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第5章 ギルド体験週間編―最終日
ギルド体験週間最終日③ 無色 対 純色
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「ではこの決闘の勝敗は私が見届けさせてもらおう!」
マーシャが壇上脇から満を持して登場する。
決闘は両者が了承し、生徒会および生徒たちが承諾したことで、先生たちの許可を得て闘技場で行われることとなった。基本的に魔法学院の生徒たちはイベントが好きなので、こんなまたとない対決を見逃すはずがない。闘技場の客席には全校生徒と先生たちが集まった。クレアの望んでいた形が実現することとなった。
これで舞台は整ったわ。
ルーシッド上手くやってちょうだいね。
この大勢の観客の前で完膚なきまでにレイチェルを倒してちょうだいよ。
この大観衆の中でレイチェルが負けるというシナリオを思い描いているのはクレアと、そしてルーシッドの真の実力を知る者のみだろう。
「ルーシィ大丈夫かなぁ?」
オルガ・シュタインに隠れるようにして座るオリガはゲイリーに尋ねた。
「ルーシィがあの入学試験の模擬戦の優勝者だとしたら…あの時使っていた『無詠唱魔法』は確かに桁違いのレベルだったわ。あのSランクのルビアすら凌駕するほどの…でも、そのあまりの強さと『無色の魔力』『Fランク』という肩書きのせいで、その強さすらインチキなんじゃないかと言われているわ…この決闘でルーシィの真価がわかるかも知れない…」
ルーシッドの力については色々な憶測が飛び交っていたが、その力を正しく理解し認めているものは、サラ達を除いて誰もいなかった。
多くの者は、『別の誰かが魔法を使っているのではないか』と考えていた。
しかし、中には
『新発明の魔法具か何かなのではないか』
『鑑定水晶のバグではないか』
『実はサラと同じ全色の魔力なのではないか』
『未知の魔眼の能力なのではないか』
といった、ルーシッドの力を肯定的に捉える味方もあったが、そのどれもが完全な説明にはならず、確証に至らないというのが現状であった。
それも当然と言えるかもしれない。ルーシッドの力はこの魔法界の常識から外れたイレギュラーな力だからだ。人は自分たちが理解できない力を目にすると、何かしらの理由をつけて排除しようとしたり、無理やりにでも自分達の常識に当てはめて説明しようとする。同じように規格外の強さを持つサラやレイチェルが認められているのは常識の範囲内での強さだからだ。
今やその常識内での最強レイチェル・フランメルと、常識外の力を持つルーシッド・リムピッドの決闘が始まろうとしていた。
「ルールはいつも通りで大丈夫だな?何せレイチェルとルーシッドの対決だ。多少のケガは覚悟の上だろう?即死レベルの魔法だけはダメだぞ、絶対に加減しろ」
「ふふっ、ルーシッドはともかく、私がケガをするとでも?」
レイチェルが不敵に笑う。
「そうやって笑ってられるのも今のうちだぞ。警告はしたからな」
ルーシッドの本当の強さを知っているマーシャは、この戦いにおいてどちらが不利なのかをよく知っていた。今の忠告は体面上は両者に述べたものだが、実際はレイチェルに対するものだったのだ。
「それでは双方覚悟はいいな?
はじめっ!!」
マーシャの合図で決闘が始まる。先に動いたのはレイチェルだった。契約召喚、しかも高位の火の妖精と契約しているレイチェルにとっては、魔法を使うことなど息をするほど簡単なことだ。高位の妖精と契約に成功している魔法使いは、この魔法使いには数えるほどしか存在しない。それがレイチェルが『最強』と言われている所以だ。
レイチェルは右手を前に掲げ、巨大な火の玉をルーシッドに向けて放った。そこまで速度はないので、避けようと思えば何とか避けれるレベルだ。まずはけん制のつもりだろう。
ルーシッドとエアリーは昨日、この決闘について色々考えていた。
レイチェルに完全な負けを認めさせるためにはどうすればよいか。
それは自分の火の魔法に絶対の自信を持っているレイチェルに、同じ『火の魔術』で勝つことだ。
そこでルーシッドはこの決闘にある縛りを設けて臨んでいた。
この決闘では『火の魔術』しか使わないと。
そのためにルーシッドとエアリーはこの決闘に向けていくつかの『新しい術式』と『魔法具』を準備していたのだった。
ルーシッドは火の玉が自分にめがけて飛んでくるのを見ても動こうとしなかった。
普通であればまずは左右に避ける、その避けたところにさらに追撃をかけるつもりでいたレイチェルは少し驚く。まさか足がすくんで動けないとでも?そんな情けない奴が自分に決闘を申し込むものか?
