グランストリアMaledictio

ミナセ ヒカリ

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第6章 【龍の涙】

第6章29 【決戦】

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 時刻は夕暮れ時。場所は王都で有名な、噴水のある広場。

 ここに、かつて弱小と呼ばれたギルドのメンバー5人が揃っている。

リアム「今日は最高の日だなぁ!俺が、ここでお前ら全員をボコボコにしてやれるんだからなぁ!」

 俺達コールドミラーをコケにしてくれたツケ。ここでキッチリ払ってもらうぜ。

リアム「滅龍奥義・光波絶命斬こうはぜつめいざん!」

 ハハッ、全員、間抜けな面して当たってやがる。避ける力もないって事か。

フウロ「それが、お前の本気か?」

ライオス「いいや。あれは、ヴァルの野郎共と戦ってた時ほどじゃねえな」

ヴェルド「所詮、龍殺し以外には手加減して十分って事だろ?」

シアラ「舐めた真似をしてくれますね」

グリード「一応、俺は龍殺しドラゴンスレイヤーなんだけどなァ」

 全員、傷を負うことなく立ってやがる......

リアム「ふざけんなよ!なんで、そんなボロボロな体で、立ってるのがやっとの状態でのうのうとしてやがんだよ!」

グリード「さあな。お前の、ここが弱ってるからなんじゃねえかァ」

 独特な喋り方をするそいつは、自分の心臓に親指を向けてそう言う。

ヴェルド「で、やるってのか?俺達5人を相手にして」

リアム「......ふざけんな!光龍の咆哮!」

グリード「地龍の咆哮!」

 まずい。こちらの方が威力が劣っている......

リアム「グアッ......」

 何でなんだよ。なんで、あいつ1人の力が、全力の俺に勝るんだよ。おかしいだろ......!

フウロ「そろそろ、こちらからも仕掛けさせてもらおう。爆炎・輝水・神木。スリーソード」

リアム「なっ......」

 防御が間に合わねぇ......。

 攻撃をもろに喰らって、いつしか俺の方が劣勢になっている。

リアム「......光龍のーー」

ヴェルド「遅せぇよ!」

 黒髪の男の魔法が、俺に更なる傷を負わせてくる。

シアラ「ウォタルブレード!」

ライオス「雷神の息吹!」

リアム「グアァッ!」

 俺よりも早い。俺が、技を撃つのを見越してどんどん攻撃してきやがる。

リアム「......」

フウロ「どうした?もう降参か?」

リアム「......ふざけんな!滅龍奥義!光波絶命斬!」

 今のは、さっきやったのよりも格段に威力を上げている。あいつらは、変わらず攻撃を真正面から受けている。

 舐めた真似をしやがって......。だが、今ので耐えれるわけがーー

リアム「なんで......なんだよ......」

 全員、何事も無かったかのように立っている。いや、攻撃は確かに喰らっている。それでも、倒れることはない。諦めが悪すぎる......

フウロ「......お前は、私達グランメモリーズを舐めすぎた」

リアム「なんで......そんなピンピンしてやがんだよ!立ってるのがやっとの状態で、それなのに......。諦めろよ......」

ヴェルド「悪ぃ。俺達、弱いくせに諦めが悪すぎることで町では有名だから」

グリード「お前の方こそ、諦めたらどうだァ?」

ライオス「お前では、俺達に勝つことは出来ん」

シアラ「なぜなら、あなたの魔法には、心が籠ってないからです」

 心が籠っていない......?どういう事だよ。

 俺は、俺達は最強だけを目指して進んで来たのに......一体、何が足りないって言うんだよ!

リアム「......っ!」

 こいつらの目。諦めがないだけじゃない。何か、大切なものを抱えている。漠然と、それが分かった。

リアム「......」

フウロ「どうする?まだやるか?私達は、それでも構わんぞ」

 ズリぃ。ズリぃぜこいつら......

 こんなの、俺達が勝てるわけねえだろ......

リアム「俺の......負けだ......」

 俺達、最強のギルドにない強さ。俺達に足りなかった強さ。

 簡単そうで難しい。"気持ち"だったんだな。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

「り、リアム選手の降参により、グランメモリーズに1点加算。よって、グランメモリーズ59点。コールドミラー58点。よって、今期グランアランドラルフ優勝は、ぐ、グランメモリーズ......」

「......!!」

「い、いえ。私がこんな調子ではいけません!今年の優勝は、弱小と呼ばれ、5年ぶりの参戦!グランメモリーズだァァァァァ!」

「「「 ワァァァァァァァァ!!! 」」」

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

フウロ「終わったな......」

ライオス「俺達が、勝ったんだな」

グリード「お前ら、何しけたツラしてやがんだァ!優勝だぞ優勝!ずぅーっと、出られても最下位だった俺達が優勝だぞ!もっと喜べェ!」

シアラ「そうですよ!ヴェルド様ぁ!優勝記念でデートに行きましょうよ!」

ヴェルド「何でだよ!こんな時にもくっ付いてくるな!」

 相変わらずだな。あの2人は......

