短編

リナ

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Ifシリーズ

★義理のお兄ちゃん②(ザク×ルト)

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「は~い、到着だにゃ~」

 アイザックが助手席からルンルンと上機嫌な様子で振り返ってくる。その横の運転席には…何故か世界史の先生のクリスがいた。タバコを咥えながら退屈そうにこちらを見てくる。

「急に教師を呼び出したと思えば誘拐の手伝いとはやってくれるな、アイザック」
「にゃはは、午後の授業なかったからいいじゃん」
「よくない。こっちは授業の準備とかテストの採点とか…色々やる事があるんだ。わかってるのか?」
「ごめんってば~」

 謝ったと思えばアイザックは前かがみになり

 ちゅっ

 と、機嫌を取るようにクリスの頬に口付けた。ギョッとしていると、クリスは少しだけ瞳の鋭さを和らげて、タバコを手で避難させてからアイザックの首を引き寄せる。そのまま乱暴に唇を奪った。

「んん~…っ」

 アイザックが目を瞑って気持ちよさそうに舌を絡ませてる。え、あれって…ディープキス??は、初めて見た…。ショックを受けすぎて後部座席で震えてると

「ちょっと~車内で始めないでよ~」

 シータがケラケラ笑ってた。俺の肩に腕を回して逃げられないようにしたまま後部座席で寛いでいる。その更に後ろにはバンとエスがいて時々唸るような声がした。エスも俺と同じように口と手を縛られているらしい。

「ほら、さっさと中に入っちゃおう。ルトくん、家の鍵はどこにあるの?このポケット?あ、鞄も持ってきてあるよ」

 じゃじゃーんと用意周到に俺の鞄やら何やらが一式揃えられていた。こんな奴らを家に入れるなんて絶対嫌だと首を振っていると

 さわさわ

「っんぐ…!」

 服の上から探るように触られた。鍵を探しているのだろうが、それでも相手への不信感で恐怖の方が勝る。やだやだと首を振ってるとシータの後頭部にエスの頭突きが入った。

「いったあー!!ちょっと、バン!ちゃんと押さえといてよ…!絶対これタンコブできたじゃんっっ」
「悪い悪い」

 バンは特に悪びれた様子もなくエスを回収していく。それから俺の鞄に手を突っ込んで、

 チャリ

 我が物顔で鍵を取り出した。バンに「なんで」と訴えるように視線を送るが肩をすくめられるだけだった。信じていたのに、どうして、と絶望する俺を無視して状況は更に悪化していく。

「さーてと、ルトくんのお家にお邪魔しよーっか♪」
「いえーい」

「俺は適当に車を走らせとく。終わったら声かけろ」

 クリスがチラりと俺の方を一瞥して言った。アイザックが意外そうな顔をする。

「ありゃ、クリスも一緒にやんないにゃ?」
「こっちは教師なんだぞ。勝手に家に入って学生に手出してみろ…大問題になる」
「今も十分悪い事してると思うけどにゃ~でも了解~」

 そういってさっさとアイザックは外に出てしまう。つられてシータに押される形で俺も車の外に出た。本当に俺の家の真ん前に停められていたようで逃げ場がなかった。

「お邪魔シマース」

 アイザックが鍵を使って開けて、玄関扉を押さえる。そこに俺を抱えるシータと、バンとエスが続いた。エスは手を拘束されてるだけでいつでも逃げれる状態だったがこんな状態の俺を放置できるわけもなく大人しくついてきている。

 (ごめんな…エス…)

 シータ達の狙いが何かはわからないが、友達のエスをこんな風に巻き込んでしまって、本当に申し訳なく思った。

「うわあ、綺麗なお家だね。広いしホテルみたい」
「綺麗すぎてちょっと住んでる感じしないにゃ」
「こら、スリッパちゃんと使え。絶対汚すなよ」
「「はーい」」

 バンの注意をアイザックとシータは声を揃えて従う。悪ガキ三人といった感じだがやってる事は子供の範疇を越えてる。

「ルトの部屋は二階だったな」
「…」

 バンに確認され、睨む形で応えた。俺は別にこんな風に家に招きたくてバンに話したわけじゃないのに。

 (信じてたのに…っ)

