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第2章 【異世界からの侵略者】
第2章15 【逆転への道しるべ】
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「倒しても倒してもキリがないな......」
目の前に拡がる大量の兵を見て呟く。
奴らはヒカリの言った通り『屍』のメモリを使い、自身の体を強化している。しかも、俺程ではないが、自称俺の護衛隊三馬鹿程度なら軽く上回れる程の強さだ。
屍の兵、屍兵とでも呼んでおこう。
ギーグ「どうするんですか、ライオスさん。こいつら倒しても直ぐに復活してきやがりますよ」
魔法を適当に乱発するギーグが言う。
「そんなことは分かっている」
俺は次から次へとやってくる屍兵を倒しながら答える。
ヒカリは200人程度いると言っていた。その言葉通り、ただの200人なら問題はなかったのだが、奴らの使う『屍』の力は攻撃を受けてもすぐに蘇るという厄介な効果が付いている。ーーそして、ここにいる奴らの何人かは人ではないな。でなければ、隣国のイーリアスにも現れているという情報に辻褄が合わなくなる。200人という人数にしては配置されている箇所と人が多すぎるんだ。
「どうするべきか......」
俺は必死に頭を悩ませる。普段、あまり頭を使うことがないため、すぐに打開策なんてものは思い浮かばない。
否、普通の人間でも今の状況なら無理か......
デン「ライオスさん危ねぇ!」
デンが叫ぶ。
「ッ......!」
屍兵の内の1人が俺に向かって飛びかかってきていた。
「クソっ!」
反応が遅れたため避けきることが出来ない。戦場で考え事をしすぎてしまったか……
デン「リモートコントロール!」
攻撃が俺に当たることは無かった。屍兵が飛びかかる直前、デンが叫び声と同時に操縦魔法で屍兵の体を吹き飛ばしていた。
デン「大丈夫ですか?ライオスさん」
デンが駆け寄って問いかけてくる。
「お前のおかげでなんとか無事だ」
デン「それは良かった。ただ......」
デンはそこで言葉を区切る。「ただ...... 」その先は言わなくても分かる。ただ、敵の数が尋常じゃないほどに増えている。まるで、街中に散らばっていた兵が全て集まったのではないかと疑う量だ。
レイ「どうするんだい?この状況」
レイが問いかけてくる。
「お前ら、とりあえず1箇所に固まれ。そして、敵の攻撃を全て打ち返すぞ」
俺はそう指示した。敵の攻撃を全て打ち返す。それだけで敵の数を減らせるならそれほどまでに楽なことは無い。ただ、そんなことをしても力を無駄に使うだけだというのは充分に理解している。
「何か、何か方法はないのか......」
誰がどう見ても絶望的なこの状況。逃げることなら出来そうではあるが、それでは根本的な解決には繋がらない。
デン「ライオスさん!こいつら明らかに数が増えていってます!」
デンが叫ぶ。辺りを見渡すとデンの言う通り、数が増えていっている。
「何だ、何が起きているんだ?」
屍の力には増殖効果もあるというのか?俺はそう考えた。ここまで来れば、最初から人ならざる者が紛れ込んでいたのではなく、この屍が数を増やす性質を持っているのではないかと思う。ーーそう考えていたのが悪かった。
ギーグ「ライオスさん!頭上!」
ギーグが叫ぶ。
「ッ......!」
上を見上げると屍兵が塊のようになって降ってきていた。
デン「逃げてください!」
デンが叫ぶ。
「ライオスさん!」
レイも同じように叫ぶ。
誰も俺を守れる者はいない。そして、俺自身も上から迫り来る屍兵に対して、反撃が間に合わない。
「うぉぉぉぉぉお!」
終わりを覚悟して、出来る限りの抵抗をしようと頭上に雷魔法を打った。それよりも早く敵が攻撃してくるのは明らかだった。先程はデンのお陰で助かった。しかし、今回はもうダメなようだ。生き埋めにされる……。
思わず目を瞑る。屍兵が一斉に俺を踏み倒し、切り刻んでいく光景が想像出来る。
……
……
……
「............」
いくら待ってもその終わりはやって来ない。最後に打った1発が決まったのか。否、それは無いだろう。
