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第7章 魔法学院の授業風景編
幕間③ ギルド入団②
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「あら、ルーシィじゃない?それに、ルビィにリカにキリィ、それにエアリーも。みんなそろってどうしたの?」
「やっほ~」
ルーシッド達が魔法調薬ギルドのギルドホームに行くと、そこにはクラスメイトのヘンリエッタ・オートロープと、オリヴィア・アライオンの姿があった。
「あぁ、ヘティーとオリー。魔法調薬ギルドに入団の申し込みに来たんだよ」
「あら、嬉しいわ。来てくれたのね。さぁ、入って入って?」
ギルド長のピセア・スプルースが歓迎し、中に通す。
「ヘティー達も魔法調薬ギルドに入るの?」
「そうよ、まぁ他に特に興味があることもないし」
「ルーシィ達も入るんなら、楽しくなりそうじゃん?良かったね、ヘティー」
「そうね、よろしくね」
「今年は6人も入ってくれて嬉しいわ…あれ?7人?ん?でも、さっきの申込書は6枚…あれ?」
ピセアが少し混乱する。そう、以前にあった時は、エアリーは体を持っていなかったので、この人形の体のエアリーに会うのは初めてなのである。
「あ、すいません。この子は生徒ではないんです」
「どういうこと?」
ルーシッドの曖昧な答えに依然として混乱したままのピセア。
「あの、初めまして。私はエアリーと申します。『生徒ではない』とは正確な表現ではありません。そもそも私は人間ではありません。ルーシィによって作られた人工知能です。魔法人形の体を頂いて、動いたり話したりしています」
「喋る魔法人形…?こ、これをルーシィが作ったの?」
「人形の体はちゃんとした人形師の人が作ったものですよ?」
「ずっと人間だと思ってたわ…びっくりだわ…」
「すごいわよね~…私も言われなきゃ絶対わからないわ」
「だって、良かったね、エアリー」
ルーシッドに話しかけられて、笑顔で返すエアリーだった。
「ヘティーは『草木の魔法』だけじゃなくて、魔法調薬も得意なの?」
「まぁ、普通かしらね?調薬に関しては、ピセアさんや、オリーの方が得意だと思うわ」
「え、オリーって魔法調薬できたの?」
「ちょっとリカぁ?失礼すぎない?」
フェリカがごめんという風に舌を出して謝るポーズをすると、オリヴィアが拗ねてぷいっとする仕草をする。
「まぁ、魔法調薬って言っても色んな分野があるから。オリーは特に香水の調合が得意なのよ」
「えー、すごい!ヘティーもオリーもいい匂いするなぁと思ってたけど、それってオリーが調合してたの?」
「そうよ、その人をイメージした香りの香水を作るの」
「すごーい!かっこいー!いいなぁ、私にも作ってー?」
「えー、仕方ないなぁ」
フェリカに褒められて、まんざらでもない様子のオリヴィアだった。
「でもオリーは青の魔力じゃないのに、魔法調薬ができるんだね?」
「魔法調薬には魔力は必要ないのよ」
ルーシッドに対してヘンリエッタが答えた。
「え、そうなの?」
「えぇ、確かに魔法植物が育つためには『土・水・火』の3要素が必要よ。でもこれは天然のものを使っても構わないわ。現に、森なんかにいけば自生の魔法植物はいっぱいあるでしょ?魔法植物ってのは成長段階で、それらの魔力を吸収して、自ら色々な効果を生み出すのよ。私たちが魔力で魔法を発動させるのと同じよ。
その植物の効果を最大限引き出すために行うのが調薬という作業よ。
だから調薬は純然たる技術であって、魔力は必要ないのよ。
私が使ってる『草木の魔法』は操作魔法に水が必要なのであって、成長自体に自分自身の青の魔力が必要なわけじゃないのよ」
「あー、確かに。なるほど…」
「もちろんさっき言った『土・水・火』のいずれかでも使えれば、魔法植物を育てる時に便利なのは確かよ?
