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第6章 【龍の涙】
第6章31 【地龍・光龍】
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「俺の名前はランドヴレア。今から数えて5000年前には、地属性最強のドラゴンって言われてたんだぜ」
だからなんだと言うのだ。
地属性最強。だが、地属性は錬金術の劣化版と呼ばれている。
レイヴン「俺の名はレイヴン。怨龍の龍殺しだ」
「怨龍......なるほどな」
この龍は、四足歩行型で翼のないタイプの龍。地龍の名の通り、空は飛ばないと言ったところか。
相性的には良いとも悪いとも言えない。たまたま、この龍がいたところに俺達、コールドミラーとトゥインクルアスタロトが固まっていただけだ。
ノア「レイヴン様、サポートは私達にお任せください」
エスメラルダ「そうよ。私達のギルドは、あんたの支援しか出来ないからね」
ここに、リアムがいてくれたらどれだけ楽な戦いに出来ただろうか。
試合が終わってから、あいつの姿を見ていない。多分、どこかで俺と同じように龍と対峙しているとは思うのだが......
レイヴン「怨龍の咆哮」
「......なるほど。ならば、地龍の咆哮」
ソアラ「シールド展開!」
カスミ「援護します!ディフェンスライズ!」
ノア「氷神の守護」
3人がかりの防御でも、凄まじい威力で吹き飛ばされる。
龍を殺すための魔法、滅龍魔法。だが、その威力は本物の龍に比べると遥に劣っている。
最強を目指した俺達の力でも、龍1体を相手にできるかどうかの瀬戸際。
カルマ「サンドラクリエイト・雷牢!」
地龍相手に、雷の牢を張っても無駄だ。
電気が、奴の体を伝って地に流れていく。拘束力なんて何もない。
レイヴン「カルマ、奴に雷は効かない。氷で攻めろ」
カルマ「分かった」
レイヴン「怨龍の蹴撃」
「地龍の斬撃」
レイヴン「グッ......!?」
相殺するような形で出されたはずなのに、こちらが一方的に攻撃を喰らう形になった。
シズク「ヒーリア!」
レイヴン「すまない」
エスメラルダ「次の攻撃が来るよ!全員構えて!」
地龍が大きく腕を上げている。
ノア「氷神の守護!」
カルマ「アイスクリエイト・氷盾!」
ソアラ「シールド展開!」
エスメラルダ「双剣乱舞!」
ディーネ「水氷バリア!」
5人がかりでの相殺。だが、それでも衝撃波がこちらにまで伝ってくる。
エスメラルダ「なんて威力なの......」
ソアラ「5人でもダメってどうなってんの!?」
シズク「皆さん警戒を!次が来ます!」
全員、体勢が整っていない。
レイヴン「怨龍の咆哮!」
「地龍の咆哮」
龍の力には龍の力。だが、本物の龍の方が勝っている。相殺するのがやっと。いや、相殺して、威力を弱めてから喰らうのがやっとだ。
やはり、何度やっても俺の滅龍魔法は効かない。いや、効かないのではない。力が足りないんだ。
大会中にも感じた実力不足。まさか、ここでも痛感する羽目になるとは......
