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第7章 魔法学院の授業風景編
授業⑧ チーム演習⑥
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「ジョンのところは簡単だよ」
「か、簡単かい?」
「うん、アンならもうわかるんじゃない?」
「そうね。コニーにならできるわ。さっき私たちがやったことを思い出してみて。一度の魔法で登ろうと思わないで」
そう言われて、コニアは静かに言った。
「なるほど、わかった」
そう、コニアの魔力の色は『紺色』。
紺色は『青と黒の混色』で、全ての色の中で唯一、単色で『氷の魔法』が使える魔力である。
そして、氷の魔法も石の魔法と同様に、魔法によって作り出された物質は、外的な要因によって壊されたり溶かされたりしない限りは、魔法の発動が終了してもそこに残り続けるという特徴を持つのだ。
"oPen the fiAry GATE.
(開け、妖精界の門)
in-g,rE,DIeNT = blUE + blACK.
(食材は青と黒の魔力)
re:ciPE = ICE-cREam.
(調理法は氷菓)
1 OF the ele:MenTs, UN-DINE + icE fiaRY, jaCK O' froST.
(四大の一つ、水の精ウンディーネ、氷の妖精、ジャックフロストよ)
brING watER → ICE.
(水よ来りて、形を変え、氷塊となれ)
ICE CREATE + MODELING MAGIC."
(氷の生成および造形魔法)
氷の魔法を使う方法は3種類ある。1つは今コニアがやったように、水の妖精と氷の妖精の2人を同時に使役する方法である。これをするには青と黒の混色の魔力が必要である。もう1つはそこに元々存在する水を使う方法で、これだと黒の魔力だけで良い。だがこれは魔法を使用できるかが状況によって左右されてしまう。以前にキリエとマリーが行ったように、他の魔法使いが生成した水を使用するという手もある。
そしてもう1つは、神位の氷の妖精を使役する方法である。神位の妖精は1人で2属性以上使用でき、とりわけ神位の氷の妖精は単体で氷を発生させることができるため、紺の魔力をそのままつかうことができる。
だが、神位の妖精であるため、ランクが低い魔法使いだと使用することはできない。
これは『鉄の生成および造形魔法』にも同じことが言える。『火の妖精と土の妖精』の2体を使役する方法と、『神位の鍛冶の妖精』を使役する方法の2通りがある。
コニアは氷の魔法で氷塊を1段、また1段と作り、チームメンバーはそこを登っていく。
「なるほど…確かにこうすれば、何回か魔法を繰り返せば、階段を作ったのと同じ効果になるな」
「すごいわね、コニー」
「すごいのは私じゃない、ルーシィ」
「はい、ジョンさん達のチームもクリアですね。先ほどのシアンさん達のアイデアを上手に氷の魔法に応用しましたね。素晴らしい機転です」
残りはランダル達のチームだけとなった。
「とりあえず僕とレガリーだけでも炎の翼で上まで行ってみようと思うんだが、時間的に微妙なんだが可能だろうか?」
まずは、ランダル・カーマインが尋ねた。
「えっと、ランダルさんは…」
「ランディでいいよ」
「じゃあ、私もルーシィでいいよ。ランディはランクBで紅の魔力だったね?魔力純度比率と最大魔力量は?」
「魔力純度は赤7:青2:黄1で、最大魔力量は7200だ」
「てことは、炎の翼の効果時間は12、13秒だね。炎の翼は垂直に上昇するのに不向きだから厳しいんじゃないかな」
「やはりそうか…」
「じゃあどうしたらいいかしら?」
「垂直に上昇しなければいいんじゃない?」
「……え、どういうこと?」
ルーシッドが思ってもいないことを言うので、ぽかんとするレガリー。
「この演習の目的は『あの柱の上に登ること』だよ。別に下から登れなんて一言も言われてないよ」
ルーシッドに言われて、ランダルははっとする。そして、闘技場の観客席を見る。
「ははは、そうか。なるほど、考えもしなかった。キミは天才だな。…だが、それでもやはり2人で息を合わせて他の人を運ぶというのはバランスが難しいな…」
「輪唱したらいいんじゃない?」
「さ、輪唱…?なんだいそれは?」
ルーシッドが輪唱について説明する。
「なるほど…そんな詠唱法があったのか」
「知らなかったわ…でも、それならいけるわね!
