グランストリアMaledictio

ミナセ ヒカリ

文字の大きさ
147 / 434
第6章 【龍の涙】

第6章8 【トワイライトソーディアン】

しおりを挟む
「さあ!第1回戦、バトルロワイヤルの開幕だァー!今回は、解説にケビンさんと、ゲストに王国議会副議長、キリアさんです!」

「午前中に引き続き、午後もよろしく頼むぞ」

「よろしくお願いします」

 モニターに映し出される実況解説の人達。

 もうすぐ戦いの鐘が鳴る。

「第1回戦はバトルロワイヤル形式。各チームから選出された自信のある魔導士達が実力を競い合います!バトルフィールドは王都の予選で使われた然属性エリア!ただ、街の至る所に罠が仕掛けられているため、予選よりも知力を巡らせる戦いとなります!」

 仕掛けられた罠の幾つかはもう見つけておいた。有効に使えそうなものもあったため、敵を誘い出す策も考えている。とは言っても、大体はネイが考案したテンプレに当てはめているだけなのだが。

「さて、まもなく戦闘開始の鐘が鳴ります!会場のみなさんも一緒に、3!」

「「「 2! 」」」

「「「 1! 」」」

「開始です!」

 鐘が鳴った。

「疾風!風神の舞!」

「かかったなアホがァ!」

 ソアラに奇襲をしかけたが、それは意味なしになる。

「殺意の視線はなるべく隠した方がいいよー?」

「なっ......」

 利用しようと思っていた罠に、私が嵌ってしまった。

 ヌルヌルとした液体が足元にまとわりつき、動きを制御しにくくなる。

「ハハハ!足元ヌルヌルだねー!」

「これしきのこと、何ともない。豪炎!」

 所詮は液体、ヴァルのように燃やして蒸発させる。

「おぉ」

「爆炎剣!」

「よっと、あんたが剣で来るなら、私もそれでいこうか」

 空に描かれた魔法陣から剣が1本飛び出してくる。

「よいしょ!」

「ふんっ!」

 見た目の割に、この剣は重たい。

「疾風!」

 足元に風の勢いをつけて押し上げる。

「空中戦か。面白いね」

 剣の形が変わり、槍の形へと変わる。

「もう分かってると思うけど、私の魔法は物の形を自由に変える魔法だよ。人からは錬金術の下位互換って言われてるんだけど、錬成陣を書かなくていいだけ上位互換だと私は思うな」

「......そうだな。戦い方を自由に変えられる魔法は強いな。だが、私の剣も舐めるなよ。形は変えられなくとも、属性だけは自信がある」

「へぇー......」

「桜吹雪!」

「うぇっ!ペッペッ......何これ」

「神木剣!」

「ふぎゃっ!」

 本気では飛ばしていない。見つけた罠の場所へと飛ばす。

「うぇっ......なんだこれ......」

 あの罠から発動したのは、蜘蛛の巣の罠。体を締め付けるようにしてまとわりついている。

「あ、アハハ。これ、解いてくれない?」

「爆炎剣!」

「ブギャァ!!!」

「おおっと!ここでトゥインクルアスタロトのソアラダウン!1人目の脱落者だぁ!」

「思った以上にやりますな」

「一応、グランメモリーズ最強の剣士と聞いていますよ。まあ、ソアラの方の活躍はたくさん聞いてるんですけどね。実力負けですね」

「ええ!ええ!これは大きな盛り上がりを見せてきたぞー!ヒャッフー!」

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

ヴァル「お!フウロが勝った!」

ヴェルド「やったな!」

 モニターに映し出されたフウロとソアラの対決。勝者はフウロ。最下位スタートだけは免れたようじゃな。

ネイ「運が良かった。それと、実力もフウロの方が上じゃったな」

ヴァル「あったりめぇだろ!フウロは強いんだからさー!」

ネイ「そうじゃな。でなけりゃ大会には出とらんしな」

エレノア「フウロさん凄いですねー。はぁ、憧れますー」

ヴェルド「あんまりそこから乗り出すなよ。落ちるぞ」

ヴァル「分かってるって。よく見てみたいだけだ!」

 ......。他のモニターに目をやると、そろそろ色んなところで戦いが始まっている頃だった。フウロが戦い出すのが早すぎたわけじゃな。普通なら相手の出方を伺うものじゃが、あえて、そうして開幕直ぐに動かない奴を狙えと言っておいた。余計な体力を消費せずに勝てたフウロは有利な状態でいる。