「怨龍。貴様の力は、その程度か。大したことないな」
レイヴン「クソっ......」
ノア「レイヴン様、諦めるには早すぎます!次の体勢を整えてください!」
......ダメだ。いくら龍を殺すための魔法でも、こいつには勝つことが出来ない。
所詮、人が使う龍の力。本物の龍相手に適うわけがないんだ。
ノア「レイヴン様!立ってください!っ......氷神の守護!」
全員、俺を守るためだけに身を投げ出している。なのに、俺は勝手に絶望して膝をついている。
......リアムなら、無理でも、それを理解せずに突き進むだろう。俺は、あいつほど物分りが悪いやつじゃない。だが、諦めはあいつより早くはない。
どうして、俺だけが膝をついている?皆、俺を守るためだけに身を投げ出しているというのに。
立て、怨龍。お前の力は、これしきで絶望を味わうほど闇は深くない。
レイヴン「怨龍憑依」
溢れんばかりの負の力が、俺の全身を駆け巡る。
本来ならば、光で制御しなければならない力を、闇の力だけで満たしている。
暴走する危険性はある。だが、そうでもしないとこいつを殺すことは出来ない。
「ほう......負の力を解放したか」
レイヴン「怨龍の咆哮!」
「地龍の咆哮!」
まだ足りない。まだ、俺の方が劣っている。
ノア「氷神の舞!」
エスメラルダ「双剣乱舞!」
ソアラ「ソード構えよーし!行っけー!」
ディーネ&シズク「「 大海原の舞! 」」
カルマ「アイスクリエイト・氷河!」
他の面々が、龍の息吹に向かって攻撃する。息吹の威力が若干弱くなって、俺の攻撃が押し切った。
龍自体にダメージを入れられなくても、龍の攻撃を相殺することは出来る。これは、良い情報を得られた。
レイヴン「みんな!奴が攻撃する度に、威力を落としてくれ!」
エスメラルダ「サポートは任せてって言ったでしょ!」
ノア「レイヴン様、全力でやってください!」
ああ。分かってる......
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
シオン「貴様、見たところ、光の龍のようじゃが、名をなんと言う?」
「私の名はグランネルヴァ。あなたの言うように、光の龍です」
シオン「丁寧な龍じゃのう。その丁寧さに免じて、ここは大人しくやられてはくれんか?」
「残念ですが、私は龍王様の命に従わなければなりません。あなた達を殺したくないのは、私の気持ちですが、その気持ちを押し殺してでも、私はあなた達を殺します」
二足歩行型の白き龍。腕に刃のようなものがついている。その腕を利用した素早い攻撃をしてきそうだ。
光の龍とだけあって、優しき慈悲の心は持っている。だが、その龍王とやらがいる限り、我はこの龍と戦わなければならない。
こんな、いかにも優しさを形にしたような龍を殺したくはないが、それでもやらねばならない。それが、今の私の使命。
シオン「ブラッド、レクト、ピアナ、レイガ。援護を頼む」
レイガ「任せてろ」
ピアナ「全力でサポートするから、シオンは全力で戦ってね!全力で回復してあげるから」
ブラッド「......龍の血......この手で嗅いでみたいものだ」
レクト「ブラッド、あまり変なことを考えるな」
ブラッド「......」
回復役がピアナ1人。他は、防御と言うよりも攻撃寄り。サポートとしてはやや不安が残る。他にも、シェミスターライトの面々がいるが、どれもこれも不安しか残らない面子。
役に立つのは、大会にも出た私を含む5人のみ。
「光龍の咆哮」
シオン「闇龍の咆哮」
闇属性と光属性。お互いに相性が良く、同時に撃てば相殺されるはず。だが、私の方が弱い。
龍自体がとてつもない強さを秘めている存在。私のような人間が勝てる相手ではないのだ。
レクト「シオンをサポートしろ!怨闇の霧」
あたりに、闇と怨念を込めた霧が立ち上る。相手の攻撃力を下げる算段だ。
ピアナ「アタックライズ!」
レイガ「アイスクリエイト・ドラゴン!タイガー!」
ブラッド「ブラッディレイン」
全員で光龍の咆哮を弱めていく。これなら、私の咆哮で押し切れる。
「なるほど。仲間との連携がしっかりとしていますね。ならば、これを耐えることはできますか?」
大きな羽を広げて、光の刃が構えられる。
雨のように降らして、私達を全滅させる算段か。
ブラッド「任せろ。アンブラドレイン」
血で出来た腕で、全ての攻撃を受け止めるつもりか......
