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第8章√VS 【闇の魂】
第8章24 【守るために】
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翌日。
グリード「で、今日も今日とて集まった訳だがァ......」
ヴァル「あ"ぁ"......」
ヴェルド「はぁ......」
フウロ「......」
グリード「お前らァ、朝早くから集まるのはいいが、集まるなら集まるでもっとマシな頭持ってこいやァ」
ヴァル「そう言うお前だって何も思いついてねぇくせに......」
「「「 はぁ...... 」」」
あーあ、昨日の勢いはどっか紙飛行機にでも乗せて飛んじまったかァ......。まあ、予想通りな結末だったけどな。
セリカ「......なんか、ごめんね」
フウロ「セリカが謝ることではない......。これは、ギルドとギルドの戦いなのだからな......うん。そうだ」
ギルドとギルドの戦いねぇ......
正直、俺はそういう風には納得してねぇんだがなァ。最近はダラダラとして、何もねえ日常だとは思っていたが、こんな形の争いは食いたくねぇんだよなァ。
どうせ戦うなら、審判つけて、公式団体戦でも仕掛けてくれば何もねぇんだがなァ。お前ら、忘れてるかもしれねぇけど、これ終わったら始末書問題だぞ?いくら王都が大変な状況だからって、ギルド同士の争いが無視されるわけねぇんだよなァ。
ま、こいつらが、んな事を考えるわけねぇか。
ヴェルド「あーあ、ライオスかネイかのどっちかが都合よく帰って来てくれねぇかなぁ」
グリード「結局は他力本願かよォ。まぁ、気持ちは分かるがァ」
フウロ「守る守るって喚いたのに、なんだか情けない気持ちになってくるな」
ヴァル「つっても、ダークソウルってあの5つ子くらいだろ?強い奴らって」
ヴェルド「さぁな。俺達から攻め入った時は、骨のねぇ奴らばっかだと思っていたが、やっぱ5つ子の1人は強かったな。確か、ソウセイとか名乗ってやがったが、あのとんでもねえ長さの槍がヤバかったな」
グリード「おめェもか。俺はフセイとかいうでっけぇ斧を振り回す奴が相手だったぞォ。一言じゃ言い表せられないけど、なんかヤバい奴らだってのは分かったなァ」
あのクッソでけぇ斧を振り回してやがった男の顔は忘れねぇ。次来やがったら、今度こそ地に叩き落としてやる。つか、斧を振り回すとか危ねぇんだよォ。
ミラ「みんな!ダークソウルの奴らが来たわ!」
いよいよお出ましか。早かったな。
フウロ「どこからだ!」
ミラ「空よ!」
「「「 空? 」」」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
闇ギルドが、横の繋がりで兵器がうんたらかんたらという訳分からん話を聞いていたが、とにかくその兵器がヤバいものだっていうのだけはよーく分かった。
ヴェルド「おいおい、なんだあれは?」
皆、一様に口を阿呆みたいに広げて空を見上げている。
フウロ「所謂、飛行船というやつか......」
グリード「随分と高価......高価なんてもんじゃねえけどォ、すげぇもんを持ってやがるなァ」
確かにすげぇ......いや、本当にすげぇとしか言えない。
ダークソウルって、本当に何もんなんだ?ただの闇ギルドじゃねぇだろこれ。
......やっぱ、殺し系の依頼って、儲かるのかな。
ヴァル「ダメだダメだ。んな事考えるな」
俺達は、あくまで人のため、世のために仕事をするんだ。殺しはそこに含まれない。あいつらとは違うんだ。
『グランメモリーズに宣告する。セリカ・ライトフィリアをこちらへ引き渡せ。さすれば、争うことなく、我らは退散する』
誰が渡すかってんだ。答えはNOだ!