いや…でも、それでも距離的にはギリギリ…賭けね…」
「まぁ、そこはビリーの出番だね」
「……へ、俺?」
急に自分の名前をルーシッドに呼ばれて、ぽかんとするビリー・ジェンクスだった。
「助走の間に詠唱を完結させなければいけないわ。走りながら息を切らさず正確に詠唱をする。しかも、全員の息をぴったり合わせる必要があるわ…全くとんでもない作戦だわ。よくこんな作戦思いつくものね」
レガリーはため息をつく。だがそれはあきれ返ってというよりは、驚嘆してという感じだった。
「あぁ、全くだ。だが勝算はある」
そう、ルーシッドが考えた作戦は、下から飛ぶのではなく、横からつまり観客席から飛ぶというものだった。ちょうど柱の高さは観客席よりも低い位置にあるため、ゆっくり下降しながら降り立てるだろうという作戦だ。
「観客席からあの柱に登るなんて発想、考えもつかなかった…でも、だとしてもどうやって?」
リサはランダル達のチームが観客席に移動するのを見てそうつぶやいた。
「じゃあまずはアヤメから行こう。レガリー、アヤメ、準備はいいか?」
2人がうなずく。
「よし、行くぞ!」
ランダルの掛け声に合わせて、ランダル、アヤメ、レガリーの3人が同時に走り出す。ちょどアヤメが2人の間に挟まって、3人が肩を組む形だ。
ランダルが炎の翼の詠唱を始める。
"oPen the fiAry GATE.
(開け、妖精界の門)
その後に続いてレガリーが詠唱を始めるが、通常の第ー節とは異なっていた。
"USE the SAME GATE.
(我、同じ門を使用せり)
そう、輪唱。それは、複数の魔法使いが同時に、同じ魔法の詠唱を行う手段である。ただ同時に詠唱するだけでは、バラバラに魔法が発動されるだけだが、この輪唱という詠法によって、詠唱は美しい旋律となり重なり合い、1つの詠唱となって魔法が発動する。
in-g,rE,DIeNT = Re:D./in-g,rE,DIeNT = Re:D.
(食材は赤き魔力)
re:ciPE = FInanCieR./re:ciPE = FInanCieR.
(調理法は貝殻型の焼き菓子)
IM-mortAL fiRE BirD, PHOE-NIX./IM-mortAL fiRE BirD, PHOE-NIX.
(不死なる火鳥フェニックスよ)
pLEAse L-END Me UR W-ingS./pLEAse L-END Me UR W-ingS.
(我に汝の翼を貸し与えたまえ)
最後の部分は2人で息をぴったりと合わせてその魔法名を歌った。
""CIRCULAR CANON, SYNTHETIC FLARE WINGS!!""
(輪唱発動、合成魔法、炎の翼!!)
