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第6章 【龍の涙】
第6章10 【地龍と血の刃】
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「さぁーて!皆様!昨日はよく眠れたでしょうかァ!私はワクワク過ぎて10時間しか眠れませんでした!」
「儂は12時間は眠れたな」
「あの、ツッコミをした方がよろしいんでしょうか?」
「さて!今日は、昨日に引き続き、実況は私、モルゴと解説にケビンさん!そして、ゲストてして王国の最前線を行くファッションモデル、エスメラルダさんです!」
「よ、よろしくお願いします」
「一応聞いておくのですが、大会の方はよろしいのでしょうか?」
「今日は1対1の殴り合いと聞いております。ここで眺めていてもなんの問題もありませんよ」
「はい!というわけで、エスメラルダさんの言ったように、今日は1対1のガチンコ勝負!獲得出来る点は低めですが、昨日負けてしまったギルドの皆さん!ここで少しでも追いつきましょう!では、選手の紹介です!」
「今日も個性的なメンバーが集まっておりますな」
「ええ!ええ!では、1回戦!第1試合、グランメモリーズAチーム、グリード選手!VS!シェミスターライト、ブラッド選手だぁ!」
「ブラッド選手は、例年の参加でよく分かりますが、グランメモリーズのグリード選手は分からないことだらけですな」
「そうですね。でも、決勝まで勝ち上がるということは、それなりに強いギルドなんでしょう。昨日の戦いでは、惜しくも下から2番目になってしまいましたが」
「ええ!ですが、ここで勝てば追い上げはまだまだ可能です!期待の高まる1戦!オラ、ワクワクすっぞ!では、第2試合、コールドミラーリアム選手VS、トゥインクルアスタロトカスミ選手だぁ!」
「カスミちゃん頑張ってー!」
「こちらも、中々に濃い戦いになりそうです!さて、第3試合、マジックアルケミストミーニャ選手VS、ハイドロオーシャンズスー選手だぁ!」
「はたして初出場VS、例年参加のギルドではどちらが強いんでしょうかな」
「ええ!初出場ながらも、決勝に進んだハイドロオーシャンズ。例年参加の優勝候補の1つ、マジックアルケミスト!これもまた目が離せませんね!続いて、本日最後になる第4試合!グランメモリーズBエレノア選手VS、ダークソウルソウセイ選手だぁ!」
「復活ギルドVS、新生ギルド。展開が全く読めませんね」
「ええ!そういう意味でも、1番緊張感の高いバトルとなるでしょう!ヒャッフー!」
「えぇ、それでは選手の皆さんは準備をよろしくお願いします」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ミラ「グリード、頑張ってきてねー」
グリード「おう、任せとけ!ケツから2番目がなんだ!一瞬でテッペンまで追い上げてやんよ!」
ライオス「それでこそ地の龍だな」
グリード「期待して待ってろよォ」
シアラ「期待はするんですけど、Bチームの方は大丈夫でしょうか?」
グリード「あァ?なんかあったのか?」
シアラ「いえ。ただ、ヴェルド様達が忙しくしていたなぁって」
グリード「んなもん気にしなくて大丈夫だァ。あいつらの強さはお前らも知ってんだろォ」
ミラ「ええそうね。私達は私達で1位を目指すだけよ」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「......うぅ」
「......!あんた、大丈夫かい!?」
目が覚めると真っ白な天井。見知らぬお婆さん。私は、なぜかベッドに横たわっていた。
「何があったか覚えているかい?」
「......確か、ヴァルと散歩してたら、空き缶のゴミを見つけて......」
その先が思い出せない。多分、この時に何かあったのだろう。
「覚えてないのならそれでいいよ。一応言っておくが、あんたがここに運び込まれてから7時間は経ったよ。よく眠るもんだね」
7時間......確か、フウロが戦ってた途中からだから......今は夜の9時......?
「......!しまった!早く次の策を決めておかないと......!」
すぐさま立ち上がり、部屋を出ようとするが、足がふらついて壁にぶつかってしまった。
「まだ無理しちゃダメだよ!」
「でも......」
私がヴァル達に迷惑をかけるわけにはいかない......。無理をしてでも頑張らないと......
「何があったのか知らないのなら話してあげるよ!あんた、対龍人用の麻酔弾とかいうやつでやられたんだよ!」
対龍人用の麻酔弾......?
なんでそんなものが私に......