 さて、私達は、無事に優勝を取ることが出来た。ヴァル達の方は、上手くやれてるだろうか。

 セリカとネイを救出しに行ったが、試合中に連絡は何一つ無かった。まだ脱出出来てないという事なのか?

ライオス「あいつら、無事にやっただろうか」

フウロ「さあな。だが、私は信じている。逆に、あいつらは私達を信じている。もう知ったかもしれないが、早く、私達の口から優勝を伝えたいな」

ライオス「そうだな。だが、なぜか嫌な予感がするんだ」

フウロ「嫌な予感......?」

ライオス「分からない。だが、なぜか最悪な目に遭いそうな気がするんだ」

 最悪な目か......

 確かに、優勝したはずなのに、なぜか気を張りつめている気がする......。気のせい......なんだろうか?

 ......

 ......

 ......

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

カグヤ「ご主人様、お呼びでしょうか」

セリカ「カグヤ、ネイりん用の服とかって、今持ってない?」

カグヤ「こちらでございますか?」

 流石カグヤ。私が召喚する前にやってほしいことをリサーチしている。

セリカ「とりあえず、ネイりん着替えよ?その服、歩き辛そうだし」

ネイ「ありがとうございます。って、これなんか懐かしい雰囲気がありますね」

 そうかな?普通の戦闘用の服装......あれ?確かに懐かしい雰囲気がするな?

セリカ「これって、ネイりんが1度死ぬ前まで着てた服じゃない?」

ネイ「ああ、あれですか。懐かしいですね......でも、なんでこれをカグヤさんが?」

カグヤ「ネイ様にピッタリの物が精霊界にありましたので」

 精霊界にネイりんの服......?なんで?

 気になることではあるが、今は気にするべきではないか。

セリカ「なんでもいいから、急いで着替えて、そして召喚陣を潰しに行こう」

ネイ「そうですね。では」

 どうやったのか、その服を魔法陣に投げ入れると、昔、どこかの特撮番組で見たような魔法陣を体に通して着替える。

 色々と怒られそうだからやめてほしいんだけど......

ネイ「体に馴染んで動きやすいですね。流石、着慣れただけあります」

セリカ「分かったから行こう。カグヤ、ありがとね」

カグヤ「必要とあらばいつでも」

セリカ「また後で呼ぶかもしれないからっ」

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 外に出た時、あたりはすっかり暗くなっていた。

 それに、モニターにデカデカと『グランメモリーズ』と書かれている。私達のギルドが優勝したってことなのかな?

ネイ「セリカさん、見とれてないで早く行きますよ!」

セリカ「あ、うん!」

 優勝したかどうかの話は、また今度聞けばいい。それくらいの時間は出来るだろうから。

ネイ「まず最初の召喚陣はすぐ近くにあります」

セリカ「どこ?」

ネイ「ここです」

 周りはただの宅地。こんなところに?

ネイ「セリカさん、鍵を全部出してください」

セリカ「う、うん」

 鍵を全部取り出すと、途端にその全てが光り出す。それと同時に、私達の足元に大きな魔法陣が現れた。

セリカ「もしかしてこれ?」

ネイ「はい。さあ、手を合わせてください」

 とりあえず、言われた通りにするが、私は召喚陣を潰す方法なんて知らない。

ネイ「頭の中に術式を入れますから、今は合わせてください」

 閉門・十二級の光。

セリカ「これが術式?ただの呪文だよね」

ネイ「術の発動は私が全てやります。セリカさんは合わせるだけでいいんです!」

 何かに脅えるネイ。その顔は、緊急を要していることを私に悟らせた。

セリカ&ネイ「「 精霊達よ、我らの呼び掛けに応えろ。閉門・十二級の光 」」

 12体の精霊達が、この足元に広がる召喚陣の上に立つ。

セリカ「ネイりん......」

ネイ「集中!」

 話しかけてはダメなようだ。

 そうこうしているうちに、精霊達の力によってか、召喚陣が小さくなっていって消えた。

セリカ「ふぅ......」

ネイ「ゆっくりとしてる暇はありませんよ。今のが1つ目ですから」

 となると、残り11個。まだ龍の召喚は始まってないけど、移動だけで5分~10分かかると予想される。ゆっくりしてる暇はないな。

セリカ「ネイりん、走って召喚陣潰してで、疲れないの?」

ネイ「疲れますけど、こんな事でへばってちゃいけませんよ。それに、私ここで倒れたら、もれなく11体の討伐をしないといけなくなりますよ」

 龍がどれほどのものなのかは知らないが、フェノンと同じくらい、って考えれば11体は勘弁してほしい。倒せるわけがない。それに、倒しきれなかったら、もれなく世界の終焉が約束されている。