「私の攻撃は、負の属性を浄化しますよ」
あの光の刃は、ブラッドが作り出した腕を消し去ってから、こちらに降り注いでくる。
シオン「くっ......」
守るものは何もない。全てを喰らう形となる。
ピアナ「ふ、フルヒーリア!」
ピアナの回復魔法によって、再び立ち上がれるようにはなる。
「回復魔法......ですか......」
シオン「闇龍の斬撃!」
「光龍の斬撃」
デカデカとした図体なのに、腕を降るのは早い。
人間の腕力と、龍の腕力。どちらが強いかなんて、比べるまでもない。
シオン「う"っ......」
簡単に押し負ける。こんなの、本当に私で勝てる相手なのか?
ピアナ「ひ、ヒーリアラ!」
回復魔法もあまり効いてる感じがしない。負ったダメージよりも回復量が少ないからだ。
「光龍の斬撃」
ブラッド「アンブラインパクト」
レクト「怨念の波動」
レイガ「アイスクリエイト・タートル!」
防御の構え。でも、奴の攻撃は防ぎきれない。
シオン「闇龍の咆哮!」
これでどうだ......
「......なるほど。それが、絆の力。私の攻撃を防ぎきるとは、やりますね」
防ぎきった......。だが、みんな体力の限界が来ている......
シオン「闇龍の斬撃」
「......もう、滅龍の力も残っていないようですね」
この光龍に一切のダメージを与えられていない。なのに、この体に限界が来ている......どうすれば......
ピアナ「フルヒーリアラ!」
「光龍の咆哮」
ピアナ「いやぁっ!」
レイガ「ピアナっ!」
回復役のピアナが吹き飛ばされる。
1番失ってはいけない役を、守ることが出来なかった。
私には、龍を倒すほどの力がない......何のための滅龍魔法......龍を殺すための魔法なのに、仲間を守ることすら出来ない......
この世界に、神様がいるのなら、この状況をどうにかしてほしい。龍がいなくなるのでも、私が強くなるのでも、何でもいい。
「所詮、人の子の実力はここまでのようですね」
......
......
......
レクト「諦めるな!シオン!お前が諦めたら、誰がこのドラゴンを倒すんだ!」
無茶を言わないでくれ。
魔法の使いすぎで、私の体は立ち上がることさえ出来ない......。このまま、この慈悲深き龍に殺されるのだろう。
レクト「立て!シオン!お前のサポートは、俺達がするって言ってるだろ!だから、立て!」
シオン「......」
諦めていたのは、私だけだったようだ。みんな、こんな状況でも、目に光が灯っている。まだ諦めていない証だ。
シオン「......闇の......閃光」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「我が名はラグナロクシエル。無を操りし龍」
ミーニャ「うぅわぁぁ、でっけぇドラゴンさんだー!」
サリア「ミーニャ、相手は本物のドラゴン。気を抜かないの」
ラグナロク......神殺しの名を持つドラゴン......
ラグナロクの名前には、嫌な記憶が残っている。
ラグナロク帝国......。かつて、ネイを苦しめた国。
ネメシス「まずいな......ここに集まったヤツらの中に龍殺しがいねぇ」
フェイ「どうすんだよ父ちゃん!ドラゴンスレイヤーじゃなきゃ、本物のドラゴンは倒せねえんだろ!?」
ネメシス「落ち着けフェイ!ここには、マジックアルケミストと、グランメモリーズの一部が集まってる。爺ちゃんも一緒だ!」
ヴァハト「あまり期待をするでない。儂には、龍を殺せるほどの力はない」
不安しか残らないメンバー。龍殺しがいないだけで、苦戦は容易に想像出来る。
「神殺しの咆哮」
ヴァハト「全員構えろ!記憶の盾」
ネメシス「フェイ!合わせろ!」
フェイ「任せろ父ちゃん!」
ネメシス&フェイ「「 闇の炎撃!! 」」
サリア「みんな行くよ!アースクエイク!」
ミーニャ「風猫!」
トーリヤ「豪雨!」
ハイルン「絶対封鎖!」
アルテミス「フェイト・グラン・アロウズ」
全員で龍の咆哮に攻撃をぶつける。
「それしきで止められると思うな」
まずい。私達の攻撃を全て跳ね返して、こちらに攻撃がやってくる。
ネメシス「フェイ!」
ネメシスがフェイを覆いかぶさって、フェイに当たるはずだった攻撃から身を守る。
ミーニャ「うわうわうわ!こっちにも来るよー!」
サリア「落ち着いて!ミーニャ!」
トーリヤ&ハイルン「「 ぐわぁぁぁぁ!! 」」
アルテミス「う"っ......!」
たったの一撃。なのに、とてつもないダメージ。
「所詮、龍殺しでなければこれほどまでか。やり甲斐のない相手だな」
龍は、私達を無視して、さっさと街の破壊活動に入る。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
どこからともなく、少女の叫び声が聞こえた。
「......?」
龍も、気になるのか動きが止まる。
......あれは......ネイ?