「全くよ、おめぇみてえな若いやつが、終わりを覚悟して目をつぶるとか舐めてんのか?あぁ?」
目を開けると、そこにネメシスと息子のフェイがいた。
「お前......」
ネメシス「ったく、フェイのいる前で情けねえ姿二度と見せんなよ」
ネメシスは唇の端を上げ、ニヒッと笑う。仕草が完全にグリードと一致している。
「悪い、助かった」
ネメシス「礼を言うのは後にしろ、今はここを突き抜けるぞ」
「あぁ」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
シヴァ「ヒカリィィィィィ!」
シヴァが叫びながら猛然とヒカリに飛びかかる。ヒカリはそれを軽い動作で避ける。
ラース「何度やったところで無駄だ。今のヒカリには誰も勝てれん」
ラースが巨大な火の玉を作りながらそう言う。
ヴァル「ふざけんな!ヒカリは俺達が取り戻す!」
そう言いながら、ヴァルとフウロが見事なコンビネーションでラースに攻撃する。ラースはそれを全て避けきることができず、体中に傷ができている。ヒカリよりもラースを倒す方が簡単なのではないかと思う。
ラース「無駄だ。君達がいくら頑張ったところでもうヒカリに記憶はない。私の言うことだけを聞く操り人形さ」
ラースは自らの傷など気にせず、笑いながらそう言う。
記憶がない。ラースが言ったその言葉が本当ならば、ヒカリを正気に戻すのは無理である。
シヴァ「記憶なんざ関係ねえ!そんなもん俺が作り直してやる!」
シヴァが空に向かって叫ぶ。
ラース「フッ叫んだところで何も変わらん」
ラースがそれを嘲笑う。
ヴァル「いいや、変えてみせるさ。ヒカリの心に言葉が届くまで」
いつの間にかラースの後ろに回り込んでいたヴァルが言う。
フウロ「諦めるにはまだ早すぎるからな。シヴァ、何度も言うがこいつは私達に任せておけ。そして、お前は『ヒカリ』を取り戻してくれ」
フウロが静かにそう言う。
シヴァ「分かってるさ……なあ、ヒカリ」
シヴァはフウロ達に返事をすると、ヒカリと一直線上で対峙した。
シヴァ「覚えてるか?俺がお前を『解放軍』なんてところに連れていった日を」
シヴァがそう問いかける。
ヒカリ「……」
しかし、ヒカリはずっと無言のままだ。
シヴァ「覚えてねえならいいや。ただ、一つだけ言っておく」
シヴァがゆっくりとヒカリに近づく。
シヴァ「ごめんな、あまりこういうことはしたくなかったんだが......」
そう言い、シヴァが、ヴァルが攻撃前に構える時と同じように、拳を腹の横に当て力を溜め始めた。
まさかーー
シヴァ「お前は何があっても俺の妹だ!」
シヴァが思いっきりヒカリに向かって飛びかかり、パンチをする。
ヒカリ「……」
ヒカリは咄嗟にそれを避ける。しかし、シヴァはそのまま体を一回転させ、もう一度攻撃する。
ヒカリ「うっ……」
その一撃は、確かにヒカリの頭に直撃した。私は内心、シヴァがヒカリを殺しにでもいったのではないかと思った。普通の敵に対してなら何も思わないが、相手は実の妹だ。流石にパンチの威力が高すぎるように思える。
「ちょっと!」
私は叫ばずにはいられなかった。
ラース「ついに狂ったか」
ラースが不気味な笑みを浮かべる。
ヒカリ「うっ......うぅ......」
ヒカリが頭を抱え、呻き声を上げている。
ヒカリ「たす……け…………て……」
ヒカリが小さな声で何かを訴える。私にはハッキリとそれが聞こえた。
ヒカリ「たす......けて…………たすけ……て……」
ヒカリが何度も訴える。
ラース「まさか......そんなことがある筈が......」
ヒカリの変化に対して真っ先に口を開けたのはラースだった。
シヴァの攻撃はやり過ぎではないかと誰もが思っていたが、結果としては良い方向に転んだように思える。
シヴァ「おい、ヒカリ!しっかりしろ!ヒカリ!」
すぐさまシヴァが駆け寄り、ヒカリの体を抱きしめる。
ヒカリ「お兄......ちゃん......」
ヒカリが再び小さな声で言う。
シヴァ「あぁ、そうだ。俺だ」
シヴァの返答を聞いたヒカリはゆっくりと目を閉じる。どうやら、意識を失ったようだ。
