短編

リナ

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Ifシリーズ

★BAD END "Y"③(ユウキ×ライ)

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 ぐぐっ

 途端、ライの中が恐ろしい程締め付けてくる。あまりにも素直すぎる反応に心がズシリと重くなった。それと同時に、庭から俺達を見ている男がくしゃりと顔を歪めた。そのまま男が一歩踏み出そうと体を前に倒した瞬間、縁側で待機していた時雨が銃を向け、牽制する。

「動くな、一歩でも動けば殺す」
「…っ」
「その目はなんだ。お前が“会いたい”と言っていたから連れて来てやったんだぞ。ああ、待て。口は開くな。ただ。この場でお前が口を開ける事は許可しない、わかったな」
「……」
「それができるなら少しの間“会わせて”やる」

 時雨と男が睨み合う。やがて、男は悔しそうに歯ぎしりして

 ザッ

 膝をついた。

「よし、そこで楽しく観賞してろ」

 時雨が煽るように言ったのを男は鋭い目で睨みつけ…だが、その唇は閉ざされたままだった。いくら男が不死身で、無敵の幻獣でも、この劣勢はひっくり返せない。どう行動しても時雨を殺すより先に自分の頭が撃ち抜かれるのが先になる。時雨の腕を誰よりも知っているからこそ、男は自分の立場を悟り、膝をついたのだ。

 (ま、あんたなら…捨て身覚悟でやれば事はできるだろうけど)

 幻獣の中でも始祖竜に近い“不死鳥”なら、瞬間的に屋敷一帯を吹き飛ばし、逃げる事も可能だろう。時雨と狐ヶ崎組のほとんどを殺せる。そうすれば憎しみも少しは晴らせるかもしれない。だが、

 (そんな事はできないよね)

 ここで全てを吹き飛ばせばライも巻き込んで殺してしまう。ごっこ遊びとはいえ、今のあの男にとってはライが最愛の人なのだから。そんな事、できるわけがない。

 愛を知らないなりに、
 自分の愛を正当化するのに必死になっている。

 自分が正気だと信じていたいから。 

 正気だと思われたいから。

 (なんて哀れで半端な幻獣…その歪んだ生き様にライの良心を巻き込ませたりはしない)

 たとえ、心の一部を殺してでも、ライは俺が守ってみせる。ぎゅっと抱きしめると、息を漏らすようにライが呟くのが聞こえた。

「な、なんで、ここに…」

 ライは訳が分からないという顔で男を見ていた。その手はフラフラと覚束ない動きをしているが、少しずつ着実に男へと伸ばされていて、行き先を失う前に俺の指で絡めとる。

 ぎゅ

 引き寄せて指の関節部分に優しく口付けた。

「ん、あ…ユ…ウキ…」
「ライ、余所見しないで、さっきの続き、しよう」
「何言って…ああっ、ユウキ…っ、やめ…っ」

 戸惑うライを下から突き上げると、ぎょっとして振り向いてくる。

「やめろっ、アアアッ、いっ、んあっ、やめっ、ゆ、きっ!!」
「なんで嫌がるするの?」

 そう言ってライの背中を押し後背位の形にする。体位が変わり刺激される場所が変わったのか「んああっ」と良さそうな声が響いた。ライはハッと我に返り掌で口を覆うが、すでに全員がその声を聞いてしまってるから意味はない。

「ね、気持ちいいでしょ?に飛んじゃうぐらい気持ちよくなっていいんだよ、ほら」
「イッ、あああぁっ…!!」」

 中のしこりをぐちゅぐちゅと抉り、縛られたままの前を擦る。ライは電気が走ったかのようにびくびくと震え、背中を大きく仰け反らせるが、首はいやいやと横に振られ続けた。

「もう…」

 今のライの体は思考する余裕なんてないほど疼いて辛い状態のはずだ。なのに、目の前の男によって無理やり理性を引きずり出されて、心と体が噛み合わず悲鳴を上げてる。この状態を長く続けたら確実にライの頭がイカれてしまう。