例えば、オリーは『土の魔法』で土を耕すことで、植物が育つのに最適な土を作れるわ。
私は『火と水の魔法』で植物の成長を促進できるわ」
「ふむふむ…」
「なんか、ルーシィが人から教わってるって新鮮だね」
ルーシッドが興味深そうに聞いているのを見て、物珍しそうにキリエが言った。
「確かにそうね。ルーシィにも知らないことがあるのね」
「魔法調薬に関しては全然詳しくないよ。このギルドに入って良かったなぁ。ためになるよ」
「そう言ってくれるなら、私も嬉しいわ」
ヘンリエッタはほほ笑んだ。
「ルーシィはホントに知識に貪欲よね…まぁそこがルーシィのすごいところだけど」
ルビアは半分あきれて、半分感心して言った。
「やっほ~」
ルーシッド達が魔法調薬ギルドのギルドホームに行くと、そこにはクラスメイトのヘンリエッタ・オートロープと、オリヴィア・アライオンの姿があった。
「あぁ、ヘティーとオリー。魔法調薬ギルドに入団の申し込みに来たんだよ」
「あら、嬉しいわ。来てくれたのね。さぁ、入って入って?」
ギルド長のピセア・スプルースが歓迎し、中に通す。
「ヘティー達も魔法調薬ギルドに入るの?」
「そうよ、まぁ他に特に興味があることもないし」
「ルーシィ達も入るんなら、楽しくなりそうじゃん?良かったね、ヘティー」
「そうね、よろしくね」
「今年は6人も入ってくれて嬉しいわ…あれ?7人?ん?でも、さっきの申込書は6枚…あれ?」
ピセアが少し混乱する。そう、以前にあった時は、エアリーは体を持っていなかったので、この人形の体のエアリーに会うのは初めてなのである。
「あ、すいません。この子は生徒ではないんです」
「どういうこと?」
ルーシッドの曖昧な答えに依然として混乱したままのピセア。
「あの、初めまして。私はエアリーと申します。『生徒ではない』とは正確な表現ではありません。そもそも私は人間ではありません。ルーシィによって作られた人工知能です。魔法人形の体を頂いて、動いたり話したりしています」
「喋る魔法人形…?こ、これをルーシィが作ったの?」
「人形の体はちゃんとした人形師の人が作ったものですよ?」
「ずっと人間だと思ってたわ…びっくりだわ…」
「すごいわよね~…私も言われなきゃ絶対わからないわ」
「だって、良かったね、エアリー」
ルーシッドに話しかけられて、笑顔で返すエアリーだった。
「ヘティーは『草木の魔法』だけじゃなくて、魔法調薬も得意なの?」
「まぁ、普通かしらね?調薬に関しては、ピセアさんや、オリーの方が得意だと思うわ」
「え、オリーって魔法調薬できたの?」
「ちょっとリカぁ?失礼すぎない?」
フェリカがごめんという風に舌を出して謝るポーズをすると、オリヴィアが拗ねてぷいっとする仕草をする。
「まぁ、魔法調薬って言っても色んな分野があるから。オリーは特に香水の調合が得意なのよ」
「えー、すごい!ヘティーもオリーもいい匂いするなぁと思ってたけど、それってオリーが調合してたの?」
「そうよ、その人をイメージした香りの香水を作るの」
「すごーい!かっこいー!いいなぁ、私にも作ってー?」
「えー、仕方ないなぁ」
フェリカに褒められて、まんざらでもない様子のオリヴィアだった。
「でもオリーは青の魔力じゃないのに、魔法調薬ができるんだね?」
「魔法調薬には魔力は必要ないのよ」
ルーシッドに対してヘンリエッタが答えた。
「え、そうなの?」
「えぇ、確かに魔法植物が育つためには『土・水・火』の3要素が必要よ。でもこれは天然のものを使っても構わないわ。現に、森なんかにいけば自生の魔法植物はいっぱいあるでしょ?魔法植物ってのは成長段階で、それらの魔力を吸収して、自ら色々な効果を生み出すのよ。私たちが魔力で魔法を発動させるのと同じよ。
その植物の効果を最大限引き出すために行うのが調薬という作業よ。
だから調薬は純然たる技術であって、魔力は必要ないのよ。
私が使ってる『草木の魔法』は操作魔法に水が必要なのであって、成長自体に自分自身の青の魔力が必要なわけじゃないのよ」
「あー、確かに。なるほど…」
「もちろんさっき言った『土・水・火』のいずれかでも使えれば、魔法植物を育てる時に便利なのは確かよ?
例えば、オリーは『土の魔法』で土を耕すことで、植物が育つのに最適な土を作れるわ。
私は『火と水の魔法』で植物の成長を促進できるわ」
「ふむふむ…」
「なんか、ルーシィが人から教わってるって新鮮だね」
ルーシッドが興味深そうに聞いているのを見て、物珍しそうにキリエが言った。
「確かにそうね。ルーシィにも知らないことがあるのね」
「魔法調薬に関しては全然詳しくないよ。このギルドに入って良かったなぁ。ためになるよ」
「そう言ってくれるなら、私も嬉しいわ」
ヘンリエッタはほほ笑んだ。
「ルーシィはホントに知識に貪欲よね…まぁそこがルーシィのすごいところだけど」
ルビアは半分あきれて、半分感心して言った。
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