シヴァ「ーーお前ら!逃げるぞ!そこの黒髪の男とアルテミスを連れて外に出ろ!」
ヒカリの体を背負ったシヴァが叫ぶ。
ラース「そんなことはさせるか!」
ラースがヴァルとフウロの攻撃を喰らってボロボロになった体で、どこにそんな余力があるのかと疑いたくなるほどの巨大な火の玉を形成する。
フウロ「私はアルテミスを抱える。ヴァルはヴェルドを......」
ヴァル「あぁ、分かってる」
それぞれがアルテミスとヴェルドを抱え、出口に向かって走り出す。
ラース「逃がすか!全員この場で始末してやる!」
《キング》
ラースがメモリを取り出し、身体に突き挿す。
シヴァ「マグマブレイク!」
シヴァが一旦ヒカリの体を下ろし、洞窟の内部、開けた空間の入口に向かって攻撃する。岩石が崩れ落ち、入口を完璧に塞いだ。
フウロ「よし、一旦ギルドに戻ろう」
フウロが入口が塞いだのを見て言う。
ラース「逃がすものかァァァァァァ!」
崩れて出来上がった壁越しに、未だにラースの叫び声が響いてきた。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「誰も......いないね....」
何とか無事にギルドに戻ってきたというのに、出迎えがなかった。
ーーギルドのメンバーは、恐らく街中で敵と戦っているのだろう。でなければ、戻ってくる道中で1人たりとも敵と遭遇しないのは奇跡だとしか言いようがない。
シヴァ「そこで立ち止まってないで、さっさと中に入ってくれ」
後からやってきたシヴァが言う。
「あ、ごめん」
シヴァ「なあ、ここにベッドかなんかあるか?」
中に入るや否、シヴァが問いかけてくる。
フウロ「地下の方に数台用意されてある。ヴェルド達もそこに連れていく予定だったからな。案内しよう」
シヴァ「そうか、すまねえな」
フウロ「謝る必要は無い。そなたがいなければ我々はやられていた」
シヴァ「そんなかしこまった口調で話すな。俺はただ、ラク......いや、ヒカリを助けに行っただけだ」
フウロ「そうか......」
フウロとシヴァは、そう話をした後、地下へと向かって行った。ヴェルドを抱えたヴァルも付いて行き、私1人が取り残される形となった。
「ヒカリん......」
誰もいなくなったこの大きな広間で、私は自然とその名を口にしていた。
「なんだ、先に帰ってたのか」
突然、後ろの方から誰かが声をかけてきた。後ろを振り返り、その言葉の主を探す。
「よォ、敵のうちの一人を捕虜にしてきたぜ」
グリードだった。グリードなぜかは脇に女の人を抱えている。
「あの......グリードそれは何?」
グリード「んァ?見てわからねぇかァ?」
見てわかるのはグリードが知らない女の人を脇に抱えて帰ってきたという事実だけだ。
「あの......私から説明しましょうか?」
グリードの影に隠れるようにしてエフィがひょこっと現れた。
「うん、お願い」
エフィ「はい、では事の始まりとして、私達はその女の人『ミラー』っていう人と戦ってたんです。それで、途中からグランメモリを使われたのですが、グリードさんがとんでもない力を発揮してくれたおかげで難なく倒すことができて、で、死んでなかったので捕虜にしようと思いまして今に至ります」
エフィの説明は簡潔にまとめられていた。簡潔にまとめられていただけにーー
「え、それだけ!?」
と、私は思わず言ってしまった。
エフィ「はい、それだけです」
エフィはそれに対してただ頷くだけだった。
グリード「まあ、こいつは王国騎士団にでも預けに行けば良いさ。ここに牢獄でもあったらわざわざ行かねえんだけどな」
そう言い、グリードはギルドを出ていこうとする。
「あれ?ここって、確か地下の方に牢獄無かったっけ?」
私は記憶を漁る。
「確か......いや、牢獄って呼ぶにはあれですけど、救護室とは別の尋問室らしきところならあったはずですよ」
エフィが言う。
「え?マジで?」
その瞬間、グリードはすぐさま地下へと足を運んで行った。
ーー冷静に考えてみれば、ただの一般ギルドに尋問室があるというのはどういう事なのだろうかと思った。え?ギルド同士の闘争とは無縁のギルドだったはずだよね?
