287 / 434
第0章 【グラン・ゼロ・ストーリー】
第0章5 【大自然の国】
しおりを挟む
潮風が頬を優しく撫でる大海の青空。その下で金色の髪を美しく靡かせる少女は誰でしょう?そう、私ゼラです!(これ、ちょっと言ってみたかったんですよね~)
さて、昨日は私が眠気に負けてしまい、一切あの街を観光出来ませんでしたが、本日は違います。これから訪れるステイネスという街をバッチリ視察してやります!と、思ったのですが......
ラウス「あちゃー、こりゃダメだな」
と、まだ港の様子も薄らとしか見えない距離からラウスがそう言います。
「ダメって何がですか?」
モルガン「嬢ちゃん、見えるか?あの黒い煙」
黒い煙?
確かに......薄らとは空に立ち昇っていく煙っぽいのが見えますが......
ラウス「あの街はな、昔からああやって度々内乱みたいなのが起きてるんだ。んで、朝っぱらからあんなに煙が上がってるとなると......」
モルガン「今日は一段と危険。そういう事だ」
「なるほど」
事情ありといったところですね。しかし、そうなればどうするべきなのでしょうか?
ラウス「仕方ないな。ラルレア王国にでも行くか?」
モルガン「あそこか。確かに、当てがあっても良さそうだな」
「ラルレア王国?」
また聞いたことのない国の名前......まあ、当たり前なんですけど。
モルガン「自然王と呼ばれるナトレ国王が建国した、まあ名前から分かるだろうが、緑溢れる小さな国だ」
「ほう」
自然の国ですか。面白そうですね。
ラウス「航路変更だな。シャウトに伝えてくる」
モルガン「おう」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
それから1時間ほど波に揺られ、私達の船は無事に......辿り着けたら良かったのですが、ここで問題事が1つ発生。
「テメェら、シージュアルの賊共だなぁ?命惜しけりゃ船捨ててどっか行きな」
これが本当の海賊というやつですか......。早く自然王国に行きたいというのに、厄介なものに絡まれたものです。
(一応聞いとくんですけど、彼らは?)
ラウス(本物の海賊だ。俺らトレジャーハンターと違って、あいつらは俺らみたいな船を襲って金を得る。まあ、下衆共って覚えとけ)
なるほど、下衆ですか。まあ、そこら辺はどうでも良くて、問題は彼らをどうするかですよね。
この船は、シージュアルにある他のものと比べて一回りくらい小さい船です。まあ、私達4人が乗る分には普通に広い方なのですが、海賊達が一斉に乗り込んでくると、かなり狭く感じます。
うーん、戦うしかないのでしょうけど、あまり派手にやりすぎるとこの船が沈んでしまいます。どうにかして穏便に済みませんかねぇ。
ラウス「しゃあねぇ。おい、ゼラ。船を捨てるぞ」
「......?え?捨てるんですか!?」
モルガン「こうなった以上、捨てるしかあるまい。だからこの辺りには近づきたくなかったんだがな」
シャウト「すまんな」
「おうおうおう!往生際が良くて助かるぜ!」
ラウス「んじゃ、ゼラ目閉じてろよ!」
私の小さな体では何をすることも出来ずーー怪力設定なんて、この頃は一切自覚してませんーー、そのままラウスに抱えられて海に落ちました。そして、後に続くようにしてモルガンとシャウトも飛び込んできました。3人が私の体を守りながら泳いでくれたおかげで、溺れるとかそういう事はなく、近くの小島にまで無事にたどり着けました。
《ドーーーーン!》
と、島にたどり着くと同時に、私達の船が爆発し、大海原の上を火の海へと変えるのが見えました。
ラウス「タダで渡すわけねぇだろ。テメェら賊は海の上でもずくになってろってんだ」
「ど、どういう事ですか?」
ラウス「いやな、俺も後からシャウトに聞かされたことなんだがーー」
シャウト「マスターからの仕事だ。最近、ここいらの海で悪さをしている海賊がいると。で、そいつらを焼くなり煮るなりして痛い目に遭わせてほしいとのことだった」
モルガン「船の中に大量の火薬があるから、何事かと思っておったが、マスターの言い出すことはいつも派手なことばかりだ。ハッハッハっ!」
うーん?何が何だかよく分かりませんね。お仕事ってことで良いのでしょうか?