ネイ「......痛ったた......」
落下時にとんでもない音がしたが、ネイがピンと立っていた。
「......貴様、邪龍か」
ネイ「はい?」
「貴様、邪龍かと聞いている」
ネイ「......まあ、そうじゃないと言えば嘘になりますけど」
「......面白い。貴様、我と戦え」
ネイ「え!?戦えって言われても、私は上にいるやつのところに戻らないとーー」
アルテミス「お願い!ネイ!そいつを倒して!私達じゃ無理だから!」
ネイ「わ、私任せですか......」
ネイは、品定めをするかのような目と顔の動きで無属性の龍を見ている。
ネイ「......分かりました。私がこいつの相手をします」
だからなんだと言うのだ。
地属性最強。だが、地属性は錬金術の劣化版と呼ばれている。
レイヴン「俺の名はレイヴン。怨龍の龍殺しだ」
「怨龍......なるほどな」
この龍は、四足歩行型で翼のないタイプの龍。地龍の名の通り、空は飛ばないと言ったところか。
相性的には良いとも悪いとも言えない。たまたま、この龍がいたところに俺達、コールドミラーとトゥインクルアスタロトが固まっていただけだ。
ノア「レイヴン様、サポートは私達にお任せください」
エスメラルダ「そうよ。私達のギルドは、あんたの支援しか出来ないからね」
ここに、リアムがいてくれたらどれだけ楽な戦いに出来ただろうか。
試合が終わってから、あいつの姿を見ていない。多分、どこかで俺と同じように龍と対峙しているとは思うのだが......
レイヴン「怨龍の咆哮」
「......なるほど。ならば、地龍の咆哮」
ソアラ「シールド展開!」
カスミ「援護します!ディフェンスライズ!」
ノア「氷神の守護」
3人がかりの防御でも、凄まじい威力で吹き飛ばされる。
龍を殺すための魔法、滅龍魔法。だが、その威力は本物の龍に比べると遥に劣っている。
最強を目指した俺達の力でも、龍1体を相手にできるかどうかの瀬戸際。
カルマ「サンドラクリエイト・雷牢!」
地龍相手に、雷の牢を張っても無駄だ。
電気が、奴の体を伝って地に流れていく。拘束力なんて何もない。
レイヴン「カルマ、奴に雷は効かない。氷で攻めろ」
カルマ「分かった」
レイヴン「怨龍の蹴撃」
「地龍の斬撃」
レイヴン「グッ......!?」
相殺するような形で出されたはずなのに、こちらが一方的に攻撃を喰らう形になった。
シズク「ヒーリア!」
レイヴン「すまない」
エスメラルダ「次の攻撃が来るよ!全員構えて!」
地龍が大きく腕を上げている。
ノア「氷神の守護!」
カルマ「アイスクリエイト・氷盾!」
ソアラ「シールド展開!」
エスメラルダ「双剣乱舞!」
ディーネ「水氷バリア!」
5人がかりでの相殺。だが、それでも衝撃波がこちらにまで伝ってくる。
エスメラルダ「なんて威力なの......」
ソアラ「5人でもダメってどうなってんの!?」
シズク「皆さん警戒を!次が来ます!」
全員、体勢が整っていない。
レイヴン「怨龍の咆哮!」
「地龍の咆哮」
龍の力には龍の力。だが、本物の龍の方が勝っている。相殺するのがやっと。いや、相殺して、威力を弱めてから喰らうのがやっとだ。
やはり、何度やっても俺の滅龍魔法は効かない。いや、効かないのではない。力が足りないんだ。
大会中にも感じた実力不足。まさか、ここでも痛感する羽目になるとは......