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「よっこらしょっと」
救護室に入った俺は、背負っていたヒカリをベッドの上に降ろす。歳の割に軽い女の子なので、それほど肩に負担はかからなかった。
後から入ってきたフウロとヴァルも同様にアルテミスと黒髪の男をベッドの上に降ろしている。
フウロ「改めて見ると、酷い傷だ」
フウロがアルテミスと黒髪の男を交互に見ながら言う。
ヴァル「アルテミスの方はまだ良いとして、ヴェルドは、こりゃ大丈夫か?」
ヴァルが黒髪の男ーーヴェルドと言うのかーーの顔を覗き込みながら言う。確かに、ヴェルドの傷は他よりも酷い。恐らくはあの金髪の子を庇ってこうなったのだろう。
フウロ「シヴァ......と言ったかお前」
フウロがこちらに近づいてくる。
「あぁ、そうだ。俺がシヴァ・エーテル。さっきの戦いで職を失った悲しい男さ」
俺は皮肉混じりにそう答えた。
フウロ「ハッそれは自業自得としか言いようがないな」
それに対し、フウロは鼻で嘲笑いやがった。
フウロ「お前らのせいで街はめちゃくちゃになった。どう責任を取ってもらおうか......」
「お前らには悪いが、後は自分らでどうにかしてくれ。ヒカリが目覚め次第、俺は帰るからな」
俺はフウロの言葉を遮って言う。
フウロ「ただで帰れると思っているのか?それに、帰りたいのならば今すぐ帰ればいいではないか」
フウロ達が最もらしいことを言う。事実、最もな話なのだがーー
「それができたら、とっくに帰ってるさ。それが出来ないのは俺に転移魔法を使うことが出来ないからだ」
フウロ「転移魔法?」
「こっちの世界ではあまり聞かねえよな。まあ、俺らの世界でも聞かねえんだけど......」
そう言って俺はフウロの方に目線を合わせた。
「転移魔法ってのはな、空間を自由に行き来する魔法なんだ。『空間魔法』と一緒のように思えるが、転移魔法で移動できるのは空間だけじゃない」
フウロ「ーー世界か?」
フウロが言葉を繋ぐ。
「あぁ、そうだ。んで、ヒカリはどこで身に付けたのかは知らんが、その転移魔法が使える」
フウロ「それで、お前は使うことが出来ないから使うことの出来るヒカリの目覚めを待っているわけか」
「まあ、大体そんなとこだが、転移魔法はヒカリ以外の人間には使えねえよ。俺らはヒカリの作った装置を使ってこっちの世界にやってきたんだ」
フウロ「転移魔法がヒカリ専用?それに、作った装置ってのは?」
「文字通りだ。俺らには世界を行き来する力なんて無い。そこで、ヒカリが自分の力を利用して世界を行き来する装置を作ったんだ。それでターゲットになった世界がここ。お前らの世界だ。後、ついでに言っておくけどグランメモリを作ったのもヒカリだ」
フウロ「グランメモリに関しては察しが付いていた」
「まあ、そうだろうな。全ての元凶はコイツだからな。コイツがいなければお前らはこんな苦しい思いなんてしなかったからな」
ヒカリの綺麗な青緑の髪をいじりながらにそう言う。
ヒカリ「うる......さい......兄......ちゃん......」
微かながらヒカリが声を出す。そして、起き上がろうとしたが、上手く力を入れることができず、倒れ込んだ。
「無理すんな。しばらく休んでろ」
俺はヒカリの位置を正し、布団を掛け直す。
ヒカリ「兄......ちゃん......」
「なんだ?」
ヒカリ「こいつらに......従え......」
「は?何言ってんだ?こうなった以上帰るに決まってんだ......」
ヒカリ「うる......さい......黙って......こいつらの......力に......なれ......」
ヒカリが俺の声を遮ってまで言う。
「ーーはぁ、分ったよ。今回だけだ」
俺がそう言ったのを見て、ヒカリは再び目を閉じた。
「てな訳で、コイツが回復するまではお前らの駒になってやるよ」
フウロ「そうか。しっかりと責任を取れよ」
今度はフウロが皮肉混じりにそう言った。
目の前に拡がる大量の兵を見て呟く。
奴らはヒカリの言った通り『屍』のメモリを使い、自身の体を強化している。しかも、俺程ではないが、自称俺の護衛隊三馬鹿程度なら軽く上回れる程の強さだ。
屍の兵、屍兵とでも呼んでおこう。
ギーグ「どうするんですか、ライオスさん。こいつら倒しても直ぐに復活してきやがりますよ」
魔法を適当に乱発するギーグが言う。
「そんなことは分かっている」
俺は次から次へとやってくる屍兵を倒しながら答える。
ヒカリは200人程度いると言っていた。その言葉通り、ただの200人なら問題はなかったのだが、奴らの使う『屍』の力は攻撃を受けてもすぐに蘇るという厄介な効果が付いている。ーーそして、ここにいる奴らの何人かは人ではないな。でなければ、隣国のイーリアスにも現れているという情報に辻褄が合わなくなる。200人という人数にしては配置されている箇所と人が多すぎるんだ。
「どうするべきか......」
俺は必死に頭を悩ませる。普段、あまり頭を使うことがないため、すぐに打開策なんてものは思い浮かばない。
否、普通の人間でも今の状況なら無理か......
