おまわりさんΩ、猛犬系ワンコに懐かれる

らんね

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8 ドライブは諦めた

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「当たり前のことを聞かれた」

裕也くんは手を伸ばして俺の頬を撫でる。

「俺は高瀬さんが好き、高瀬さんは俺が好き。なら恋人だ」
「ちょっ!」

断定してくる裕也くんに、俺は待ったをかけた。

「俺、キミが好きとか言ってない」
「言わなくてもわかるよ、ベッドの中でそういう顔だったし、今も」

俺の顔がどういう顔だって? サイドミラーで確認すれば、目元をほんのり赤くして、幸せそうにとろけた顔をしていた。え、俺はこんな顔していたのか?

「高瀬さんって、口よりも態度の方が素直だ」

運転席から身を乗り出して、唇にキスをされた。って、ここは公道のど真ん中なんだけれど、普通に恥ずかしいんだが、差し込まれてくる舌を拒否できない。

 くちゅ、ぴちゃ

 自分の口から漏れる濡れた音が耳を刺激し、腹の奥からも快感を求められるのを堪えるように、太ももにギュッと力を込める。

「苦しい?」

それを見透かしたように、裕也くんが股間をツウッと指を滑らせた。

「んぁっ、だめ!」

思わず出た声が予想外に車の中に響いてしまい、ドキリとした俺だが、裕也くんの指のいたずらは止まらない。股間の膨らみをフニフニといじり、その下の穴のあたりをツンツンとされてしまう。

「ん、ん、んぁ」

ぴくん、ぴくんと小さく震える俺は、微かに残る発情期の熱がせり上がって来る。

「匂いが濃くなった、興奮してる?」

裕也くんから首筋をスンスンと嗅がれ、身体のことを見透かされて恥ずかしい。裕也くんから香る匂いが俺に「快感に素直になれ」とささやく。あの時のように、激しく責められて喘ぎたいのだろう? と。
 それにしても、警察官である俺が公道でこんな行為をするなんて。理性なんてどこかへ消えてしまう、コレが「運命」レベルの相性っていうものか。

「抱きたくなった。ドライブやめて、ウチ行こ?」

この提案に、俺は首を横に振ることができなかった。


αとΩを引き合わせるフェロモンというものは、「野生じみている」とか時には言われることもある。けれど一説によれば、βであればこれまでの経験や記憶を自分なりにデータ化して探ったり、直観なんていうあやふやなものに縋るしか手段のない自身の「好み」というものを、フェロモンは明確に知覚化させているというのだ。思い込みや「かもしれない」という曖昧な推測を排除し、純粋に肉体としての好みを知らしめるものであり、全く好みではない相手のフェロモンを好ましく思うことはないという。
 つまり、裕也くんとは看護師曰くの「運命」レベルのフェロモンの相性だったらしい俺は、彼みたいな人がタイプだったということになる。
 そうか、俺はこれまで誰ともセックスにまで至らなかった自分が、恋愛に興味ない性格なんだとばかり考えていたんだが、単にすげぇ面食いだっただけなのか。裕也くんレベルのイケメンに、確かにこれまで遭遇したことなかったわ。なんか、落ち込むかも……。
 そんなことを俺がぐるぐると考えているのは、発情して馬鹿になっている頭じゃない状態でやるセックスが、すごく恥ずかしいからだ。自分で服を脱いで裸になるのも恥ずかしければ、足を開いてみせるのだってどんな罰ゲームかって思う。
 けれど今の、発情期の飢えから貪るようなセックスと違う、優しく味わうようなセックスは、気持ちよくて心地いい。俺の身体は裕也くんのペニスをしっかり覚えていて、「待っていたものが帰ってきた」という感覚に襲われて、幸福感にも満たされる。

「ん、ん、んぅ」
「気持ちいいんでしょ?」

俺が目を細めて正面から揺さぶられる快感を追っていると、裕也くんがぐっと身をかがめてキスをしてくる。あ、ダメだ、それ深くなる――!

「は、は、はっ」
「イき顔、かわぃ」

俺が腹の奥から波のように襲い来る快楽に耐えていると、それがおさまる間も与えずに裕也くんが動き出す。

「ぁ、まだ、はやぃ」

俺は気持ちよすぎて、目に涙をにじませてしまう。

「ねぇ高瀬さん、俺のチンポ好き?」

ゆるゆるとした速度でぬぽ、ぬぽ、と突かれている俺は、なにも考えずにコクコクと頷く。

「俺も、俺のチンポで気持ちよさそうにしている高瀬さん、すげぇ好き」
「あ、また……っ!」

こうなると、俺はもう「気持ちがいい」しか考えられない。
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