「ライ、変に意地はってないで、体の感覚に集中して。あの人に可愛くなったライを見せつけてあげよう?」
「アアッ、はっ、やだ、嫌、だ…っ、あああっ」

 ライの好きな場所を弄りながら優しく諭せば、頭を振り乱し、畳をギリリッと引っ掻く。切れ切れの呼吸の合間に「嫌だ」と繰り返す。体は限界なのにどうしても理性を手ばせないらしい。

「強情なんだから…」

 呆れつつ、ライの汗や唾液で濡れた顎を掴み、ぐいっと前を向かせてやった。

「!!」

 正面の位置で膝をつく男と目が合い、ライはギクリと体を凍らせる。オレンジの瞳は怒りと憎しみに燃えていた。だが、男の体は石像のように動きを止めていて、時雨の言いつけ通り、口も開かず、ただライの痴態を見つめ続ける。

 ジッ…

「いッ、やめ…ッ、あぁっ」

 ライはその視線に耐え切れず、身を捩り必死に顔を背けた。

「み、るなっ、…あああっ、いあっ、はあっ、みない、で…っ、うぐっ、んぁあっ」

 男に見られているとわかった瞬間、ぎゅうっと腹の締め付けが強まった。あまりの締め付けに俺は息を詰め前のめりになる。

「はッ…」

 衝動をぶつけるようにその白い肩に噛みついた。組の奴らと違って何も描かれてない背中は酷く興奮する。噛んだり舐めたりしながら自分の痕をつけ赤く染めていくと、ライはその度に可愛い声を出して鳴いてくれた。愛おしい姿に眩暈すら感じながらごくりと唾を飲み込む。

 ぬる…っ

 汗で濡れた背中を、腰からうなじへゆっくりと撫でた。ライはそれすら感じるのか、びくびくとひくつくように体を震わす。

「んぁああ…ッ!」
「ふふ、すごい締め付け。まだ…長くなりそうだし、はぁ…一回出しとこうかな」
「!?」

 俺の呟きを聞き、ライが慌てて振り向いてきた。

「ゆぅ、き、…ッ」

 出さないでと必死に訴える瞳とぶつかる。

 ドキリ

 心臓が跳ねた。時が止まったかのように俺達は静かに見つめ合う。濡れた瞳は今この瞬間「俺」しか映してなかった。正面に少し前まで恋人だった男がいるのに、その瞳は俺の姿だけを映してる。

「はッ、はぁ…ユウキ…ッ」

 俺の名前だけを乞うように呼んでくれる。たとえそれが俺を求めての行動ではないとわかっていても、


「はは、」


 笑いが込み上げてくる。同時に腰に血液が集まってくる感じがした。

 (今はこれで十分だ)

 だってこんなに胸が満たされるもの。

「ゆ、んんっ、?!、んくっ、ううっ」

 まだ何か言おうとした唇をキスで塞ぎ、舌を絡ませ、文句の言葉ごと飲み込む。そしてずっとお預けしていた奥を思いっきり突いた。

 グチュンッ

「んんんんっ…!!」

 ライが目を見開き、背中をのけぞらせ…待ちに待った刺激に「んああっ」と嬉しそうに鳴いた。そのまま休ませずライのお気に入りのしこりと奥を連続で突いてやれば、涙で濡れていた瞳がふにゃりと快楽で蕩けていく。

「んぐぅ!!ん!は、ぁ、ああっ!ンッ、んあぁっ、やば、いっ、ああ…っ!!」

 やっと疼きを上回る快感を与えられたライは恍惚としていた。脳も体もやっと求めていたものを与えられて、その麻薬のような悦びは、頭の隅に追いやられていた理性を完全に溶かしきったらしい。それを証明するように、ライの腰がゆらゆらと自ら揺れだす。

「ん、はぁ、あっ…はぁっ、んぁ…っ」
「…エロすぎでしょ」

 引き締まった腰に両手を置き、支えてから、ガツンと奥を抉るように突き上げた。

「んあぁっ!!、はっ、や、ああっ、いっ、うああっ!んああっ…!」
「嫌じゃなくてでしょ?」
「ハァッ、はぁ、ああぁぁ…っ、き、もち、いい…っ、ああぁ…ッ、きもち、ぃ…ッ!」
「そうそう」