 もう1つのグラメモ代表ミラは、マジックアルケミストのトーリヤとぶつかっている。

 他は、ハイドロオーシャンズのデラとコールドミラーのカルマ。戦況はカルマが有利といったところか。流石は最強のギルドと呼ばれるだけある。

 シェミスターライトのレクトとダークソウルのフセイ......の戦いは、フセイの圧勝。見つけられた瞬間にレクトが負けた。モニターに映るほどの魔法も見えなかった。

「おおっと!気づかないうちにダークソウルのフセイがシェミスターライトのレイガを落としたぁ!本当にいつの間にぃ!」

 恐らく、黒魔法の類か。

 あの魔法なら、モニターに映ることもなく敵を倒すことが出来る。厄介な相手が紛れ込んでおるな。フウロは勝てるじゃろうか。

ネイ「......」

ヴァル「......?どこ行くんだ?ネイ」

ネイ「いや、ちょっと気になることがあってな。ついて来るか?」

ヴァル「じゃあ、ついて行く。お前、どうせ迷子になるだろうから」

ネイ「な、なんじゃその言い分は!」

ヴェルド「しっかりお守りをしてやれよヴァル」

ヴァル「おう、任せとけ」

 なんでヴェルドがそんなことを言うのじゃろうか......。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

「セヤァッ!」

「ふんっ!」

「腕を上げたな。トーリヤ。まさか、あのミラを倒すとは」

「強くなってるのはお前らだけじゃないんだよ!それに、お前の方こそソアラを倒したらしいじゃねえか。しかも、秒殺で」

「......そんなに有名なやつなのか?」

「王都より西側では有名だな。百装のソアラ。知らねえやつはいねえな」

「そうなのか」

 世界はまだまだ広いな。そんな強い奴がまだいたとは。機会があれば、正々堂々と戦ってみよう。

「豪炎!輝水の剣!」

「戦い方も随分と変わってるじゃねえか。そんな魔法の連携なんて出来たか?」

「鍛えてもらった。それにしても、お前はそんな硬かったか?」

「こっちも、体、鍛えてんだよ。ミラちゃん程度の攻撃は効かなくなったな」

 厄介な強さを持ったもんだ。火力重視の私を意識してきたな。

「硬さだけが俺の強さじゃないぜ。錬成!かぁらぁのぉ、豪雨!」

 土壁で周りを囲い、そこに集中豪雨で生き埋めか。こりゃ、ミラじゃ敵わないわけだ。

「神木!雨水の調べ!」

「ほう。天候も操れるようになったか」

「それだけじゃない。雷鳴!雷神の舞!」

「何!?」

「水は雷に弱い。私も、お前対策に習得した技だ」

「クソッ......強く、なったじゃねえか......」

「グランメモリーズを舐めるな」

 1番厄介だと思っていたトーリヤを倒した。残る敵は......

 モニターに映し出される名前は、私とカルマ、フセイ。この3人が残っている状態だ。

 フセイ......聞いたことのない名前だ。最近できたギルドと言えど、大会に出るほどなのだからそれなりの活躍を聞いててもいいはず。

 いや、そんなことを考える必要はないか。邪念は剣を鈍らせる。集中、集中!

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

「なあ、気になることって何なんだ?」

「うーん......どう表現したら良いですかね......」

「なんでもいいけどよ、マジでその格好暑くないの?」

 会場に来てからずっとヨミの姿。服だってワールドアーカイブで見た事のあるあいつと同じだし。着物って、冬に着るもんだから暑そうなんだけどな。

「冷気を出しとるって言ったじゃろうが。服の中は快適な温度に保たれておる。なんなら、その手を入れて確かめてみるか?」

「やめとくよ。そこまで変態じゃねえし」

「そうか。そこまで遠慮せんでもええのに」

「遠慮してねえよ。それと、なんだその喋り方は。直せって言っただろ」

「この格好の時はこうしか話せれんのじゃ。しっくりこないんじゃよ」

 なんだその理論は......