魔法が発動すると、大きな炎の翼が形成された。ちょうど3人の真ん中あたりから翼が生えているような形だ。そう、魔法を輪唱した2人が1つの個体として認識されたことにより、全体に均等に揚力が働くようにして翼が形成されたのだ。そして、3人は大きな炎の鳥となって、観客席から飛び立った。
「よし、成功」
ルーシッドが静かに言った。
「やった!成功よ!」
「わー!飛んでるー!すごい!」
「あぁ、しかもルーシィの言っていたように、最初に詠唱を始めた方が主旋律ということになって、どちらの翼も同時に動かせる!」
「ビリーも上手くやってくれてるわね。下から風を受けてるわ」
ルーシッドが出したもう1つのアイデアは、ビリーが地上から『風の魔法』を使うことにより、翼が下から風を受けるようにし、降下する速度を遅らせるというものだった。
その効果もあり、炎の翼の効果時間内で無事に柱の頂上に着地することができたのだった。
「はい!ランダルさん達のチームもクリアですね!先生びっくりしました!あんな作戦よく思いつきましたね!しかもまだ習っていない『輪唱』まで使って、素晴らしいです!」
「ありがとうございます。でも、全てルーシッドさんの考えた作戦です。ルーシッドさんがいなければクリアは絶対に無理だったと思います」
「そうですね。みなさんもお疲れさまでした!このチーム演習を全てのチームがクリアできるというのはとてもすごいことです!チームワークの大切さがみなさんもわかったんじゃないでしょうか?」
リサが皆に語りかけると、全員がうなずいた。1人ではできないことがチームでならできる。チームで考えてもわからないことでも、皆で考えればわかる。それを実感することができたのだった。それこそが、このチーム演習の意義だった。
だが、その中でも特に、ルーシッドという頭脳の存在が大きいということを誰しもが理解していた。結局のところ、ほとんどのチームはルーシッドのアドバイスがなければクリアすることはできなかっただろう。
それで皆がルーシッドを囲み、口々にお礼を言ったり、握手をしたり、肩を叩いたり、頭をなでたり、抱きしめたりするのだった。
ルーシッドはそんな風にされたことがなかったので、どうしたらいいかわからないという困った感じで、恥ずかしそうにしていた。
「はい、皆さん。それでは今日の午後の授業は少し早いですが、これで終わりです。チーム演習が予定より早く終わりましたからね。そして、さっそく週末には次の演習がありますよ。今度はチームごとではなく『クラス演習』です。そして、行く場所はこの下です」
リサが地面を指差すので、皆が地面を見た。
そう、全員がこの下に何があるのかを知っていた。
ディナカレア魔法学院の地下にはあるものが存在していた。
それは……
「次の演習は『地下迷宮探索』です」
「か、簡単かい?」
「うん、アンならもうわかるんじゃない?」
「そうね。コニーにならできるわ。さっき私たちがやったことを思い出してみて。一度の魔法で登ろうと思わないで」
そう言われて、コニアは静かに言った。
「なるほど、わかった」
そう、コニアの魔力の色は『紺色』。
紺色は『青と黒の混色』で、全ての色の中で唯一、単色で『氷の魔法』が使える魔力である。
そして、氷の魔法も石の魔法と同様に、魔法によって作り出された物質は、外的な要因によって壊されたり溶かされたりしない限りは、魔法の発動が終了してもそこに残り続けるという特徴を持つのだ。
"oPen the fiAry GATE.
(開け、妖精界の門)
in-g,rE,DIeNT = blUE + blACK.
(食材は青と黒の魔力)
re:ciPE = ICE-cREam.
(調理法は氷菓)
1 OF the ele:MenTs, UN-DINE + icE fiaRY, jaCK O' froST.
(四大の一つ、水の精ウンディーネ、氷の妖精、ジャックフロストよ)
brING watER → ICE.
(水よ来りて、形を変え、氷塊となれ)
ICE CREATE + MODELING MAGIC."