 あーあ、何事もなけりゃ、優勝を手放しで喜んでいたのかなぁ。

ネイ「......」

 必死に走っているネイりんの後ろ姿を見たら、そんな事を考える余裕もなくなった。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

「本日は、グランアランドラルフ決勝お疲れ様でした。それで、お疲れなのも重々承知の上で魔導士の皆様にお願いを申し上げます」

 国王の声に、魔導士達がザワついている。

 それもそうだ。大会が終わって表彰式かと思えば、急に外に集められて国王が話をしだすのだから。

「これより、この街に龍が12体召喚されます」

 さっきまでのザワつきが、より一層強くなる。

「その龍は、我らの味方です。なんの事か分からないかと思います。今日、この日に、世界を終わらせる存在、『アポカリプス』という名の龍が、この地を襲いに来ます」

 思った以上に、ザワつきは強くならなかった。皆、アポカリプスの事を知らないからであろう。

 姫が執拗に執着していた相手。ツクヨミの力を借りなければならないほどの相手。それを聞いたところで、何も分からない。それでも、アポカリプスは危険な存在であるということだけ理解している。

「魔導士の皆様には、召喚される龍と協力して、世界の厄災。アポカリプスを討伐していただきたいのです」

 あたりがしーんと静まり返る。

「無理を承知でお願いしております。そのアポカリプスを倒さなければ、私達に明日はありません。どうか、この通りです」

 国王が、直々に民の前で土下座をする。

 これには、きちんとした効果があるのか、魔導士達が声を上げ始める。

「王様が頭を下げてんだ!それくらいヤバい相手なら、俺達魔導士で実力行使してやる!」

「そうだそうだ!俺達、魔導士の力を見せてやろうぜ!」

 賛同の声が上がり始めている。王の言葉は、民の心に響いたようだ。

「......ありがとうございます」

「待ってください!」

 聞き慣れた言葉が、魔導士達の後ろの方から上がる。

「姫!?」

「話が変わりました!これから召喚される龍を、魔導士の皆さんで討伐してください!」

「何を勝手なことを言っておる?この計画を考案したのは、ゼイラ、お前ではないか!」

「話が変わったんです!」

 よく見ると、後ろの方にグランメモリーズの魔導士がいた。

 なるほど。ツクヨミと話を終えてきたということか。

「これだけの戦力では、アポカリプスを討伐することは出来ません!」

「しかし、アポカリプスはここにやって来る!避けようがないはずだろ!?」

 いかんな。魔導士達のザワつきが行ってはいけない方に向かっている。

「アポカリプスは、龍の匂いに釣られてやって来る!それを一網打尽にする作戦でした!ですが、アポカリプスは龍を殺すついでに世界を破壊してるに過ぎない!呼ぶわけにはいかないんです!」

「ゼイラ!お前は、どれほど民を惑わせれば気が済むのだ!」

「私自身、重々承知しています!今回は、私の判断ミスです!アポカリプスは呼んではならない。かつて、邪龍フェノンと、聖龍エクセリアを一瞬で殺した相手なのです!その時に、私達の世界は消滅した。それが本来の歴史なのです!」

 大まか、ツクヨミが言っていたことであろう。ならば、私は姫の味方になるまで。

「国王。姫は、世界の全てを知るツクヨミと呼ぶ者と話をしております。姫を騙しているのは、ヒカリと呼ばれる者。私も姫も、かの者に騙されていたのです」

「..................そうか。そういう事なら......魔導士の皆さん!混乱させて申し訳ありませんでした!今の話を聞いて分かるように、召喚される龍を討伐してください!」

 絞り出すようにして国王はそう言う。

 急な作戦変更。これには、王国騎士団を初め、誰もが混乱する事態になる。

 ヒカリ......あいつを信じるよりも、姫が執拗に執着しるツクヨミを信じる方が吉。そもそも、あの者の言葉には、どこか偽りがあるように感じていた。

 魔導士達は混乱しているが、次第にその混乱は収まり、先程までのように、「俺達がやる!」という雰囲気に変わる。

 これが、これこそが、人々のための魔導士。

「申し訳ありませんでした、シドウ。あなたの言葉を信じていれば......」

「いえ。それには私にも落ち度がございます。あのような話を聞かされれば、誰でも信じてしまうでしょう」

「......」

「何でもいいが、お前ら俺達に謝罪はないのかよ」

「「 申し訳ありませんでした 」」

「許す!」

 作戦は変わったが、なぜかこの魔導士なら、全てを解決してくれるという気がした。気がしただけである。

 ヒカリ......奴は、敵なのか味方なのか......
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