「怨龍。貴様の力は、その程度か。大したことないな」
レイヴン「クソっ......」
ノア「レイヴン様、諦めるには早すぎます!次の体勢を整えてください!」
......ダメだ。いくら龍を殺すための魔法でも、こいつには勝つことが出来ない。
所詮、人が使う龍の力。本物の龍相手に適うわけがないんだ。
ノア「レイヴン様!立ってください!っ......氷神の守護!」
全員、俺を守るためだけに身を投げ出している。なのに、俺は勝手に絶望して膝をついている。
......リアムなら、無理でも、それを理解せずに突き進むだろう。俺は、あいつほど物分りが悪いやつじゃない。だが、諦めはあいつより早くはない。
どうして、俺だけが膝をついている?皆、俺を守るためだけに身を投げ出しているというのに。
立て、怨龍。お前の力は、これしきで絶望を味わうほど闇は深くない。
レイヴン「怨龍憑依」
溢れんばかりの負の力が、俺の全身を駆け巡る。
本来ならば、光で制御しなければならない力を、闇の力だけで満たしている。
暴走する危険性はある。だが、そうでもしないとこいつを殺すことは出来ない。
「ほう......負の力を解放したか」
レイヴン「怨龍の咆哮!」
「地龍の咆哮!」
まだ足りない。まだ、俺の方が劣っている。
ノア「氷神の舞!」
エスメラルダ「双剣乱舞!」
ソアラ「ソード構えよーし!行っけー!」
ディーネ&シズク「「 大海原の舞! 」」
カルマ「アイスクリエイト・氷河!」
他の面々が、龍の息吹に向かって攻撃する。息吹の威力が若干弱くなって、俺の攻撃が押し切った。
龍自体にダメージを入れられなくても、龍の攻撃を相殺することは出来る。これは、良い情報を得られた。
レイヴン「みんな!奴が攻撃する度に、威力を落としてくれ!」
エスメラルダ「サポートは任せてって言ったでしょ!」
ノア「レイヴン様、全力でやってください!」
ああ。分かってる......
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シオン「貴様、見たところ、光の龍のようじゃが、名をなんと言う?」
「私の名はグランネルヴァ。あなたの言うように、光の龍です」
シオン「丁寧な龍じゃのう。その丁寧さに免じて、ここは大人しくやられてはくれんか?」
「残念ですが、私は龍王様の命に従わなければなりません。あなた達を殺したくないのは、私の気持ちですが、その気持ちを押し殺してでも、私はあなた達を殺します」
二足歩行型の白き龍。腕に刃のようなものがついている。その腕を利用した素早い攻撃をしてきそうだ。
光の龍とだけあって、優しき慈悲の心は持っている。だが、その龍王とやらがいる限り、我はこの龍と戦わなければならない。
こんな、いかにも優しさを形にしたような龍を殺したくはないが、それでもやらねばならない。それが、今の私の使命。
シオン「ブラッド、レクト、ピアナ、レイガ。援護を頼む」
レイガ「任せてろ」
ピアナ「全力でサポートするから、シオンは全力で戦ってね!全力で回復してあげるから」
ブラッド「......龍の血......この手で嗅いでみたいものだ」
レクト「ブラッド、あまり変なことを考えるな」
ブラッド「......」
回復役がピアナ1人。他は、防御と言うよりも攻撃寄り。サポートとしてはやや不安が残る。他にも、シェミスターライトの面々がいるが、どれもこれも不安しか残らない面子。
役に立つのは、大会にも出た私を含む5人のみ。
「光龍の咆哮」
シオン「闇龍の咆哮」
闇属性と光属性。お互いに相性が良く、同時に撃てば相殺されるはず。だが、私の方が弱い。
龍自体がとてつもない強さを秘めている存在。私のような人間が勝てる相手ではないのだ。
