腐男子が男しかいない異世界へ行ったら色々と大変でした

沼木ヒロ

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第三十一話

腐男子、トイレの中で悶える

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 俺は突然誰かに個室に引きずり込まれ、恐怖で震えていた。

(だ、誰……?)

 口を塞がれたまま少し振り返ると、頭をすっぽり覆ったローブのフードから見覚えのある金色の髪が見えた。

「ヤマト……まだ何もされてない?」

 キール!! 何してるんだよ!!

「仕事片付けた後、心配だから俺も後を追ってここに来たんだけど……
 ヤマトがディルトさんと楽しそうに食事してるのを見て、凄く嫌な気分になってトイレに逃げた。
 そしたら丁度、ヤマトもトイレに来てくれた……嬉しい」

 俺はキールの手の中で小さい溜め息をついた。

「でも、あの人は本当に真面目というか純粋だよね。今朝もあっさり、ヤマトと行くお店の事、俺に教えてくれるんだから。
 鴨肉のローストを出すお店は王都にここ位しか無いからすぐ分かったよ」

 キールはそう言うと、もう片方の手を俺の下着の中に入れしおれているモノを触ってきた。

「ん! んん!?」
「これは、俺を嫌な気分にさせた罰ね」

 勝手について来ておいて嫌な気分にさせた罰って……
 納得がいかない俺の気持ちをよそに、キールは少し勃ってきた俺の息子を掴み、上下に激しくシゴいた。

「……んっ、んんっ!……んぅ!」

 塞がれた口元から声が漏れる。
 
「フフ、勃ってきたよ? こういうの好き? 興奮する?」

 恥ずかしくて耳まで赤くなった。
 俺、トイレでキールにアソコをシゴかれて感じてる……! うぁぁぁっ!

 先からも透明な汁が溢れ出てきて、キールが手を上下に擦る度にヌチヌチと音が鳴った。
 ヤバイ……早くディルトさんの所に戻らないといけないのに……気持ち良くてキールの手を払えない……!

「汁が沢山溢れてきたよ。こんなに気持ち良いんなら罰にならないね」

 キールが言葉責めをしながらしゃがみ込んだと思ったら、ガチガチに硬くなってしまったモノを口に咥えてしゃぶりだした。
 あぁぁっ……駄目だ、やっぱり手と比べて段違いに気持ちが良い。
 あまりの快感に悶えていると、突然トイレのドアが開く音がし、ディルトさんの声がトイレ内に響いた。

「ヤマト君、いるかい?」
「っはっ、ディルトさん、ハイ、います……ぅっ!?」

 ディルトさんに返事をしているにも関わらず、キールは俺を見上げながらずっとしゃぶり続けている。

(や……やめて……変な声が出る……!)

「どうしたんだい、お腹が痛いのかい? それとも気分が悪いのかい? 私に見せてごらん」

 心配した様子でディルトさんが話を続けてきた。
 でもキールは口を動かすのをやめてくれない……
 唾液と俺の液とがグチョグチョに絡まって……滅茶苦茶気持ち良すぎる。
 俺は変な声が出ないように我慢するので精一杯だった。

「ふぁっ……! だ、大丈夫……です……っ……!」

 キールは音が鳴らないようにねっとりまとわり付く様に舐め続けている。
  やめて、マジで今はやめて!

「……分かった、私は席で待っているから、落ち着いたら戻っておいで」
「……は、はぃっ…………んっ!」

 俺はディルトさんに返事をしながら、キールの口の中でビュクビュクと液を勢いよく出しイッてしまった。

 トイレのドアが閉まり、ホッと安堵し肩で息をする。
 下半身がまだビクビクしていた。

「フ……今日もご馳走様、ヤマト。
 ディルトさんと話しながらしゃぶられて興奮した?」

 膝がガクガクし全身の力が抜ける。物凄い脱力感に襲われよろけそうになり、キールの頭にしがみついた。
 
「……可愛いなぁ、ヤマトは。
 俺がディルトさんに言って来ようか?
 俺とヤマトはもうセックスをした仲です、ディルトさんとデートしている最中も、俺がヤマトのココをしゃぶってイかせました、って。
 ディルトさんどんな顔するかな」

 キールはニヤッと悪そうな顔をしながら俺を見上げ饒舌じょうぜつに喋った。

(キールの……イジワル……
 俺またキールにイかされてしまった……
 抵抗出来なかった俺も俺だけど……)

 俺は服を整え、すっかり上気してしまった頬の熱が引かないまま、ディルトさんの元へ戻った。
 ディルトさんは俺の様子がさっきと違う事に気付き、頬を撫でながら体調を気遣ってくれた。

「ヤマト君、本当に大丈夫かい?
顔も赤いし体調が悪そうだ……
今日はもう帰ろうか、送っていくよ」

 ディルトさんは伝票を手に取り、会計をしてくるから座っていなさいと言い歩いていった。

(ありがとう……ディルトさん。そしてゴメンナサイ)

 俺は心の中で謝った。



* * * * *



 帰りは馬車の客車の中で休ませてもらう事になった。
 熱は無いしもう大丈夫、と伝えたけど、念の為客車の中で体を休めておきなさいと言われてしまった。

 元々、食事をしたらすぐ帰るつもりだったけど、ディルトさんにここまで気を遣わせてしまって何だか悪い気がした。
 今度、ディルトさんに埋め合わせしないと……

 そう思いながら俺は座席に座ったままうつらうつらし、そのまま眠ってしまった。



 * * * * *



……あれからどれ位時間が経ったのかな……
 馬車の揺れ、おさまってる?
 本屋に着いた……?

……? 何かが唇に当たってる……柔らかい感触……

…………

…………んん?

 違和感を感じて目を開けると、ディルトさんが俺の肩に手を添えてキスをしていた。
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