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第6章 【龍の涙】
第6章32 【邪龍の咆哮】
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ネイ「邪龍の咆哮!」
「神殺しの咆哮」
威力は互角。だけど、向こうに押されている。
「......貴様、邪龍だけでなく、神でもあるな」
ネイ「ええ。こんな形でも、時を操る神ですからね」
「相性的には我が有利」
ネイ「そうみたいですね......」
戦えと言われて戦いだしたが、まさか、この龍が神殺しの法を持っているとは思わなかった。というか、神殺しの龍がいること自体に驚きだ。
ラナ(どうする?君には相性が悪そうだ。五龍王で行くかい?)
ネイ「いや、ジークがいないから無理です。多少不利でも、無理矢理やるしかありません」
大丈夫。攻撃さえ当たらなければどうってことはない。
ネイ「邪龍の斬撃!」
「神殺しの刃」
攻撃を避けてから、奴の皮膚に直接攻撃する。
戦いにおいて、相手の攻撃を喰らわないというのは大事なこと。ただ、普通なら多少は喰らっても、無理矢理どうにかする方法がある。だが、今回に関しては喰らえば終わり。滅神の攻撃なんて1度だって喰らうことは出来ない。
さあ、攻撃を喰らった無龍はどう動く?
「神殺しの咆哮」
やはり、遠距離技で距離を置いてくるか。
ネイ「アマツ、行くよ」
アマツ(承知)
アマツ「傲慢の盾」
見下す者の傲慢なる守り。いかなる攻撃をも防ぐ。
「......中に、他の龍がいるな?」
アマツ「我、此ノ者ト契約セシ龍王。名ヲ導キノ氷海龍王・アマツト呼ブ」
「なるほど。龍王か......」
アマツ「龍王ノ命ハ絶対。貴様ハ、誰ノ命ヲ受ケテイル?」
「我は、あの空で構える龍王の命を受けている。貴様が龍王でも、我は命に従い、貴様を殺す」
アマツの権限でも、相手を退かせることは出来ない。どうあっても殺すしかないようだ。
ネイ(アマツ、慈悲はかけなくて大丈夫です)
アマツ「承知シテイル。奴ニ慈悲ハカケナイ。我ハ、ソナタノ命ニ従イ動ク」
剣の形がレイピアになり、髪色も水色に染まる。アマツが覚悟を決めてくれた証だ。
アマツ「怠惰一閃」
「神殺しの刃」
アマツ「憤怒の氷炎」
「神殺しの咆哮」
アマツ「嫉妬の刃」
「神殺しの蹴撃」
技と技のぶつかり合い。身体は私のものだが、アマツになってからは大きな力の差を受けることはない。
アルテミス「フィア・ウォタラ・フロウ・アロウズ」
アルテミス達が、やっと起き上がれるまでに回復してきた。ただ、アルテミス達が起き上がれたところで、手助けにもならない。
私達、ジークを除いた4体と1人の力で勝つしかない。
ヴァルは、ちゃんと戦えているだろうか。私と違って、ヴァルにとてつもない力はない。ここで戦ってるよりも、ヴァルのところに行きたい気持ちもある。
ネイ(............)
アマツ「七元氷魔・大罪の剣」
「......それしきか」
アマツ「主、此ノ者ニ、我ノ力ハ通ジナイ」
ネイ(ありがとうアマツ。相手の戦い方は十分に見ることが出来ましたから)
アマツを一旦意識下に戻す。
五龍王......で行くにしても、こいつ相手に戦えるかどうか。私には相性が悪すぎる相手。
......仕方ない。他の龍殺しがいる所に逃げるか。奴も、私を追いかけてきてくれるだろう。となれば、ヴァルが行ってそうな然属性の龍のところに行くか。
ラナ(なるほどね。確かに、君1人では相性の悪い相手だねぇ。だとしても、2体の龍を1箇所に集めるのはどうかとも思うよ)
ネイ「......だとしても、私1人で相手にするのも厳しいです。これ以外に勝ち筋はないように思えます」
ラナ(それなら、ジーク君を呼び戻すかい?)