 俺の睨みを涼しい顔で受けとめ、それからいつものようにポンポンと頭を撫でられた。

「ほら、玄関で立ってても仕方ないだろ。靴脱がすから足上げな」
「…」
「肩に手…ああ、拘束されて無理か。じゃあ」
「!」

 軽々と肩に抱えられ、そのまま靴も脱がされる。驚いて暴れる暇もなかった。「わーお、力持ちにゃ~」「無駄に筋肉あるし駅弁できそ~なんかウザあ~い」茶化すような二人の声を通り過ぎて廊下を進んでいく。階段を上がったと思えば、俺の部屋の前で止まった。

「ここでいいのか?」
「…」
「あっちか?」

 義兄の部屋を指さされ「違う」とすぐに首を振る。家に入り込まれた挙句勝手に部屋にまで入られたら義兄に怒られてしまう。というか帰ってきてくれなくなるだろう。仲良くできないにしても…それはやっぱり悲しかった。

「んん…」

 こっち、と渋々俺の部屋へと招き入れる。

 ガチャリ

「おおーシンプルな部屋だ~」
「見てみて、ライトが魚のマークだよ、可愛いにゃ~」
「あほんとだー」

 勝手に物色される。もうこの際どうでもよかった。さっさと満足して帰ってくれ…とバンの腕の中で嘆息する。

「コラコラ、そういうのはルトに確認とってからにしろって」

 バンの指摘はごもっともだが、勝手に家宅侵入しといて言う事がそれか。もっと大前提のところを止めてほしかった。シータは笑って部屋の物色を止める。それから俺をベッドに座らせて、ニヤニヤと見下ろしてきた。

「さーて、やりますか~」
「にゃはは、何からやる~?こんな可愛い子イジメるなんて興奮するにゃ~」
「ね~清廉な感じを汚すのって最高~!よーし、まずは脱がせちゃお!」

「んんっ?!」

 脱がせるという言葉に体を強張らせる。しかし後ろ手に拘束されたままでは大した抵抗もできない。そもそも二人がかりだ。あっという間に学ランを脱がされ、腕の所でぐるりと巻き付けられた。

「んんー!!」

 やめろ、と精一杯抗議するが、俺と同じようにベッドに腰掛けたアイザックがズボンの上から何かを確認するように撫でていく。前側をするりと撫でられた瞬間「ンンっ」と上擦った声が出た。はっと顔を赤くすれば、

「はあ~可愛い反応でゾクゾクするにゃ…」

 ぺろっと舌なめずりして頬に吸いついてくる。

 (ひいいい、怖い怖い!!誰か助けて!!)

 わりと本気で泣きそうになった。扉付近でバンに羽交い絞めにされていたエスが「やめろ!!」と叫んだ。

「まあまあ、落ち着け」

 エスの体をがっちり固めながらバンはそう言った。屋上で相談を聞いてもらってる時とそう変わらない声音に、ゾクりと鳥肌が立つ。バンはこんな俺を前にしても普段のままなのか、と恐ろしくなった。もう誰も信じられない。

「ルトくーん、ズボンも脱いじゃおうね~」
「んんっ!んんー?!」
「大丈夫大丈夫。痛い事はしないから」
「んう~!!」

 ベルトを抜かれ、ズボンを脱がされ、半裸状態にされる。

「…!!」

 自分の部屋で、上級生三人に脱がされ、クラスメイトに見られながらベッドに押し倒される。今更になってやっと俺は奴らの目的を理解した。

 (お、襲われる…?!)

 俺は男だが、下半身の緩いシータならありえるのかもしれない。

 (いや、男…男同士ってそういう事できるの???)

 全然想像がつかない。でもさっきのアイザックとクリス先生の雰囲気だと、キスだけじゃ全然終わる感じしなかった。つまりあるのか…その先が…俺の知らない世界が…、

 (やだやだやだ無理無理!)