もちろんそんなことはない。
ルーシッドは静かにその『術式名』を告げる。
「術式:火の壁
術式展開」
ルーシッドの目の前の地面から赤い炎が噴出し、ルーシッドを覆いつくすほどの燃える火の壁が形成される。
レイチェルが放った火の玉は、火の壁にぶつかって相殺された。
役目を果たした壁は燃え尽きて、火は空へと消えていった。
魔法で生み出された火と火はぶつけ合うとより威力が強い方に飲み込まれるという現象が生じる。
これには魔力量や使役している妖精の強さが関係している。
しかし、実際の火同士だとそうはいかない。例えば今ルーシッドがやったことを科学的に行おうとするなら、飛んできた敵の火の玉がぶつかったときに自分の火が煽られて、後ろにいる自分に火が飛んでくることだろう。
ルーシッドの『火の壁』が敵の火の玉を飲み込んだように見えたのは、実際にはその後ろにある『無色の魔力で作った魔力障壁』にぶつかって消えてしまったからである。無色の魔力が見えない相手にとっては、火の壁に相殺されてしまったように見えるわけである。
「すごい…レイチェルの火の魔法を同じ属性で相殺したわ…」
「てっきり水で対抗するのかと思った…」
「でも、今のは火の玉の威力がそれほどでもなかったから…?」
「そうよ…様子見だったのよ」
客席からはどよめきが走る。
「ははっ、ははははっ!面白い…私の初撃を壁を作って交わしたのはクレアに次いで2人目だよ。しかも火の壁で?私への当てつけか?いいね、燃えてきたよ、ふふふっ」
レイチェルは楽しそうに笑った。
クレアはそれを見て少しうれしくなった。
レイが笑ってる。久しぶりにあんなに楽しそうに笑っているのを見たわ。
「じゃあ少しばかり本気を出そうか」
レイチェルは右手を空に掲げた。すると、手のひらに巨大な火球が形成されていく。人の体ほどあろうかという巨大な火球だ。
「避けなければ火傷では済まないぞ?」
レイチェルは手を振り下ろす。すると隕石のごとく、ルーシッドめがけて火球が飛んでいく。
「術式:火球
術式展開」
ルーシッドがそう言って飛んでくる火球に向かって手を伸ばすと、巨大な魔法陣が出現した。するとその魔法陣からレイチェルの火球よりも一回り大きい火球が出現してそれを迎え撃つ。燃え盛る2つの火球が空中でぶつかり合って、レイチェルの火球は形を失う。ルーシッドの放った火球はそのままレイチェルの頭上を飛んでいき、やがて燃え尽きた。
自分の頭上を火球が通り過ぎていったことで、その顔にも熱を感じるレイチェル。
「……ふふっ、ふふふっ、ふははははっ!」
顔を手で覆って笑いをこらえていたが、ついには抑えきれなくなって大笑いするレイチェル。
「熱を感じたぞ…敵の攻撃で熱を感じたのは初めてだ…!」
「じゃあ、今度はこっちからいきますね」
そう言ってルーシッドが手の平を出すと、そこにボッと火がついた。
「……なんだその火は……?」
この決闘において初めてレイチェルの顔に動揺が走った。
客席もざわめきだす。
「何あれ…」
「あんな炎の色見たことないぞ…」
「青い……炎…?」