 褒めるようにしこりを潰してやる。

「~~~っっ!!!」
「くっ…、ライ、出すよ」

 ドクリ

 声も出せず感じ入るライの、物凄い締め付けの中にどろどろの欲を送り込む。晒されたうなじに噛みつきながら最後の最後まで送り込むように腰を揺すった。

「ンンッ、はッ、ぁ…ッ」

 ライはちゃんと中でイけたらしく、前は縛られたまま…、でも完全にイケたとわかるほど大きく体を震わせていた。

 (予習しておいてよかった)

 ひっそりと笑みを浮かべる。

「イイ子だね、ライ」

 蕩け赤く染まった頬にちゅっと口付け、四つん這いから崩れてほとんどうつ伏せになっていた体を裏返し、正常位にした。中は俺が出したものでぬかるみ大分動かしやすくなった。イッた事でイイ感じに解れてもきてる。ぐちゅぐちゅと確かめるように浅く動かすと、

 ぐっ

 ライの両足が甘えるように腰に絡み付いてきた。意識をどこかへ飛ばしながらも、反射で甘えてくるその姿は食ってやりたいほど愛おしい。

 (可愛いなぁ…)

 ぺろりと舌なめずりする。

「欲しがりなんだから…」

 膝裏に腕を通しライの体を引き寄せた。それから太ももに手を置き、ぐいっと限界まで開かせた状態で激しく中を突き入れる。

「ああああっッ」
「はは、食いちぎられそ…」
「うあぁぁっ…!はっ…ああっ、ゆう、きっ、止まる、なっ、もっと…っ、もっと、きもちい、のっ、ああっ」
「もう…急におねだり上手になって、俺が暴発しても知らないよ」
「ンンッはぁっ、ユウ…キッ…!!」
「ふふ、そんなに欲しいの?皆見てるよ?」

 時雨も、柴沢も、だって見てる。それでもいいのかと問いかけるが、

「はぁっ、はっ、はぁ…っ、い、いから…ッ、」

 すでに脳を薬で溶かされたライにはどうでもいいのか、俺の背中を血が滲むほど強くガリガリと引っ掻くだけだった。他の男なんて一切目に入らず、余計な事で思い悩む事もなく、ただ快楽に溺れ、気持ちよさそうに俺に揺すられている。

「んっ、はや、く…、はやく、しろ…っ、ああっ、たらないっ…ンンッ…ゆうきっ…!!」
「はいはい、今あげるから」

 俺はね、ライが与えてくるものなら何でも嬉しい。痛みでも、快楽でも、悲しみでも、全部愛として受け止めるよ。

 (だから俺のも全部受け取ってね)

 どぷっ

「アアアぁぁ…ッ!」

 奥を抉り、中で欲を吐き出せば…ライは悲鳴のような声をあげた。前でも後ろでもイケたのか、食い千切りそうな締め付けの後がくりと脱力し、

「は、はぁっ、ん、はっ…あぅ…、はぁ…」

 もうそこからは人間らしい言葉を吐かなくなる。その代わり、俺が求めていた“可愛いライ”が完成していて、

 ぐちゅり…

「ああぁっ、んあッ、やっ、ああんっ」

 きゅうきゅうと愛らしく締め付けてくるそこに、またすぐに復活してしまう自身を押し付け、腰を揺すった。今日はこのまま抱き潰そうと思ってたら

 ピリッ

 庭の方から殺気を感じた。腰は止めずに視線だけ向ければ、オレンジの瞳とぶつかった。庭の男は先程と一ミリも変わらず膝をついたまま、射殺さんばかりに鋭い目をこちらに向けてくる。ライは男に背を向ける形で俺に抱きついているからに気付く気配はないが、ここで変に水を差されても困る。