『こちらの要求を無視する場合、我らはこの街一帯ごと破壊する』
ヴァル「街の破壊?」
フウロ「恐らく、船の先端に付いている大砲で何かをするつもりだろうな。あの部分だけにマナが集まっているのがよく分かる」
汚ぇ野郎共だ。街を人質にか......
『10分間、貴様らに考える猶予を与えよう』
短っ......!もっと待つだろ普通......
ヴェルド「どうすんだ?街が人質だぞ?」
ヴァル「......面白ぇ。10分以内に奴らをボッコボコにしてやる」
ヴェルド「お、おいお前......!」
フウロ「ヴェルド、多分だが、この10分はあの大砲にマナエネルギーを集める時間だと思う。ヴァルの言う通り、10分以内に方をつければ万事解決だ!というわけで私は行く!」
ヴァル「あ、抜け駆けすんな!」
フウロが飛行船に向けて飛んで行ったのに追いつくように、俺も足に火を灯して空を飛ぶ。
ヴェルド「そんな勘だけを頼りに行って大丈夫なのかよ......」
グリード「んまぁ、あいつらの事だ。本気で10分以内に終わらせるつもりだァ。てぇことで、俺も行くぞゴルァ!」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「敵襲ー!グランメモリーズより2名がこっちに飛んでくるぞー!」
フセイ「総員、戦闘準備。奴らを制御室にまで近づけるな」
「「「 了解! 」」」
ヴァル「制御室がなんだと地獄龍の咆哮!」
フセイ「......っ!」
「「「 グギャァァァァァァ! 」」」
制御室か......そこに、このエネルギー砲と飛行船を動かすための動力が集まってんだな。ギリギリで聞こえて良かったぜ。
ヴァル「フウロ!制御室まで行くぞ!」
フウロ「そんな事をしなくとも、この飛行船自体を壊してしまえば万事解決だ!」
ヴァル「そうか!そんな分かりやすい手があったか!」
前言撤回。制御室なんて知るかゴルァ!
「ま、まずい!あいつら、この船を壊しにかかってやがる!」
ヴァル「地獄龍の鉄砕!」
フウロ「エレメント・ミリオン・ソード」
フセイ「ふっ......」
あれ?材質は木材なのに、壊れるどころか、焼け跡1つ付いてねぇ。
フセイ「木に見える見た目はフェイク。実際は、ザガル産の高い硬質性を持つ金属だ」
なるほどな。通りで焼け跡1つ付かねぇわけだ。船ごと破壊ってのは無理だな。
フウロ「金属か......」
ヴァル「素直に焼かせてくれねぇとかめんどくせぇな」
フウロ「めんどくさいな。だが、制御室とやらに行って、動力源を落とせばこの船は止まる。順序が増えただけだ」
ヴァル「10分以内に終わるか?」
フウロ「終わらせるんだ」
フセイ「貴様らに、この我を10分で倒せるかな」
フセイが、手の平に作り出したブラックホールから、デカすぎる斧を取り出す。奴の身長の3倍くらいは大きい。いや、大きすぎだろ。そんなん振り回せるわけねぇ......だが、グリードの話じゃ簡単に振り回してたらしいな。
ヴァル「隙を見て奥にってのは無理だな」
フウロ「1分でケリをつける。氷炎・爆炎剣!」
ヴァル「地獄龍の蹴撃!」
フセイ「ふんっ......!」
デッカイ斧の腹の部分に蹴りを入れるが、やっぱ重さには勝てねえ。簡単に弾き返されちまった。
ただ、その重さの代償として一振自体は遅い。
フウロ「ミリオンソード!」
ヴァル「地獄龍の咆哮!」
遠距離攻撃は、デカい斧を盾がわりにして防ぐ。だが、弾き返すことは出来ないようだ。
フウロ「ヴァル、ただひたすらに遠距離攻撃で攻め続けるぞ!」
ヴァル「おう!」
こりゃ、グリードなら苦戦するわな。あいつの咆哮は、地面をえぐり取るようにして撃ち、えぐり取った砂とか岩で攻撃してるんだから。炎とか剣は防ぐしかなくても、砂、岩は簡単に弾き返せそうだな。というのが、グリードでも苦戦した理由だと思うんだが、どう思う?