 状況を理解した瞬間、身の危険を感じた。というか悟った。やばい、と。どうしよう。どうしよう。助けを求めないと、逃げないと。でもどこに??誰に??エスはバンに拘束され、膝をつかされていた。俺を軽々と抱き上げたバンを相手にあの姿勢をされていてはどうしようもない。というか、俺の後にエスが襲われたりしないよな、と嫌な想像をしてしまい青ざめる。自分が襲われるのも嫌だが友達のエスが傷つくのはもっと嫌だ。

 (エスを助けなきゃ…っ)

 エスと目が合うと、首を振られた。オレなんか気にするな、逃げる事だけ考えろ、そう言われた気がした。

 (で、でも…っ)

「はいはい、ルトくん、こっちに集中してねー」
「ンンぐっ…うう…っ」
「いい子いい子~気持ちいいね~」

 シャツの上から胸を撫でられ、ぞわぞわと変な感覚が背中を走っていく。必死に身を捩っていたら、アイザックが耳にちゅっと口付けてきた。

「んう…!!」

 吐息と共に舌が入ってきて、その鳥肌の立つ感覚に…少しずつ体の力が抜けていく。ぺろ、ちゅるっと音を立てながら耳を愛撫されて、体の輪郭を優しく撫でられ、恐怖で固まっていた体に少しずつ熱が灯ってきた。

 (な、なんか変な気持ちになってきた…)

 自分の体の変化に震えてると、シータがシャツをめくって直接胸に吸いついてくる。

「んぁう……っ」

 堪らず声をあげれば、前と横から愛撫していた二人がくすりと笑った。

「にゃは、今のなに~可愛い~食べちゃいたい~」
「ダメダメ、僕が先だからね」
「ええ??なんで!お前の後にいれんのやなんだけど」
「はあ?いっつもネコしてる癖にいっぱしにタチやろうとしないでくれるー?」
「別にタチだってしたくなるもん!てかお前も普段ネコじゃん!」
「うるさいなあ!そこまで言うならお前にいれるよ!?」
「にゃはは!クリスに刺されたいならどうぞ~?てか、こっちはお前なんかにいれたくないから逆は求めないでにゃ~~?」
「きいいい!誰がお前にタチ譲るか腹立つウウ!!」

 俺を挟みながら不穏な言い合いをする二人。だがその手は相変わらず俺の体を弄り続けていて、言い合いがエスカレートすると愛撫も更に激しくなった。おかげで思考する余裕は与えられず、ビリビリと痺れるような未知の刺激に苛まれた。

「んんくぅ…、ふう、うう…」

 必死になってやり過ごそうとしてるのに体は気持ちよさを感じ始めていて、脳内はパニックになる。

 (嫌なのに…っ)

 無理矢理襲われてるのに気持ちいいなんてありえない。ありえないけど前は反応していて。普段自分でほとんどしないし、二人の愛撫も上手いからこうなるのは仕方ないのかもしれないが…自分の体の浅ましさに酷く嫌悪し、悔しくなった。

「ううう…」

 ポロポロと涙が溢れる。

「おい、二人とも、一旦ストップだ」

 見かねたバンが止めに入ってきた。エスの手を結束バンドでベッドの柱と繋げた後、アイザックとは反対側に腰を下ろす。俺が涙を溜めた目で見上げると、涙の跡をふくように頬を撫でられた。

「ごめんな、怖い思いさせて」
「ンっ」

 ぷいっとバンの手とは反対側へ顔を背ける。バンは困ったと言わんばかりに苦笑を浮かべ、それから顎をくすぐってきた。むず痒さに抗議する為、視線をバンへと戻せば、思ってるよりずっと男臭い顔をしたバンと目が合う。ドキリと心臓が高鳴る。

「んうう…ぷはっ、ば、んんー…んうっ!?」

 口を覆っていた布を取られてやっと声を出せる、そう思ったのにすぐにバンの唇で塞がれてしまった。柔らかくて温かい感覚。

 (え、俺今バンとキスしてる?!)

 戸惑っていると、合わさった唇から吐息が漏れてきて、次の瞬間には舌が入ってきた。

「んぁ…んっ、ンン…っ」

 自分の舌も無理やり引っ張り出され、ぬるぬると絡まって、舌の先をじゅるりと甘噛みされる。男女問わず慕われてて、俺も同じ男として憧れていた先輩の男子…そのバンがやってるなんて思えないぐらいエロいキスに、不信感と恐怖で固まっていた思考があっという間に溶かされた。