そういえば、あの空き缶から煙が出ていたような......まさか、あれが対龍人用の麻酔弾だというのか。
「歴史書で見た限りじゃ、対龍人用の麻酔弾は強力なやつらしいよ。ってか、それくらいあんたなら知ってるだろ。今は大人しくしてな」
「そうは言われても......」
「いいから大人しくしてな。医者としての指示だ」
仕方ない。ここで考えてヴァル達が来るのを待つか......
次の試合は1対1の戦い。一番無難なのはフウロだが、今日の戦いで疲弊している。万全な体勢では挑めないと考えると、適してるのは、動きの早いヴァルか、守りの堅いヴェルド。もしくは、3属性での戦い方が豊富なエレノア。
うーん......相手にもよるなぁ......
動きが早くても、動きを抑えられたらヴァルは何も出来ない。かといってヴェルドは正面対決で戦うのが苦手。長期戦には向かない。
エレノアかな......。フウロと同じように3属性を扱うことが出来る。何より、戦い方が豊富な方がタイマンには向いている。
でも......彼女の力はあまり見た事がない。それが出来ると聞かされているだけ。
考えれば考えるほどいろんな状況が見えてくる。どうしよう......
「あんた。休めと言ってるのに全然休んでる様子がないね」
「え?あー、えーっと......」
「監督ってのも大変だね。そんなんだから体調崩してばっかなんだよ」
「な、なんで知ってるんですか!」
「顔を見たら分かるよ。相当無理してるね。まともに寝てないんじゃないのかい」
「いや、睡眠時間は15時間から18時間くらいです......」
「......普通の人間は逆だよ」
普通じゃないので......
「あんたがギルドに入ってあーだこーだの騒ぎを起こしてる時、私は夜も眠れなかったよ。いつか、私のところに運び込まれてくるんじゃないかってね。まあ、そんな事はなかったけどさー」
「す、すみません......」
「体調には十分気をつけるんだよ。あんた、早死しそうな顔してるから」
実際はその逆で、超長生きなのだけれど......
でも、この人の言うことには一理ある。まだ無理をしてるのかな?自由奔放にやってるとは思っていたのだが、まだまだかな。
「おい、ネイー元気になったかー」
「......!ヴァル!」
「お、すっかり目が覚めてんじゃねえか。心配したんだぞ」
「これくらいでくたばりはしません」
「あんた、この子はまだ無理をしている。しっかり見てやれよ」
「ばっちゃんもありがとな」
「礼を言うのは構わないが、しっかり見守ってやれよ」
「分かってるって」
なんで私が子供扱いをされなきゃいけないんだ......。
「ネイ、起きたばっかで悪いが、明日のメンバーを決めてほしい。早急にだ」
「それならもう決めています」
「誰だ?俺か?」
「......エレノアです」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「さあ!お待たせしました!第2回戦、第1試合!グリードVSブラッドの開始だァ!」
「ちっ、やかましい解説だ。おい、毎年こうなのか」
「知らん」
「愛想のねえやつだ。なァんで強そうな奴はみんなそうなんだよォ」
「興味ない。始めるぞ」
こりゃ、一切合切話のできねえやつだな。少しくらい、親睦を深めようと思ったんだがねぇ。
奴が使う刀?は、まるで血をそのまま浴びたかのようにドス黒い赤色をしていた。
「ちっ、気持ち悪ぃ。地龍の咆哮!」
「......」
真っ直ぐに迫ってくる相手に対し、遠距離技から撃っていくが、まあ避けられる。でも、これは誰でも予想できること。ここからの動きが大事だ。
さあ、どう来る?