ヴァル「氷龍の咆哮!」
まあ、グリードが苦戦した云々はどうでも良くて、俺は奴が斧を振り上げられないように、試しに足場を凍らせてみる。
フセイ「それ如きで、我が武器が固まると思うな!」
だよな。あんな薄っぺらい氷じゃ簡単に剥せるよな。こんな事なら、氷魔法をもっと強化しときゃ良かった。ここで役に立たなくとも、どっかのタイミングで役に立つと思うし。
フウロ「雷炎・ミリオン・ソード」
ヴァル「地獄龍の咆哮!」
フセイ「っ......」
こいつ、炎に弱いな。いくらデッカイ斧であろうと、炎が当たれば横に拡がっていく。そのまま、何℃なのか測ったことねぇけど、かなりの高熱が伝わっているはずだ。
休む間なく、奴に炎を浴びせ続ける。これが、フセイの攻略法だ。
フセイ「......コードD119発動」
奴の斧に浴びせ続けていた炎が、急に水バケツでもかけられたかのように鎮火した。
フセイ「同じ攻撃を続けていれば、いつかは対処法が見つかる。貴様らの炎、全て消させてもらった」
斧が、無色透明の液体状になってやがる。なるほど。ただの水に炎を浴びせ続けても、炎は消えるだけだもんな。あの水がなんかの間違いで油とかになってくれたら良いのに。
フウロ「......!サンダーソード!」
何かを思いついたかのように、急に、フウロが雷の刃を走らせる。
フウロが剣先を向けたのは、フセイにではない。水と化した斧に向けてだ。何を思いついたんだ?
フセイ「グギャァァァァァァ」
情けない声と共に、フセイが崩れ落ちた。
フウロ「やはりな。水には雷。どこの世界に行っても通じる共通の属性相性だ!」
フセイ「ぐっ、あ、あぁ!」
余程痺れが強かったんだな。右手を押さえてゴロゴロと転がり回ってる。さっきまでの威勢のいい格好はどうしたのかね?
フセイ「き、貴様ら......」
ヴァル「地獄龍の鉄砕!」
フセイ「グァァァァァァ!」
フセイの立ち上がりざまに、思いっきりグーパンを喰らわす。すると、あら不思議。奴が痺れと火傷に苦しみながら空を飛んでいきましたとさ。
ヴァル「......あいつ、意外と弱点が多かったな」
フウロ「急ごうヴァル。制御室の内部なら、思う存分壊し尽くせるはずだ」
ヴァル「おう!」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ヴェルド「あらよっと」
シアラの水を固めて、水圧と共に飛行船に乗り込む。ヴァルとかフウロみたいに、飛んで行けれたら楽だったんだがな。生憎、そこまでのジャンプ力を俺は持ってねぇ。
グリード「よっとォ」
グリードは、俺達と同じように地面を盛り上げて飛行船に乗り込んできた。
船の上には、若干の火傷と切り傷を残した魔導士達が倒れ込んでいた。絶対あいつらだな。考えるまでもねぇ。
グリード「派手にやってんなァ。流石は、うちのギルド最強の剣士と暴れん坊だァ」
ヴェルド「何にせよ、内部に乗り込むには楽な道だ。さっさと行くぞ」
グリード「おう......って言いてェところだが、その女を離してから来いよォ」
シアラ「ヴェルド様と......一緒......」
ヴェルド「......」
もう、どうしたらいいんだろうな。俺には何も出来ねぇよ。離れろって言っても離れねぇし、こっちから逃げようにも執拗に追いかけて来やがるし......
ヴェルド「......まあいいや。引きずっても問題ねぇだろ」
グリード「......(女に対してその態度ってねェ)」
ヴェルド「なんか言ったか?」
グリード「いいや、何でもねェ」
ヴェルド「そうか、じゃあ行くぞ」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ミラ「こっちよ」
ダークソウルとの本格的な戦いが始まってから、私はミラさんに連れられて、よく分からない倉庫に連れてこられた。
ミラ「ここなら、あいつらにバレることはないと思うの」
まあ、どう見ても木材置いてるだけの倉庫だしね。こんなところを探りに来る人なんていないと思う。ヴァルほど鼻が良くなければの話だけど。
セリカ「ごめんなさい。ミラさん......私のせいで」
ミラ「謝る必要なんかないわ。1度だってセリカが悪い事をした、なんてことはないでしょ?」
セリカ「......でも、私がここのギルドにいなければ」
ミラ「そんな仮の話をしても意味ないのよ。セリカは私達のギルドを気に入って、ここで仲間になったの。それに、そんな事を気にしだしたら、何もかもが進まなくなるわよ?」
セリカ「......はい」
そうだよね。そんな、たらればの事を気にしてても、起きてしまったことはしょうがないもんね。それならそれで、私が責任を取らなければならないのだけれど......
ミラ「私がついてるから安心して。これでも、昔はグランメモリーズの化け猫って呼ばれてたくらいだから」
うー......ん?それは......強いのか?
よく分からない言い回しをされたけど、まあ、ミラさんは強いし、一緒にいれば安心だろう。うん。
外には、まだ飛行船を降りてきたような魔導士達はいない。多分、ヴァル達が止めてくれてるんだと思う。このまま、ダークソウルが、お父さんが手を引いてくれたら......
グリード「で、今日も今日とて集まった訳だがァ......」
ヴァル「あ"ぁ"......」
ヴェルド「はぁ......」
フウロ「......」
グリード「お前らァ、朝早くから集まるのはいいが、集まるなら集まるでもっとマシな頭持ってこいやァ」
ヴァル「そう言うお前だって何も思いついてねぇくせに......」
「「「 はぁ...... 」」」
あーあ、昨日の勢いはどっか紙飛行機にでも乗せて飛んじまったかァ......。まあ、予想通りな結末だったけどな。
セリカ「......なんか、ごめんね」
フウロ「セリカが謝ることではない......。これは、ギルドとギルドの戦いなのだからな......うん。そうだ」
ギルドとギルドの戦いねぇ......
正直、俺はそういう風には納得してねぇんだがなァ。最近はダラダラとして、何もねえ日常だとは思っていたが、こんな形の争いは食いたくねぇんだよなァ。
どうせ戦うなら、審判つけて、公式団体戦でも仕掛けてくれば何もねぇんだがなァ。お前ら、忘れてるかもしれねぇけど、これ終わったら始末書問題だぞ?いくら王都が大変な状況だからって、ギルド同士の争いが無視されるわけねぇんだよなァ。
ま、こいつらが、んな事を考えるわけねぇか。
ヴェルド「あーあ、ライオスかネイかのどっちかが都合よく帰って来てくれねぇかなぁ」
グリード「結局は他力本願かよォ。まぁ、気持ちは分かるがァ」
フウロ「守る守るって喚いたのに、なんだか情けない気持ちになってくるな」
ヴァル「つっても、ダークソウルってあの5つ子くらいだろ?強い奴らって」
ヴェルド「さぁな。俺達から攻め入った時は、骨のねぇ奴らばっかだと思っていたが、やっぱ5つ子の1人は強かったな。確か、ソウセイとか名乗ってやがったが、あのとんでもねえ長さの槍がヤバかったな」
グリード「おめェもか。俺はフセイとかいうでっけぇ斧を振り回す奴が相手だったぞォ。一言じゃ言い表せられないけど、なんかヤバい奴らだってのは分かったなァ」
あのクッソでけぇ斧を振り回してやがった男の顔は忘れねぇ。次来やがったら、今度こそ地に叩き落としてやる。つか、斧を振り回すとか危ねぇんだよォ。
ミラ「みんな!ダークソウルの奴らが来たわ!」
いよいよお出ましか。早かったな。
フウロ「どこからだ!」
ミラ「空よ!」
「「「 空? 」」」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
闇ギルドが、横の繋がりで兵器がうんたらかんたらという訳分からん話を聞いていたが、とにかくその兵器がヤバいものだっていうのだけはよーく分かった。
ヴェルド「おいおい、なんだあれは?」
皆、一様に口を阿呆みたいに広げて空を見上げている。
フウロ「所謂、飛行船というやつか......」
グリード「随分と高価......高価なんてもんじゃねえけどォ、すげぇもんを持ってやがるなァ」
確かにすげぇ......いや、本当にすげぇとしか言えない。
ダークソウルって、本当に何もんなんだ?ただの闇ギルドじゃねぇだろこれ。
......やっぱ、殺し系の依頼って、儲かるのかな。
ヴァル「ダメだダメだ。んな事考えるな」
俺達は、あくまで人のため、世のために仕事をするんだ。殺しはそこに含まれない。あいつらとは違うんだ。
『グランメモリーズに宣告する。セリカ・ライトフィリアをこちらへ引き渡せ。さすれば、争うことなく、我らは退散する』
誰が渡すかってんだ。答えはNOだ!
『こちらの要求を無視する場合、我らはこの街一帯ごと破壊する』
ヴァル「街の破壊?」
フウロ「恐らく、船の先端に付いている大砲で何かをするつもりだろうな。あの部分だけにマナが集まっているのがよく分かる」
汚ぇ野郎共だ。街を人質にか......
『10分間、貴様らに考える猶予を与えよう』
短っ......!もっと待つだろ普通......
ヴェルド「どうすんだ?街が人質だぞ?」
ヴァル「......面白ぇ。10分以内に奴らをボッコボコにしてやる」
ヴェルド「お、おいお前......!」
フウロ「ヴェルド、多分だが、この10分はあの大砲にマナエネルギーを集める時間だと思う。ヴァルの言う通り、10分以内に方をつければ万事解決だ!というわけで私は行く!」
ヴァル「あ、抜け駆けすんな!」
フウロが飛行船に向けて飛んで行ったのに追いつくように、俺も足に火を灯して空を飛ぶ。
ヴェルド「そんな勘だけを頼りに行って大丈夫なのかよ......」
グリード「んまぁ、あいつらの事だ。本気で10分以内に終わらせるつもりだァ。てぇことで、俺も行くぞゴルァ!」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「敵襲ー!グランメモリーズより2名がこっちに飛んでくるぞー!」
フセイ「総員、戦闘準備。奴らを制御室にまで近づけるな」
「「「 了解! 」」」
ヴァル「制御室がなんだと地獄龍の咆哮!」
フセイ「......っ!」
「「「 グギャァァァァァァ! 」」」
制御室か......そこに、このエネルギー砲と飛行船を動かすための動力が集まってんだな。ギリギリで聞こえて良かったぜ。
ヴァル「フウロ!制御室まで行くぞ!」
フウロ「そんな事をしなくとも、この飛行船自体を壊してしまえば万事解決だ!」
ヴァル「そうか!そんな分かりやすい手があったか!」
前言撤回。制御室なんて知るかゴルァ!
