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三章 落ちないΩ
115 ヤなことは、お清め★
「で、なにがあったの?」
僕は改めて香坂から「ヤなこと」の詳細を聞いた。ふぅん、佳澄さんと二人でランチしていたテーブルに、不躾に挨拶を押し売りに来たヤツがいたと。それもαでございっていうのがムンムンだったと。そりゃあ確かにヤな奴だね?
「挨拶をさせろって、トイレにまでしつこく来られるのがキモかった。会社員ってああなのかよ?」
「大半の会社員はそんなことしないよ。挨拶も空気を読まなきゃ」
すんごい嫌そうな顔をする香坂に、僕はそう言ってなだめるようにキスをする。他の真面目に働いている会社員のためにも偏見は持たせちゃいけないし、お店に来る人達ってだいたい会社員じゃん?
ってかそれって、挨拶にカモフラージュしたナンパだろうね。佳澄さんに直に話しかけられる立場の人ってことは、それなりの立場だろうに、その割にチャラいな?
「どこか触られた?」
肝心の質問をすると、香坂は思い出し不機嫌でブスッとした顔になった。
「んなことさせるかよ、ただ叩き払っただけだ」
香坂の答えを聞いて、僕もホッとした。まあ佳澄さんもついていたから、万が一それ以上の事態になっていたら、あっちからなにか連絡があっただろうしね。実はそこはあんまり心配してはいなかったけれど、本人の口から聞かなきゃ本当に安心はできなかったわけで。
「けど払った時に触ったのがキモい」
そう言いながら香坂がお清めみたいにして、僕の手を握ってギュッギュとしてくる。
生身での接触を嫌う香坂は、普段店の外で絡まれた酔っ払いにやり返す時、足を使うことが多い。けれど高級ホテルっていう場所柄、蹴りはさすがにできなかったんだろう。監視カメラとかもあちらこちらにあるものだしね。
手で叩いたのなら、接触も一瞬だったかもだけれどさ。接触を避けるなら、手袋をするっていうのもアリだ。でも香坂は接客業だから、ずっと手袋をするのは難しい。それに手袋状態に慣れると隙が出来るっていうんで、嫌みたいなんだよね。
「ツイてなかったね、どんまい」
僕がその握った手にキスを繰り返すと、香坂の手からだんだんと力が抜けてくる。そうやっていてそろそろ落ち着いたかな? と僕が様子を窺っていると、香坂は空いている方の手で部屋着のズボンをずり降ろしてきた。
「いきなり急かすじゃん?」
僕が特に抵抗しないでいると、香坂が握った僕の手の指を甘噛みする。
「俺のαなら責任持って、寝る前に俺の気分を上げやがれ」
ついにズボンを膝まで降ろされてしまっては邪魔なだけだと、僕が全部脱いでからぺろんと放り投げれば、香坂がぐりんと体勢を反転させて僕の上に乗っかってきた。
「お前のチンポ、もう大きいじゃん。どのみち、コレで寝るのは無理じゃね?」
そして僕が寝ようと提案したのを揶揄しつつ、尻で僕のペニスをふにふにと刺激してくる。
「寝るんなら、トイレに行って抜いてきたよ」
「バァカ、そんなもったいないことさせっかよ」
そう言い返す僕にニヤリとした香坂は、互いの我慢汁で滑りが良くなっている僕の腹の上で気持ちよくなってきたのか、自身のペニスを握って慰め出す。
「やらしい眺め。ほら、お尻はこっち」
僕からペチペチと尻を叩かれた香坂は少し腰を上げて、既にピンと勃っている僕のペニスの上に尻穴をあてがう。
「ん、ん、んあっ!」
そしてすぐに慣れた動きで僕のを全部飲み込み、下腹部の上に尻をぺたりとくっつけてしまうと、そのナカからの刺激で握っていた自身のペニスからビュッと白濁を飛ばす。
「上手に飲み込めて、おりこうさん」
そんな香坂に、僕は腹筋の力と勢いとで起き上がると、向かい合ったその唇にキスをした。そしてさっきコレを言ってなかったなと思い出して、香坂に囁く。
「でもさ、誰が寄って来たって怜はあげないよ」
こうして香坂と肌を重ねて抱き合うのは、僕だけに許された行為だ。支配とか束縛とかは似合わない僕らだけれど、コレだけは譲れないよ?
「……ったりめぇだ」
すると香坂はどこかうっとりとした様子で、僕の首筋に顔を埋めてくる。
「フェロモン、もっと」
さらに刺激を求めようと、香坂の腰がグリグリッと自ら抉るように動き出す。ホント、気持ちいいことに貪欲な僕のΩだ。望むままの快楽をあげようと僕はフェロモンをにじませながら、香坂の尻をペニスが抜ける寸前まで持ち上げて、また一気に落とす。
「……!」
香坂は声の出ない悲鳴と共に、背中を震わせている。
「深い、もっと……っ」
「仰せのままに」
息も絶え絶えなおねだりに応えるために、僕は香坂をベッドに押し倒すと、腰の動きを激しいものに変えていく。
「あ、あ、あぁっつ!」
僕に全身を使ってしがみつき、少しの快楽も逃すまいとする香坂が、やがてガクガクと痙攣するようにして達する。
「……っ」
それに少し遅れて僕もイくと、香坂の身体が徐々に緩んでいく。やっぱり疲れていたんだろう、香坂はイッて意識を飛ばしたまま、睡魔に襲われていた。
「寝ていいよ、オヤスミ」
「ん……」
僕が語りかけながら頬を撫でれば、香坂はそのままスウッと眠った。香坂の可愛い寝顔にキスをすると、濡らしたタオルで自分と香坂の身体を清めてから、隣で眠る。
どうか僕のΩがいい夢を見ますように。
僕は改めて香坂から「ヤなこと」の詳細を聞いた。ふぅん、佳澄さんと二人でランチしていたテーブルに、不躾に挨拶を押し売りに来たヤツがいたと。それもαでございっていうのがムンムンだったと。そりゃあ確かにヤな奴だね?
