白玖龍学園に奨学生として入学することになった雨貝 翠。そんな彼にはある秘密があった。彼の正体は、今をときめく有名モデルの『シェル』。なんとか秘密がバレないように、黒髪ウィッグとカラコン、マスクで奮闘するが、学園にはくせもの揃いで⁉︎ 主人公総受け、総愛され予定です。 思いつきで始めた物語なので展開も一切決まっておりません。感想でお好きなキャラを書いてくれたらそことの絡みが増えるかも…?作者は執筆初心者です。 後から編集することがあるかと思います。ご承知おきください。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

平凡な俺が総受け⁈

雫@21日更新予定!
BL
高校生活一日目で車にひかれ異世界へ転生。顔は変わらず外れくじを引いたかと思ったがイケメンに溺愛され総受けになる物語です。

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、 癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!? トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。 彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!? 
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて―― 運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない! 恋愛感情もまだわからない! 
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。 個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!? 
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする 愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ! 月、水、金、日曜日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新) 基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!

処理中です...