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1章
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しおりを挟むそういう目で正臣を見るようになってみれば、彼がひどく扇情的に見えるようになった。
惚れた欲目なのか、正臣は格好よくてセクシーだと思う。動きの一つ一つが無駄なくきれいに見える。
ふと振り向いた口元は誘ってるように見えるし、項は艶めかしい。
時折、砕けた様子で胸元をはだけていると、誘われているのではと錯覚したくなる。
「やあ」
柔らかく笑みを浮かべて声をかけてきた正臣に、なんとも言えぬ罪悪感を覚え、「こんにちは」と言いつつも、ぎこちなく視線を下げる。
これだから男は、と思うのは、こういうときだ。「好きな子がいれば見てしまうだろう!?」と喚いていた友人に、今は微妙な気持ちでお前の言うとおりだったと、心の中で相槌を打つ。うっかり股間を見てしまった。どこを見てるんだと理性は訴えるが、気になるのだ。どんなだろうとつい考えてしまう。同じ物が付いているだけに、想像が容易なのがなんともいたたまれない。
昨日も正臣を想ってしたのがいけなかった。正臣を、そういう目で見てしまう。
チラリと視線を上げて正臣の顔をうかがう。にこりと笑みを向けられ、ルカはなんとか笑みを返すとまた俯いた。視線だけ正臣の方に向けると、もちろん股間付近が目に入る。
男のその部分が気になるとか、完全に異常者である。女なら痴女だ。正臣の男性としての体を気持ちが悪いと思わなくなっている自分に気付く。
むしろ興奮する。正臣の体だと思うだけで、そういう目で見る事が出来てしまう。セクシーとか、エロティックとか、思ってしまう自分は普通じゃない。
「どうした?」
そう言ってからかうように顔をのぞき込んできた正臣に、そのままハグしたい衝動に駆られる。
「なんでもないです」
最近は、つい欲求に気をとられてぼんやりすることが多い。誤魔化すルカに、正臣は「そうか」と、なんでもないように流してくれた。
食事時に二人きりの座敷で食べたときは、何度キスしてやろうと思ったかしれない。
正臣はルカを女と思って油断しているのだから、このまま床に押さえつけて覆い被されば、一発いけるのでは……。などと考えたこともある。
馬鹿馬鹿しいことこの上ないが、正臣が驚きつつも、なんとなくルカの好きなようにさせてくれる様子が浮かぶ。
女だと思われているのだ。だから乱暴にされるイメージがわかないのだろう、頭ではわかっている。だが、浮かれた頭は、あまりにも欲望に忠実だった。
正臣が全てルカを受け入れてくれるような気持ちになってしまう。
いっそ押し倒したい。
らちもないことを考える。
正臣さんと、抱き合いたい。でも女じゃないし、……そうだ。服を脱がなければ女と勘違いしてくれないかな……。
いや抱かないって言われてるけど……。でもそもそもどっちかというと私は抱きたいし、私が抱くのなら孕ませる心配はされな……。
そこまで考えて、ルカは自分が随分おかしなことを考えてることに気づいた。
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