「挨拶をさせろって、トイレにまでしつこく来られるのがキモかった。会社員ってああなのかよ?」
「大半の会社員はそんなことしないよ。挨拶も空気を読まなきゃ」
すんごい嫌そうな顔をする香坂に、僕はそう言ってなだめるようにキスをする。他の真面目に働いている会社員のためにも偏見は持たせちゃいけないし、お店に来る人達ってだいたい会社員じゃん?
ってかそれって、挨拶にカモフラージュしたナンパだろうね。佳澄さんに直に話しかけられる立場の人ってことは、それなりの立場だろうに、その割にチャラいな?
「どこか触られた?」
肝心の質問をすると、香坂は思い出し不機嫌でブスッとした顔になった。
「んなことさせるかよ、ただ叩き払っただけだ」
香坂の答えを聞いて、僕もホッとした。まあ佳澄さんもついていたから、万が一それ以上の事態になっていたら、あっちからなにか連絡があっただろうしね。実はそこはあんまり心配してはいなかったけれど、本人の口から聞かなきゃ本当に安心はできなかったわけで。
「けど払った時に触ったのがキモい」
そう言いながら香坂がお清めみたいにして、僕の手を握ってギュッギュとしてくる。
生身での接触を嫌う香坂は、普段店の外で絡まれた酔っ払いにやり返す時、足を使うことが多い。けれど高級ホテルっていう場所柄、蹴りはさすがにできなかったんだろう。監視カメラとかもあちらこちらにあるものだしね。
手で叩いたのなら、接触も一瞬だったかもだけれどさ。接触を避けるなら、手袋をするっていうのもアリだ。でも香坂は接客業だから、ずっと手袋をするのは難しい。それに手袋状態に慣れると隙が出来るっていうんで、嫌みたいなんだよね。
「ツイてなかったね、どんまい」
僕がその握った手にキスを繰り返すと、香坂の手からだんだんと力が抜けてくる。そうやっていてそろそろ落ち着いたかな? と僕が様子を窺っていると、香坂は空いている方の手で部屋着のズボンをずり降ろしてきた。
「いきなり急かすじゃん?」
僕が特に抵抗しないでいると、香坂が握った僕の手の指を甘噛みする。
「俺のαなら責任持って、寝る前に俺の気分を上げやがれ」
ついにズボンを膝まで降ろされてしまっては邪魔なだけだと、僕が全部脱いでからぺろんと放り投げれば、香坂がぐりんと体勢を反転させて僕の上に乗っかってきた。
「お前のチンポ、もう大きいじゃん。どのみち、コレで寝るのは無理じゃね?」
そして僕が寝ようと提案したのを揶揄しつつ、尻で僕のペニスをふにふにと刺激してくる。
「寝るんなら、トイレに行って抜いてきたよ」
「バァカ、そんなもったいないことさせっかよ」
そう言い返す僕にニヤリとした香坂は、互いの我慢汁で滑りが良くなっている僕の腹の上で気持ちよくなってきたのか、自身のペニスを握って慰め出す。
「やらしい眺め。ほら、お尻はこっち」
僕からペチペチと尻を叩かれた香坂は少し腰を上げて、既にピンと勃っている僕のペニスの上に尻穴をあてがう。
「ん、ん、んあっ!」
そしてすぐに慣れた動きで僕のを全部飲み込み、下腹部の上に尻をぺたりとくっつけてしまうと、そのナカからの刺激で握っていた自身のペニスからビュッと白濁を飛ばす。
「上手に飲み込めて、おりこうさん」
そんな香坂に、僕は腹筋の力と勢いとで起き上がると、向かい合ったその唇にキスをした。そしてさっきコレを言ってなかったなと思い出して、香坂に囁く。
「でもさ、誰が寄って来たって怜はあげないよ」
こうして香坂と肌を重ねて抱き合うのは、僕だけに許された行為だ。支配とか束縛とかは似合わない僕らだけれど、コレだけは譲れないよ?
「……ったりめぇだ」
すると香坂はどこかうっとりとした様子で、僕の首筋に顔を埋めてくる。
「フェロモン、もっと」
さらに刺激を求めようと、香坂の腰がグリグリッと自ら抉るように動き出す。ホント、気持ちいいことに貪欲な僕のΩだ。望むままの快楽をあげようと僕はフェロモンをにじませながら、香坂の尻をペニスが抜ける寸前まで持ち上げて、また一気に落とす。
「……!」
香坂は声の出ない悲鳴と共に、背中を震わせている。
「深い、もっと……っ」
「仰せのままに」
息も絶え絶えなおねだりに応えるために、僕は香坂をベッドに押し倒すと、腰の動きを激しいものに変えていく。
「あ、あ、あぁっつ!」
僕に全身を使ってしがみつき、少しの快楽も逃すまいとする香坂が、やがてガクガクと痙攣するようにして達する。
「……っ」
それに少し遅れて僕もイくと、香坂の身体が徐々に緩んでいく。やっぱり疲れていたんだろう、香坂はイッて意識を飛ばしたまま、睡魔に襲われていた。
「寝ていいよ、オヤスミ」
「ん……」
僕が語りかけながら頬を撫でれば、香坂はそのままスウッと眠った。香坂の可愛い寝顔にキスをすると、濡らしたタオルで自分と香坂の身体を清めてから、隣で眠る。
どうか僕のΩがいい夢を見ますように。
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