そう、ルーシッドの手から真っすぐに伸びた火は、この魔法界で通常みられる赤い炎ではなく、青い炎であった。
マーシャが壇上脇から満を持して登場する。
決闘は両者が了承し、生徒会および生徒たちが承諾したことで、先生たちの許可を得て闘技場で行われることとなった。基本的に魔法学院の生徒たちはイベントが好きなので、こんなまたとない対決を見逃すはずがない。闘技場の客席には全校生徒と先生たちが集まった。クレアの望んでいた形が実現することとなった。
これで舞台は整ったわ。
ルーシッド上手くやってちょうだいね。
この大勢の観客の前で完膚なきまでにレイチェルを倒してちょうだいよ。
この大観衆の中でレイチェルが負けるというシナリオを思い描いているのはクレアと、そしてルーシッドの真の実力を知る者のみだろう。
「ルーシィ大丈夫かなぁ?」
オルガ・シュタインに隠れるようにして座るオリガはゲイリーに尋ねた。
「ルーシィがあの入学試験の模擬戦の優勝者だとしたら…あの時使っていた『無詠唱魔法』は確かに桁違いのレベルだったわ。あのSランクのルビアすら凌駕するほどの…でも、そのあまりの強さと『無色の魔力』『Fランク』という肩書きのせいで、その強さすらインチキなんじゃないかと言われているわ…この決闘でルーシィの真価がわかるかも知れない…」
ルーシッドの力については色々な憶測が飛び交っていたが、その力を正しく理解し認めているものは、サラ達を除いて誰もいなかった。
多くの者は、『別の誰かが魔法を使っているのではないか』と考えていた。
しかし、中には
『新発明の魔法具か何かなのではないか』
『鑑定水晶のバグではないか』
『実はサラと同じ全色の魔力なのではないか』
『未知の魔眼の能力なのではないか』
といった、ルーシッドの力を肯定的に捉える味方もあったが、そのどれもが完全な説明にはならず、確証に至らないというのが現状であった。
それも当然と言えるかもしれない。ルーシッドの力はこの魔法界の常識から外れたイレギュラーな力だからだ。人は自分たちが理解できない力を目にすると、何かしらの理由をつけて排除しようとしたり、無理やりにでも自分達の常識に当てはめて説明しようとする。同じように規格外の強さを持つサラやレイチェルが認められているのは常識の範囲内での強さだからだ。
今やその常識内での最強レイチェル・フランメルと、常識外の力を持つルーシッド・リムピッドの決闘が始まろうとしていた。
「ルールはいつも通りで大丈夫だな?何せレイチェルとルーシッドの対決だ。多少のケガは覚悟の上だろう?即死レベルの魔法だけはダメだぞ、絶対に加減しろ」
「ふふっ、ルーシッドはともかく、私がケガをするとでも?」
レイチェルが不敵に笑う。
「そうやって笑ってられるのも今のうちだぞ。警告はしたからな」
ルーシッドの本当の強さを知っているマーシャは、この戦いにおいてどちらが不利なのかをよく知っていた。今の忠告は体面上は両者に述べたものだが、実際はレイチェルに対するものだったのだ。
「それでは双方覚悟はいいな?