デン「ライオスさん危ねぇ!」
デンが叫ぶ。
「ッ......!」
屍兵の内の1人が俺に向かって飛びかかってきていた。
「クソっ!」
反応が遅れたため避けきることが出来ない。戦場で考え事をしすぎてしまったか……
デン「リモートコントロール!」
攻撃が俺に当たることは無かった。屍兵が飛びかかる直前、デンが叫び声と同時に操縦魔法で屍兵の体を吹き飛ばしていた。
デン「大丈夫ですか?ライオスさん」
デンが駆け寄って問いかけてくる。
「お前のおかげでなんとか無事だ」
デン「それは良かった。ただ......」
デンはそこで言葉を区切る。「ただ...... 」その先は言わなくても分かる。ただ、敵の数が尋常じゃないほどに増えている。まるで、街中に散らばっていた兵が全て集まったのではないかと疑う量だ。
レイ「どうするんだい?この状況」
レイが問いかけてくる。
「お前ら、とりあえず1箇所に固まれ。そして、敵の攻撃を全て打ち返すぞ」
俺はそう指示した。敵の攻撃を全て打ち返す。それだけで敵の数を減らせるならそれほどまでに楽なことは無い。ただ、そんなことをしても力を無駄に使うだけだというのは充分に理解している。
「何か、何か方法はないのか......」
誰がどう見ても絶望的なこの状況。逃げることなら出来そうではあるが、それでは根本的な解決には繋がらない。
デン「ライオスさん!こいつら明らかに数が増えていってます!」
デンが叫ぶ。辺りを見渡すとデンの言う通り、数が増えていっている。
「何だ、何が起きているんだ?」
屍の力には増殖効果もあるというのか?俺はそう考えた。ここまで来れば、最初から人ならざる者が紛れ込んでいたのではなく、この屍が数を増やす性質を持っているのではないかと思う。ーーそう考えていたのが悪かった。
ギーグ「ライオスさん!頭上!」
ギーグが叫ぶ。
「ッ......!」
上を見上げると屍兵が塊のようになって降ってきていた。
デン「逃げてください!」
デンが叫ぶ。
「ライオスさん!」
レイも同じように叫ぶ。
誰も俺を守れる者はいない。そして、俺自身も上から迫り来る屍兵に対して、反撃が間に合わない。
「うぉぉぉぉぉお!」
終わりを覚悟して、出来る限りの抵抗をしようと頭上に雷魔法を打った。それよりも早く敵が攻撃してくるのは明らかだった。先程はデンのお陰で助かった。しかし、今回はもうダメなようだ。生き埋めにされる……。
思わず目を瞑る。屍兵が一斉に俺を踏み倒し、切り刻んでいく光景が想像出来る。
……
……
……
「............」
いくら待ってもその終わりはやって来ない。最後に打った1発が決まったのか。否、それは無いだろう。
「全くよ、おめぇみてえな若いやつが、終わりを覚悟して目をつぶるとか舐めてんのか?あぁ?」
目を開けると、そこにネメシスと息子のフェイがいた。
「お前......」
ネメシス「ったく、フェイのいる前で情けねえ姿二度と見せんなよ」
ネメシスは唇の端を上げ、ニヒッと笑う。仕草が完全にグリードと一致している。
「悪い、助かった」
ネメシス「礼を言うのは後にしろ、今はここを突き抜けるぞ」
「あぁ」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
シヴァ「ヒカリィィィィィ!」
シヴァが叫びながら猛然とヒカリに飛びかかる。ヒカリはそれを軽い動作で避ける。
ラース「何度やったところで無駄だ。今のヒカリには誰も勝てれん」
ラースが巨大な火の玉を作りながらそう言う。
ヴァル「ふざけんな!ヒカリは俺達が取り戻す!」