 ぎゅっ

 愛おしい体を抱きしめ、そちらに向けないようにしてから、オレンジの瞳に告げた。

「これでわかった?ライはもう俺のものだよ」
「…」
「あんたの事で思い悩む暇もないぐらい、俺がずっと満たしてあげる。俺はなんてしないから悲しませたりもしない。ライを絶対幸せにしてみせる」
「…」
「あんたはどこかで死ぬなり生きるなり…愛するなりして、一人で苦しみ続ければいいよ」

 腕の中で甘く鳴くこの愛しい人は渡さない。

「わかったら、目障りだからそろそろ消えてくれる?」

 冷たく告げれば、男の膝が片方だけ地面から離れた。

 スッ…

 打ちのめされ正気を失いかけた男は全身に炎を纏い、今にも襲い掛かろうと立ち上がりかけていた。

 カチャ

 時雨が銃を向けて牽制する。男はそれを無視して手を伸ばそうとする。

「ラ…」





 腕の中で意識を飛ばしていたライがぼんやりと目を開けた。

「ん…、あ……?」
「あ、ライ起きた?」

 気絶していたのはほんの十五分程度だったが

「!!!」

 ライは焦ったように庭の方に顔を向ける。そして、喉の奥で小さな悲鳴をあげた。

「ひっ…」

 庭の中心では時雨が雑な手つきで何かをトランクに詰め込んでいた。まだ少し火を燻らせたままの黒い灰。それを捉えた瞬間、ライはガタガタと震えだす。

「あ、あぁ…」

 一度気を失った事で正気が戻ったのか灰を見て青ざめる程度には人間らしい反応を見せた。そんなライは次の瞬間、弾かれるように手を伸ばし、駆け寄ろうとする。

「フィン…!!」
「近づいちゃだめ。まだ発火するかもしれないし時雨さんの邪魔になる」

 危ないよ、と腕を回して引き止める。

「フィンッ!!フィンっ…っ!」
「ライ、どれだけ叫んでもあいつには聞こえてないよ。もう、んだから」
「…ッ」

 ライは愕然としながらも一度も目をそらさず、時雨が立ち去るまでずっと灰を見ていた。一度だけ、手を伸ばそうとして…ぱたりと落とす。追いかけた所で、今、見せてしまった姿は取り消す事ができない。そう悟ったのだろう。

 “そんなに欲しいの?皆見てるよ?”
 “んっ、はや、く…、はやく、しろ…っ、ああっ、たらないっ…ンンッ…ゆうきっ…!!”

 男ではなく俺を選び求めた事も、
 俺に抱かれ感じていた事も、
 まごうことなき事実として男の記憶に刻まれた。

「……」

 項垂れ呆然とするライの体をぎゅっと後ろから抱きしめ、耳元で囁く。

「大丈夫、俺がいるよ」

 何度も言ってきた台詞を甘く囁けば、ライはのろのろとこちらを向いてきた。絶望に染まった孤独の瞳。そこにいつもの芯の強さはない。その変化に微笑みを浮かべる。

 これでもう、あの男の元へ行こうとはしなくなるだろう。

 “裏切られる”のと“裏切る”では全然意味が違ってくる。

「さ、起きた事だし、もう一回しようね」
「…う、」

 目の色を曇らせたライが自ら足を開く。体はまだ灼熱に焼かれるように疼くだろう。最後の枷も外され、我慢する理由もなくなった。

「ユ、ウキ…、」

 涙の枯れた瞳で「早く欲しい」と強請ってくる。

 ライは二度と外を見ようとしなかった。







 


