星空の下で君を待つ

星乃ゆづき

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第13話

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(なんて言おうかな......)

 乗組員にお礼を言って、シリウスの元へと歩いていく。
 海上に立っていた、なんて魔法使いか何かに違いない。
 私が力を持っているように、その神官も力があるのだろうと思う。
 戦うことになるのかな。

(私の剣の腕で戦える?)

 船を襲うほどの力を持つ人に勝てるのかな。
 いや、勝てなくてもいいのか。
 事情が聞ければ。
 でも、素直に事情を話してくれるのかな。

(多分......戦うことになる。)

 そこにシリウスを巻き込むわけにはいかない。
 私が一人で行かなきゃ。

 と、その時だった。

『今度こそ......』

 心の声が聞こえる。
 城内に入った時に聴こえた声だ。
 多分、神官だ。

 私は船の上から下を見下ろした。
 黒いフードを被った人物が、船上を睨みつけている。

(あの人だ!!)

 私は船から駆け降りた。
 そんな私に気付いたのか、神官が手をかざす。
 何か呟いているのが見えた。

(魔法だ......!)

 私は腰から剣を引き抜いた。
 神官の手から真っ赤な炎が放たれる。
 私は剣でそれを切った。
 炎は二手に分かれ、私の背後で爆発する。

「なんだと?!」

 神官が驚いている隙を見て、私は懐に入り込んだ。
 剣を首元に突きつける。

「あなたね? 船を爆発させたのは?」

「お前は--
 なぜ、俺の炎が切れる!?」

「こっちの質問に答えなさい。」

 くっと喉を鳴らし、後ずさる神官。

「俺は......俺は、アルタイル様を......」

「やっていいことと悪いことがあるのを知らないのね?」

「くそっ!」

 神官は私に向かって、呪文を唱える。

「!」

 顔に思い切り、炎の熱さを感じ、私はのけぞった。
 すんでのところで退ける。
 その隙に神官が走っていった。

「待ちなさい!」

 急いで追いかける。
 神官の長いマントが邪魔しているのか、私はすぐに追いついた。
 思い切り、マントの裾を踏みつける。
 その勢いで、神官は派手に転んだ。

「もう観念しなさい!」

「くっ.......」

「アリス!」

 騒ぎに気付いたのか、シリウスが駆け寄ってくる。

「イガム!?」

 神官を見て、驚くシリウス。

「知り合い?」

「兄さんや僕と一緒に育った、兄弟みたいなもんだよ。
 なんだって、こんなところに.......」

 私は剣をイガムに向けたまま、シリウスに事情を話した。
 
「なんだって、僕を......」

 イガムは苦虫を噛み殺したような顔で、シリウスに言う。

「お前らなんかに、この国を任せてられるか!」

「どういうことだ?」

「ぬくぬくと育ったお前らに!」

「一緒に育ったんじゃないの?」

 私の問いに、イガムが噛み付くように言う。

「こいつらは俺を捨てた!」

「それは違う!」

 シリウスが声を荒らげた。

「イガム......君の父様が、階級を気にして離れて行っただけだ。
 僕たちが何かしたわけじゃない。」

「そんなバカな......」

「父上に聞いてみてくれ。
 この件は無かったことにするから。」
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