グランストリアMaledictio

ミナセ ヒカリ

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最終章 【創界の物語】

最終章24 【失うということ】

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 不気味な笑みと殺気が入り交じる。黒服の男が色の無い影の軍団を作りだす。

 全く、厄介なことの中心にいるのは慣れっこだが、ここまで執拗に命を狙われるのは初めてだ。ーーでも、不思議と怖いなんて感情は湧いてこない。なぜならーー

ヴァル「だーっもうめんどくせぇ奴らだな。ちょっとは大人しく出来ねぇのかよ!」

 隣で愚痴を吐きつつも狂軍を並べる私の相棒、ヴァルがいる。隣に誰かがいてくれるというのは、これほどまでに頼もしいことなのだ。

 相手は1人。ライザと同じように、花弁で包み込んでやる。

「ヴァル、私が花弁で動きを封じます」

ヴァル「分かった。俺は花弁ごと燃やし尽くす炎だな!」

 ヴァルが拳を打ち付けて音を鳴らし、真っ赤な炎をまとってジーダに突っ込む。私は後ろから剣を振り、花弁を巻き上げる。そうして私達以外には誰も入って来れない空間を形成する。

 ライザのように無謀な攻めをして来るのであれば楽なのだが、こいつはそんな事をしないだろう。して来たらむしろ驚く。

ジーダ「これはこれは、折角お仲間がたくさんいるというのに、あなた達2人だけでやろうと言うのですかな?」

「ーーバカにしない方がいいですよ。こちら、神になりたての神様と自堕落で疲労は溜まりやすいけど一応神様のコンビですから」

ヴァル「字面だけ見たら無茶苦茶不安になるな、それ」

「大丈夫ですよ。神様が2人もいるんですから」

 ヴァルの攻撃に合わせ、花弁でジーダの防御を邪魔する。すると、業火の如く熱い炎がジーダの鼻っ面に爆発を起こさせる。ーーただ、ジーダはその寸前に色無き影と位置を入れ替え攻撃をかわしている。

 流石に、転移にまで対応することは難しい。花弁で囲っていると言うのに、外にある影にまで逃げられるものだから、一々花弁で囲い直す作業がめんどくさいったらありゃしない。

ジーダ「2人、妬ましく愛を育む者共の攻撃も、私を前にすれば無力に等しい。私の影は無限。無限の嫉妬から私は力を得る。ああ、妬い嫉い妬い嫉い妬い嫉い!!」

 言葉を発しているうちに、エンジンにでも火が点いたのか、ジーダから真っ暗な影が生まれる。それと同時に、ジーダの口調も丁寧なものから謎にブチ切れをかましたような口調になり、周りの色無き影達にも赤いオーラのようなものが現れる。

 魔法は感情から出来ているとは言うが、ここまで感情を露わにする例は中々見ない。むしろ、感情無しでバカみたいに強い魔法を使う人ならたくさん見る。あれは無自覚な自尊心があるからってのが理由だけど、まあそれでも意識してないんだから凄いよねって話。私には適わないけど。