「......!真っ直ぐ来たかァ!」
なら、正面から受け止める。
「......!」
「止めたぞコノヤロォ!」
刀をこちら側に抑えた。だが、奴はすぐに機転を利かせてサマーソルトで攻めてくる。
「へぇー......やるじゃねえか」
体技が得意な相手か......。こりゃ、俺がやりやすい相手だ。
「地龍の血脈!」
地面にひびを入れて、そこから相手の足元をドンドンと崩す。
大抵の奴は、この攻撃を避けるために空に逃げることを選択する。
「もらったァ!地龍の鉄砕!」
「ブラッドドレイン」
「な!?」
まずい。腕を掴まれて、そこからマナを吸われていってる。
「地龍の鉄砕牙!」
腕に噛みつき、なんとか、相手から離れることが出来た。
「ブラッディレイン」
今度は血の雨かよ......。こういうのは、当たらない方が吉。土壁を作って頭上をカバーする。
「ブラッドシルバー」
「くっ......」
こいつ、思った以上に早い。ヴァルよりも数段に早いと感じる。
「アンブラドレイン」
逃げた先に、血の塊で出来た腕が構えている。為す術もなしに掴まり、再びマナが吸われていく。
「クソっ......!」
「アンブラインパクト」
「おいおいおいおい!」
血の塊が爆発して辺りに飛散する。直で喰らった俺の体は大変なことになっている。
「......汚ねえ色だ」
「血の色は良い。全てを消し去ってくれる」
シェミスターライトって、もっと明るいギルドだって聞いたはずなんだけどなァ。こんな根暗な奴もいるのか。うちみたいに十人十色ギルドか。
「ブラッディレイン」
「させねえ!地龍の咆哮!」
あの血を降らせると厄介だ。あれが、地面に染み渡って各所からの攻撃を仕掛けてくる。
「なら、地脈硬化!」
なら、血を染み渡らせなければいい。血は地の上に留まり、最終的に蒸発する。今日みたいな天気であれば、細々とした粒は一瞬だ。
「ブラッドドレイン」
流石に、分が悪いと突っ込んできたか。だが、それこそ俺が待ち望んでいたもの。
「オラッ!」
ブラッドの進行方向に、幾重もの土壁を用意する。奴は、馬鹿正直に全部ぶっ壊して突っ込んでくる。
「ブラッドシルバー」
「地龍の蹴激!」
「ブラッドインパクト!」
俺の足蹴りに合わせて、奴が自分も巻き添えになるほどの距離で爆発を起こす。
......
......
......
「......」
「おぉっと......これは、グリード選手の姿が見えなくなりましたァ!まさかまさか、先程の爆発で......?」
「ちったァ喋ったらどうだァ!」
「......!」
「滅龍奥義・天下地龍業!」
「......!」
「へっ。一瞬の油断が命取りだったなァ」
ブラッドが立ち上がろうとするが、バタンと仰向けになる。
「ぐ、グリード選手の勝利だァ!」
「へっ。見たかコノヤロウ」
「......」
しかし、終始ほとんど喋らなかったな、こいつは。
「おいお前。なんか言ったらどうだァ」
「......グランメモリーズには、まだ強いやつがいるんだな」
「あァ?」
舐めんなよ他のギルドの者共がァ。俺たちゃ強くなるためにここにやって来たんだ。この程度で強いとか言うな。
「おめェ、中々に骨のある奴だったなァ。一瞬でケリがついちまったのがアレだが、今度また、勝負しようや」
「......ならば、決勝までに参加不可能にならないことだな」
よく言うぜ。おめェが立ち上がれない状態になってんのになァ。
勝つって、いい事なんだなァ。なんだか、清々しいやァ。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「さて!第1試合から大きな盛り上がりを見せた第2回戦!ガチンコ勝負!第2試合は、優勝候補、コールドミラーのリアム選手VS、トゥインクルアスタロトのカスミ選手だぁ!」
「やっほー」
「カスミちゃん頑張ってー!」
「こらこら。この席にいる者は、平等に応援することですぞ」
「はーい」
コールドミラーの光龍の称号を持つリアムと、トゥインクルアスタロトの中では、比較的落ち着いているカスミ。
両者共に、最強の一角ではあるが、この勝負はリアム優勢。リアムのヴァル達と同じような龍殺しの魔法に対し、カスミは支援魔法中心の戦い。全ての魔法を崩す龍殺し相手に、この戦い方は無理がある。
「さぁ!エスメラルダさん!この勝負、どちらが勝つと思いますか!」
「......厳しいことを言うと、カスミちゃんの負けかなって」
「ほう。そう思う理由は?」
「龍殺しの魔導士相手に、支援魔法中心の戦い方は分が悪いかな、と。もちろん、精一杯頑張って、勝って欲しいですけれど厳しいかなって」
「なるほど。龍殺し相手に、支援魔法中心の戦いは難しいと。これはハズレくじを引いてしまったといったところでしょうか!でも、運命はどちらに転ぶかは分かりませんよ?それでは、バトル、スタートです!」
「お、お手柔らかに頼むよ......」
「滅龍奥義・光波絶命斬」
「え?え?え?えぇぇぇぇぇ!?」
「......」
