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Ifシリーズ
義理のお兄ちゃん①(ザク×ルト)
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※「牧師に飼われた悪魔様」の学パロ(本編未読○)
※質問コーナー『兄弟になるなら~』から派生
※社会人ザク(28)×高校生ルト(16)
※①と②はほとんど別の奴と絡んでます
※色々注意(複数プレイ、無理矢理、拘束、NTR、フェラ…)
「あ、あの…」
勇気を出して声をかけてみた。目の前には早朝からびしっとスーツを着こなす男が一人。20代後半ぐらいの恐ろしい程顔の整っている男だった。こんな男がうちの玄関にいるなんて変な感じだ。
「いー…」
ガチャリ
男は革靴をさっさと履いて出ていってしまう。一人残された俺は廊下でポツンと寂しく立ち続けるのであった。
“なんだって?兄貴ができた?"
午前の授業が終わりスマホを確認すると、心配するメッセージが届いていた。黙々と返信する。
“うん、ちょっと相談したいからそっち行っていい?”
“おう!来い来い!ルトの好きな菓子用意しとくわ”
「お菓子って…俺子供じゃないんだけど…」
一人ぼやいてから俺は弁当を持って屋上に向かった。今メッセージを交わしていた相手はバンという青年で、学年は二つ上だが、変なのに絡まれてる所を通りすがりに助けられたのをきっかけに親しくなり、こうして時々相談に乗ってもらうぐらいの仲になった。俺にとっての数少ない友人である。
ガチャっ
「お、ルトくんだ!こんにちは~今日も可愛いね~」
「…?!」
屋上に入ってすぐ、茶髪のチャラそうな青年が寄ってきた。コイツはバンの幼馴染でめちゃくちゃ下半身が緩いって噂のシータとかいう奴。バンと違って友人カテゴリーではなく、逆に警戒すべき対象なので無視して通り過ぎた。「無視は寂しいんだけど~」という声が追いかけてくる。
「ルトーこっちこっち」
屋上の柵に寄りかかるようにして昼食をとってる黒髪硬派のイケメン、バンが手を振ってくる。その姿を見つけた瞬間ホッとして、早足で駆け寄った。
「ほらルト、このグミやるよ。新作らしいぞ」
「…美味しそう」
「だろ?あとで一口くれ」
「…俺が一口もらう側でいいのに」
「ルトにあげるつもりで買っといたんだから気にせず食え」
あげるつもりって、俺が相談しに来るのが予想されてたみたいな口ぶりに驚きを通り越して笑えてくる。人柄もよく交友関係も広いバンはかなりの情報通らしいし、俺が朝から暗い顔をしていたのをどこかで聞きつけたのかもしれない。食後のおやつにしよう…とグミを一旦膝に置いたところでバンの反対側に腰掛けていた藍色の髪の青年が「にゃはは」と笑った。
「こんな可愛い子を餌付けして囲うなんて、バンもスミに置けないにゃ~」
「囲うって…人聞きの悪い事を言うなよ、アイザック」
「にゃっはは」
顔立ちだけ見ると美人系の顔だが笑うととても人懐っこい印象になる。この人もバンの幼馴染のはず。二人ともバンとは系統が違うのに気が合うなんて不思議な感じだ。
(唯一の共通点はイケメンって事か)
うちの学校で知らない奴はいないってレベルの有名人だが、こうして他愛のない会話をしていると普通の男子高校生しか見えない。
「で、兄貴の話を聞かせてもらおうかね」
「ああ、うん…」
お弁当を包んでいた布を広げながら、ぼそぼそと話し始めた。
「実は先週末…金曜の夜なんだけど。突然父さんが“この人たちと家族になるから"って義理の母(仮)と兄(仮)を連れてきてさ」
「急展開だな」
「うん…しかもそのまま家に住み始めちゃって…、うちは一軒家だし部屋は空いてるけど…あまりにも怒涛の展開でぶっちゃけ頭がついていけてないんだ」
父も、急に現れた義母や義兄も…皆仕事が忙しい為、家にいてもほとんど会う事はない。だが、気まずくて土日はずっと部屋に引きこもって過ごしていた。
「そりゃ大変だったな」
ポンポンと頭を撫でられる。土日で疲弊した心が慰められる気がした。小さく頷く。
「ねえねえ、義兄ってイケメン~?てか何歳なの?社会人って事は結構離れてるよね?」
横からシータが質問攻めにしてくる。俺はすぐさまバンの肩に隠れて、怪訝な顔を向けた。
「28歳、すごくイケメン…だったけど…、その情報、いる…?」
「いるでしょ~ルトくんこんなに可愛いんだから、下手したら襲われちゃうよ~」