「はぁ、ンう、くうん…やぁ…バ、ン…っ」

 吐息の合間に名前を呼ぶと背中を優しく撫でられる。まるで恋人同士のような甘いキスに、今の今までやられていた酷い事を一瞬だけ忘れて溺れた。

「んンン…、ふぁ、う…、んく、ん」

 このままバンとなら…嫌じゃないかも…なんて頭がおかしくなりかけていた時、横からからかうような声が聞こえてきてハッと我に返る。

「うわあドン引きー。僕らの事止めといてそれはなくなーい?」
「なんだかんだバンが一番ヘンタイって事だにゃー」

 そういってニヤニヤと笑う二人。どうやら俺とバンのキスを見せられて言い合いがどうでもよくなったらしい。

「そのまま犯さないでよ~?ルトくんの兄貴分なんでしょ~?」

 俺の唇を舐めていたバンがじろりとシータを睨みつけた。だが文句を言う時間がもったいないというように再び舌を絡ませてくる。バンの制止がなくなった事を確認して二人も愛撫を再開させた。バンとのキスで体は完全に弛緩していて、二人の愛撫もとても気持ちよく感じた。やばい、本当に、このまま襲われちゃうのか。怖い、でも、この三人の刺激は俺にとって強すぎる。我慢するなんて無理だ。

「やぁ…っ、バンっ、んんっ、はっ、やだぁ…っ」
「…まだ怖いか」

 バンに低く囁かれとっさに俺は、怖い、と頷く。気持ちいいのも、三人に襲われるのも、怖い。怖くないわけがない。体はよくなってきても、心は受け入れられるわけがないのだ。バンは「仕方ないな…」と腰を上げてエスを縛っていた結束バンドをハサミで切った。後ろ手に拘束する奴はそのまま残して、エスを俺の足の間に連れてくる。俺もエスも何事かとバンの動きをじっと見つめていた。

 ぐいっ

 バンはエスの背中を押して、俺の股の間に顔を近づかせる。

「…っ、ぐっ」

 エスが抵抗するように仰け反ったが、動きを先読みしていたバンが後頭部を掴んで押し込んだ。無理矢理俺の下着に鼻をつかされ、ぐっと眉を寄せるエス。

「お前、えっと、エスだったか…、ルトと仲良いんだよな」

 だからなんだとエスが鋭く睨みつける。抵抗しようと体を揺するが、後頭部を掴むバンの手はびくともしない。それらを見下ろしながらバンは淡々と言った。

「悪いけど、ルトが辛いみたいだから舐めてやってくれないか?」
「「!?」」

 エスも俺も凍り付く。

 (今…、なんと?)

 凍り付いたままバンを見上げると、シータとアイザックが横で爆笑していた。耳障りな笑い声だが、今はそっちを気にしてる場合じゃない。股間の前に綺麗な顔があって、しかもそれは友達のエスで。舐めるってまさか、まさか。

「ルト、お前は今、変に理性が残ってるから恐怖を感じるんだ」
「ひっ…え、??」
「一回出したら恐怖なんてなくなる」
「そんっ…ああっ…!!」

 そんなわけあるか、そう言おうとした口は、左右に回り込んでいたアイザックとシータの愛撫によって取り上げられた。喘ぎ、息を漏らす事しかできなくなる。

「ほら、この通りルトは俺の言葉に拒否反応を出しててな。俺が舐めたりしてみろ、更に泣かせちまうに決まってる」
「…」
「だから、エス、頼むよ」

 エスの頭を掴んだままバンが優しく頼んだ。言葉的にはお願いベースだが、内容はほとんど命令に近い。ここでバンを蹴り飛ばしたところでエス一人で上級生三人を相手するのは厳しい。セックスもだが喧嘩にも慣れてそうな三人だ。何より俺が囚われていては大した事はできないだろう。唯一できるとしたらバンを押し退けてエスだけ逃げるという選択だが…

「え、エス…っ」

 足の間で静かにしてるエスへ呼びかける。エスは白い肌をいつもより少しだけ赤くしてこちらを見上げてきた。俺以上に性への執着が薄そうなエスが、俺の痴態を見て興奮してるのだろうか。そんなわけない。エスは困ってるだけだ。

「エス、に、にげ…っ、んんあっ?!」

 ぺろっ

 下着の上から舐められた。その甘く痺れるような刺激にもだが、エスが俺のを舐めてるという視覚的にも禁断の震えが広がる。ゾクゾクと背中を震わせて、逃げようと腰を浮かすが左右の二人がそれを許さなかった。エスは両手を使えないので口だけで下着をずらして俺のを咥えた。