はじめっ!!」
マーシャの合図で決闘が始まる。先に動いたのはレイチェルだった。契約召喚、しかも高位の火の妖精と契約しているレイチェルにとっては、魔法を使うことなど息をするほど簡単なことだ。高位の妖精と契約に成功している魔法使いは、この魔法使いには数えるほどしか存在しない。それがレイチェルが『最強』と言われている所以だ。
レイチェルは右手を前に掲げ、巨大な火の玉をルーシッドに向けて放った。そこまで速度はないので、避けようと思えば何とか避けれるレベルだ。まずはけん制のつもりだろう。
ルーシッドとエアリーは昨日、この決闘について色々考えていた。
レイチェルに完全な負けを認めさせるためにはどうすればよいか。
それは自分の火の魔法に絶対の自信を持っているレイチェルに、同じ『火の魔術』で勝つことだ。
そこでルーシッドはこの決闘にある縛りを設けて臨んでいた。
この決闘では『火の魔術』しか使わないと。
そのためにルーシッドとエアリーはこの決闘に向けていくつかの『新しい術式』と『魔法具』を準備していたのだった。
ルーシッドは火の玉が自分にめがけて飛んでくるのを見ても動こうとしなかった。
普通であればまずは左右に避ける、その避けたところにさらに追撃をかけるつもりでいたレイチェルは少し驚く。まさか足がすくんで動けないとでも?そんな情けない奴が自分に決闘を申し込むものか?
もちろんそんなことはない。
ルーシッドは静かにその『術式名』を告げる。
「術式:火の壁
術式展開」
ルーシッドの目の前の地面から赤い炎が噴出し、ルーシッドを覆いつくすほどの燃える火の壁が形成される。
レイチェルが放った火の玉は、火の壁にぶつかって相殺された。
役目を果たした壁は燃え尽きて、火は空へと消えていった。
魔法で生み出された火と火はぶつけ合うとより威力が強い方に飲み込まれるという現象が生じる。
これには魔力量や使役している妖精の強さが関係している。
しかし、実際の火同士だとそうはいかない。例えば今ルーシッドがやったことを科学的に行おうとするなら、飛んできた敵の火の玉がぶつかったときに自分の火が煽られて、後ろにいる自分に火が飛んでくることだろう。
ルーシッドの『火の壁』が敵の火の玉を飲み込んだように見えたのは、実際にはその後ろにある『無色の魔力で作った魔力障壁』にぶつかって消えてしまったからである。無色の魔力が見えない相手にとっては、火の壁に相殺されてしまったように見えるわけである。
「すごい…レイチェルの火の魔法を同じ属性で相殺したわ…」
「てっきり水で対抗するのかと思った…」
「でも、今のは火の玉の威力がそれほどでもなかったから…?」
「そうよ…様子見だったのよ」
客席からはどよめきが走る。
「ははっ、ははははっ!面白い…私の初撃を壁を作って交わしたのはクレアに次いで2人目だよ。しかも火の壁で?私への当てつけか?いいね、燃えてきたよ、ふふふっ」
レイチェルは楽しそうに笑った。
クレアはそれを見て少しうれしくなった。
レイが笑ってる。久しぶりにあんなに楽しそうに笑っているのを見たわ。
「じゃあ少しばかり本気を出そうか」
レイチェルは右手を空に掲げた。すると、手のひらに巨大な火球が形成されていく。人の体ほどあろうかという巨大な火球だ。
「避けなければ火傷では済まないぞ?」
レイチェルは手を振り下ろす。すると隕石のごとく、ルーシッドめがけて火球が飛んでいく。
「術式:火球
術式展開」
ルーシッドがそう言って飛んでくる火球に向かって手を伸ばすと、巨大な魔法陣が出現した。するとその魔法陣からレイチェルの火球よりも一回り大きい火球が出現してそれを迎え撃つ。燃え盛る2つの火球が空中でぶつかり合って、レイチェルの火球は形を失う。ルーシッドの放った火球はそのままレイチェルの頭上を飛んでいき、やがて燃え尽きた。
自分の頭上を火球が通り過ぎていったことで、その顔にも熱を感じるレイチェル。
「……ふふっ、ふふふっ、ふははははっ!」
顔を手で覆って笑いをこらえていたが、ついには抑えきれなくなって大笑いするレイチェル。
「熱を感じたぞ…敵の攻撃で熱を感じたのは初めてだ…!」
「じゃあ、今度はこっちからいきますね」
そう言ってルーシッドが手の平を出すと、そこにボッと火がついた。
「……なんだその火は……?」
この決闘において初めてレイチェルの顔に動揺が走った。
客席もざわめきだす。
「何あれ…」
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