ネイ「いえ。ジークはあのまま、空の龍の相手をしててもらいましょう。奴らに好きにさせないためにも」
ラナ(分かったよ。君の好きなように戦いたまえ)
言われなくとも......
「......貴様、逃げ出すつもりか」
ネイ「不利な相手に対して、ずっと相手をし続けられませんよ」
「......逃がすと思うか」
アルテミス「え、ちょ、ネイ、逃げるの!?」
すみません。これも、策のうちです。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「邪龍ですか。良いものを見せてくれましたね。まさか、負の感情に支配されてるとは」
ジーク「お嬢はそんな奴じゃねえ!あの力は、俺達龍王によって制御された力だ!負の感情なんざ関係ねぇ!」
「おやおや。まだしがみついていたのですか?しつこいドラゴンさんですね。いつまで耐えることが出来るでしょうか?」
ちっ、人間のくせに舐めた態度を取りやがって......
必死にこの龍にしがみついてはいるが、ここからどうすればいいのかが分からない。戦おうにも、こいつの飛ぶ速度が早すぎて、追いつくのがやっとだ。
お嬢がいてくれたら、上にいる変な奴もぶっ飛ばせるってのによォ。クソっ。
「ほら、見てください。下の光景を。あの邪龍、無龍を然龍のところにまで惹き付けてますね。流石は、元天才軍師といったところでしょうか」
ジーク「お前、お嬢について何を知っている?俺が知らねえお嬢を知ってるんだろ?」
「ええ、知ってますとも。確か、10歳くらいの時の彼女に出会ったことがありましてねぇ。まあ、その事は忘れてしまったようですが。と言っても、私自身も忘れていたのですがね。彼女に会って思い出しましたよ」
意味が分からねえ。何を言ってるんだこいつは。
「ジーク......でしたっけ?」
ジーク「ああ?なんだ」
「あなたも、彼女を通じて、この世界の歴史を見たことがありますよね?」
いきなり何を言い出すんだこいつは?
ジーク「......一応、色々と聞いたさ。お嬢には、お喋りな仲間が多いからな」
「そうですか。ならば、こんな話をしてみましょうか」
ジーク「なんだ?」
「これは、世界の禁忌に触れた者の物語......」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ヴァル「クッソ!こいつ、ぶにぶにしてて攻撃が通らねえ!」
ヴェルド「しっかりしてくれよヴァル!お前が攻撃しねえとダメージを与えられねえんだぞ!」
ヴァル「分かってるわ!そんくらい」
お前らには分からねえだろうが。俺の炎が一切効かねえ。この、弾力ありまくりの皮膚のせいで。
さて、どうする?出来そうなことは全部やってみた。それでも、こいつにダメージが入った節はない。
「そろそろ限界が近づいてきたか?火の龍殺し」
ヴァル「バカヤロウ。まだ諦めるには早いってんの!」
諦めるつもりはない。だが、その気持ちだけでどうにかなる相手ではない。誰でもいいから、戦う龍を取っ替えてくれねえかな。
ネイ「ヴァルー!」
ヴァル「......?ネイ?」
翼を広げてネイが飛んできた。
てっきり、もう終わったのかと思ったが、後ろにでっけぇ二足歩行型で、羽と腕が同じ部位になっている灰色の龍がいた。
ヴァル「お前、何しに来たんだ?」
ネイ「私じゃ、あれの相手は厳しいので、ヴァルのと取っ替えです」
ヴァル「......」
ネイ「......」
ヴァル「......あ、そういう事か。よし、取っ替えだ!」
都合よく現れてくれたもんだ。だが、この状況は、ただ取っ替えたと言うより、2対2の形にしたと言うべきだろう。
「ほう、火の龍殺しか」
ヴァル「舐めんなよ。こちとら、あのぶにぶにドラゴンは相手に出来なかったが、お前はしっかりと調理してやっからな!」
「活きのいい小僧だ」
俺は、無属性の龍へ、ネイは、然属性の龍へと向き直る。
ネイ「神殺しの法を持っていなければ余裕です!あなたの命、あと30分で尽きます!」
「小娘か......我の相手が貴様で務まるとは思えんな」
「舐めないでください。これでも、邪を司る龍殺しですから」
お前の場合、それはただのオマケ機能だな。本当の力はもっとヤベぇもんだろ。
ヴァル「......」
こいつはこいつでヤバそうな相手だな。さっき、ネイが神殺しとかなんとか言ってたな。神殺しか?