 こうしてライは身も心も俺のものになった。

 あの日しっかり上下関係を躾けたおかげでライは驚く程従順になった。少し物足りない気もしたが、自殺されたり逃げられて手遅れになるよりよっぽどいい。

「はぁ、はっ、はー…」

 何も出なくなるほど思う存分ライを抱いた俺は、押し潰すように仰向けのライの上に乗っかる。

「ふう、疲れたぁ…ん?」
「ん、…、」

 ライは俺の首に腕を回して、ちゅっと唇に吸いついてきた。口を開けてあげれば舌が入ってきて、戯れのようなキスをする。

「んぅ、…ん、…っ」

 あの日以来ライは自分からキスを求めるようになった。起きてすぐキスを迫ってくるぐらい積極的で、一体どんな心境の変化だろうと不思議に思ってると

「も、っかい、」

 唇を放そうとした俺の頭を逃がすまいと両手で抱き込み、唇をちろりと舐める。そんな愛らしい仕草に思わず笑みが浮かんだ。
 (そっか、寂しいんだね)
 ライのぽっかりと空いた穴に気付き、目の前の甘えっぷりに納得する。

 ちゅっ、ぴちゃ、ちゅく…

 濡れた音が響く。空いた手でよしよしと肩を撫でて、引きずり出した舌を思いっきり吸い上げれば、ぞくぞくとライの体が震えた。首から背中に移動した腕でぎゅっと抱きしめられ、セックスでは埋められない所が満たされる感じがした。キスを一度止め、額を摺り合わせるようにして、甘く囁く。

「ライ、愛してる」
「…」
「俺は絶対裏切らないし、どこにも行かないよ」
「…、」

 ライは言葉なんていいからとキスを強請ってくる。それに応えないでいると焦れったくなったライが体勢を変えて押し倒してきた。

 どさっ

「!」

 ライが俺の腰に乗っかって見下ろしてくる。俺のと自分のでどろどろに汚れた体は少し腰を反る形で月明かりに照らされ…息が止まるほど美しかった。部屋の電気を消しておいてよかったと静かに胸を撫で下ろす。きっと、今の俺の頬は笑えるほど赤く染まっているだろうから。そんな姿を見られたら格好がつかない。

「はぁ…」

 俺は一呼吸の後、目の前の綺麗に割れた腹筋を、白濁を塗り広げるように撫であげた。ライは顎をあげ「んっ」と短く鳴く。愛しすぎる反応に煽られ、限界だった腰に再び血液が集まってくる。自嘲するように笑った。

「はは、もう…ライのエッチ」
「…いから、早く…」

 さっさと勃たせろ、そう言うように手で擦ってくる。もうほとんど勃ってる俺のを自分のと一緒に握り込みぐちゅぐちゅと扱く。俺はともかくライのは絶対出せないのに。限界だとわかってても快感を求めて浅ましく腰を揺らす姿は恐ろしく色っぽい。

「あんだけやったのにまだしたいの?」

 体を起こし、もう一度ライの体を押し倒す。素直に倒されたが、顔は横を向いていた。でもふと不安になったのかチラリと目だけでこちらを見てくる。

「や、なのか…」
「ん?」
「…俺の事、好きなんだろ…」
「あはは、うん、大好きだよ」

 笑いかけ、目が合ってから…ぐちゅりと挿入した。ああう、とか可愛い声を出しながらライはすぐに腰を揺らしだす。目の前の切なそうな胸を弄ってあげれば更に可愛く鳴きだした。

「ひゃ、ああっ、んああっ、はっ、そこっ」

 求めるまま与えれば、ライは中だけで何度もイった。

「大好き、好き、ライ好きだよ、愛してる」

 好きだと囁けば囁く程ライは体を震わせて喜ぶ。そんな愛おしい反応に煽られ、どぷりと最奥に愛の塊を送り込んだ。中に出されるのも最近感じてくれるようになって、ぎゅうと締め付けてもっと絞り出そうとしてくる。ああ、もう。

「はあ…、くっ、ライ、俺の事…枯らす、気、マジで…はあ、はあ…」
「はッ、はあッ…ん、はっ…」

 俺もライも満身創痍で倒れ込みしばらく息を整えるだけだったが、ふと、ライがぼそりと呟いた。

「…えは」
「ん?」
「お前は…どこにも行くな」
「!」
「…俺だけ…見ろ…」


 “俺だけ見ろ”


 掠れた声で紡がれた言葉、


「……ふふ、うん、もちろん」


 その言葉は十分「好き」という言葉に聞こえた。





 end
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