ラウス「ああやって悪い奴らが燃えてる姿を見るってのは、いつ見ても清々しいもんだぜ。まあ、俺らの船を犠牲にしてるんだが」
「それはいいのですが、これからどうするんですか?聞いたところ、かなり計画的だったと思いますけど」
シャウト「迎えの船が来る手はずになってる。狼煙を上げていれば気付いてくれるらしい」
モルガン「というわけで、俺はこれから燃やすためのものを集めてくる」
モルガンは1人、小さな島の中心へと行きました。といっても、こんなに小さな島なのですから、数分と経たずに帰ってくるでしょうね。にしても、世の中悪い人たちはたくさんいるものなんですね。そんな人たちを、自分たちの船を犠牲にしてまで殺しちゃうのはどうかと思いますけど。
シャウト「一応お前らに詳しいことを伝えておくが、あの国に接近しようとしたのは」
ラウス「奴らを挑発するためだろ。んで、航路を上手いこと調整してあいつらが来るのを待つ。で、見事挑発に乗った奴らが船に乗り込んだらマスターの指示通りに爆発させる。ったく、船だってそんな安くねぇんだぞ」
「そうまでして彼らを殺す価値ってあったんですかね?」
シャウト「奴らが今までに襲ったところの被害額は、ざっと見積もって金貨8000枚程度にはなる。まあ、これは金で換算しただけだが、実際は人殺しも多数だからもっとあるだろうな」
「わ~お」
この世界での金貨がどれだけの価値かは分かりませんが、相当被害が多いということでいいのでしょう。それならば、彼らを爆殺しても仕方ないのでしょうね。口で言って聞くような奴らでは無さそうでしたし。
モルガン「持ってきたぞ~」
ラウス「んじゃ、早速火を付けて船を呼びますか」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
その後、火を起こすのには苦戦をしましたが、無事に狼煙を上げることができ、ものの数分でやって来た大きな船に私達は乗り込みました。船内には結構な数の人がおり、彼ら全員が整えられた服装をしていることから、結構なお偉いさんの船なのかな?と私は思いました。
私のその考えは間違っていなかったらしく、彼らは自然王国から直々に派遣されて来た兵士たちってことで、ここに来てあのマスターの周到さを思い知りました。
(全てはマスターの手のひらの上、というわけですか)
広い船内で濡れた服を着替え、シャワーというものを浴びてから私は開かれた船首に出ました。
「わぁ~あれが自然王国~」
船首から見える緑溢れる大地。ここからでも見えるほど......見えるほど?
いえ、見えてくるのはほぼ森です。私が住んでいたあの島よりも自然が凄いです。そんなところに国なんてあるんですかね?
「うーん?あんな所に国を建てようなんて考えた国王様......どんな人なんですかね」
「ハハハ。あなた様もそう思いますか」
......?誰ですか?私の独り言に反応をしてきたのは。
「おっと失敬。私、この船の船長をしております。『ガメラ』と申します」
私に話しかけてきたのは、白髪の生え始めた初老の男性でした。普段から潮風に当たっているせいでしょうか?目の下が若干赤くなっています。
ガメラ「我らが国王は自然を愛する御方。昔昔、あの地には自然というものなどないに等しかったのですぞ」
「へー」
興味ないですね。私は今を知れたらそれで十分です。行くことの出来ない過去の世界など興味の欠片もありません。
ガメラ「あの自然は見ていて大変癒されるものとなっております。お客人も、我らが王と謁見される前に、1度、あの大自然を堪能してください」
「謁見?」
え?国王に会うってことですか?私たちが。そんな話一切聞いてませんけどね。ラウス達なら何か知ってるでしょうか?
私はラウスたちに話を聞こうと船内を歩き回りますが、この船は思った以上に複雑で、あちらこちらで船員の姿を見ることはあっても、ラウス達を見つけることができません。なんでですかね?彼らはどこに行ってしまったのでしょうか?