まあ、なんでもいいや。ぶっ飛ばしてやる。
ヴァル「地獄龍の、咆哮!」
ネイ「邪龍の、咆哮!」
「......っ!!」
「......っ!!」
さっきまでと違って、ちゃんと効いてる。やっぱ、ただ単に相性が悪かっただけなんだな。
「小僧、やるな」
「小娘、思った以上の力だな」
俺達、最強のペアを舐めるなっての。2人揃えば最強だ。
ヴァル「行くぞネイ。合体技だ」
ネイ「え?アレでやるんですか?」
だって、アレくらいしか強い魔法はねえだろ。
ネイ「そんなに手を合わせたいのなら、仕方ないですね」
こいつめんどくせえな。戦いの時くらい、真面目な思考をしてろ。
ヴァル&ネイ「「 神聖奥義・親愛の絆 」」
「「 っ......!! 」」
どうだ?これで死んでくれてたら楽なんだが......
「今のは、少しだけ効いたな」
「シエル、お前、ボロボロになっているぞ」
「そう言う貴様こそ、自慢の皮膚はどうした?」
「あーあ、見事に焼かれちまった」
倒すことは出来なかったが、かなりのダメージは入ったらしい。
「小僧、本物の滅龍奥義というものを見せてやる」
ヴァル「ああ?」
「滅龍奥義・虚無の支配者」
「滅龍奥義・神木の怒り」
ネイ「......!全員伏せて!」
......
......
......
ヴァル「......なんだ......これは?」
半径何キロか分からないくらいの距離で、街が消えていた。
「外したか」
「次をやればいい話だ」
おいおい嘘だろ?こんな奴らを俺達は相手にしているのか?
ジーク「グァァァァァッ」
空から、火のドラゴンが落ちてきた。
ヴァル「その声、ジーク!?」
ジーク「......?おう、坊主!丁度いい。乗れや!上にいる龍王様を倒しに行くぞ」
龍王......そうか、その龍王を倒せばこいつらを鎮められるのか。だからネイは真っ先に上にいる奴を狙ってたのか。
ヴァル「頼むぞ!ジーク!」
ネイ「え?ちょっと、ヴァル!この2体を相手にしろって言うんですか!?」
ヴァル「悪ぃネイ!一瞬で終わらせてくるから!」
ネイには悪いが、まああいつなら2体程度は相手に出来るだろう。それに、あそこにはセリカ達もいるわけだしな。
ヴァル「待ってろ龍王......!」
ジーク「ぶちどめすぞ!坊主!」
ヴァル「おう!」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「小僧が逃げたか」
「まあ良い。滅龍の法を使うものは、これで小娘1人となった」
「我は、この者に対して有利である。ここは、我が先頭に出よう」
「任せたぞ」
どうしよう......。私1人でこの2体を相手に......
いや、無理でしょ。然属性の龍だけなら、普通に勝てるだろうけど、神殺しの龍までいたんじゃ話にならない。
後ろにいる、セリカ達を守ることさえ出来ない。
ネイ「っ......」
「神殺しの咆哮」
「然龍の咆哮」
ネイ「邪龍の、咆哮!」
ダメだ。無龍1体の力に劣るのに、そこに追加で然龍の力まで合わさったら、私に勝ち目はない。
ネイ「うっ......」
最初から押し続けられ、激しく飛ばされた。
セリカ「ネイりん!」
「たったの1発でくたばったか......」
「ならば、龍王の命の続きをしようか」
セリカ「......させない!あんた達、龍に好き勝手にはさせない!サモンズスピリット・カグヤ!」
エレノア「フェイト・シャインバースト!」
フウロ「桜花・桜の舞!」
ヴェルド「アイススピアレイン!」
シアラ「ウォタラブレード!」
......