「まあ、いつものあっちの姿になれば、口調も元に戻るから」

「気分かよ!」

 相変わらずよく分からねえやつだ。もうどうでもいいや。

「ん?なんだありゃ?」

 人気のない場所なのに、空き缶のゴミが落ちてある。

「全く、人間というのはマナーのなってない奴らの集まりじゃな」

 本当だな。俺もポイ捨てはよくないと思う。

「仕方ない。捨てといてやるか」

「そうじゃな。で、ゴミ箱はどこじゃったかのう」

 そこら辺歩いてたら見つかるだろ。その時に捨てておけば......

「なあ?なんかそれ、煙が出てないか?」

「......?......!こ、これは」

 ネイが投げ捨てると、煙があたりにどんどん拡散されていく。

「ゲホッゲホッ。なんなんだこれは!おい、ネイ!」

 まずい。ネイの姿が見当たらなくなった。

「今だ!捕まえろ!」

 何!?誰かいるのか!

「おい!お前ら何してんだ!」

「大人しくしろ!」

「グハッ!」

 誰かから後ろ頭を押さえつけられる。

 硬い地面に顎が当たって痛い。いや、今はそれどころじゃない。

「......!ネイをどこに連れて行くつもりだ!」

 煙の中から、ネイを連れ去る騎士共の姿が見えた。

「グハッ!」

 急に腹を蹴られて、体が動かなくなった。

「ネイ......」

 思い出した。この煙は、対龍人用の麻酔弾とか、そんなことをネイに説明されたことがあった。現代にはもう残ってない技術だと聞いていたのに......

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

「さぁーて!いよいよ第1回戦も大詰め!残るはコールドミラーのカルマ!グランメモリーズBのフウロ!そして、未だ戦い方が分からぬダークソウルのフセイだぁー!」

「意外な組み合わせになったのう。コールドミラーのカルマは分かっていた事として、グランメモリーズのフウロに、ダークソウルのフセイか......」

「面白そうな戦いになりそうですね」

「ええ!ええ!1回戦から凄まじい盛り上がりですよー!」

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

「全く、毎年変わらずうるさい解説だ」

「それもいいんじゃないか。会場の盛り上がりがこちらにまで伝わってくる」

「そうかい。グランの剣士も変わったやつだな」

「そうか。まあいいか。それで、フセイと言ったか。お前はどう思う」

「......」

「黙りか。まあいいや。お前ら潰せば俺の勝ち。これ以上ないシンプルな戦いだ」

「そうだな」

 ここには罠が仕掛けられている場所もない。本当に、正々堂々とした勝負だ。そして、これに勝てば1位スタート。仲間の士気を確実に上げることができる。

「......」
「......」
「......」

 これまで以上の緊張感......

「セヤァッ!」

「ハッ!」

「......」

 カルマはヴェルドと同じような魔法の雷属性版。雷を、龍とか剣とかの形にして襲いかかってくる。当たったら感電ものだ。一方フセイは、一瞬だけ見えた闇の斧。

 ヴェルドと同じような魔法なら、対処のしようはいくらでもある。だが、フセイの方は一瞬しか見えなかった。どう対処していくべきか。

「雷雨!」

 ライオスに教えてもらった技。全体に攻撃することによって、敵の戦い方を見極める。

「雷か」

 カルマは雷を素手で抑える。

 そして、フセイの方は、雷が勝手に避けていく。

「雷属性持ちか」

「正しくは、体に貼った氷から地面に流してるだけだけどね」

 そんな器用なことが出来るやつがいるとは。まあいい。それならそうと、戦い方を考えるだけだ。

「......」

「黙りだな。まあいいか。戦い方の分かる奴よりも、分からねえ方からぶっ飛ばすか」

 カルマはフセイから倒すことに決めたようだ。

 戦い方の分からない奴から倒すか......。確かに、不安材料は残しておきたくないしな。私も、フセイから倒すことにしようか。ついでに、カルマも倒すことが出来れば上出来だ。

