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第百八話 調べるべきもの
しおりを挟む慌ててロウも書類に目を通していく。自身も書類を調べながらサージが注意するように二人に言った。
「お二人とも、なるべく早めに終わらせたほうが良いと思います。先に言ったように表向きにはこれはルタさんの知り合いの調査でして、当時の失踪届けなどの記録などは分かっているため、それだけを調べるのならあまり時間は掛からないだろうと思われていますから」
ルタの元パーティーメンバーが失踪届けを出したのは、最初にいなくなった者の一人だ。一人だけを調べるのなら、確かに時間はそんなに掛からないだろう。
「ですので、できる限り一時間以内、どんなに遅くとも昼までには調査を終える必要があります」
「お昼まで……っ⁉」
思わずロウは壁に掛かった時計を見上げる。朝九時半ちょっと過ぎ。どんなに長くても約二時間半後にはこの部屋を出なくてはいけないことになる。
対して調べるべき資料は三人の前に多く積まれている。枚数にすると一人当たり二百枚前後だろうか。一枚につき一分も掛けられないことになってしまう。
「さすがに厳しすぎませんか、全部見るのは……」
「だけどやるしかねえ。いいからさっさと目と手を紙に向けろ」
「は、はい……っ」
一分一秒も無駄にするわけにはいかない。慌ててロウは再び書類に目を落とす。そうしている間も次の書類を手に取っていくルタが、ロウとサージに言う。
「書類を隅から隅まで見る必要はねえ。どうもこのデータは発見済みと未発見が混在してるみてえだからな。未発見のものだけ注目しとけ」
それぞれの書類の上のほうに発見済みか未発見かの項目があり、まずはそこを見ろということだ。また発見済みの場合には生存か死亡かの記載もあった。
さらに死亡の際には事件や事故、病死や災害などの詳細な事由も書き込まれている。
次の書類を手に取りながらロウが尋ねた。
「発見済みでも亡くなられている場合は、もしかしたら通り魔に殺されてしまった可能性もあるのでは?」
「その場合は通り魔に刺されたとか未解決だとか書かれてるだろ。それならピックアップするが、それ以外の事件や解決済みなら除外していい」
「なるほど。つまり未発見か、未解決の事件か、通り魔に刺されたかのどれかに当てはまったらピックアップするってことですね」
「まあ大まかにいえばそうだ。それ以外にもなんか気になるやつがあったら、それも保留にする感じだな」
「分かりました」
調べるべきものの見当がついたため、書類を見ていくスピードが自然と上がっていく。要は最初の項目でだいたい判断できるようになったからだ。
だがそれでも一人当たり二百枚くらいあるので、どうしても総計の時間は掛かってしまう。
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