......
......
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「なんだ?この魔法は」
「人間の魔法。滅龍の力のない魔法に、我らは殺られはしない」
「ハエにもならんな」
みんなで、全力で攻撃してるのに、一切攻撃が入らない。龍が魔法を無効化にするというのは聞いていたが、まさか一切合切だとは思わなかった。
カグヤ「ご主人様。奴ら龍に、我ら精霊は抵抗することが出来ません。ですが、唯一抵抗することが可能な精霊が1体だけおります」
それは......多分、私じゃ召喚できない精霊。
カグヤ「ウラノスでございます。彼ならば、この龍を相手にすることも可能でしょう。ですが......」
セリカ「私にウラノスを召喚することは出来ない......」
カグヤ「......ええ」
私が、変な事情を抱えていなければ、この状況を打開できたかもしれない。いや、抱えていなくとも、私にはウラノスを召喚できない。
「我らに仇なすのならば、貴様ら滅龍以外の人間にも容赦はしない」
ヴェルド「何をやろうってんだ?何やっても、防ぎきってみせるぜ」
「ふん、ただの強がりが」
シアラ「強がりなんかじゃありません。私達ならば、龍の攻撃を全て防ぎきってみせます」
エレノア「大丈夫。私達、グランメモリーズは、どんな相手にも屈しないから。ですよね?セリカ」
セリカ「うん!私達ならやれる!」
「どうする?リライズ」
「やってしまえ。シエル」
「「 双龍滅龍奥義・然無虚木 」」
セリカ「みんな!」
「「「 おう! 」」」
滅龍の奥義だって、私達で防いでみせる。これ以上、この街を破壊させはしない!ネイにばっか守られている私達じゃない!
例え、その魔法で死ぬのだとしても、最期の一瞬まで諦めはしない。
......
視界に、大きな自然の風景が映り......
......
視界を、真っ白に染めあげるほどの光に包まれる。
......
人間の魔法では無理。ここで死んでしまう。まだ、やりたい事がたくさん残っているのに......
「グランフィールド・無魔!」
「神殺しの咆哮」
威力は互角。だけど、向こうに押されている。
「......貴様、邪龍だけでなく、神でもあるな」
ネイ「ええ。こんな形でも、時を操る神ですからね」
「相性的には我が有利」
ネイ「そうみたいですね......」
戦えと言われて戦いだしたが、まさか、この龍が神殺しの法を持っているとは思わなかった。というか、神殺しの龍がいること自体に驚きだ。
ラナ(どうする?君には相性が悪そうだ。五龍王で行くかい?)
ネイ「いや、ジークがいないから無理です。多少不利でも、無理矢理やるしかありません」
大丈夫。攻撃さえ当たらなければどうってことはない。
ネイ「邪龍の斬撃!」
「神殺しの刃」
攻撃を避けてから、奴の皮膚に直接攻撃する。
戦いにおいて、相手の攻撃を喰らわないというのは大事なこと。ただ、普通なら多少は喰らっても、無理矢理どうにかする方法がある。だが、今回に関しては喰らえば終わり。滅神の攻撃なんて1度だって喰らうことは出来ない。
さあ、攻撃を喰らった無龍はどう動く?
「神殺しの咆哮」
やはり、遠距離技で距離を置いてくるか。
ネイ「アマツ、行くよ」
アマツ(承知)
アマツ「傲慢の盾」
見下す者の傲慢なる守り。いかなる攻撃をも防ぐ。
「......中に、他の龍がいるな?」
アマツ「我、此ノ者ト契約セシ龍王。名ヲ導キノ氷海龍王・アマツト呼ブ」
「なるほど。龍王か......」
アマツ「龍王ノ命ハ絶対。貴様ハ、誰ノ命ヲ受ケテイル?」
「我は、あの空で構える龍王の命を受けている。貴様が龍王でも、我は命に従い、貴様を殺す」
アマツの権限でも、相手を退かせることは出来ない。どうあっても殺すしかないようだ。
ネイ(アマツ、慈悲はかけなくて大丈夫です)
アマツ「承知シテイル。奴ニ慈悲ハカケナイ。我ハ、ソナタノ命ニ従イ動ク」
剣の形がレイピアになり、髪色も水色に染まる。アマツが覚悟を決めてくれた証だ。
アマツ「怠惰一閃」
「神殺しの刃」
アマツ「憤怒の氷炎」
「神殺しの咆哮」
アマツ「嫉妬の刃」
「神殺しの蹴撃」
技と技のぶつかり合い。身体は私のものだが、アマツになってからは大きな力の差を受けることはない。
アルテミス「フィア・ウォタラ・フロウ・アロウズ」
アルテミス達が、やっと起き上がれるまでに回復してきた。ただ、アルテミス達が起き上がれたところで、手助けにもならない。
私達、ジークを除いた4体と1人の力で勝つしかない。
ヴァルは、ちゃんと戦えているだろうか。私と違って、ヴァルにとてつもない力はない。ここで戦ってるよりも、ヴァルのところに行きたい気持ちもある。
ネイ(............)
アマツ「七元氷魔・大罪の剣」
「......それしきか」
アマツ「主、此ノ者ニ、我ノ力ハ通ジナイ」
ネイ(ありがとうアマツ。相手の戦い方は十分に見ることが出来ましたから)
アマツを一旦意識下に戻す。
五龍王......で行くにしても、こいつ相手に戦えるかどうか。私には相性が悪すぎる相手。
......仕方ない。他の龍殺しがいる所に逃げるか。奴も、私を追いかけてきてくれるだろう。となれば、ヴァルが行ってそうな然属性の龍のところに行くか。
ラナ(なるほどね。確かに、君1人では相性の悪い相手だねぇ。だとしても、2体の龍を1箇所に集めるのはどうかとも思うよ)
ネイ「......だとしても、私1人で相手にするのも厳しいです。これ以外に勝ち筋はないように思えます」
ラナ(それなら、ジーク君を呼び戻すかい?)
ネイ「いえ。ジークはあのまま、空の龍の相手をしててもらいましょう。奴らに好きにさせないためにも」
ラナ(分かったよ。君の好きなように戦いたまえ)
言われなくとも......
「......貴様、逃げ出すつもりか」
ネイ「不利な相手に対して、ずっと相手をし続けられませんよ」
「......逃がすと思うか」
アルテミス「え、ちょ、ネイ、逃げるの!?」
すみません。これも、策のうちです。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「邪龍ですか。良いものを見せてくれましたね。まさか、負の感情に支配されてるとは」
ジーク「お嬢はそんな奴じゃねえ!あの力は、俺達龍王によって制御された力だ!負の感情なんざ関係ねぇ!」
「おやおや。まだしがみついていたのですか?しつこいドラゴンさんですね。いつまで耐えることが出来るでしょうか?」
ちっ、人間のくせに舐めた態度を取りやがって......
必死にこの龍にしがみついてはいるが、ここからどうすればいいのかが分からない。戦おうにも、こいつの飛ぶ速度が早すぎて、追いつくのがやっとだ。
お嬢がいてくれたら、上にいる変な奴もぶっ飛ばせるってのによォ。クソっ。
「ほら、見てください。下の光景を。あの邪龍、無龍を然龍のところにまで惹き付けてますね。流石は、元天才軍師といったところでしょうか」
ジーク「お前、お嬢について何を知っている?俺が知らねえお嬢を知ってるんだろ?」
「ええ、知ってますとも。確か、10歳くらいの時の彼女に出会ったことがありましてねぇ。まあ、その事は忘れてしまったようですが。と言っても、私自身も忘れていたのですがね。彼女に会って思い出しましたよ」
意味が分からねえ。何を言ってるんだこいつは。
「ジーク......でしたっけ?」
ジーク「ああ?なんだ」
「あなたも、彼女を通じて、この世界の歴史を見たことがありますよね?」
いきなり何を言い出すんだこいつは?
ジーク「......一応、色々と聞いたさ。お嬢には、お喋りな仲間が多いからな」
「そうですか。ならば、こんな話をしてみましょうか」
ジーク「なんだ?」
「これは、世界の禁忌に触れた者の物語......」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ヴァル「クッソ!こいつ、ぶにぶにしてて攻撃が通らねえ!」
ヴェルド「しっかりしてくれよヴァル!お前が攻撃しねえとダメージを与えられねえんだぞ!」
ヴァル「分かってるわ!そんくらい」
お前らには分からねえだろうが。俺の炎が一切効かねえ。この、弾力ありまくりの皮膚のせいで。
さて、どうする?出来そうなことは全部やってみた。それでも、こいつにダメージが入った節はない。
「そろそろ限界が近づいてきたか?火の龍殺し」
ヴァル「バカヤロウ。まだ諦めるには早いってんの!」
諦めるつもりはない。だが、その気持ちだけでどうにかなる相手ではない。誰でもいいから、戦う龍を取っ替えてくれねえかな。
ネイ「ヴァルー!」
ヴァル「......?ネイ?」
翼を広げてネイが飛んできた。
てっきり、もう終わったのかと思ったが、後ろにでっけぇ二足歩行型で、羽と腕が同じ部位になっている灰色の龍がいた。
ヴァル「お前、何しに来たんだ?」
ネイ「私じゃ、あれの相手は厳しいので、ヴァルのと取っ替えです」
ヴァル「......」
ネイ「......」
ヴァル「......あ、そういう事か。よし、取っ替えだ!」
都合よく現れてくれたもんだ。だが、この状況は、ただ取っ替えたと言うより、2対2の形にしたと言うべきだろう。
「ほう、火の龍殺しか」
ヴァル「舐めんなよ。こちとら、あのぶにぶにドラゴンは相手に出来なかったが、お前はしっかりと調理してやっからな!」
「活きのいい小僧だ」
俺は、無属性の龍へ、ネイは、然属性の龍へと向き直る。
ネイ「神殺しの法を持っていなければ余裕です!あなたの命、あと30分で尽きます!」
「小娘か......我の相手が貴様で務まるとは思えんな」
「舐めないでください。これでも、邪を司る龍殺しですから」
お前の場合、それはただのオマケ機能だな。本当の力はもっとヤベぇもんだろ。
ヴァル「......」
こいつはこいつでヤバそうな相手だな。さっき、ネイが神殺しとかなんとか言ってたな。神殺しか?
まあ、なんでもいいや。ぶっ飛ばしてやる。
ヴァル「地獄龍の、咆哮!」
ネイ「邪龍の、咆哮!」
「......っ!!」
「......っ!!」
さっきまでと違って、ちゃんと効いてる。やっぱ、ただ単に相性が悪かっただけなんだな。
「小僧、やるな」
「小娘、思った以上の力だな」
俺達、最強のペアを舐めるなっての。2人揃えば最強だ。
ヴァル「行くぞネイ。合体技だ」
ネイ「え?アレでやるんですか?」
だって、アレくらいしか強い魔法はねえだろ。
ネイ「そんなに手を合わせたいのなら、仕方ないですね」
こいつめんどくせえな。戦いの時くらい、真面目な思考をしてろ。
ヴァル&ネイ「「 神聖奥義・親愛の絆 」」
「「 っ......!! 」」
どうだ?これで死んでくれてたら楽なんだが......
「今のは、少しだけ効いたな」
「シエル、お前、ボロボロになっているぞ」
「そう言う貴様こそ、自慢の皮膚はどうした?」
「あーあ、見事に焼かれちまった」
倒すことは出来なかったが、かなりのダメージは入ったらしい。
「小僧、本物の滅龍奥義というものを見せてやる」
ヴァル「ああ?」
「滅龍奥義・虚無の支配者」
「滅龍奥義・神木の怒り」
ネイ「......!全員伏せて!」
......
......
......
ヴァル「......なんだ......これは?」
半径何キロか分からないくらいの距離で、街が消えていた。
「外したか」
「次をやればいい話だ」
おいおい嘘だろ?こんな奴らを俺達は相手にしているのか?
ジーク「グァァァァァッ」
空から、火のドラゴンが落ちてきた。
ヴァル「その声、ジーク!?」
ジーク「......?おう、坊主!丁度いい。乗れや!上にいる龍王様を倒しに行くぞ」
龍王......そうか、その龍王を倒せばこいつらを鎮められるのか。だからネイは真っ先に上にいる奴を狙ってたのか。
ヴァル「頼むぞ!ジーク!」
ネイ「え?ちょっと、ヴァル!この2体を相手にしろって言うんですか!?」
ヴァル「悪ぃネイ!一瞬で終わらせてくるから!」
ネイには悪いが、まああいつなら2体程度は相手に出来るだろう。それに、あそこにはセリカ達もいるわけだしな。
ヴァル「待ってろ龍王......!」
ジーク「ぶちどめすぞ!坊主!」
ヴァル「おう!」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「小僧が逃げたか」
「まあ良い。滅龍の法を使うものは、これで小娘1人となった」
「我は、この者に対して有利である。ここは、我が先頭に出よう」
「任せたぞ」
どうしよう......。私1人でこの2体を相手に......
いや、無理でしょ。然属性の龍だけなら、普通に勝てるだろうけど、神殺しの龍までいたんじゃ話にならない。
後ろにいる、セリカ達を守ることさえ出来ない。
ネイ「っ......」
「神殺しの咆哮」
「然龍の咆哮」
ネイ「邪龍の、咆哮!」
ダメだ。無龍1体の力に劣るのに、そこに追加で然龍の力まで合わさったら、私に勝ち目はない。
ネイ「うっ......」
最初から押し続けられ、激しく飛ばされた。
セリカ「ネイりん!」
「たったの1発でくたばったか......」
「ならば、龍王の命の続きをしようか」
セリカ「......させない!あんた達、龍に好き勝手にはさせない!サモンズスピリット・カグヤ!」
エレノア「フェイト・シャインバースト!」
フウロ「桜花・桜の舞!」
ヴェルド「アイススピアレイン!」
シアラ「ウォタラブレード!」
......
......
......
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「なんだ?この魔法は」
「人間の魔法。滅龍の力のない魔法に、我らは殺られはしない」
「ハエにもならんな」
みんなで、全力で攻撃してるのに、一切攻撃が入らない。龍が魔法を無効化にするというのは聞いていたが、まさか一切合切だとは思わなかった。
カグヤ「ご主人様。奴ら龍に、我ら精霊は抵抗することが出来ません。ですが、唯一抵抗することが可能な精霊が1体だけおります」
それは......多分、私じゃ召喚できない精霊。
カグヤ「ウラノスでございます。彼ならば、この龍を相手にすることも可能でしょう。ですが......」
セリカ「私にウラノスを召喚することは出来ない......」
カグヤ「......ええ」
私が、変な事情を抱えていなければ、この状況を打開できたかもしれない。いや、抱えていなくとも、私にはウラノスを召喚できない。
「我らに仇なすのならば、貴様ら滅龍以外の人間にも容赦はしない」
ヴェルド「何をやろうってんだ?何やっても、防ぎきってみせるぜ」
「ふん、ただの強がりが」
シアラ「強がりなんかじゃありません。私達ならば、龍の攻撃を全て防ぎきってみせます」
エレノア「大丈夫。私達、グランメモリーズは、どんな相手にも屈しないから。ですよね?セリカ」
セリカ「うん!私達ならやれる!」
「どうする?リライズ」
「やってしまえ。シエル」
「「 双龍滅龍奥義・然無虚木 」」
セリカ「みんな!」
「「「 おう! 」」」
滅龍の奥義だって、私達で防いでみせる。これ以上、この街を破壊させはしない!ネイにばっか守られている私達じゃない!
例え、その魔法で死ぬのだとしても、最期の一瞬まで諦めはしない。
......
視界に、大きな自然の風景が映り......
......
視界を、真っ白に染めあげるほどの光に包まれる。
......
人間の魔法では無理。ここで死んでしまう。まだ、やりたい事がたくさん残っているのに......
「グランフィールド・無魔!」
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