ジーダ「妬い嫉い妬い嫉い妬い嫉い妬い嫉い!」

ヴァル「頭が痛くなんな……。俺、あいつには散々翻弄されたんだよな」

「確かにあんな精神異常者をまともに相手してたら頭おかしくなりますよ。ーークイーンフラウォール」

 流石に状況を察してヴァルがこちらに戻ってくる。私も、花弁で囲うのをやめ、代わりに私達の前に花弁の壁を作る。

ジーダ「あぁ妬い。私の嫉妬心が燃え上がる……」

 影が物凄いスピードで壁にぶち当たってくる。物理的な衝撃はなく、代わりに心に強くかかる負荷がある。

 強い嫉妬心が心を抉りとる。私の世界の花畑が淀んだ空に変わりそうになる。それを必死で排除し、綺麗な空に戻す。

「っ……!はっ!」

 吐き貯めていた息を、血反吐と一緒に吐き出す。花弁が崩れ落ち、枯れ果てたように散っていく。

ライザ「だーっクソっ。油断してたぜ」

 ライザを包み込んでいたはずの花弁も散ってしまった。

ジーダ「ライザ。次はありませんよ……」

ライザ「わーってるって!クソっ」

 ライザがボキボキと拳を鳴らしながら近づいてくる。ジーダは色無き影を作り出し、さっきまで私が花弁で囲んでいたようにして影を並べる。

ヴァル「ネイ、大丈夫か」

 担がれるようにして持ち上げられ、ヴァルが火を灯して空に逃げる。激しい揺れのせいで胃の中にあるものがまた出てきそうになる。

「ヴァル、金髪の方はどうでもいいけど、あの影を作り出して奴には手を出さない方がいい」

ヴァル「何でだ……って聞きたいところだが、見てたから分かる」

「ーーあいつの影、まともに喰らったら世界壊されます。私以外に世界を壊せる人なんていないと思ったのに……しかも、相手はただの人間」

ヴァル「なるほどな。ーーネイ。一旦体制を立て直した方がいいんじゃないか?」

「立て直すってどうやってですか?」

 ヴァルが私になるべく負荷がかからないよう着地し、崩れたギルドの手前にまで戻ってくる。

ヴァル「あいつら、転移でどっかに飛ばせねぇか?」

 あー、なるほどそういう事ですか。

「ヒカリちゃんいますー?」

ヒカリ「はーい、いるわよ~って、あんたら2人でどうにかなるんじゃなかったの」

「流石に世界壊しに来る敵が相手となれば私は不利になりますよ。直に精神に触れてくるヤベー奴ですからね」

ヒカリ「何それキモっ」

「あっちの金髪はどうにかなるんで、もう1つのキモい方にターゲットを絞ります」

ヒカリ「分かったわ」

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

ジーダ「あぁ、嫉い妬い嫉い妬い嫉い妬い嫉い妬い!」

 その怪文書みてぇな呪文(?)もどうにかならねぇかな。

ネイ「ヴァル、頼みますよ」

 ネイとヒカリが左右に散り、軽々とした跳躍力で屋根の上を伝ってジーダを三角に取り囲む。ライザに関しては本当にウザイほど暴言を吐いてネイを付け狙っているが、またしても花弁のカウンターを喰らい、戦闘不能状態へとなっていた。バカだな、あいつ。

「ーーテメェら光楼宗に関わるのもこれで最後にしたいな」

 拳に炎を灯す。左足を後ろに下げ、グッと力を込めて踏ん張る。硬い地面を抉りとるほどに力を入れ、俺は一気に駆け出す。そして、ジーダの目の前に来たところで高く飛ぶ。

「極龍王の狂陣!」

 拳から地面に流れる炎が奴を囲い、高い壁を作り出す。色無き影達が外に出ようとすると、ジュッという肉が焼けるような音がして消えていく。攻撃が効かねぇはずだったが、なんか燃えたな。まあ、ラッキーってことにしとくか。

ジーダ「あぁ、私の影が……影が……」

「よっしゃ、チャンス来た!」

 ジーダが怯んだ隙に拳を1発腹に当てて空に打ち上げる。

ネイ「ナイスです!ヴァル」

 ネイがジーダの下に回り込み、オマケのもう1発として剣撃を入れる。そして、ヒカリとネイの2人がジーダが飛んでいく方向に巨大な異空間への扉を開き、ジーダは為す術なくそれに吸い込まれていった。

「よし、次はーー」

ライザ「ちっ、クソが!」

 花弁で包み込まれたライザも打ち上げようと、奴がいた場所に目をやる。すると、なぜか花弁から解放されたライザが忌々しそうにこっちを睨みつけた後、即座にどこかへと去ってしまった。

「あ、待てゴルァ!」

 慌てて後を追いかけるが、奴は煙幕のようなものを広がせ、姿を完全に眩ませた。もしかしたらどこかに隠れて奇襲を狙ってるって可能性もあるが、匂いがどこにもないのでそれは無いだろう。

