魔法学院の階級外魔術師

浅葱 繚

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第5章 ギルド体験週間編―最終日

ギルド体験週間最終日① クレアとレイチェル

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「……ということになったわ」
クレアは純血ピュアブラッドの集会で決まったことをレイチェルに伝えた。正確には自分が提案したことだが、そこは上手く伏せた。

「サラ・ウィンドギャザーか…入学試験でも当たっていないし、初めての対戦だな…」
「不安?」
「いや、確かにサラは強い。相手の使える魔法さえわかってしまえば、対戦相手に合わせて属性を自在に変えて戦えるサラが負ける可能性は万に一つもないだろう。サラは魔法の知識や技術に関しても学院トップクラスだからね。だが、それは普通の魔法使い同士の話さ。『契約召喚』ができる私が先制できるのは確実だ。戦う前から勝負はついているよ」
「そうね。負けないわよね」

ごめんね、レイ、あなたが戦うのはサラじゃないの…そう心の中でつぶやくクレア。

クレアは最後に一度だけレイチェルに尋ねてみることにした。

「ねぇ、レイ……私と一緒に駆け落ちしない?」

「……何の冗談だ?」

「だって、今のあなたちっとも楽しそうじゃないんだもの。いっそ全てを投げ出して、私たちのことを誰も知らない国に行って心機一転二人で暮らしましょうよ?」
「……いや、そうはいかないだろ。私たちにも色々責任というものが…」
「何よ、責任って?今のレイはどっちつかずの中途半端で何一つ責任を果たしてないじゃない。私はね、レイ、正直なところ純色至上主義だろうが、融和主義だろうがどっちだっていいのよ。私にとって大事なのはあなたと共に歩むこと。あなたと共に生きれるのなら、その先に待ってるのが血みどろの戦争だろうが、地獄だろうが何だっていいのよ。でも今のあなたは……ごめんなさい。言い過ぎたわ…」
「いや…悪いのは私だ…そうだな…いつまでもこんな中途半端じゃ、クレアにも愛想をつかされてしまうな」
「私は絶対にあなたに愛想をつかすなんてしないわ」
「ありがとう…今回の決闘が終わったら純血ピュアブラッドを辞めようと考えていた。私のギルド長としての最後の務めだ。クレアに勝利を送るさ」
「そう、頑張ってね。レイがだって私信じてるから」



ごめんね、レイ。

あなたを裏切るようなことをしてしまって。

でも私決めたの。

共に歩むって。

そう、今まではあなたの背中を追いかけてた。

でもあなたの横に並ぶって決めたの。

私たちを邪魔するものは許さない。

何だって許さない。

それを壊したことで例えこの世界がどうなろうと知ったこっちゃない。

その先にあるものが混沌だろうが平和だろうがどうでもいい。

あなたと歩めるならそこが私の世界だ。

だからレイ。

私の大好きなレイ。




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