ヤンデレ不死鳥の恩返し

リナ

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十話

★愛情論

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 体勢を変え、フィンが覆いかぶさるようにして愛撫していく。胸に吸いつき、熱い掌で体中を撫で回し、太ももと膝を辿るように摩り…半勃ちになってるのを先走りを塗りこむように上下に擦る。

「はっ、ああぁ…っ」

 何もかもたまらなかった。体中から溢れる暴力的な刺激に脳の処理は追い付かず、でも体は着実に熱を募らせて、今にも弾けそうだった。ふとフィンが棚の方を見た。ほんの一瞬考えるように目を細め…、

「ライ、足を開いて」

 俺が素直に膝を開くと、フィンは恋人の甘い笑みを浮かべてキスを降らせてきた。甘やかすようなキス。しかしそれを与える男の瞳は欲情し獰猛に光っていた。

 ゾクリ

 甘い刺激との差に鳥肌が立つ。

「は、んん、ッ…ふぃ、ん…」

 口の端から溢れた唾液を舌でたどい、フィンは弛緩した俺の膝に手をいれ軽く持ち上げた。少し体を引き、俺の足の間にまた移動する。またフェラするのかと思えば

 ぺろっ

 後ろが濡れる感覚がして飛び起きた。

「なっっっ?!?!」

 一瞬思考が止まった。
 (い、いいいい、いま、舐められ…?!)
 まさかの行動に信じられず慌てて止めようとした。フィンも一切譲る気がないのか足の間からどかず、しかも、ちゅるりと再度舐めてくる始末。

「ひぃっ!!?…こ、こら!ふぃ、ふぃんっ…!やめろっ!」

 シャワーに行く時に中の洗浄はした。…洗浄したが、だからといって舐められたくはない。

「くっ、フィンッ、ああっ、汚い、って…!舐め、なめるなっ、ば、かっ、」
「ライの体は汚くない」 
「今、そうゆ…精神論、いらねぇっ!!」
「愛情論だ」
「どっちでも、いーわっ!!くっ、ァアッ、こ、の…聞けって…っ」

 足でフィンの頭を挟んで阻もうとするが

 ぐぐぐっ

 内ももを鷲掴み、こじ開けられた。普段は力ずくなんて絶対しない癖にこういう時だけ実力行使するのはズルい。

「ふぃんッ~~~!」

 白金の髪を掴んで抵抗すれば、据わった目で見上げてくる。

「ライ、何故嫌がるんだ。前戯では互いの体を舐めるものだろう」
「体舐めん、のは…いいけど、そ、そこは違うだろっ」
「ここだからダメなのか?どうせライはここも綺麗にしてきたのだろう?」

 私がしたかったのにと惜しむように言う。いやいや、と顔を青くして首を振り、棚に視線を移した。

「ローション…ねえの?前はここに入れといたよな…?」
「それなんだが、備品は全て無くなっていた」
「!!!」
「家具を替えた時に捨てられたのだろう。当たり前の事だったんだが…今さっき部屋を確認した時に気付いてな。私の準備不足だ。申し訳ない」
「いや、それは…俺も確認不足だった……ごめん…」

 謝らせてしまい逆に申し訳なくなる。備品がなくなってしまったのはフィンのせいではない。今の時間では最寄りの薬局も閉まっているし、今日中に用意する事は諦めるしかないだろう。

「だからこそ私が舐めようかと」
「いっいやいや!違う!待て!キッチン!キッチンにオリーブオイルあるから…!あれなら使えると思う…から、持ってくる!」
「だめだ。こんなフニャフニャのライを見せるわけにはいかない。それに…オイルだとシーツが汚れてしまう」
「タオルしけばいいじゃっ、…っ!」

 言葉の途中で正面から抱かれた。汗をかいて強まったフィンの匂いに包まれ、どうしようもなく興奮させられた俺はストンと力が抜けてしまう。

「あ…フィン…っ…」
「仕方ない。そこまで嫌がるのなら…諦めよう」
「!」

 やっとわかってくれたのか!と安堵した俺の両手を、

 しゅるり、きゅっ

 頭の上で束ねて、紐で縛るフィン。

「へ?」

 手際が良すぎて止める間もなかった。ついでにベッドの柱にも固定され、自由を奪われた俺はポカーンとする。

「はっ…?な、何…して…」
「手首や肩は痛くないか?」
「痛くはねえ…って、待て待て!なにこれ…?!!」
「誠に遺憾だが、ライを甘やかすのを諦める事にした」
「はあ?!」
「しかし安心してくれ。縛るのは後ろを慣らす間だけで、終わったらすぐに解く」
「何言って…あぁぅっ??!」

 油断してるところに、勃ってるのをしゃぶられ、情けない声が出た。じゅぷじゅぷと濡れた音が響くのと同時に喉の奥の締め付けで畳み掛けられ、剥き出しの快感が容赦なく思考力を削がれていく。俺の意識が快楽に移り始めるとフィンは性器から離れ、ぬるりと後ろを舐めてくる。

「やっ、ああぁ…!はっ、うぅ…!」

 猛烈な恥ずかしさと絶妙な不快感に襲われるが、手で前を弄られてるせいでその不快感も紛らわされてしまいかなり複雑だった。やがて濡れた舌がぐちゅりと侵入してくる。

「ああッ?!、な、っ…うぐッ、うう…っ」

 熱くて弾力のある舌先がちゅぷちゅぷと出し入れを繰り返し腹の内で暴れる。入ってくるのもだが、壁を確認するように舐められるのは初めての感覚で、ぞわぞわと鳥肌が立たせながら未知の感覚に視界が滲んでいく。

「アアアッ…、やっ、も、いいっ、んくっ…!!んあっ、もっ、いぁ…や、やだ…、うううっ、フィ、ンン…~~ッっ、」

 マジで泣きそうになった頃、やっと舌が出ていった。どっと疲れが押し寄せてベッドに沈み込み、ゼエゼエと息を整える。そんな瀕死の俺をフィンは獰猛な笑みで見下ろし、間を置かず指を入れてきた。舌では届かなかった場所をくちゅりと開かれ、びくびくと体が震える。

「~~~っ!!」

 散々舐められたおかげで指が侵入しても一切痛みはない。引き攣る感じもなく、すぐに二本目の指が入ってきて手前のしこりを引っ掻くように撫でられた。

「ンあああ…ッ」

 背中を軋ませて喘ぐ。快楽でふやけた頭でもそこからの刺激はダイレクトに伝わってくる。フィンは指はそのままに仰け反る俺の胸に舌を這わせ…ぎちっと歯を立ててきた。鋭い刺激に更に鳴かされる。

「いっ!ああっ…ッ!ハアッ、ん、くっ、」

 ドロドロの熱に溶かされた体は限界で、それを表すように前からは先走りがとめどなく溢れている。
 (やばい、ほとんど触ってないのに…)
 このままだとまた変なイキ方をしてしまう。怖くなった俺は急かされるようにフィンの腰に膝で触れた。下着の下の固くなったそれは今にも弾けそうなほど膨れている。
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