「サンドラクリエイト・ツインボール」
「桜花・桜の舞!」

「......」

 合わせたわけではないが、2人の攻撃はいい感じの距離でフセイに直面する。だが、フセイは何をしたのか私達の魔法を無力化する。

「黒魔法......お前、どこでその魔法を!」

 黒魔法......?確か、全ての魔法の原種であり、全ての魔法を無力化する力を持った魔法。習得方法は様々だが、普通の人間では習得出来ない。いや、私以上の魔導士、ヴァハトであっても習得するのは難しい魔法だったはず。

 それこそ、ネイくらいの超越した存在でなければできない話だ。

「......」

 この者......一体何者だ!?

「爆炎!」

「......」

 間違いない。カルマの言う通り、これは黒魔法だ。

「なんでお前みたいなやつが、そんな強固な魔法を習得できちゃってるのかなぁ。ダークソウルってそういう意味だったの?まあいいや。雷氷・フリーズボルト」

「止せ!」

「反転」

「グァッ!」
「うぁぁぁぁぁ!」

「暗黒の魂」

 あれは......

 ......

 ......

 ......

「しょ、勝者!ダークソウル!」

 そう実況の声が聞こえた。

「え、えぇっと、2位はコールドミラーとグランメモリーズとなります......」

 2位か......悪くはない出来だ。だが、黒魔法を操る者か......

 悔しいと思うのも久しぶりだ。

「負けた......か......」

「なんて力だ......すみません。マスターシルヴ」

 いつの間にか、ダークソウルの奴の姿は消え去っていた。

 何者だったんだ......
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました

鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」 そう言ったのは、王太子アレス。 そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。 外交も財政も軍備も―― すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。 けれど功績はすべて王太子のもの。 感謝も敬意も、ただの一度もない。 そして迎えた舞踏会の夜。 「便利だったが、飾りには向かん」 公開婚約破棄。 それならば、とレイナは微笑む。 「では業務も終了でよろしいですね?」 王太子が望んだ通り、 彼女は“確認”をやめた。 保証を外し、責任を返し、 そして最後に―― 「ご確認を」と差し出した書類に、 彼は何も読まずに署名した。 国は契約で成り立っている。 確認しない者に、王の資格はない。 働きたくない公爵令嬢と、 責任を理解しなかった王太子。 静かな契約ざまぁ劇、開幕。 ---

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

お爺様の贈り物

豆狸
ファンタジー
お爺様、素晴らしい贈り物を本当にありがとうございました。

[完結]7回も人生やってたら無双になるって

紅月
恋愛
「またですか」 アリッサは望まないのに7回目の人生の巻き戻りにため息を吐いた。 驚く事に今までの人生で身に付けた技術、知識はそのままだから有能だけど、いつ巻き戻るか分からないから結婚とかはすっかり諦めていた。 だけど今回は違う。 強力な仲間が居る。 アリッサは今度こそ自分の人生をまっとうしようと前を向く事にした。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

2度死んだ王子は今度こそ生き残りたい

緑緑緑
ファンタジー
王太子ロイは、かつて二度の革命によって祖国を崩壊させてしまった過去を持つ。命を落とすたび、彼はある時点へと巻き戻される。そして今、三度目の人生が静かに幕を開けようとしていた。 ――自分は民を理解しているつもりだった。 だが実際には、その表面しか見えていなかったのだ。 その痛烈な自覚から、物語は動き始める。 革命を回避するために必要なのは、制度でも権力でもない。「人を知る」ことこそが鍵だと、ロイは気付く。 彼はエコール学園での生活を通じ、身分も立場も異なる様々な人間と深く関わっていく。 そこで出会う一人ひとりの想いと現実が、やがて国の未来を大きく左右していくことになるとは、この時のロイはまだ知らない。

処理中です...