そう言いながら、ヴァルとフウロが見事なコンビネーションでラースに攻撃する。ラースはそれを全て避けきることができず、体中に傷ができている。ヒカリよりもラースを倒す方が簡単なのではないかと思う。
ラース「無駄だ。君達がいくら頑張ったところでもうヒカリに記憶はない。私の言うことだけを聞く操り人形さ」
ラースは自らの傷など気にせず、笑いながらそう言う。
記憶がない。ラースが言ったその言葉が本当ならば、ヒカリを正気に戻すのは無理である。
シヴァ「記憶なんざ関係ねえ!そんなもん俺が作り直してやる!」
シヴァが空に向かって叫ぶ。
ラース「フッ叫んだところで何も変わらん」
ラースがそれを嘲笑う。
ヴァル「いいや、変えてみせるさ。ヒカリの心に言葉が届くまで」
いつの間にかラースの後ろに回り込んでいたヴァルが言う。
フウロ「諦めるにはまだ早すぎるからな。シヴァ、何度も言うがこいつは私達に任せておけ。そして、お前は『ヒカリ』を取り戻してくれ」
フウロが静かにそう言う。
シヴァ「分かってるさ……なあ、ヒカリ」
シヴァはフウロ達に返事をすると、ヒカリと一直線上で対峙した。
シヴァ「覚えてるか?俺がお前を『解放軍』なんてところに連れていった日を」
シヴァがそう問いかける。
ヒカリ「……」
しかし、ヒカリはずっと無言のままだ。
シヴァ「覚えてねえならいいや。ただ、一つだけ言っておく」
シヴァがゆっくりとヒカリに近づく。
シヴァ「ごめんな、あまりこういうことはしたくなかったんだが......」
そう言い、シヴァが、ヴァルが攻撃前に構える時と同じように、拳を腹の横に当て力を溜め始めた。
まさかーー
シヴァ「お前は何があっても俺の妹だ!」
シヴァが思いっきりヒカリに向かって飛びかかり、パンチをする。
ヒカリ「……」
ヒカリは咄嗟にそれを避ける。しかし、シヴァはそのまま体を一回転させ、もう一度攻撃する。
ヒカリ「うっ……」
その一撃は、確かにヒカリの頭に直撃した。私は内心、シヴァがヒカリを殺しにでもいったのではないかと思った。普通の敵に対してなら何も思わないが、相手は実の妹だ。流石にパンチの威力が高すぎるように思える。
「ちょっと!」
私は叫ばずにはいられなかった。
ラース「ついに狂ったか」
ラースが不気味な笑みを浮かべる。
ヒカリ「うっ......うぅ......」
ヒカリが頭を抱え、呻き声を上げている。
ヒカリ「たす……け…………て……」
ヒカリが小さな声で何かを訴える。私にはハッキリとそれが聞こえた。
ヒカリ「たす......けて…………たすけ……て……」
ヒカリが何度も訴える。
ラース「まさか......そんなことがある筈が......」
ヒカリの変化に対して真っ先に口を開けたのはラースだった。
シヴァの攻撃はやり過ぎではないかと誰もが思っていたが、結果としては良い方向に転んだように思える。
シヴァ「おい、ヒカリ!しっかりしろ!ヒカリ!」
すぐさまシヴァが駆け寄り、ヒカリの体を抱きしめる。
ヒカリ「お兄......ちゃん......」
ヒカリが再び小さな声で言う。
シヴァ「あぁ、そうだ。俺だ」
シヴァの返答を聞いたヒカリはゆっくりと目を閉じる。どうやら、意識を失ったようだ。
シヴァ「ーーお前ら!逃げるぞ!そこの黒髪の男とアルテミスを連れて外に出ろ!」
ヒカリの体を背負ったシヴァが叫ぶ。
ラース「そんなことはさせるか!」
ラースがヴァルとフウロの攻撃を喰らってボロボロになった体で、どこにそんな余力があるのかと疑いたくなるほどの巨大な火の玉を形成する。
フウロ「私はアルテミスを抱える。ヴァルはヴェルドを......」
ヴァル「あぁ、分かってる」
それぞれがアルテミスとヴェルドを抱え、出口に向かって走り出す。
