星空の下で君を待つ

星乃ゆづき

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第12話

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 シリウスは、王様と一緒にアルタイル様の元に向かった。
 私もついてきたかったけれど、まさか、王様と一緒の時に何かされると思わなかったので、素直に見送った。

 私はテラスに出た。
 城下町が見渡せる。
 ここから、人々の声を聞くことは出来ない。

(ここが、シリウスの育った国なのね......)

「失礼します」

 扉がノックされ、侍女たちが入ってきた。

「シリウス様にお願いされましたので、
 サイズを測りにまいりました。」

「サイズ?」

「お洋服のサイズを測って、仕立てるように、と。」

「え? いいのに......」

「よくありません。お願いされましたので。」

「そ、そうですか......」

 私はされるがままにサイズを測られ、

「後でお洋服を持ってきますね。」

 と言われ、侍女たちは去っていった。
 シリウスは私を恩人と言っていたけれど、ここまでしてくれるとは。
 なんだか、むず痒くなってくる。

 しばらくして、シリウスが戻ってきた。

「シリウス!」

 思わず、私は駆け寄った。

「大丈夫だった?」

「あぁ、うん。兄さんには止めるよう言ってきた。」

「それで、なんて?」

「そんなに言うなら、僕に調べろってさ。」

「貿易船を襲った犯人をってこと?」

 そんな無茶な。
 どうやって調べさせるの?

「とにかく、貿易船を調べようと思う。」

「私も行く!」

「アリスが?」

「何か力になれるかもしれないし。」

「うーん......危ないかもしれないよ?」

「大丈夫よ。」

 シリウスは困ったような顔をする。

「私の剣の腕を知ってるでしょう?」

「そうだね......じゃあ、一緒に行こう。」

 私とシリウスは、急いで馬車に乗った。
 パレルトーンの西部には、大きな港町があるらしい。
 そこへ馬車を走らせる。
 まだ襲われた貿易船が、そこにあるからだ。

 乗組員がいれば、私の力で何か分かるかもしれない。
 馬車が着き、私とシリウスは貿易船へと向かった。
 幸いにも、まだ乗組員がいた。
 シリウスが聞き込みをしている間、私は乗組員の心の声を聞く。

『これを話していいのかな.......』

 と悩んでいる乗組員を見つける。
 私はその人に近づいて行った。

「あの......話なら、私が聞きますけど。」

「!?」

「何か悩んでいらっしゃる気がして。」

 私はじっと言葉を待った。
 乗組員がゆっくりと口を開く。

「この船が襲われた時に--」

 言い淀む乗組員が、そっと声をひそめた。

「俺が言ったって言わないでほしいんだけど......」

「はい。大丈夫ですよ。」

「神官がいたんだ。うちの国の。」

「どこにですか?」

「海上の上に。」

「は? 海の上?」

 思わず聞き返してしまう。
 コクコクと頷く乗組員。

「噂があるんだよ。うちの神官には不思議な力があるって。」

「不思議な力、ですか?」

「とりあえず、だよ。その神官がうちの船に何かしたんだ。
 それで、船は勢いよく燃え上がって......信じてもらえないかもしれないけど。」

「分かりました。」

 あたしにも不思議な力がある。
 その神官にも力があっても不思議じゃない。

「その神官を調べてもいいですか?」

「俺が言ったって言わないでくれるなら。」

「大丈夫ですよ。」

 私は安心させるように微笑んだ。

「私が調べます。シリウスにも言いません。」
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