これには、会場の人達も揃って開いた口が塞がらない状態。
「しょ、勝者、リアム選手」
「さ、流石は優勝候補と言ったところですな......」
「か、カスミちゃ~ん......」
「いいか。俺達は生温い戦いを望まない。殺す気で来い!」
「儂は12時間は眠れたな」
「あの、ツッコミをした方がよろしいんでしょうか?」
「さて!今日は、昨日に引き続き、実況は私、モルゴと解説にケビンさん!そして、ゲストてして王国の最前線を行くファッションモデル、エスメラルダさんです!」
「よ、よろしくお願いします」
「一応聞いておくのですが、大会の方はよろしいのでしょうか?」
「今日は1対1の殴り合いと聞いております。ここで眺めていてもなんの問題もありませんよ」
「はい!というわけで、エスメラルダさんの言ったように、今日は1対1のガチンコ勝負!獲得出来る点は低めですが、昨日負けてしまったギルドの皆さん!ここで少しでも追いつきましょう!では、選手の紹介です!」
「今日も個性的なメンバーが集まっておりますな」
「ええ!ええ!では、1回戦!第1試合、グランメモリーズAチーム、グリード選手!VS!シェミスターライト、ブラッド選手だぁ!」
「ブラッド選手は、例年の参加でよく分かりますが、グランメモリーズのグリード選手は分からないことだらけですな」
「そうですね。でも、決勝まで勝ち上がるということは、それなりに強いギルドなんでしょう。昨日の戦いでは、惜しくも下から2番目になってしまいましたが」
「ええ!ですが、ここで勝てば追い上げはまだまだ可能です!期待の高まる1戦!オラ、ワクワクすっぞ!では、第2試合、コールドミラーリアム選手VS、トゥインクルアスタロトカスミ選手だぁ!」
「カスミちゃん頑張ってー!」
「こちらも、中々に濃い戦いになりそうです!さて、第3試合、マジックアルケミストミーニャ選手VS、ハイドロオーシャンズスー選手だぁ!」
「はたして初出場VS、例年参加のギルドではどちらが強いんでしょうかな」
「ええ!初出場ながらも、決勝に進んだハイドロオーシャンズ。例年参加の優勝候補の1つ、マジックアルケミスト!これもまた目が離せませんね!続いて、本日最後になる第4試合!グランメモリーズBエレノア選手VS、ダークソウルソウセイ選手だぁ!」
「復活ギルドVS、新生ギルド。展開が全く読めませんね」
「ええ!そういう意味でも、1番緊張感の高いバトルとなるでしょう!ヒャッフー!」
「えぇ、それでは選手の皆さんは準備をよろしくお願いします」
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ミラ「グリード、頑張ってきてねー」
グリード「おう、任せとけ!ケツから2番目がなんだ!一瞬でテッペンまで追い上げてやんよ!」
ライオス「それでこそ地の龍だな」
グリード「期待して待ってろよォ」
シアラ「期待はするんですけど、Bチームの方は大丈夫でしょうか?」
グリード「あァ?なんかあったのか?」
シアラ「いえ。ただ、ヴェルド様達が忙しくしていたなぁって」
グリード「んなもん気にしなくて大丈夫だァ。あいつらの強さはお前らも知ってんだろォ」
ミラ「ええそうね。私達は私達で1位を目指すだけよ」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「......うぅ」
「......!あんた、大丈夫かい!?」
目が覚めると真っ白な天井。見知らぬお婆さん。私は、なぜかベッドに横たわっていた。
「何があったか覚えているかい?」
「......確か、ヴァルと散歩してたら、空き缶のゴミを見つけて......」
その先が思い出せない。多分、この時に何かあったのだろう。
「覚えてないのならそれでいいよ。一応言っておくが、あんたがここに運び込まれてから7時間は経ったよ。よく眠るもんだね」
7時間......確か、フウロが戦ってた途中からだから......今は夜の9時......?
「......!しまった!早く次の策を決めておかないと......!」
すぐさま立ち上がり、部屋を出ようとするが、足がふらついて壁にぶつかってしまった。
「まだ無理しちゃダメだよ!」
「でも......」
私がヴァル達に迷惑をかけるわけにはいかない......。無理をしてでも頑張らないと......
「何があったのか知らないのなら話してあげるよ!あんた、対龍人用の麻酔弾とかいうやつでやられたんだよ!」
対龍人用の麻酔弾......?
なんでそんなものが私に......
そういえば、あの空き缶から煙が出ていたような......まさか、あれが対龍人用の麻酔弾だというのか。
「歴史書で見た限りじゃ、対龍人用の麻酔弾は強力なやつらしいよ。ってか、それくらいあんたなら知ってるだろ。今は大人しくしてな」
「そうは言われても......」
「いいから大人しくしてな。医者としての指示だ」
仕方ない。ここで考えてヴァル達が来るのを待つか......