ラース「逃がすか!全員この場で始末してやる!」
《キング》
ラースがメモリを取り出し、身体に突き挿す。
シヴァ「マグマブレイク!」
シヴァが一旦ヒカリの体を下ろし、洞窟の内部、開けた空間の入口に向かって攻撃する。岩石が崩れ落ち、入口を完璧に塞いだ。
フウロ「よし、一旦ギルドに戻ろう」
フウロが入口が塞いだのを見て言う。
ラース「逃がすものかァァァァァァ!」
崩れて出来上がった壁越しに、未だにラースの叫び声が響いてきた。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「誰も......いないね....」
何とか無事にギルドに戻ってきたというのに、出迎えがなかった。
ーーギルドのメンバーは、恐らく街中で敵と戦っているのだろう。でなければ、戻ってくる道中で1人たりとも敵と遭遇しないのは奇跡だとしか言いようがない。
シヴァ「そこで立ち止まってないで、さっさと中に入ってくれ」
後からやってきたシヴァが言う。
「あ、ごめん」
シヴァ「なあ、ここにベッドかなんかあるか?」
中に入るや否、シヴァが問いかけてくる。
フウロ「地下の方に数台用意されてある。ヴェルド達もそこに連れていく予定だったからな。案内しよう」
シヴァ「そうか、すまねえな」
フウロ「謝る必要は無い。そなたがいなければ我々はやられていた」
シヴァ「そんなかしこまった口調で話すな。俺はただ、ラク......いや、ヒカリを助けに行っただけだ」
フウロ「そうか......」
フウロとシヴァは、そう話をした後、地下へと向かって行った。ヴェルドを抱えたヴァルも付いて行き、私1人が取り残される形となった。
「ヒカリん......」
誰もいなくなったこの大きな広間で、私は自然とその名を口にしていた。
「なんだ、先に帰ってたのか」
突然、後ろの方から誰かが声をかけてきた。後ろを振り返り、その言葉の主を探す。
「よォ、敵のうちの一人を捕虜にしてきたぜ」
グリードだった。グリードなぜかは脇に女の人を抱えている。
「あの......グリードそれは何?」
グリード「んァ?見てわからねぇかァ?」
見てわかるのはグリードが知らない女の人を脇に抱えて帰ってきたという事実だけだ。
「あの......私から説明しましょうか?」
グリードの影に隠れるようにしてエフィがひょこっと現れた。
「うん、お願い」
エフィ「はい、では事の始まりとして、私達はその女の人『ミラー』っていう人と戦ってたんです。それで、途中からグランメモリを使われたのですが、グリードさんがとんでもない力を発揮してくれたおかげで難なく倒すことができて、で、死んでなかったので捕虜にしようと思いまして今に至ります」
エフィの説明は簡潔にまとめられていた。簡潔にまとめられていただけにーー
「え、それだけ!?」
と、私は思わず言ってしまった。
エフィ「はい、それだけです」
エフィはそれに対してただ頷くだけだった。
グリード「まあ、こいつは王国騎士団にでも預けに行けば良いさ。ここに牢獄でもあったらわざわざ行かねえんだけどな」
そう言い、グリードはギルドを出ていこうとする。
「あれ?ここって、確か地下の方に牢獄無かったっけ?」
私は記憶を漁る。
「確か......いや、牢獄って呼ぶにはあれですけど、救護室とは別の尋問室らしきところならあったはずですよ」
エフィが言う。
「え?マジで?」
その瞬間、グリードはすぐさま地下へと足を運んで行った。
ーー冷静に考えてみれば、ただの一般ギルドに尋問室があるというのはどういう事なのだろうかと思った。え?ギルド同士の闘争とは無縁のギルドだったはずだよね?
