【完結】 『未熟』スキル 最強ではないが相手を最弱にすれば関係ない ~かつてパーティーを追放された者の物語~

はくら(仮名)

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第八十一話 おとなしく

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 官憲は言う。

「そうなんですよ。だから……」
「ちなみに、犯人の手掛かりってのはつかめてんのか?」

 カマをかけるような回りくどいやり方は、ルタは苦手だった。ストレートにやったほうが早いし分かりやすいと思っているのだ。
 しかし当然というべきか、官憲は正直に教えてくれるわけもなく。

「申し訳ありませんが、事件に関することをお教えするわけにはいかないんですよ」

 愛想笑いをしながらそう答えてくる。当然といえば当然の反応だった。
 やはり情報を聞き出すのは難しいようだ。そう思いながらも、一応ルタは自分達のことを言ってみた。

「今日の新聞に出ていたと思うけどよ、実は俺とこっちの奴は昨日の夜、通り魔に襲われたんだ。二番目の被害者ってやつだな」

 自分とロウを順々に親指で示しながら言うと、相手はいま気付いた様子で。

「そうだったのですか。大変だったでしょう。見たところ、お怪我がないようで何よりです」
「まあな。今日の朝に実況見分とやらもしてきたし。で、やられっぱなしじゃなんだから、俺達でも調べてみようと思ってな。そういうことだから、教えてくれたりしねえかな? まったく事件に無関係の人間ってわけでもないんだからな」
「えーとですね……」

 事件に巻き込まれたルタ達に同情の雰囲気を醸し出しながらも、その官憲は困ったように首を横に振った。

「申し訳ありません。やはり自分の一存では、事件のことをお教えするわけにはいきません。何かあれば担当者から連絡が行くと思うので、今回のところはどうかお引き取りください」
「……ま、だよなあ」

 仕方ないというようにルタは肩をすくめる。これ以上ここで粘っても、何かしらの情報を聞き出すことはできないだろう。下手をすれば自分達が公務執行妨害などで連行されてしまうかもしれない。
 ここはおとなしく引き下がることにした。
 先の現場から離れた場所、あの官憲達からは見えない位置でロウはルタに聞いた。

「どうします? あの官憲達がいなくなるのを待ちますか?」
「……いや……」

 考え込むようにしながら、彼は答える。

「つい昨日も連続して事件が起きたんだからな、そう簡単に警戒を解くわけがねえ。こりゃ自力で現場の調査は難しいだろうな」
「サージさんに頼めば……」
「それもどうだろうな。俺とあんたは冒険者の端くれだが、だからといって、おっさんが協力してくれるとは限らねえからな。官憲からすりゃ冒険者も一般人同様、事件捜査の素人になるだろうし」
「…………」

 ロウが押し黙る。

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