次の試合は1対1の戦い。一番無難なのはフウロだが、今日の戦いで疲弊している。万全な体勢では挑めないと考えると、適してるのは、動きの早いヴァルか、守りの堅いヴェルド。もしくは、3属性での戦い方が豊富なエレノア。
うーん......相手にもよるなぁ......
動きが早くても、動きを抑えられたらヴァルは何も出来ない。かといってヴェルドは正面対決で戦うのが苦手。長期戦には向かない。
エレノアかな......。フウロと同じように3属性を扱うことが出来る。何より、戦い方が豊富な方がタイマンには向いている。
でも......彼女の力はあまり見た事がない。それが出来ると聞かされているだけ。
考えれば考えるほどいろんな状況が見えてくる。どうしよう......
「あんた。休めと言ってるのに全然休んでる様子がないね」
「え?あー、えーっと......」
「監督ってのも大変だね。そんなんだから体調崩してばっかなんだよ」
「な、なんで知ってるんですか!」
「顔を見たら分かるよ。相当無理してるね。まともに寝てないんじゃないのかい」
「いや、睡眠時間は15時間から18時間くらいです......」
「......普通の人間は逆だよ」
普通じゃないので......
「あんたがギルドに入ってあーだこーだの騒ぎを起こしてる時、私は夜も眠れなかったよ。いつか、私のところに運び込まれてくるんじゃないかってね。まあ、そんな事はなかったけどさー」
「す、すみません......」
「体調には十分気をつけるんだよ。あんた、早死しそうな顔してるから」
実際はその逆で、超長生きなのだけれど......
でも、この人の言うことには一理ある。まだ無理をしてるのかな?自由奔放にやってるとは思っていたのだが、まだまだかな。
「おい、ネイー元気になったかー」
「......!ヴァル!」
「お、すっかり目が覚めてんじゃねえか。心配したんだぞ」
「これくらいでくたばりはしません」
「あんた、この子はまだ無理をしている。しっかり見てやれよ」
「ばっちゃんもありがとな」
「礼を言うのは構わないが、しっかり見守ってやれよ」
「分かってるって」
なんで私が子供扱いをされなきゃいけないんだ......。
「ネイ、起きたばっかで悪いが、明日のメンバーを決めてほしい。早急にだ」
「それならもう決めています」
「誰だ?俺か?」
「......エレノアです」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「さあ!お待たせしました!第2回戦、第1試合!グリードVSブラッドの開始だァ!」
「ちっ、やかましい解説だ。おい、毎年こうなのか」
「知らん」
「愛想のねえやつだ。なァんで強そうな奴はみんなそうなんだよォ」
「興味ない。始めるぞ」
こりゃ、一切合切話のできねえやつだな。少しくらい、親睦を深めようと思ったんだがねぇ。
奴が使う刀?は、まるで血をそのまま浴びたかのようにドス黒い赤色をしていた。
「ちっ、気持ち悪ぃ。地龍の咆哮!」
「......」
真っ直ぐに迫ってくる相手に対し、遠距離技から撃っていくが、まあ避けられる。でも、これは誰でも予想できること。ここからの動きが大事だ。
さあ、どう来る?
「......!真っ直ぐ来たかァ!」
なら、正面から受け止める。
「......!」
「止めたぞコノヤロォ!」
刀をこちら側に抑えた。だが、奴はすぐに機転を利かせてサマーソルトで攻めてくる。
「へぇー......やるじゃねえか」
体技が得意な相手か......。こりゃ、俺がやりやすい相手だ。
「地龍の血脈!」
地面にひびを入れて、そこから相手の足元をドンドンと崩す。
大抵の奴は、この攻撃を避けるために空に逃げることを選択する。
「もらったァ!地龍の鉄砕!」
「ブラッドドレイン」
「な!?」
まずい。腕を掴まれて、そこからマナを吸われていってる。
「地龍の鉄砕牙!」
腕に噛みつき、なんとか、相手から離れることが出来た。
「ブラッディレイン」
今度は血の雨かよ......。こういうのは、当たらない方が吉。土壁を作って頭上をカバーする。
「ブラッドシルバー」
「くっ......」
こいつ、思った以上に早い。ヴァルよりも数段に早いと感じる。
「アンブラドレイン」
逃げた先に、血の塊で出来た腕が構えている。為す術もなしに掴まり、再びマナが吸われていく。
「クソっ......!」
「アンブラインパクト」
「おいおいおいおい!」
血の塊が爆発して辺りに飛散する。直で喰らった俺の体は大変なことになっている。
「......汚ねえ色だ」
「血の色は良い。全てを消し去ってくれる」
シェミスターライトって、もっと明るいギルドだって聞いたはずなんだけどなァ。こんな根暗な奴もいるのか。うちみたいに十人十色ギルドか。
「ブラッディレイン」
「させねえ!地龍の咆哮!」
あの血を降らせると厄介だ。あれが、地面に染み渡って各所からの攻撃を仕掛けてくる。
「なら、地脈硬化!」
なら、血を染み渡らせなければいい。血は地の上に留まり、最終的に蒸発する。今日みたいな天気であれば、細々とした粒は一瞬だ。
「ブラッドドレイン」
流石に、分が悪いと突っ込んできたか。だが、それこそ俺が待ち望んでいたもの。
「オラッ!」
ブラッドの進行方向に、幾重もの土壁を用意する。奴は、馬鹿正直に全部ぶっ壊して突っ込んでくる。
「ブラッドシルバー」
「地龍の蹴激!」
「ブラッドインパクト!」
俺の足蹴りに合わせて、奴が自分も巻き添えになるほどの距離で爆発を起こす。
......
