かつて天才と言われた落ちこぼれ。ムカついたので自由に生きてたらいつの間にか最強と言われるようになってた件

はくら(仮名)

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第二章 ゾディアックにまつわる面倒な連中

第四話 べとべと

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 目の前のクラスメイト達が囲んでいるのは赤色のスライム……レッドスライムだ。ちなみに囲む奴らの中にはトパやラルドもいる。
 レッドスライム。さっきのジャージ教師の説明の通り、他のスライム種よりも攻撃力が高く、主に炎魔法を使用してくる。

「通常のスライムは無色透明で、色の着いているこれら四種類のスライムは、普通のスライムよりは少し手強い魔物となります」

 ジャージ教師が説明している。
 少し手強いとはいえ、所詮は下級スライムであることに違いはない。慣れた奴なら簡単に討伐出来る。
 まあ、大勢出てきたら話は変わってくるが。

「スライムの弱点は、体内の中心にある核です。討伐する時はその核を狙うようにしましょう」
「分かりましたー」「へえー」

 話を聞いていたトパがおもむろにレッドスライムに手を伸ばしていく。
 おいおい。
 その手がスライムに触れると、スライムの身体がブルブルと小刻みに震え出して、周囲にゼリーの破片を撒き散らした。

「「「「きゃあっ⁉」」」」「「「わあっ⁉」」」

 トパやラルドを含めて、全身にゼリーを浴びるクラスメイト達。ジャージ教師が、あちゃー、という顔をしていた。

「個体にもよりますが、スライムの中には危険を感じると周囲にゼリー状の破片を飛ばすものもいます。また中級以上のスライム種は酸を飛ばすものもいるので、うかつに触れないようにしましょう」

 ジャージ教師の忠告を、うへー、と言いながら身に染みて聞くクラスメイト達。

「やだもー」
「べとべとー」
「トパーっ」
「あははー、ごめーん」

 このスライムはホログラム魔法で出されたデータだから、実際にベトベトになったわけでも汚れたわけでもない。しかし気分的には、そんな感じを味わっているのだろう。

「はあ……これからは気を付けるように」

 溜め息をつきながらレッドスライムのホログラムデータを消すジャージ教師。クラスメイト達の身体からもゼリー片が消えていく。

「良かったー」

 と安堵する奴がいる一方で、教師に質問を投げ掛ける奴もいた。

「先生、触ったらダメなら、どうやって戦うんですか?」
「基本的には魔法や弓矢、もしあるのなら銃火器を使って、遠距離から攻撃していきます。ただし色の着いたスライムの場合、その色に対応する魔法……赤色の場合は炎魔法を使うと、逆に相手を強化したり回復させてしまうことがあるので注意しましょう」
「分かりました」
「またこれはある程度の技術と慣れが必要ですが、スライムが反撃する暇を与えずに、高速で核を破壊すれば、ダメージを受けることなく倒すことも出来ます」
「へえー」
「とはいえ、基本的には遠距離攻撃で戦いましょう」
「「「「はーい」」」」
「ではこのあとは、実際に戦ってみましょう。相手はホログラムですが、動きは実際の魔物と同じなので、決して油断しないように」
「「「「うおっしゃー、実戦だーっ!」」」」

 無駄に張り切る男子連中。何がそんなに楽しいんだか。面倒なだけだろ。

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