レクト「シオンをサポートしろ!怨闇の霧」
あたりに、闇と怨念を込めた霧が立ち上る。相手の攻撃力を下げる算段だ。
ピアナ「アタックライズ!」
レイガ「アイスクリエイト・ドラゴン!タイガー!」
ブラッド「ブラッディレイン」
全員で光龍の咆哮を弱めていく。これなら、私の咆哮で押し切れる。
「なるほど。仲間との連携がしっかりとしていますね。ならば、これを耐えることはできますか?」
大きな羽を広げて、光の刃が構えられる。
雨のように降らして、私達を全滅させる算段か。
ブラッド「任せろ。アンブラドレイン」
血で出来た腕で、全ての攻撃を受け止めるつもりか......
「私の攻撃は、負の属性を浄化しますよ」
あの光の刃は、ブラッドが作り出した腕を消し去ってから、こちらに降り注いでくる。
シオン「くっ......」
守るものは何もない。全てを喰らう形となる。
ピアナ「ふ、フルヒーリア!」
ピアナの回復魔法によって、再び立ち上がれるようにはなる。
「回復魔法......ですか......」
シオン「闇龍の斬撃!」
「光龍の斬撃」
デカデカとした図体なのに、腕を降るのは早い。
人間の腕力と、龍の腕力。どちらが強いかなんて、比べるまでもない。
シオン「う"っ......」
簡単に押し負ける。こんなの、本当に私で勝てる相手なのか?
ピアナ「ひ、ヒーリアラ!」
回復魔法もあまり効いてる感じがしない。負ったダメージよりも回復量が少ないからだ。
「光龍の斬撃」
ブラッド「アンブラインパクト」
レクト「怨念の波動」
レイガ「アイスクリエイト・タートル!」
防御の構え。でも、奴の攻撃は防ぎきれない。
シオン「闇龍の咆哮!」
これでどうだ......
「......なるほど。それが、絆の力。私の攻撃を防ぎきるとは、やりますね」
防ぎきった......。だが、みんな体力の限界が来ている......
シオン「闇龍の斬撃」
「......もう、滅龍の力も残っていないようですね」
この光龍に一切のダメージを与えられていない。なのに、この体に限界が来ている......どうすれば......
ピアナ「フルヒーリアラ!」
「光龍の咆哮」
ピアナ「いやぁっ!」
レイガ「ピアナっ!」
回復役のピアナが吹き飛ばされる。
1番失ってはいけない役を、守ることが出来なかった。
私には、龍を倒すほどの力がない......何のための滅龍魔法......龍を殺すための魔法なのに、仲間を守ることすら出来ない......
この世界に、神様がいるのなら、この状況をどうにかしてほしい。龍がいなくなるのでも、私が強くなるのでも、何でもいい。
「所詮、人の子の実力はここまでのようですね」
......
......
......
レクト「諦めるな!シオン!お前が諦めたら、誰がこのドラゴンを倒すんだ!」
無茶を言わないでくれ。
魔法の使いすぎで、私の体は立ち上がることさえ出来ない......。このまま、この慈悲深き龍に殺されるのだろう。
レクト「立て!シオン!お前のサポートは、俺達がするって言ってるだろ!だから、立て!」
シオン「......」
諦めていたのは、私だけだったようだ。みんな、こんな状況でも、目に光が灯っている。まだ諦めていない証だ。
シオン「......闇の......閃光」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「我が名はラグナロクシエル。無を操りし龍」
ミーニャ「うぅわぁぁ、でっけぇドラゴンさんだー!」
サリア「ミーニャ、相手は本物のドラゴン。気を抜かないの」
ラグナロク......神殺しの名を持つドラゴン......