......
......
「......」
「おぉっと......これは、グリード選手の姿が見えなくなりましたァ!まさかまさか、先程の爆発で......?」
「ちったァ喋ったらどうだァ!」
「......!」
「滅龍奥義・天下地龍業!」
「......!」
「へっ。一瞬の油断が命取りだったなァ」
ブラッドが立ち上がろうとするが、バタンと仰向けになる。
「ぐ、グリード選手の勝利だァ!」
「へっ。見たかコノヤロウ」
「......」
しかし、終始ほとんど喋らなかったな、こいつは。
「おいお前。なんか言ったらどうだァ」
「......グランメモリーズには、まだ強いやつがいるんだな」
「あァ?」
舐めんなよ他のギルドの者共がァ。俺たちゃ強くなるためにここにやって来たんだ。この程度で強いとか言うな。
「おめェ、中々に骨のある奴だったなァ。一瞬でケリがついちまったのがアレだが、今度また、勝負しようや」
「......ならば、決勝までに参加不可能にならないことだな」
よく言うぜ。おめェが立ち上がれない状態になってんのになァ。
勝つって、いい事なんだなァ。なんだか、清々しいやァ。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「さて!第1試合から大きな盛り上がりを見せた第2回戦!ガチンコ勝負!第2試合は、優勝候補、コールドミラーのリアム選手VS、トゥインクルアスタロトのカスミ選手だぁ!」
「やっほー」
「カスミちゃん頑張ってー!」
「こらこら。この席にいる者は、平等に応援することですぞ」
「はーい」
コールドミラーの光龍の称号を持つリアムと、トゥインクルアスタロトの中では、比較的落ち着いているカスミ。
両者共に、最強の一角ではあるが、この勝負はリアム優勢。リアムのヴァル達と同じような龍殺しの魔法に対し、カスミは支援魔法中心の戦い。全ての魔法を崩す龍殺し相手に、この戦い方は無理がある。
「さぁ!エスメラルダさん!この勝負、どちらが勝つと思いますか!」
「......厳しいことを言うと、カスミちゃんの負けかなって」
「ほう。そう思う理由は?」
「龍殺しの魔導士相手に、支援魔法中心の戦い方は分が悪いかな、と。もちろん、精一杯頑張って、勝って欲しいですけれど厳しいかなって」
「なるほど。龍殺し相手に、支援魔法中心の戦いは難しいと。これはハズレくじを引いてしまったといったところでしょうか!でも、運命はどちらに転ぶかは分かりませんよ?それでは、バトル、スタートです!」
「お、お手柔らかに頼むよ......」
「滅龍奥義・光波絶命斬」
「え?え?え?えぇぇぇぇぇ!?」
「......」
これには、会場の人達も揃って開いた口が塞がらない状態。
「しょ、勝者、リアム選手」
「さ、流石は優勝候補と言ったところですな......」
「か、カスミちゃ~ん......」
「いいか。俺達は生温い戦いを望まない。殺す気で来い!」
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革命を回避するために必要なのは、制度でも権力でもない。「人を知る」ことこそが鍵だと、ロイは気付く。
彼はエコール学園での生活を通じ、身分も立場も異なる様々な人間と深く関わっていく。
そこで出会う一人ひとりの想いと現実が、やがて国の未来を大きく左右していくことになるとは、この時のロイはまだ知らない。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
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