ネイ「すみまーー」

 空からネイが落下してきて、俺は反射で飛び上がってネイを抱き止める。小さな呼吸の音をこぼし、完全に眠りに入ってしまったようだ。

ヒカリ「後もう少しであいつも退場させられたのに、タイミングが悪いわね」

「ああ。でも、あの野郎だけでも飛ばせたのはデカいだろ」

ヒカリ「まあそうね。自分という存在以外には何も無い世界に送り込んでやったから、1時間としないうちに多分死んでるわよ」

 怖ぇな、その空間。そこにアポカリプスも送り込んだっていうのに、あいつはどうやって耐えたんだよ……。

ヒカリ「あーあ、折角建て直したのに、またギルドが壊れちゃった。どうする?」

「俺に聞かれても困る」

 まあ、どうせそのうち気付いたら建て直されてんだろうけどとは思う。

フウロ「終わったか、ヴァル」

 物陰に隠れていた皆がゾロゾロと現れ、皆一様にしてギルドを眺めてはため息をこぼす。

「ーーまだ始まったばっかだ。あの野郎は飛ばせたが、金髪のライザとかいう奴には逃げられちまったし、他にもまだいるに違いねぇ」

ライオス「だろうな。ーーこの街の地下に拡がっていたあの謎の施設。そこに奴らがいると思う」

 ライオスが崩れたギルドにゆっくりと近づき、ドカッとしゃがみ込む。

ライオス「デン。ここの瓦礫を一掃してくれ」

デン「分かりました、ライオスさん」

 モb……操縦魔法を使うデンが山積みになっていた瓦礫をどかす。するとーー

フウロ「まさか、うちの地下にも拡がっていたとはな……」

ヴァハト「気付かんかったのう……。ライオス達が度々調査をしてくれてたというのに」

 ギルドには地下室が前々から普通にあったが、それよりも更に地下の方に、あの謎の施設の通路が拡がっていた。いきなり地下から現れたとは思ったが、こういう事だったのか。

「今攻めたら敵いるかな?」

フウロ「いるだろうな」

ヒカリ「マナの流れを辿れば何人いるか大体分かるけど」

「んじゃ頼む」

 ヒカリが地面に左手を当て、目を閉じ右耳に手を当てる。そして、数分ほど経ち、ヒカリが顔を上げた。

ヒカリ「ーー1人だけいるわ」

「? 1人?」

 記憶が正しけりゃ、無茶苦茶広い施設に巨人みてぇなデカさの奴がたくさんいたはずなんだが……

ヒカリ「……ただ、その1人はこの街だけに絞った場合の話」

「それってつまり……」

ヒカリ「……イーリアス。ラグナロク。そしてグランアーク王都。この三国に邪龍が現れてる」

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

「くっ……そ……」

 杖代わりにしていた剣が崩れる。いや、崩れたのは俺の腕の方だ。剣は折れていない。折れてしまったのは、俺の心と腕だけだ。

エクセリア『大丈夫ですか?クロム』

「これしきで……」

 折れた右腕の代わりに左腕で剣を持ち、力の入らない両足を無理矢理踏ん張らせて立ち上がる。

 目を開けば見えてくるのは燃え盛るイーリアスの街。そして、どこに目を向けても必ず映り込んでくる死体の数々。俺の部下や、毎朝の見回りで出会う民など、大切に思っていた人だけしか映り込んでこない。

 何が……何がどうしてこうなったんだ……

「あぁ、あぁ、なんと悲しい。哀しい……」

 俺の目の前に無傷な少女が現れる。10歳かそれくらいの身長と体型で、髪は銀色。そして背中には大きな羽と尻尾がある。ーー見間違うことのない"龍人"だ。龍人は世界からの嫌われ者。解釈は違うが、その心情に今なら同情できる。

「あなたも私にそんな目を向けますか。イーリアスの聖王、クロム・ウェル・イーリアス」

「っ……何者だ……お前は」

 震える唇。熱く撫でてくる熱風。そしてズキズキと攻めてくる頭痛。その全てを我慢して口を開く。無理にでも虚勢を張り、決して相手に侮られないようにする。

「申し遅れました。私、アイリ・ステライルグと申します。そして、光楼宗悲嘆の席に座る者。いえ、光楼宗の頂点に立つ者と言えば良いでしょうか?」

 ーー何を言っているのかが全然分からん。ただ、敵であるということは理解出来た。

「殺意を覚えたのは……一体いつぶりだろうな」

 胸に沸きあがるこのどす黒くて重々しい感情を、殺意と呼ばずして何と呼ぶのだろうか。俺は今、殺意に満ちている。奴を、奴を殺したくてたまらない。

「すまない、姉さん。どうやら俺に聖王という肩書きは不似合いすぎたらしい」

 聖なる王は姉さんにこそ相応しい。もう一度あの席に座れば辛いことが待っているだなんて考えたが、その辛いことは全部俺が引き受ければいい。

 この手を真っ赤に染めあげ、足も洗えぬほどに血を浴びて、俺は守りたいものだけを守り抜く。それこそが、俺という存在なんだ。

「アラン、メイ、フェリシア、バアル、メノア、ロイ、ルーダ、ラグエ、サラ、ダギル、ラヴァン、リーシア……」

 皆……皆死んでしまったんだな。ろくな活躍も出来ず、俺と姉さんを守るためだけに死んで行った。弔いをしてやりたいのに、この惨状がそれを許してくれない。

 空に吠えるはかつての邪龍・フェノン。そして、地上で無慈悲な笑みを浮かべるは光楼宗の長。ーーなぜフェノンが、と誰かに聞きたいところだが、答えてくれそうな奴は目の前のあいつくらいしかいない。

アイリ「ああ、なんと悲しそうな目をしていらっしゃるのでしょうか。でも安心してください」

「何も……何も……!」

アイリ「私が、あなたを優しく殺して差し上げます。ふふっ」

 慈愛に満ちた笑み。俺の心を折らせにかかる。

 ーー1度折れてしまった心。もう、折れるところはないはずなのに、俺の心はどこか恐怖に怯えている。

「何も……かも……失ってしまったからか……」
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