「ま、まずい!あいつら、この船を壊しにかかってやがる!」
ヴァル「地獄龍の鉄砕!」
フウロ「エレメント・ミリオン・ソード」
フセイ「ふっ......」
あれ?材質は木材なのに、壊れるどころか、焼け跡1つ付いてねぇ。
フセイ「木に見える見た目はフェイク。実際は、ザガル産の高い硬質性を持つ金属だ」
なるほどな。通りで焼け跡1つ付かねぇわけだ。船ごと破壊ってのは無理だな。
フウロ「金属か......」
ヴァル「素直に焼かせてくれねぇとかめんどくせぇな」
フウロ「めんどくさいな。だが、制御室とやらに行って、動力源を落とせばこの船は止まる。順序が増えただけだ」
ヴァル「10分以内に終わるか?」
フウロ「終わらせるんだ」
フセイ「貴様らに、この我を10分で倒せるかな」
フセイが、手の平に作り出したブラックホールから、デカすぎる斧を取り出す。奴の身長の3倍くらいは大きい。いや、大きすぎだろ。そんなん振り回せるわけねぇ......だが、グリードの話じゃ簡単に振り回してたらしいな。
ヴァル「隙を見て奥にってのは無理だな」
フウロ「1分でケリをつける。氷炎・爆炎剣!」
ヴァル「地獄龍の蹴撃!」
フセイ「ふんっ......!」
デッカイ斧の腹の部分に蹴りを入れるが、やっぱ重さには勝てねえ。簡単に弾き返されちまった。
ただ、その重さの代償として一振自体は遅い。
フウロ「ミリオンソード!」
ヴァル「地獄龍の咆哮!」
遠距離攻撃は、デカい斧を盾がわりにして防ぐ。だが、弾き返すことは出来ないようだ。
フウロ「ヴァル、ただひたすらに遠距離攻撃で攻め続けるぞ!」
ヴァル「おう!」
こりゃ、グリードなら苦戦するわな。あいつの咆哮は、地面をえぐり取るようにして撃ち、えぐり取った砂とか岩で攻撃してるんだから。炎とか剣は防ぐしかなくても、砂、岩は簡単に弾き返せそうだな。というのが、グリードでも苦戦した理由だと思うんだが、どう思う?
ヴァル「氷龍の咆哮!」
まあ、グリードが苦戦した云々はどうでも良くて、俺は奴が斧を振り上げられないように、試しに足場を凍らせてみる。
フセイ「それ如きで、我が武器が固まると思うな!」
だよな。あんな薄っぺらい氷じゃ簡単に剥せるよな。こんな事なら、氷魔法をもっと強化しときゃ良かった。ここで役に立たなくとも、どっかのタイミングで役に立つと思うし。
フウロ「雷炎・ミリオン・ソード」
ヴァル「地獄龍の咆哮!」
フセイ「っ......」
こいつ、炎に弱いな。いくらデッカイ斧であろうと、炎が当たれば横に拡がっていく。そのまま、何℃なのか測ったことねぇけど、かなりの高熱が伝わっているはずだ。
休む間なく、奴に炎を浴びせ続ける。これが、フセイの攻略法だ。
フセイ「......コードD119発動」
奴の斧に浴びせ続けていた炎が、急に水バケツでもかけられたかのように鎮火した。
フセイ「同じ攻撃を続けていれば、いつかは対処法が見つかる。貴様らの炎、全て消させてもらった」
斧が、無色透明の液体状になってやがる。なるほど。ただの水に炎を浴びせ続けても、炎は消えるだけだもんな。あの水がなんかの間違いで油とかになってくれたら良いのに。
フウロ「......!サンダーソード!」
何かを思いついたかのように、急に、フウロが雷の刃を走らせる。
フウロが剣先を向けたのは、フセイにではない。水と化した斧に向けてだ。何を思いついたんだ?
フセイ「グギャァァァァァァ」
情けない声と共に、フセイが崩れ落ちた。
フウロ「やはりな。水には雷。どこの世界に行っても通じる共通の属性相性だ!」
フセイ「ぐっ、あ、あぁ!」
余程痺れが強かったんだな。右手を押さえてゴロゴロと転がり回ってる。さっきまでの威勢のいい格好はどうしたのかね?