(氷の生成および造形魔法)
氷の魔法を使う方法は3種類ある。1つは今コニアがやったように、水の妖精と氷の妖精の2人を同時に使役する方法である。これをするには青と黒の混色の魔力が必要である。もう1つはそこに元々存在する水を使う方法で、これだと黒の魔力だけで良い。だがこれは魔法を使用できるかが状況によって左右されてしまう。以前にキリエとマリーが行ったように、他の魔法使いが生成した水を使用するという手もある。
そしてもう1つは、神位の氷の妖精を使役する方法である。神位の妖精は1人で2属性以上使用でき、とりわけ神位の氷の妖精は単体で氷を発生させることができるため、紺の魔力をそのままつかうことができる。
だが、神位の妖精であるため、ランクが低い魔法使いだと使用することはできない。
これは『鉄の生成および造形魔法』にも同じことが言える。『火の妖精と土の妖精』の2体を使役する方法と、『神位の鍛冶の妖精』を使役する方法の2通りがある。
コニアは氷の魔法で氷塊を1段、また1段と作り、チームメンバーはそこを登っていく。
「なるほど…確かにこうすれば、何回か魔法を繰り返せば、階段を作ったのと同じ効果になるな」
「すごいわね、コニー」
「すごいのは私じゃない、ルーシィ」
「はい、ジョンさん達のチームもクリアですね。先ほどのシアンさん達のアイデアを上手に氷の魔法に応用しましたね。素晴らしい機転です」
残りはランダル達のチームだけとなった。
「とりあえず僕とレガリーだけでも炎の翼で上まで行ってみようと思うんだが、時間的に微妙なんだが可能だろうか?」
まずは、ランダル・カーマインが尋ねた。
「えっと、ランダルさんは…」
「ランディでいいよ」
「じゃあ、私もルーシィでいいよ。ランディはランクBで紅の魔力だったね?魔力純度比率と最大魔力量は?」
「魔力純度は赤7:青2:黄1で、最大魔力量は7200だ」
「てことは、炎の翼の効果時間は12、13秒だね。炎の翼は垂直に上昇するのに不向きだから厳しいんじゃないかな」
「やはりそうか…」
「じゃあどうしたらいいかしら?」
「垂直に上昇しなければいいんじゃない?」
「……え、どういうこと?」
ルーシッドが思ってもいないことを言うので、ぽかんとするレガリー。
「この演習の目的は『あの柱の上に登ること』だよ。別に下から登れなんて一言も言われてないよ」
ルーシッドに言われて、ランダルははっとする。そして、闘技場の観客席を見る。
「ははは、そうか。なるほど、考えもしなかった。キミは天才だな。…だが、それでもやはり2人で息を合わせて他の人を運ぶというのはバランスが難しいな…」
「輪唱したらいいんじゃない?」
「さ、輪唱…?なんだいそれは?」
ルーシッドが輪唱について説明する。
「なるほど…そんな詠唱法があったのか」
「知らなかったわ…でも、それならいけるわね!
いや…でも、それでも距離的にはギリギリ…賭けね…」
「まぁ、そこはビリーの出番だね」
「……へ、俺?」
急に自分の名前をルーシッドに呼ばれて、ぽかんとするビリー・ジェンクスだった。
「助走の間に詠唱を完結させなければいけないわ。走りながら息を切らさず正確に詠唱をする。しかも、全員の息をぴったり合わせる必要があるわ…全くとんでもない作戦だわ。よくこんな作戦思いつくものね」
レガリーはため息をつく。だがそれはあきれ返ってというよりは、驚嘆してという感じだった。
「あぁ、全くだ。だが勝算はある」
そう、ルーシッドが考えた作戦は、下から飛ぶのではなく、横からつまり観客席から飛ぶというものだった。ちょうど柱の高さは観客席よりも低い位置にあるため、ゆっくり下降しながら降り立てるだろうという作戦だ。
「観客席からあの柱に登るなんて発想、考えもつかなかった…でも、だとしてもどうやって?」
リサはランダル達のチームが観客席に移動するのを見てそうつぶやいた。
「じゃあまずはアヤメから行こう。レガリー、アヤメ、準備はいいか?」
2人がうなずく。
「よし、行くぞ!」
ランダルの掛け声に合わせて、ランダル、アヤメ、レガリーの3人が同時に走り出す。ちょどアヤメが2人の間に挟まって、3人が肩を組む形だ。
ランダルが炎の翼の詠唱を始める。
"oPen the fiAry GATE.
(開け、妖精界の門)
その後に続いてレガリーが詠唱を始めるが、通常の第ー節とは異なっていた。
"USE the SAME GATE.