「ないって…俺、男だし…」
「えー?ただのイケメンじゃ欲求不満になって襲っちゃうかもだよ~男は狼なんだから~」
「お生憎様、そこらにいそうなレベルじゃないんで絶対大丈夫です」
義兄はテレビとかで出てきてもおかしくないぐらいイケメンだった。…あまりジロジロ見てると嫌われそうだったからよく見れなかったけど、とにかく、頭身もチートだし仕事も商社マンでエリートだし誰もが憧れるイケメンなのは間違いない。
(きっと職場でもモテモテなんだろうな…)
義兄の事はよく知らないが、女に困ってないのだけは一目瞭然だった。
「なるほどな」
そこまで大人しく聞いていたバンが納得するように頷いた。
「ちなみにルト。突然とは言ったが先月もそんなような話をしてなかったか?」
「うん……一応…、付き合ってる人がいるから紹介したい、みたいなのは軽く聞いてた……。でも、ここまで再婚しなかったしもうないかと思って油断してたよ…」
「はは、フラグは立ってたって事だな」
「うん…」
エイプリルフールの冗談かと思って聞き流したのがダメだった。ちゃんと聞いておけばよかったと頭を抱える。
(家族が増える…かあ)
母が亡くなってから十年。父は一度も再婚を匂わせなかった。家があったから住むのには困らなかったが、一人親として我が儘は言えなかったし、唯一の家族である父は仕事に明け暮れてほとんど家にいなかった。ずっと広い家で留守番するだけ、思い出なんて言えるものは一つもない。
(やっと、この孤独と折り合いがつけれるようになったところで、突然言われても、)
喜びより戸惑いの方が大きいわけで。
わしゃわしゃ
バンがさっきよりも強めに、髪をかき混ぜるようにして撫でてくる。
「まあなんだ。最初の内はストレスだろうが…家族が増えるってのは良い事だ。少しずつ仲良くなれるといいな」
「…ありがとう」
バンの言葉に心が暖かくなった。そして思い出す。相談事がまだできてなかった、と。
「ん?今の話が相談じゃないのか?」
「いや、えっと…本題はここから。今のは経緯を伝えただけ」
「ほほう?」
「どゆことお?」
「にゃ?」
昼食を口に運びながら上級生三人が首を傾げる。
「えっと…単刀直入に言うけど」
「おう」
「義兄さんと仲良くなるには…どうしたらいいと思う?」
俺の言葉に三人は目を見開き、顔を見合わせるのだった。
***
「それで何か言われたのか」
午後の授業も無事に終わり、俺はクラスメイトのエスと共に徒歩で帰宅していた。お互い帰宅部なので授業が終われば長居することはない。さっさと高校を脱出した。
「うん、色々教えてもらったよ。たまに変な案が出たけど、俺兄弟いなし、家族とかの距離感もよくわかんないからすごく助かった」
「よかったな」
「エスもなんか良い案あったりする?義兄さんと仲良くなる方法」
「…そもそも仲良くなる必要があるのか?」
「え?」
エスは学ランの下に着たパーカーのフードを目深にかぶり、少し眩しそうに目を細めてこっちを見てくる。
「まだその男がどんな奴なのかわかってないんだろ?仲を悪くする必要はないが…仲良くする必要もないだろう」
「…エス」
「すまん。踏み込みすぎた」
忘れてくれ、とエスは首を振ってまた歩き出した。エスはそのぶっきらぼうな言動と顔が綺麗すぎる事も相まって、クラスメイトからは距離を置かれていた。今だってそうだ。一件拒絶の色が強く聞こえもする台詞だったが…実は全然そんなことはない。
「エス!」
呼び止めて、自分もエスの横に並んだ。一緒に歩いてると、フードがチラリとこちらを向く。
「…ルト」
「ありがとう、俺の事、心配してくれて」
「!」
「家族になるっていっても他人だもんな…。うん、ちゃんと警戒しとくよ。心配してくれてありがとな、エス」
そう言うとエスは、酷くホッとしたような顔をする。やっぱりそうだ。エスは俺の事を思って言っただけ。勘違いされやすいだけで普通に良い奴なのだ。
「ね、もしも義兄さんと何かあったら…エスに電話してもいい?」
「…ああ、すぐ助けに行く」
「助けにって…兄弟でそんな修羅場にはならないと思うけど……」
「いや、ルトは可愛いから、ありえる」
「なっ…可愛いって言うなっ」
プンプンと怒って見せると、エスは柔らかく微笑んだ。こんな笑顔を見せられようものなら学校中の女子生徒が卒倒するだろう。もうしばらくはこの笑顔は封印…いや、俺が独占しておこう。学校の平和のためにも、俺のためにも。