あっち行ってこっち行ってを繰り返してるうちに、私は1つの大きな部屋にたどり着きました。大きな機械音がします。多分、エンジン室というやつですかね?知りませんけど。
「うーん?これでは私が迷子になってしまいましたかね?ラウス達を探していた筈なのに、気づけばよく分からない部屋。大人しく、遠目から自然王国を眺めて待っているべきだったでしょうか?」
そう口では言うものの、生まれて初めて見る機械というものに私は興味津々で、適当にブツブツと言いながら部屋の中を探索していました。もちろん、触れば壊れるかもしれないということを知っているので、気になっても見ているだけに留めておきます。後で聞けばいい話ですし。
「......?今、人の気配を感じたような......」
適当に見て回ってただけですが、今確かに視界の隅に人の姿が映ったような気がします。
グルっと部屋を一周して、私は何かにつまづいて転んでしまいました。
「きゃぁっ!」
危ない危ない。もう少し角度が悪ければ、鉄の棒に頭をぶつけてしまうところでした。
「......誰......ですか?」
今、私がつまづいたのは人の足でした。それで、その足の上を見ると、10歳くらいの男の子がいました。
「う、うわぁぁぁぁぁぁ!!!」
私が気づくのと同時に、男の子は叫び声を上げながら部屋を飛び出していきました。
「何だったのでしょう?」
よく分かりませんけど、船の速度が落ち始めてることから、もうそろそろ接岸の頃だろうと思い、私は複雑な船内を上へ上へと上がってなんとか元の場所へと戻ることが出来ました。すると、もう既に、探していたばの3人が集まっていました。
やっぱり、待ってるのが正解だったんですね。
ラウス「どこ行ってたんだ?」
「うーん?探索してました」
シャウト「あんまり動き回るなよ。俺達の船とは勝手が違うんだ」
「分かっています」
私は、さっきの男の子のことを話そうかとも悩みましたが、それより先に自然王国の鮮明な姿が見えてきて、その景色に見惚れているうちに、すっかりと忘れてしまいました。
「「 ようこそ!自然王国ラルレアへ! 」」
こうして、私の冒険譚第2章が幕を開けたのです。
さて、昨日は私が眠気に負けてしまい、一切あの街を観光出来ませんでしたが、本日は違います。これから訪れるステイネスという街をバッチリ視察してやります!と、思ったのですが......
ラウス「あちゃー、こりゃダメだな」
と、まだ港の様子も薄らとしか見えない距離からラウスがそう言います。
「ダメって何がですか?」
モルガン「嬢ちゃん、見えるか?あの黒い煙」
黒い煙?
確かに......薄らとは空に立ち昇っていく煙っぽいのが見えますが......
ラウス「あの街はな、昔からああやって度々内乱みたいなのが起きてるんだ。んで、朝っぱらからあんなに煙が上がってるとなると......」
モルガン「今日は一段と危険。そういう事だ」
「なるほど」
事情ありといったところですね。しかし、そうなればどうするべきなのでしょうか?
ラウス「仕方ないな。ラルレア王国にでも行くか?」
モルガン「あそこか。確かに、当てがあっても良さそうだな」
「ラルレア王国?」
また聞いたことのない国の名前......まあ、当たり前なんですけど。
モルガン「自然王と呼ばれるナトレ国王が建国した、まあ名前から分かるだろうが、緑溢れる小さな国だ」
「ほう」
自然の国ですか。面白そうですね。
ラウス「航路変更だな。シャウトに伝えてくる」
モルガン「おう」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
それから1時間ほど波に揺られ、私達の船は無事に......辿り着けたら良かったのですが、ここで問題事が1つ発生。
「テメェら、シージュアルの賊共だなぁ?命惜しけりゃ船捨ててどっか行きな」
これが本当の海賊というやつですか......。早く自然王国に行きたいというのに、厄介なものに絡まれたものです。
(一応聞いとくんですけど、彼らは?)
ラウス(本物の海賊だ。俺らトレジャーハンターと違って、あいつらは俺らみたいな船を襲って金を得る。まあ、下衆共って覚えとけ)
なるほど、下衆ですか。まあ、そこら辺はどうでも良くて、問題は彼らをどうするかですよね。
この船は、シージュアルにある他のものと比べて一回りくらい小さい船です。まあ、私達4人が乗る分には普通に広い方なのですが、海賊達が一斉に乗り込んでくると、かなり狭く感じます。
うーん、戦うしかないのでしょうけど、あまり派手にやりすぎるとこの船が沈んでしまいます。どうにかして穏便に済みませんかねぇ。
ラウス「しゃあねぇ。おい、ゼラ。船を捨てるぞ」
「......?え?捨てるんですか!?」
モルガン「こうなった以上、捨てるしかあるまい。だからこの辺りには近づきたくなかったんだがな」
シャウト「すまんな」
「おうおうおう!往生際が良くて助かるぜ!」
ラウス「んじゃ、ゼラ目閉じてろよ!」
私の小さな体では何をすることも出来ずーー怪力設定なんて、この頃は一切自覚してませんーー、そのままラウスに抱えられて海に落ちました。そして、後に続くようにしてモルガンとシャウトも飛び込んできました。3人が私の体を守りながら泳いでくれたおかげで、溺れるとかそういう事はなく、近くの小島にまで無事にたどり着けました。
《ドーーーーン!》
と、島にたどり着くと同時に、私達の船が爆発し、大海原の上を火の海へと変えるのが見えました。
ラウス「タダで渡すわけねぇだろ。テメェら賊は海の上でもずくになってろってんだ」
「ど、どういう事ですか?」
ラウス「いやな、俺も後からシャウトに聞かされたことなんだがーー」
シャウト「マスターからの仕事だ。最近、ここいらの海で悪さをしている海賊がいると。で、そいつらを焼くなり煮るなりして痛い目に遭わせてほしいとのことだった」
モルガン「船の中に大量の火薬があるから、何事かと思っておったが、マスターの言い出すことはいつも派手なことばかりだ。ハッハッハっ!」
うーん?何が何だかよく分かりませんね。お仕事ってことで良いのでしょうか?