ラグナロクの名前には、嫌な記憶が残っている。
ラグナロク帝国......。かつて、ネイを苦しめた国。
ネメシス「まずいな......ここに集まったヤツらの中に龍殺しがいねぇ」
フェイ「どうすんだよ父ちゃん!ドラゴンスレイヤーじゃなきゃ、本物のドラゴンは倒せねえんだろ!?」
ネメシス「落ち着けフェイ!ここには、マジックアルケミストと、グランメモリーズの一部が集まってる。爺ちゃんも一緒だ!」
ヴァハト「あまり期待をするでない。儂には、龍を殺せるほどの力はない」
不安しか残らないメンバー。龍殺しがいないだけで、苦戦は容易に想像出来る。
「神殺しの咆哮」
ヴァハト「全員構えろ!記憶の盾」
ネメシス「フェイ!合わせろ!」
フェイ「任せろ父ちゃん!」
ネメシス&フェイ「「 闇の炎撃!! 」」
サリア「みんな行くよ!アースクエイク!」
ミーニャ「風猫!」
トーリヤ「豪雨!」
ハイルン「絶対封鎖!」
アルテミス「フェイト・グラン・アロウズ」
全員で龍の咆哮に攻撃をぶつける。
「それしきで止められると思うな」
まずい。私達の攻撃を全て跳ね返して、こちらに攻撃がやってくる。
ネメシス「フェイ!」
ネメシスがフェイを覆いかぶさって、フェイに当たるはずだった攻撃から身を守る。
ミーニャ「うわうわうわ!こっちにも来るよー!」
サリア「落ち着いて!ミーニャ!」
トーリヤ&ハイルン「「 ぐわぁぁぁぁ!! 」」
アルテミス「う"っ......!」
たったの一撃。なのに、とてつもないダメージ。
「所詮、龍殺しでなければこれほどまでか。やり甲斐のない相手だな」
龍は、私達を無視して、さっさと街の破壊活動に入る。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
どこからともなく、少女の叫び声が聞こえた。
「......?」
龍も、気になるのか動きが止まる。
......あれは......ネイ?
ネイ「......痛ったた......」
落下時にとんでもない音がしたが、ネイがピンと立っていた。
「......貴様、邪龍か」
ネイ「はい?」
「貴様、邪龍かと聞いている」
ネイ「......まあ、そうじゃないと言えば嘘になりますけど」
「......面白い。貴様、我と戦え」
ネイ「え!?戦えって言われても、私は上にいるやつのところに戻らないとーー」
アルテミス「お願い!ネイ!そいつを倒して!私達じゃ無理だから!」
ネイ「わ、私任せですか......」
ネイは、品定めをするかのような目と顔の動きで無属性の龍を見ている。
ネイ「......分かりました。私がこいつの相手をします」
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空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
2度死んだ王子は今度こそ生き残りたい
緑緑緑
ファンタジー
王太子ロイは、かつて二度の革命によって祖国を崩壊させてしまった過去を持つ。命を落とすたび、彼はある時点へと巻き戻される。そして今、三度目の人生が静かに幕を開けようとしていた。
――自分は民を理解しているつもりだった。
だが実際には、その表面しか見えていなかったのだ。
その痛烈な自覚から、物語は動き始める。
革命を回避するために必要なのは、制度でも権力でもない。「人を知る」ことこそが鍵だと、ロイは気付く。
彼はエコール学園での生活を通じ、身分も立場も異なる様々な人間と深く関わっていく。
そこで出会う一人ひとりの想いと現実が、やがて国の未来を大きく左右していくことになるとは、この時のロイはまだ知らない。
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