(我、同じ門を使用せり)
そう、輪唱。それは、複数の魔法使いが同時に、同じ魔法の詠唱を行う手段である。ただ同時に詠唱するだけでは、バラバラに魔法が発動されるだけだが、この輪唱という詠法によって、詠唱は美しい旋律となり重なり合い、1つの詠唱となって魔法が発動する。
in-g,rE,DIeNT = Re:D./in-g,rE,DIeNT = Re:D.
(食材は赤き魔力)
re:ciPE = FInanCieR./re:ciPE = FInanCieR.
(調理法は貝殻型の焼き菓子)
IM-mortAL fiRE BirD, PHOE-NIX./IM-mortAL fiRE BirD, PHOE-NIX.
(不死なる火鳥フェニックスよ)
pLEAse L-END Me UR W-ingS./pLEAse L-END Me UR W-ingS.
(我に汝の翼を貸し与えたまえ)
最後の部分は2人で息をぴったりと合わせてその魔法名を歌った。
""CIRCULAR CANON, SYNTHETIC FLARE WINGS!!""
(輪唱発動、合成魔法、炎の翼!!)
魔法が発動すると、大きな炎の翼が形成された。ちょうど3人の真ん中あたりから翼が生えているような形だ。そう、魔法を輪唱した2人が1つの個体として認識されたことにより、全体に均等に揚力が働くようにして翼が形成されたのだ。そして、3人は大きな炎の鳥となって、観客席から飛び立った。
「よし、成功」
ルーシッドが静かに言った。
「やった!成功よ!」
「わー!飛んでるー!すごい!」
「あぁ、しかもルーシィの言っていたように、最初に詠唱を始めた方が主旋律ということになって、どちらの翼も同時に動かせる!」
「ビリーも上手くやってくれてるわね。下から風を受けてるわ」
ルーシッドが出したもう1つのアイデアは、ビリーが地上から『風の魔法』を使うことにより、翼が下から風を受けるようにし、降下する速度を遅らせるというものだった。
その効果もあり、炎の翼の効果時間内で無事に柱の頂上に着地することができたのだった。
「はい!ランダルさん達のチームもクリアですね!先生びっくりしました!あんな作戦よく思いつきましたね!しかもまだ習っていない『輪唱』まで使って、素晴らしいです!」
「ありがとうございます。でも、全てルーシッドさんの考えた作戦です。ルーシッドさんがいなければクリアは絶対に無理だったと思います」
「そうですね。みなさんもお疲れさまでした!このチーム演習を全てのチームがクリアできるというのはとてもすごいことです!チームワークの大切さがみなさんもわかったんじゃないでしょうか?」
リサが皆に語りかけると、全員がうなずいた。1人ではできないことがチームでならできる。チームで考えてもわからないことでも、皆で考えればわかる。それを実感することができたのだった。それこそが、このチーム演習の意義だった。
だが、その中でも特に、ルーシッドという頭脳の存在が大きいということを誰しもが理解していた。結局のところ、ほとんどのチームはルーシッドのアドバイスがなければクリアすることはできなかっただろう。
それで皆がルーシッドを囲み、口々にお礼を言ったり、握手をしたり、肩を叩いたり、頭をなでたり、抱きしめたりするのだった。
ルーシッドはそんな風にされたことがなかったので、どうしたらいいかわからないという困った感じで、恥ずかしそうにしていた。
「はい、皆さん。それでは今日の午後の授業は少し早いですが、これで終わりです。チーム演習が予定より早く終わりましたからね。そして、さっそく週末には次の演習がありますよ。今度はチームごとではなく『クラス演習』です。そして、行く場所はこの下です」
リサが地面を指差すので、皆が地面を見た。
そう、全員がこの下に何があるのかを知っていた。
ディナカレア魔法学院の地下にはあるものが存在していた。
それは……
「次の演習は『地下迷宮探索』です」
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