フセイ「き、貴様ら......」
ヴァル「地獄龍の鉄砕!」
フセイ「グァァァァァァ!」
フセイの立ち上がりざまに、思いっきりグーパンを喰らわす。すると、あら不思議。奴が痺れと火傷に苦しみながら空を飛んでいきましたとさ。
ヴァル「......あいつ、意外と弱点が多かったな」
フウロ「急ごうヴァル。制御室の内部なら、思う存分壊し尽くせるはずだ」
ヴァル「おう!」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ヴェルド「あらよっと」
シアラの水を固めて、水圧と共に飛行船に乗り込む。ヴァルとかフウロみたいに、飛んで行けれたら楽だったんだがな。生憎、そこまでのジャンプ力を俺は持ってねぇ。
グリード「よっとォ」
グリードは、俺達と同じように地面を盛り上げて飛行船に乗り込んできた。
船の上には、若干の火傷と切り傷を残した魔導士達が倒れ込んでいた。絶対あいつらだな。考えるまでもねぇ。
グリード「派手にやってんなァ。流石は、うちのギルド最強の剣士と暴れん坊だァ」
ヴェルド「何にせよ、内部に乗り込むには楽な道だ。さっさと行くぞ」
グリード「おう......って言いてェところだが、その女を離してから来いよォ」
シアラ「ヴェルド様と......一緒......」
ヴェルド「......」
もう、どうしたらいいんだろうな。俺には何も出来ねぇよ。離れろって言っても離れねぇし、こっちから逃げようにも執拗に追いかけて来やがるし......
ヴェルド「......まあいいや。引きずっても問題ねぇだろ」
グリード「......(女に対してその態度ってねェ)」
ヴェルド「なんか言ったか?」
グリード「いいや、何でもねェ」
ヴェルド「そうか、じゃあ行くぞ」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ミラ「こっちよ」
ダークソウルとの本格的な戦いが始まってから、私はミラさんに連れられて、よく分からない倉庫に連れてこられた。
ミラ「ここなら、あいつらにバレることはないと思うの」
まあ、どう見ても木材置いてるだけの倉庫だしね。こんなところを探りに来る人なんていないと思う。ヴァルほど鼻が良くなければの話だけど。
セリカ「ごめんなさい。ミラさん......私のせいで」
ミラ「謝る必要なんかないわ。1度だってセリカが悪い事をした、なんてことはないでしょ?」
セリカ「......でも、私がここのギルドにいなければ」
ミラ「そんな仮の話をしても意味ないのよ。セリカは私達のギルドを気に入って、ここで仲間になったの。それに、そんな事を気にしだしたら、何もかもが進まなくなるわよ?」
セリカ「......はい」
そうだよね。そんな、たらればの事を気にしてても、起きてしまったことはしょうがないもんね。それならそれで、私が責任を取らなければならないのだけれど......
ミラ「私がついてるから安心して。これでも、昔はグランメモリーズの化け猫って呼ばれてたくらいだから」
うー......ん?それは......強いのか?
よく分からない言い回しをされたけど、まあ、ミラさんは強いし、一緒にいれば安心だろう。うん。
外には、まだ飛行船を降りてきたような魔導士達はいない。多分、ヴァル達が止めてくれてるんだと思う。このまま、ダークソウルが、お父さんが手を引いてくれたら......
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王太子ロイは、かつて二度の革命によって祖国を崩壊させてしまった過去を持つ。命を落とすたび、彼はある時点へと巻き戻される。そして今、三度目の人生が静かに幕を開けようとしていた。
――自分は民を理解しているつもりだった。
だが実際には、その表面しか見えていなかったのだ。
その痛烈な自覚から、物語は動き始める。
革命を回避するために必要なのは、制度でも権力でもない。「人を知る」ことこそが鍵だと、ロイは気付く。
彼はエコール学園での生活を通じ、身分も立場も異なる様々な人間と深く関わっていく。
そこで出会う一人ひとりの想いと現実が、やがて国の未来を大きく左右していくことになるとは、この時のロイはまだ知らない。
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