「や、やぁ…!ちょ、んあ、エスっ、やめっ…!」

 嫌だと首を振ると一瞬動きを止めたが、次の瞬間には舌を這わせてきて「ひゃんっ」とほとんど悲鳴に近い声が漏れてしまう。

「愛だねえ」
「愛だにゃあ…」

 しみじみと左右が溢した。いやもう本当にこの人たち帰ってくれないかな。泣きながらそう思った。

 じゅる、ちゅぷっ

 奥まで咥えたエスは、吸いあげながら先端に戻って、くびれの所に舌を這わせてくる。キスもだがフェラももちろん初めてだった。手ではした事あるけど、人からしてもらうってこんなに気持ちいいんだと感動した。いや、違う。エスのやり方がすごく丁寧で、愛が伝わってくるから…刺激に熱がこもるんだ。ふつふつと腰の奥が熱くなる。

「んあう…、え、エス…はあ、んん…っ」

 友達としての責任からなのか、苦しむ俺を少しでも楽にしてやろうと精一杯尽くしてくれている。それがわかって更に腰が熱くなった。

 くちゅ、ちゅぷ、じゅるる…

 今までとは違う、感じ慣れた直接的な刺激。

 (やばい、出したい…)

 出したいけどエスの口には絶対出したくない。だけど我慢できるような気力も体力も残ってない。どうしよう、どうしようと必死に視線を彷徨わせると、じっとベッドの横で俺達の様子を見下ろしていたバンと目が合う。何故かその手には俺のスマホがあってこちらに向けられていた。

「ば、バン…ああんっ、それ…っ、んッ」
「ああうん。さっきアイザックから受け取ったんだ。勝手に使ってごめんな」
「はあっ、あい、ざ…んあっ、さん…がっ、ンアあっ」
「にゃはは、こんな事されてもさん付けしてくれるなんて、ほんと良い子だにゃ~」

 良い子にはたっぷりサービスしてあげるね、と囁かれる。ついでにエスが舐めてない根元の部分を軽く擦られみっともなく喘がされた。

「ハア、あううっ、んっ、はあっ、あ…っ」

 アイザックの指先が悪戯するように体を這っていく。その指先の動きで思い出した。

(そ、そういえば…)

 ベッドに押し倒されてすぐ、アイザックに体を探られた気がする。その時にスマホをとられたのだろうか。俺の思考を読んだバンが「正解だ」と言った。

「ちなみにこのスマホは…どこかの誰かと通話中だ」
「?!」
「さて、ルト、こんな状態になってから言うのは酷いが…、そろそろ助けてやろうか?」
「…!!」
「俺の言うことを聞けるなら、今すぐこの苦痛から解放してやる」

「苦痛ってひど~」「それなりに尽くしてるにゃ~」と左右の二人から文句が出る。だが、今の俺にはどうでもよかった。

 (助けてくれる??解放される?!)

 突然、目の前に希望の糸を垂らされ、もうそれしか考えられなくなっていた。この際、シータとアイザックを家に連れてきたのも、エスにフェラさせたのも、目を瞑る。今すぐ助けてくれるならなんだって言う事を聞く。だから助けてくれ。懇願するようにバンの次の言葉を待った。

「じゃあルト、今から俺が言うセリフをスマホに言ってくれるか?」
「う、うんっ…!」

 コクコクと何度も頷く。バンは屋上でグミをくれた時と同じ顔で、俺の口元にスマホを持ってくる。そして耳元で囁いてきた。

「!」

 え、とバンの顔を見たが「早く」と顎で指示され…俺は、恐る恐るスマホの方に向いた。そのスマホの画面には見知らぬ電話番号が表示されていて、相手先が誰かはわからない状態だった。誰だろう、なんて頭の軽い事は思わない。バンが仕組んだ事なのだから…俺に関係している人だ。

 (きっと、あの人だ)

「はあ、はっ、あ、…う…っ」

 うまく声がでない。でもバンは催促してこなかった。俺が言わなかったらそれはそれで楽しめるからいい、そういう事だろう。

 (い、いやだ…)

 どれだけ気持ちよくされても嫌なものは嫌だ。バン達に抱かれるのも、エスを巻き込むのも、何よりこんな声をあの人に聞かれ続けるのも嫌だ。これ以上嫌われたくない。

 ぐっ

 下唇を噛む。そして俺は勇気を振り絞って…叫んだ。
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