「あ、俺スーパー寄ってくから、ここで解散な」
「買い出しか。手伝おうか?」
「大丈夫、慣れてるし」
細っこい腕でマッチョのポーズをすると「頼りになるな」とからかうように笑ってくる。「なんだと!」と噛みつこうとしたらエスは早足で信号を渡っていった。またな、と手を振られる。それに笑顔で返してから…俺は腰に手を当てた。
「よーし!!」
ピンポーン
「!」
キッチンで居眠りしかけていた俺は飛び起きて時計を確認する。20時半。父は毎度の事ながら仕事で帰りが遅いし、義母は出張で今日の朝から一週間不在。つまり、このインターホンを押した人物はー…
ガチャリ
慌てて玄関扉を開ける。
「!!」
そこには義兄が立っていた。まだ鍵ができてないため義兄はインターホンを押して帰宅する形をとっている。
「ど、どうぞ…」
「…」
俺と義兄はしばらく無言で見つめ合い(睨み合いか…?)、義兄が横を通り過ぎる形でそれは終結した。靴を脱ぎ捨てて早足で廊下を突き進む義兄。長い足が階段にかかる瞬間、
「お、おかえり…!」
勇気を出して声をかけてみた。
ギロリ
横目で睨まれ、そのあまりにも鋭い眼光に「ひっ」と怯えて後退る。
「チッ」
義兄は舌打ちと共に顔を背け、自室がある二階へと階段を駆け上がっていく。一人残された俺はエプロンの裾を引っ張りながら呆然とした。一分ほどそうしていて、ハッと我に返る。
「な、なんだよ…、ちょっとレベチなイケメンだからって…無視からの舌打ちって酷くないか…」
“無視は寂しいんだけど~"
昼間のシータのぼやきが脳内で再生される。義兄への怒りもさながら、そうか、無視ってやられた方はこんな気持ちになるのかと反省の気持ちも浮かんだ。
「とりあえず…作戦Bに移行だな」
昼間にバン達と考えた『お義兄さんと仲良し大作戦』を決行すべく淡々と行動した。準備はすでに終えてるので動くだけなのだ。階段を静かに駆け上がり義兄を追いかける。すでに自室に入ったのかその見惚れるようなスーツ姿は廊下から消えていた。
とんとん
義兄の部屋をノックしてみる。反応はない。
「あの、お風呂できてるよ」
「…」
「ご、ご飯も…ハンバーグ作ったから」
「…」
「シャツもアイロンかけたから…ここ、置いとく…」
「…」
ダメだ。反応がない。もしかして寝ちゃったのか。朝も五時ぐらいに家を出てたし、仕事内容だって心身ともに疲労するはず。無理に俺の都合で『作戦』を押し付けるのは止めておこう。
(まだ一日目だしな)
たった一日で諦めるのは早すぎる。あっちはどう思ってるかわからないけど、俺は家族になったのなら仲良くしたいし、欲を言えば一緒にご飯を食べたり、他愛のない会話で花を咲かせたいのだ。血は繋がってなくても、年がいくら離れていても、一生ものの家族になるのだから。
(そうすれば…家に帰るのが楽しくなるかもしれない)
期待を胸に、俺はそろそろと階段を下りるのだった。
それから三日、俺は『作戦』を続けた。
①できるだけ挨拶する(→無視or舌打ちされる)
②ご飯を作る(いつの間にか完食されるが反応は無)
③家事で距離を縮める(アイロン台にクリーニング代的な金が置かれていた)
④背中を流してあげる(キレて追い出された)
⑤相手を褒める(無視されて一回もできてない)
⑥声をかける時はエプロンか制服を着とく(これはちょっと意味が分からないけどやってる)
簡単にいうとこんな内容だった。ぶっちゃけ家事は俺の担当だしいつもしてる事ではあるのだが。少しでも美味しくなるように食材の下ごしらえを頑張ったり、シャツも皺一つないよう時間をかけてアイロンをかけてみた。掃除だってもちろん手を抜かなかったし、挨拶も見かける度にやってみた。それでもだ。
ガチャリ
早朝の玄関で、また義兄は無言のまま去っていった。ここまでくると悪意しか感じない。というか敵意か。
「あーもう!!いい!あんな、やつーッッ!」
エプロンを怒りのまま玄関に投げ捨てた。結構な大きい声で叫んだから聞こえてたかもしれない。…いや聞こえててほしい。こんな風に無視され続けるより、殴られてもいいから喧嘩して、互いの意見を言い合いたい。
(だってこんなの…)
はあ、はあ、と息を荒げながら数秒間じっと静かなままの玄関を睨み付けた。でもどれだけ待っても義兄は戻ってこなかった。ああ、喧嘩もしたくないんだ、あの人は…、と虚しくなった俺はのろのろと重い足をすすめエプロンを拾いにいく。それからキッチンに戻れば、早起きして準備した朝食のセットが二人分並べてあり