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「よっこらしょっと」
救護室に入った俺は、背負っていたヒカリをベッドの上に降ろす。歳の割に軽い女の子なので、それほど肩に負担はかからなかった。
後から入ってきたフウロとヴァルも同様にアルテミスと黒髪の男をベッドの上に降ろしている。
フウロ「改めて見ると、酷い傷だ」
フウロがアルテミスと黒髪の男を交互に見ながら言う。
ヴァル「アルテミスの方はまだ良いとして、ヴェルドは、こりゃ大丈夫か?」
ヴァルが黒髪の男ーーヴェルドと言うのかーーの顔を覗き込みながら言う。確かに、ヴェルドの傷は他よりも酷い。恐らくはあの金髪の子を庇ってこうなったのだろう。
フウロ「シヴァ......と言ったかお前」
フウロがこちらに近づいてくる。
「あぁ、そうだ。俺がシヴァ・エーテル。さっきの戦いで職を失った悲しい男さ」
俺は皮肉混じりにそう答えた。
フウロ「ハッそれは自業自得としか言いようがないな」
それに対し、フウロは鼻で嘲笑いやがった。
フウロ「お前らのせいで街はめちゃくちゃになった。どう責任を取ってもらおうか......」
「お前らには悪いが、後は自分らでどうにかしてくれ。ヒカリが目覚め次第、俺は帰るからな」
俺はフウロの言葉を遮って言う。
フウロ「ただで帰れると思っているのか?それに、帰りたいのならば今すぐ帰ればいいではないか」
フウロ達が最もらしいことを言う。事実、最もな話なのだがーー
「それができたら、とっくに帰ってるさ。それが出来ないのは俺に転移魔法を使うことが出来ないからだ」
フウロ「転移魔法?」
「こっちの世界ではあまり聞かねえよな。まあ、俺らの世界でも聞かねえんだけど......」
そう言って俺はフウロの方に目線を合わせた。
「転移魔法ってのはな、空間を自由に行き来する魔法なんだ。『空間魔法』と一緒のように思えるが、転移魔法で移動できるのは空間だけじゃない」
フウロ「ーー世界か?」
フウロが言葉を繋ぐ。
「あぁ、そうだ。んで、ヒカリはどこで身に付けたのかは知らんが、その転移魔法が使える」
フウロ「それで、お前は使うことが出来ないから使うことの出来るヒカリの目覚めを待っているわけか」
「まあ、大体そんなとこだが、転移魔法はヒカリ以外の人間には使えねえよ。俺らはヒカリの作った装置を使ってこっちの世界にやってきたんだ」
フウロ「転移魔法がヒカリ専用?それに、作った装置ってのは?」
「文字通りだ。俺らには世界を行き来する力なんて無い。そこで、ヒカリが自分の力を利用して世界を行き来する装置を作ったんだ。それでターゲットになった世界がここ。お前らの世界だ。後、ついでに言っておくけどグランメモリを作ったのもヒカリだ」
フウロ「グランメモリに関しては察しが付いていた」
「まあ、そうだろうな。全ての元凶はコイツだからな。コイツがいなければお前らはこんな苦しい思いなんてしなかったからな」
ヒカリの綺麗な青緑の髪をいじりながらにそう言う。
ヒカリ「うる......さい......兄......ちゃん......」
微かながらヒカリが声を出す。そして、起き上がろうとしたが、上手く力を入れることができず、倒れ込んだ。
「無理すんな。しばらく休んでろ」
俺はヒカリの位置を正し、布団を掛け直す。
ヒカリ「兄......ちゃん......」
「なんだ?」
ヒカリ「こいつらに......従え......」
「は?何言ってんだ?こうなった以上帰るに決まってんだ......」
ヒカリ「うる......さい......黙って......こいつらの......力に......なれ......」
ヒカリが俺の声を遮ってまで言う。
「ーーはぁ、分ったよ。今回だけだ」
俺がそう言ったのを見て、ヒカリは再び目を閉じた。
「てな訳で、コイツが回復するまではお前らの駒になってやるよ」
フウロ「そうか。しっかりと責任を取れよ」
今度はフウロが皮肉混じりにそう言った。
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