ラウス「ああやって悪い奴らが燃えてる姿を見るってのは、いつ見ても清々しいもんだぜ。まあ、俺らの船を犠牲にしてるんだが」
「それはいいのですが、これからどうするんですか?聞いたところ、かなり計画的だったと思いますけど」
シャウト「迎えの船が来る手はずになってる。狼煙を上げていれば気付いてくれるらしい」
モルガン「というわけで、俺はこれから燃やすためのものを集めてくる」
モルガンは1人、小さな島の中心へと行きました。といっても、こんなに小さな島なのですから、数分と経たずに帰ってくるでしょうね。にしても、世の中悪い人たちはたくさんいるものなんですね。そんな人たちを、自分たちの船を犠牲にしてまで殺しちゃうのはどうかと思いますけど。
シャウト「一応お前らに詳しいことを伝えておくが、あの国に接近しようとしたのは」
ラウス「奴らを挑発するためだろ。んで、航路を上手いこと調整してあいつらが来るのを待つ。で、見事挑発に乗った奴らが船に乗り込んだらマスターの指示通りに爆発させる。ったく、船だってそんな安くねぇんだぞ」
「そうまでして彼らを殺す価値ってあったんですかね?」
シャウト「奴らが今までに襲ったところの被害額は、ざっと見積もって金貨8000枚程度にはなる。まあ、これは金で換算しただけだが、実際は人殺しも多数だからもっとあるだろうな」
「わ~お」
この世界での金貨がどれだけの価値かは分かりませんが、相当被害が多いということでいいのでしょう。それならば、彼らを爆殺しても仕方ないのでしょうね。口で言って聞くような奴らでは無さそうでしたし。
モルガン「持ってきたぞ~」
ラウス「んじゃ、早速火を付けて船を呼びますか」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
その後、火を起こすのには苦戦をしましたが、無事に狼煙を上げることができ、ものの数分でやって来た大きな船に私達は乗り込みました。船内には結構な数の人がおり、彼ら全員が整えられた服装をしていることから、結構なお偉いさんの船なのかな?と私は思いました。
私のその考えは間違っていなかったらしく、彼らは自然王国から直々に派遣されて来た兵士たちってことで、ここに来てあのマスターの周到さを思い知りました。
(全てはマスターの手のひらの上、というわけですか)
広い船内で濡れた服を着替え、シャワーというものを浴びてから私は開かれた船首に出ました。
「わぁ~あれが自然王国~」
船首から見える緑溢れる大地。ここからでも見えるほど......見えるほど?
いえ、見えてくるのはほぼ森です。私が住んでいたあの島よりも自然が凄いです。そんなところに国なんてあるんですかね?
「うーん?あんな所に国を建てようなんて考えた国王様......どんな人なんですかね」
「ハハハ。あなた様もそう思いますか」
......?誰ですか?私の独り言に反応をしてきたのは。
「おっと失敬。私、この船の船長をしております。『ガメラ』と申します」
私に話しかけてきたのは、白髪の生え始めた初老の男性でした。普段から潮風に当たっているせいでしょうか?目の下が若干赤くなっています。
ガメラ「我らが国王は自然を愛する御方。昔昔、あの地には自然というものなどないに等しかったのですぞ」
「へー」
興味ないですね。私は今を知れたらそれで十分です。行くことの出来ない過去の世界など興味の欠片もありません。
ガメラ「あの自然は見ていて大変癒されるものとなっております。お客人も、我らが王と謁見される前に、1度、あの大自然を堪能してください」
「謁見?」
え?国王に会うってことですか?私たちが。そんな話一切聞いてませんけどね。ラウス達なら何か知ってるでしょうか?