(こんなんじゃ一人で留守番してる時より寂しいよ…)
泣きそうになりながらラップをかけた。
***
「おい、アイザック、シータ。ルトを見てないか?」
屋上で雑談をしていた幼馴染み二人に声をかける。二人とも首を振って「なにごと~?」と寄ってきた。昼も食べ終えたところで暇そうにしている。好都合だ。
「ルトのやつ、朝から電話してみてるんだが一向に繋がらなくてな。何かまた変なのに巻き込まれてるかもしれん。念のため捜索を手伝ってくれないか」
「バンは過保護だにゃ~」
「ほんとほんと、ルトくんには特に酷いよねえ~」
「にゃはは、お兄ちゃん枠がとられて必死なんじゃなーい?」
「なるほど~~~!!」
あははと声を揃えて笑う二人。やれやれと首を振ってるとシータが「でえ?」と首を傾げてきた。
「探すって言ってもさ、ルトくん、登校してるのー?町中探すのは流石にだるくない?」
「…それは問題ない。学校にはきてるらしい。クラスメイトが確認してる」
「じゃあどっかに隠れてるってことね。ふむふむ、さてはお兄ちゃんと仲良くできなくて拗ねてるのかな~」
「かもしれん」
とりあえず伝達事項は完了した。二人に背を向けたところでグッと肩を掴まれる。
「?」
「拗ねてるって聞いてさ、僕、良いこと考えたんだけど」
シータがにんまりと笑い、その横でアイザックもくすくすと笑っていた。二人とも悪い顔をしている。こういう顔をしてる時の二人は大抵よからぬことを企てていて、俺はいつもその尻拭いをさせられるのだが、
「…言ってみろ」
どこかワクワクしながら奴らの言葉に耳を傾ける自分も同罪だなと思うのだった。
***
やっと大人しくなったスマホを見つめ、ため息を吐く。
「はあ…」
昼休憩の時間はとっくに過ぎていたが俺は教室に戻る気にならなかった。トイレの個室の便座の上で片膝を抱きながらため息を吐く。
(ああ…父さんが頑張って働いて用意してくれた、学びの時間を棒に振って…)
俺って最低な奴だなとまた更に落ち込む。それでも今から授業を受ける気にはならなかった。
(…何もする気にならない)
小学生の頃の留守番時もたまにあった。誰もいない孤独の中で段々と体の感覚がなくなっていく。内臓の機能も止まってしまったのかと思えるほど無になるのだ。俺は誰にも愛されてない。誰も求めてくれない。俺に価値なんてない。だから俺は一人なんだ、と…。「寂しい」なんて生易しい言葉じゃ言い表せない不安が襲いかかってくる。
(もうこんなに苦しくなるならずっと一人でいい…)
「…ルト」
ふと、個室のすぐ手前から声がした。
(え、)
気配を感じなかった。いや、ちょっと寝てしまっていたのだろうか。義兄の起きる時間に合わせて早起きしてたからずっと睡眠不足は続いていた。目を擦るとちょっぴり濡れていた。泣きながら寝てるとか子供かよ…。
「ルト、そこにいるのか?」
エスの声がトイレに響く。いつもの落ち着いた声ではなく少し焦ったような緊迫感のある声だった。俺は個室の扉は閉じたままボソりと返した。
「エス、」
「よかった。探したぞ」
「…ごめん」
俺が意味もなくサボる奴じゃないってことは、エスが一番わかってる。同じクラスになって日は浅いけどエスとはとても気が合って、あっという間に学校で一番仲のいい友達になった。
「…」
誰よりも俺の事を理解してくれてる友達は、扉の手前で必死に息を整えていた。俺がよく変なのに絡まれるのを知ってるから心配して学校中を走り回って探してくれたんだろう。
「…」
「…」
なのに、無理矢理引きずり出そうとはせず、俺の気持ちが落ち着くのを待っててくれている。
(エスは本当に良い奴だな…)
お喋りなタイプじゃないけど、行動で気持ちを表してくれる。俺は一人じゃないんだって…慰めてくれる気がした。
(…そうだよな)
たとえ家族と距離を縮められなくても、家でのご飯が一人だとしても…俺には友達がいる。それでいいじゃないかと思えた。
「…エス、俺」
ドスッガタタッ
「?!」
何かの衝突音がした後、個室の扉が大きく振動する。「ひゃ?!」っと飛び上がった俺は慌てて扉に駆けよった。
「え、エス?!大丈夫??」
「…ぐ…、」
呻くような声が聞こえる。流石にマッチョとは言えないがエスは俺より一回りは大きいし、細身のわりに喧嘩慣れしてる(前に助けてもらった事がある)。あのエスが声も出せないような状況に追い込まれるなんて一体何事か。
(すぐに助けないと…!)
ガタッ
個室の扉を開けてエスの声がした方、トイレの入り口部分に目を向ける。
「あ…!!」
エスは右手を背中側に固められた状態で口を塞がれ、動きを封じられたまま廊下へと引っ張られていった。エスを拘束しているのはまさかの…バンだった。
「え??ば、バン!?どうしてエスを…!はなしてくれ!」
「悪いが、その頼みは聞けないんだ、ルト」
「?!」
そんな、と絶望していると、今の今まで背後で気配を消していた誰かが、個室の扉の裏という死角から飛び出してきた。
※質問コーナー『兄弟になるなら~』から派生
※社会人ザク(28)×高校生ルト(16)
※①と②はほとんど別の奴と絡んでます
※色々注意(複数プレイ、無理矢理、拘束、NTR、フェラ…)
「あ、あの…」
勇気を出して声をかけてみた。目の前には早朝からびしっとスーツを着こなす男が一人。20代後半ぐらいの恐ろしい程顔の整っている男だった。こんな男がうちの玄関にいるなんて変な感じだ。
「いー…」
ガチャリ
男は革靴をさっさと履いて出ていってしまう。一人残された俺は廊下でポツンと寂しく立ち続けるのであった。
“なんだって?兄貴ができた?"
午前の授業が終わりスマホを確認すると、心配するメッセージが届いていた。黙々と返信する。
“うん、ちょっと相談したいからそっち行っていい?”
“おう!来い来い!ルトの好きな菓子用意しとくわ”
「お菓子って…俺子供じゃないんだけど…」
一人ぼやいてから俺は弁当を持って屋上に向かった。今メッセージを交わしていた相手はバンという青年で、学年は二つ上だが、変なのに絡まれてる所を通りすがりに助けられたのをきっかけに親しくなり、こうして時々相談に乗ってもらうぐらいの仲になった。俺にとっての数少ない友人である。
ガチャっ
「お、ルトくんだ!こんにちは~今日も可愛いね~」
「…?!」
屋上に入ってすぐ、茶髪のチャラそうな青年が寄ってきた。コイツはバンの幼馴染でめちゃくちゃ下半身が緩いって噂のシータとかいう奴。バンと違って友人カテゴリーではなく、逆に警戒すべき対象なので無視して通り過ぎた。「無視は寂しいんだけど~」という声が追いかけてくる。
「ルトーこっちこっち」
屋上の柵に寄りかかるようにして昼食をとってる黒髪硬派のイケメン、バンが手を振ってくる。その姿を見つけた瞬間ホッとして、早足で駆け寄った。
「ほらルト、このグミやるよ。新作らしいぞ」
「…美味しそう」
「だろ?あとで一口くれ」
「…俺が一口もらう側でいいのに」
「ルトにあげるつもりで買っといたんだから気にせず食え」
あげるつもりって、俺が相談しに来るのが予想されてたみたいな口ぶりに驚きを通り越して笑えてくる。人柄もよく交友関係も広いバンはかなりの情報通らしいし、俺が朝から暗い顔をしていたのをどこかで聞きつけたのかもしれない。食後のおやつにしよう…とグミを一旦膝に置いたところでバンの反対側に腰掛けていた藍色の髪の青年が「にゃはは」と笑った。
「こんな可愛い子を餌付けして囲うなんて、バンもスミに置けないにゃ~」
「囲うって…人聞きの悪い事を言うなよ、アイザック」
「にゃっはは」
顔立ちだけ見ると美人系の顔だが笑うととても人懐っこい印象になる。この人もバンの幼馴染のはず。二人ともバンとは系統が違うのに気が合うなんて不思議な感じだ。
(唯一の共通点はイケメンって事か)
うちの学校で知らない奴はいないってレベルの有名人だが、こうして他愛のない会話をしていると普通の男子高校生しか見えない。
「で、兄貴の話を聞かせてもらおうかね」
「ああ、うん…」
お弁当を包んでいた布を広げながら、ぼそぼそと話し始めた。
「実は先週末…金曜の夜なんだけど。突然父さんが“この人たちと家族になるから"って義理の母(仮)と兄(仮)を連れてきてさ」
「急展開だな」
「うん…しかもそのまま家に住み始めちゃって…、うちは一軒家だし部屋は空いてるけど…あまりにも怒涛の展開でぶっちゃけ頭がついていけてないんだ」
父も、急に現れた義母や義兄も…皆仕事が忙しい為、家にいてもほとんど会う事はない。だが、気まずくて土日はずっと部屋に引きこもって過ごしていた。
「そりゃ大変だったな」
ポンポンと頭を撫でられる。土日で疲弊した心が慰められる気がした。小さく頷く。
「ねえねえ、義兄ってイケメン~?てか何歳なの?社会人って事は結構離れてるよね?」
横からシータが質問攻めにしてくる。俺はすぐさまバンの肩に隠れて、怪訝な顔を向けた。
「28歳、すごくイケメン…だったけど…、その情報、いる…?」
「いるでしょ~ルトくんこんなに可愛いんだから、下手したら襲われちゃうよ~」
「ないって…俺、男だし…」
「えー?ただのイケメンじゃ欲求不満になって襲っちゃうかもだよ~男は狼なんだから~」
「お生憎様、そこらにいそうなレベルじゃないんで絶対大丈夫です」
義兄はテレビとかで出てきてもおかしくないぐらいイケメンだった。…あまりジロジロ見てると嫌われそうだったからよく見れなかったけど、とにかく、頭身もチートだし仕事も商社マンでエリートだし誰もが憧れるイケメンなのは間違いない。
(きっと職場でもモテモテなんだろうな…)
義兄の事はよく知らないが、女に困ってないのだけは一目瞭然だった。
「なるほどな」
そこまで大人しく聞いていたバンが納得するように頷いた。
「ちなみにルト。突然とは言ったが先月もそんなような話をしてなかったか?」
「うん……一応…、付き合ってる人がいるから紹介したい、みたいなのは軽く聞いてた……。でも、ここまで再婚しなかったしもうないかと思って油断してたよ…」
「はは、フラグは立ってたって事だな」
「うん…」
エイプリルフールの冗談かと思って聞き流したのがダメだった。ちゃんと聞いておけばよかったと頭を抱える。
(家族が増える…かあ)
母が亡くなってから十年。父は一度も再婚を匂わせなかった。家があったから住むのには困らなかったが、一人親として我が儘は言えなかったし、唯一の家族である父は仕事に明け暮れてほとんど家にいなかった。ずっと広い家で留守番するだけ、思い出なんて言えるものは一つもない。
(やっと、この孤独と折り合いがつけれるようになったところで、突然言われても、)
喜びより戸惑いの方が大きいわけで。
わしゃわしゃ
バンがさっきよりも強めに、髪をかき混ぜるようにして撫でてくる。
「まあなんだ。最初の内はストレスだろうが…家族が増えるってのは良い事だ。少しずつ仲良くなれるといいな」
「…ありがとう」
バンの言葉に心が暖かくなった。そして思い出す。相談事がまだできてなかった、と。
「ん?今の話が相談じゃないのか?」
「いや、えっと…本題はここから。今のは経緯を伝えただけ」
「ほほう?」
「どゆことお?」
「にゃ?」
昼食を口に運びながら上級生三人が首を傾げる。
「えっと…単刀直入に言うけど」
「おう」
「義兄さんと仲良くなるには…どうしたらいいと思う?」
俺の言葉に三人は目を見開き、顔を見合わせるのだった。
***
「それで何か言われたのか」
午後の授業も無事に終わり、俺はクラスメイトのエスと共に徒歩で帰宅していた。お互い帰宅部なので授業が終われば長居することはない。さっさと高校を脱出した。
「うん、色々教えてもらったよ。たまに変な案が出たけど、俺兄弟いなし、家族とかの距離感もよくわかんないからすごく助かった」
「よかったな」
「エスもなんか良い案あったりする?義兄さんと仲良くなる方法」
「…そもそも仲良くなる必要があるのか?」
「え?」
エスは学ランの下に着たパーカーのフードを目深にかぶり、少し眩しそうに目を細めてこっちを見てくる。
「まだその男がどんな奴なのかわかってないんだろ?仲を悪くする必要はないが…仲良くする必要もないだろう」
「…エス」
「すまん。踏み込みすぎた」
忘れてくれ、とエスは首を振ってまた歩き出した。エスはそのぶっきらぼうな言動と顔が綺麗すぎる事も相まって、クラスメイトからは距離を置かれていた。今だってそうだ。一件拒絶の色が強く聞こえもする台詞だったが…実は全然そんなことはない。
「エス!」
呼び止めて、自分もエスの横に並んだ。一緒に歩いてると、フードがチラリとこちらを向く。
「…ルト」
「ありがとう、俺の事、心配してくれて」
「!」
「家族になるっていっても他人だもんな…。うん、ちゃんと警戒しとくよ。心配してくれてありがとな、エス」
そう言うとエスは、酷くホッとしたような顔をする。やっぱりそうだ。エスは俺の事を思って言っただけ。勘違いされやすいだけで普通に良い奴なのだ。
「ね、もしも義兄さんと何かあったら…エスに電話してもいい?」
「…ああ、すぐ助けに行く」
「助けにって…兄弟でそんな修羅場にはならないと思うけど……」
「いや、ルトは可愛いから、ありえる」
「なっ…可愛いって言うなっ」
プンプンと怒って見せると、エスは柔らかく微笑んだ。こんな笑顔を見せられようものなら学校中の女子生徒が卒倒するだろう。もうしばらくはこの笑顔は封印…いや、俺が独占しておこう。学校の平和のためにも、俺のためにも。
「あ、俺スーパー寄ってくから、ここで解散な」
「買い出しか。手伝おうか?」
「大丈夫、慣れてるし」
細っこい腕でマッチョのポーズをすると「頼りになるな」とからかうように笑ってくる。「なんだと!」と噛みつこうとしたらエスは早足で信号を渡っていった。またな、と手を振られる。それに笑顔で返してから…俺は腰に手を当てた。
「よーし!!」
ピンポーン
「!」
キッチンで居眠りしかけていた俺は飛び起きて時計を確認する。20時半。父は毎度の事ながら仕事で帰りが遅いし、義母は出張で今日の朝から一週間不在。つまり、このインターホンを押した人物はー…
ガチャリ
慌てて玄関扉を開ける。
「!!」
そこには義兄が立っていた。まだ鍵ができてないため義兄はインターホンを押して帰宅する形をとっている。
「ど、どうぞ…」
「…」
俺と義兄はしばらく無言で見つめ合い(睨み合いか…?)、義兄が横を通り過ぎる形でそれは終結した。靴を脱ぎ捨てて早足で廊下を突き進む義兄。長い足が階段にかかる瞬間、
「お、おかえり…!」
勇気を出して声をかけてみた。
ギロリ
横目で睨まれ、そのあまりにも鋭い眼光に「ひっ」と怯えて後退る。
「チッ」
義兄は舌打ちと共に顔を背け、自室がある二階へと階段を駆け上がっていく。一人残された俺はエプロンの裾を引っ張りながら呆然とした。一分ほどそうしていて、ハッと我に返る。
「な、なんだよ…、ちょっとレベチなイケメンだからって…無視からの舌打ちって酷くないか…」
“無視は寂しいんだけど~"
昼間のシータのぼやきが脳内で再生される。義兄への怒りもさながら、そうか、無視ってやられた方はこんな気持ちになるのかと反省の気持ちも浮かんだ。
「とりあえず…作戦Bに移行だな」
昼間にバン達と考えた『お義兄さんと仲良し大作戦』を決行すべく淡々と行動した。準備はすでに終えてるので動くだけなのだ。階段を静かに駆け上がり義兄を追いかける。すでに自室に入ったのかその見惚れるようなスーツ姿は廊下から消えていた。
とんとん
義兄の部屋をノックしてみる。反応はない。
「あの、お風呂できてるよ」
「…」
「ご、ご飯も…ハンバーグ作ったから」
「…」
「シャツもアイロンかけたから…ここ、置いとく…」
「…」
ダメだ。反応がない。もしかして寝ちゃったのか。朝も五時ぐらいに家を出てたし、仕事内容だって心身ともに疲労するはず。無理に俺の都合で『作戦』を押し付けるのは止めておこう。
(まだ一日目だしな)
たった一日で諦めるのは早すぎる。あっちはどう思ってるかわからないけど、俺は家族になったのなら仲良くしたいし、欲を言えば一緒にご飯を食べたり、他愛のない会話で花を咲かせたいのだ。血は繋がってなくても、年がいくら離れていても、一生ものの家族になるのだから。
(そうすれば…家に帰るのが楽しくなるかもしれない)
期待を胸に、俺はそろそろと階段を下りるのだった。
それから三日、俺は『作戦』を続けた。
①できるだけ挨拶する(→無視or舌打ちされる)
②ご飯を作る(いつの間にか完食されるが反応は無)
③家事で距離を縮める(アイロン台にクリーニング代的な金が置かれていた)
④背中を流してあげる(キレて追い出された)
⑤相手を褒める(無視されて一回もできてない)
⑥声をかける時はエプロンか制服を着とく(これはちょっと意味が分からないけどやってる)
簡単にいうとこんな内容だった。ぶっちゃけ家事は俺の担当だしいつもしてる事ではあるのだが。少しでも美味しくなるように食材の下ごしらえを頑張ったり、シャツも皺一つないよう時間をかけてアイロンをかけてみた。掃除だってもちろん手を抜かなかったし、挨拶も見かける度にやってみた。それでもだ。
ガチャリ
早朝の玄関で、また義兄は無言のまま去っていった。ここまでくると悪意しか感じない。というか敵意か。
「あーもう!!いい!あんな、やつーッッ!」
エプロンを怒りのまま玄関に投げ捨てた。結構な大きい声で叫んだから聞こえてたかもしれない。…いや聞こえててほしい。こんな風に無視され続けるより、殴られてもいいから喧嘩して、互いの意見を言い合いたい。
(だってこんなの…)
はあ、はあ、と息を荒げながら数秒間じっと静かなままの玄関を睨み付けた。でもどれだけ待っても義兄は戻ってこなかった。ああ、喧嘩もしたくないんだ、あの人は…、と虚しくなった俺はのろのろと重い足をすすめエプロンを拾いにいく。それからキッチンに戻れば、早起きして準備した朝食のセットが二人分並べてあり
(こんなんじゃ一人で留守番してる時より寂しいよ…)
泣きそうになりながらラップをかけた。
***
「おい、アイザック、シータ。ルトを見てないか?」
屋上で雑談をしていた幼馴染み二人に声をかける。二人とも首を振って「なにごと~?」と寄ってきた。昼も食べ終えたところで暇そうにしている。好都合だ。
「ルトのやつ、朝から電話してみてるんだが一向に繋がらなくてな。何かまた変なのに巻き込まれてるかもしれん。念のため捜索を手伝ってくれないか」
「バンは過保護だにゃ~」
「ほんとほんと、ルトくんには特に酷いよねえ~」
「にゃはは、お兄ちゃん枠がとられて必死なんじゃなーい?」
「なるほど~~~!!」
あははと声を揃えて笑う二人。やれやれと首を振ってるとシータが「でえ?」と首を傾げてきた。
「探すって言ってもさ、ルトくん、登校してるのー?町中探すのは流石にだるくない?」
「…それは問題ない。学校にはきてるらしい。クラスメイトが確認してる」
「じゃあどっかに隠れてるってことね。ふむふむ、さてはお兄ちゃんと仲良くできなくて拗ねてるのかな~」
「かもしれん」
とりあえず伝達事項は完了した。二人に背を向けたところでグッと肩を掴まれる。
「?」
「拗ねてるって聞いてさ、僕、良いこと考えたんだけど」
シータがにんまりと笑い、その横でアイザックもくすくすと笑っていた。二人とも悪い顔をしている。こういう顔をしてる時の二人は大抵よからぬことを企てていて、俺はいつもその尻拭いをさせられるのだが、
「…言ってみろ」
どこかワクワクしながら奴らの言葉に耳を傾ける自分も同罪だなと思うのだった。
***
やっと大人しくなったスマホを見つめ、ため息を吐く。
「はあ…」
昼休憩の時間はとっくに過ぎていたが俺は教室に戻る気にならなかった。トイレの個室の便座の上で片膝を抱きながらため息を吐く。
(ああ…父さんが頑張って働いて用意してくれた、学びの時間を棒に振って…)
俺って最低な奴だなとまた更に落ち込む。それでも今から授業を受ける気にはならなかった。
(…何もする気にならない)
小学生の頃の留守番時もたまにあった。誰もいない孤独の中で段々と体の感覚がなくなっていく。内臓の機能も止まってしまったのかと思えるほど無になるのだ。俺は誰にも愛されてない。誰も求めてくれない。俺に価値なんてない。だから俺は一人なんだ、と…。「寂しい」なんて生易しい言葉じゃ言い表せない不安が襲いかかってくる。
(もうこんなに苦しくなるならずっと一人でいい…)
「…ルト」
ふと、個室のすぐ手前から声がした。
(え、)
気配を感じなかった。いや、ちょっと寝てしまっていたのだろうか。義兄の起きる時間に合わせて早起きしてたからずっと睡眠不足は続いていた。目を擦るとちょっぴり濡れていた。泣きながら寝てるとか子供かよ…。
「ルト、そこにいるのか?」
エスの声がトイレに響く。いつもの落ち着いた声ではなく少し焦ったような緊迫感のある声だった。俺は個室の扉は閉じたままボソりと返した。
「エス、」
「よかった。探したぞ」
「…ごめん」
俺が意味もなくサボる奴じゃないってことは、エスが一番わかってる。同じクラスになって日は浅いけどエスとはとても気が合って、あっという間に学校で一番仲のいい友達になった。
「…」
誰よりも俺の事を理解してくれてる友達は、扉の手前で必死に息を整えていた。俺がよく変なのに絡まれるのを知ってるから心配して学校中を走り回って探してくれたんだろう。
「…」
「…」
なのに、無理矢理引きずり出そうとはせず、俺の気持ちが落ち着くのを待っててくれている。
(エスは本当に良い奴だな…)
お喋りなタイプじゃないけど、行動で気持ちを表してくれる。俺は一人じゃないんだって…慰めてくれる気がした。
(…そうだよな)
たとえ家族と距離を縮められなくても、家でのご飯が一人だとしても…俺には友達がいる。それでいいじゃないかと思えた。
「…エス、俺」
ドスッガタタッ
「?!」
何かの衝突音がした後、個室の扉が大きく振動する。「ひゃ?!」っと飛び上がった俺は慌てて扉に駆けよった。
「え、エス?!大丈夫??」
「…ぐ…、」
呻くような声が聞こえる。流石にマッチョとは言えないがエスは俺より一回りは大きいし、細身のわりに喧嘩慣れしてる(前に助けてもらった事がある)。あのエスが声も出せないような状況に追い込まれるなんて一体何事か。
(すぐに助けないと…!)
ガタッ
個室の扉を開けてエスの声がした方、トイレの入り口部分に目を向ける。
「あ…!!」
エスは右手を背中側に固められた状態で口を塞がれ、動きを封じられたまま廊下へと引っ張られていった。エスを拘束しているのはまさかの…バンだった。
「え??ば、バン!?どうしてエスを…!はなしてくれ!」
「悪いが、その頼みは聞けないんだ、ルト」
「?!」
そんな、と絶望していると、今の今まで背後で気配を消していた誰かが、個室の扉の裏という死角から飛び出してきた。
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