腐男子が男しかいない異世界へ行ったら色々と大変でした

沼木ヒロ

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第二十八話

腐男子、久しぶりの再会 ※

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「……うっ、んあっ、やめ、やめて……」
「ヤマトッ……ウッ、気持ちイイ……好き、大好き……」

 俺は仰向けでキールに深く突かれ続け、激しい快感に襲われながら尚もパニックになっていた。

(俺まだ16歳なのにもう妊娠エンド? ……ヤバイ、超ヤバイ)

 キールから離れようとしてもがくと、キールは前立腺の部分に当たる様上向きに腰を振り出し、再び持ち上がってきた俺の息子も激しく擦りだした。

「っあぁっ! だ、駄目っ! そこ駄目ぇっ! 俺またイッちゃう……あぁっ、あっ!」
「……ッ、ヤマトも一緒に……一緒にイこう……」

 ピンチなのに俺は快楽の渦に飲み込まれ、涙とよだれを垂らしてあえぎまくっている。
 どうしよう、俺このままじゃ……!

『ったく、お主は……妊娠したいのかしたくないのか、どっちなんじゃ、ハッキリせい』

 突然頭の中で水を差すように、幼女の声が響いてきた。
 この声……聞き覚えがある。
 俺を異世界へ転移させた……ハニエルだ……!
 もうこの前で通信は最後とか言ってたから、存在事態忘れてた……

『色んな転移者や転生者の経過観察をしていたら、お主が面白い事になっとるからしばらく眺めてたんじゃが……ぐふふ……おっと、失礼』

 ハニエルコイツ……ずっと楽しんで見てただろ……

『ゴホン、お主はチートで妊娠する能力はあるが、そっちの世界でも避妊具はあるから嫌な時は予防できる。
 しかしお主がこの前犯されたロタの様に、常に携帯している者は少ない。
 何せ、妊娠できる男自体、まれじゃからのう。
 避妊具なんて滅多に使われていないようじゃ』

 そうなんだ……って、ロタの時も見てたんかい!
 俺のあのおねだりとかグフグフ言いながら見てたのか!? 超恥ずかしいんだけど!!

『で、お主はどうしたいんじゃ?
 このままだと数分後には中出しされて、若くしてめでたくご懐妊になるが。
 そこの男と子供とで幸せに暮らすのか?
 せっかく時間停止能力を授けたのに、お主は快楽に溺れると忘れるようじゃのう』

 そうなのだ。俺、時間停止能力があるのに、気持ち良い事されるとつい使いそびれてしまう。バカだ俺……
 だってまだ16歳で、この前まで童貞だったんだもん……
 強い快感にはあらがえない。

『まぁ今回は使わなくても大丈夫っぽいがな。もうすぐ邪魔が入る。
 それじゃ、ワシはまた傍観者に戻るとするかの。
 せいぜい頑張るんじゃぞ、大和ヤマト

 ……え? 邪魔が入る?
 そう思っていたら、突然ノックの音がした。

《キール、ヤマト君、そこにいるー?》

 !! ノインさんだ!! キールは俺の目を見てハッと我に返った。
 キールから急いで離れようとすると、キールは俺の口を手で押さえ、穴の奥までズブズブ挿れた状態で止まり、俺が動けない様に上から押さえ込んだ。

(…………!! んうぅっ……う……!)

 な、何してんだよキール……!! 口苦しい……! 抜いて……コレ抜いてって……!!

 キールは俺の中深くに挿れたまま、フーフー肩で息をしながら、ドアの向こうのノインさんに返事をした。

「ハイ、ヤマトもいます……もう少ししたら新刊持って行きます……」

《分かった~。お客さんそろそろ増えてきそうだから、適当に切り上げて一緒に下りてきてね~》

 ノインさんはそう言ってドアから離れて行った。床に響いていた足音が小さくなっていく。

(良かった、ノインさんにバレなかった……)

 ホッとしているとキールは俺の口を塞いだまま、

「ノインさん、来ちゃったね……まさかこの倉庫の中で俺とヤマトがこんな事しているなんて、思ってないだろうねっ……ウッ……」

 そう言って再び腰をゆっくりズプ……ズプ……と前後に動かし始めた。
 いやいやいや、抜いて! マジでコレ抜いて!

「……本当はこのままイッて、ヤマトの中に沢山出したかったんだけど……
 そろそろ下に下りなくちゃいけないみたいだから、今日はこのまま終わりにするよ……残念だけど」

 ホッ……良かった、キールはまだイッてないけど終わりにしてくれるらしい。
 早く服を着て下に下りなくては……
 って、キールがどけてくれない。

「……終わりにしたいけど、嫌だ……ヤマトの中から抜きたくない……ずっと挿れておきたい……」

 何を言ってるんだキールは。早く俺の上からどけてコレ抜いてってば!
 口を塞いでいた手を払い、キールを説得する。

「……っ……キール、今日はもう終わろう、あまり遅いとノインさんがおかしく思ってまた来ちゃうから……」

 そう言うとやっとキールは俺から離れてくれた。
 俺の体の中から、ズルズルッと圧迫していたものが抜け、ホッと安堵あんどする。

 キールが持っていたティッシュで濡れている体の部分や床を拭き、二人で服を直した後、キールが新刊がどっさり乗ったカートを動かしだした。
 俺が倉庫のドアノブに手を掛け出ようとしたら、背後からキールが抱きしめてきた。

「……ヤマト、大好き、愛してる……
 また今度、続きさせてくれる……?」

 キールが俺の髪に顔をスリスリし、また髪の匂いを嗅いでハァハァしている。
 そうだった、キールはまだイッてなかったんだった……

 俺は少し考えてから

「……避妊してくれるなら……いいよ」

 と返事をした。
 嫌だって拒否したら、また何かのタイミングでキレたキールに捕まって、無理矢理中出しされそうだからな……

「本当!? 嬉しいよヤマト、分かった。
 ヤマトをまた抱けるんなら、避妊するよ。
 本当はヤマトとの子供が沢山欲しいけど……ヤマトが望むまで我慢する」

 キールは俺の頭を手で撫でながら、嬉しそうな顔をして口にキスをしてきた。

(俺……自分が男とキスしたりセックスしたりは絶対無いと思ってたのに……滅茶苦茶気持ち良いんだもんな……
 こういうのも……ま、いいか……)

 俺は倉庫のドアの前で、キールに何度もキスをされた後、二人で新刊を一階へと運んで行ったのだった。
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