私はラウスたちに話を聞こうと船内を歩き回りますが、この船は思った以上に複雑で、あちらこちらで船員の姿を見ることはあっても、ラウス達を見つけることができません。なんでですかね?彼らはどこに行ってしまったのでしょうか?
あっち行ってこっち行ってを繰り返してるうちに、私は1つの大きな部屋にたどり着きました。大きな機械音がします。多分、エンジン室というやつですかね?知りませんけど。
「うーん?これでは私が迷子になってしまいましたかね?ラウス達を探していた筈なのに、気づけばよく分からない部屋。大人しく、遠目から自然王国を眺めて待っているべきだったでしょうか?」
そう口では言うものの、生まれて初めて見る機械というものに私は興味津々で、適当にブツブツと言いながら部屋の中を探索していました。もちろん、触れば壊れるかもしれないということを知っているので、気になっても見ているだけに留めておきます。後で聞けばいい話ですし。
「......?今、人の気配を感じたような......」
適当に見て回ってただけですが、今確かに視界の隅に人の姿が映ったような気がします。
グルっと部屋を一周して、私は何かにつまづいて転んでしまいました。
「きゃぁっ!」
危ない危ない。もう少し角度が悪ければ、鉄の棒に頭をぶつけてしまうところでした。
「......誰......ですか?」
今、私がつまづいたのは人の足でした。それで、その足の上を見ると、10歳くらいの男の子がいました。
「う、うわぁぁぁぁぁぁ!!!」
私が気づくのと同時に、男の子は叫び声を上げながら部屋を飛び出していきました。
「何だったのでしょう?」
よく分かりませんけど、船の速度が落ち始めてることから、もうそろそろ接岸の頃だろうと思い、私は複雑な船内を上へ上へと上がってなんとか元の場所へと戻ることが出来ました。すると、もう既に、探していたばの3人が集まっていました。
やっぱり、待ってるのが正解だったんですね。
ラウス「どこ行ってたんだ?」
「うーん?探索してました」
シャウト「あんまり動き回るなよ。俺達の船とは勝手が違うんだ」
「分かっています」
私は、さっきの男の子のことを話そうかとも悩みましたが、それより先に自然王国の鮮明な姿が見えてきて、その景色に見惚れているうちに、すっかりと忘れてしまいました。
「「 ようこそ!自然王国ラルレアへ! 」」
こうして、私の冒険譚第2章が幕を開けたのです。
0
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました
鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」
そう言ったのは、王太子アレス。
そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。
外交も財政も軍備も――
すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。
けれど功績はすべて王太子のもの。
感謝も敬意も、ただの一度もない。
そして迎えた舞踏会の夜。
「便利だったが、飾りには向かん」
公開婚約破棄。
それならば、とレイナは微笑む。
「では業務も終了でよろしいですね?」
王太子が望んだ通り、
彼女は“確認”をやめた。
保証を外し、責任を返し、
そして最後に――
「ご確認を」と差し出した書類に、
彼は何も読まずに署名した。
国は契約で成り立っている。
確認しない者に、王の資格はない。
働きたくない公爵令嬢と、
責任を理解しなかった王太子。
静かな契約ざまぁ劇、開幕。
---
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
[完結]7回も人生やってたら無双になるって
紅月
恋愛
「またですか」
アリッサは望まないのに7回目の人生の巻き戻りにため息を吐いた。
驚く事に今までの人生で身に付けた技術、知識はそのままだから有能だけど、いつ巻き戻るか分からないから結婚とかはすっかり諦めていた。
だけど今回は違う。
強力な仲間が居る。
アリッサは今度こそ自分の人生をまっとうしようと前を向く事にした。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
2度死んだ王子は今度こそ生き残りたい
緑緑緑
ファンタジー
王太子ロイは、かつて二度の革命によって祖国を崩壊させてしまった過去を持つ。命を落とすたび、彼はある時点へと巻き戻される。そして今、三度目の人生が静かに幕を開けようとしていた。
――自分は民を理解しているつもりだった。
だが実際には、その表面しか見えていなかったのだ。
その痛烈な自覚から、物語は動き始める。
革命を回避するために必要なのは、制度でも権力でもない。「人を知る」ことこそが鍵だと、ロイは気付く。
彼はエコール学園での生活を通じ、身分も立場も異なる様々な人間と深く関わっていく。
そこで出会う一人ひとりの想いと現実が、やがて国の未来を大きく左右していくことになるとは、この時のロイはまだ知らない。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる