初雪はクリスマスに

シュウ

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四章 初雪はクリスマスの後に

エピローグ

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 パパの長い話が終わった。

「へえー」

 ひとしきり関心したあと、ハルカはたずねる。

「奈美ってママのことよね? パパとママって、小学生のころからつきあっていたの?」
「いや、当時はパパの方がママの気持ちがわからなくてね。六年生から中学生にかけてサッカーに打ち込んでいたし。ママと付き合うようになったのは中学生の卒業前ぐらいだったかな?」
「どういう感じでおつきあいにするようになったの?」

 ハルカはそっちに興味津々だった。

「まあ、それはいいじゃないか」

 でも何度たずねても、パパは教えてくれなかった。
 すこしむくれたハルカだけど、聞きたいことは他にもある。

「じゃあさ。パパが出会ったおじいさんがサンタクロースだったの?」
「パパはそう信じているよ」
「だったら結局何をプレゼントしてもらったの? おともだちは別にサンタさんとかいなくてもいっぱいいたんでしょ?」
「そうだね、いっぱいいたよ」

 そういうとパパは少し遠くに目をむける。
 それからハルカの顔をみてほほえんだ。

「いっぱいいたから、それが当たり前だと思っていたんだ。もしあの時サンタさんに教えてもらえなければ、パパはその大切な友達をたくさんなくしていたかもしれない」
「そうなの?」
「そうだよ。それこそが最高のプレゼントだった」

 ハルカにはパパの言うことが全部わかるわけじゃあない。
 でも、パパは本当にそれが大切だと思っているのはわかった。

「じゃあパパがサンタさんと会えたのは、そのプレゼントをもらうためなの?」
「きっとそうだ。おもちゃとかならサンタさんはパパやママに代わりにお願いできたかもしれない。だけどパパのプレゼントは直接わたさないとだめだと思ったんだろうね。だから会うことができた」

 どこかなつかしそうに、パパは話す。

「それからパパはサンタさんには?」
「会って……いや、もちろん代理をお願いしますという手紙……いやメールは受け取っているよ。サンタさんからプレゼントを直接もらったのはそれが最後だよ」
「でもパパってサンタさんの奥さんを助けたんでしょ?」
「そうなるのかな? でももっと大切なものをもらった時は、きっとサンタさんはうちに来てくれていたんだろうね」
「もっと大切なものって?」
「ふふふ、なんだろうね」

 パパはハルカを見つめながら、優しく笑う。
 その大事なものはハルカにはわからない。 
 かわりにたずねる。

「サンタさんはお店で売っていないものなら直接来て、プレゼントしてくれるんだね」
「まあ、そうだね」
「じゃあさ」

 ハルカはパパの顔を見つめて、にこりとわらった。

「ステキな彼氏をおねがいしたら、サンタさんハルカの所にもきてプレゼントしてくれるのかな?」
「……それはハルカにまだ早いよ。うん、早い」

 パパはなぜか怒ったようにそういった。
 ときどきパパは突然、こういう風に機嫌がわるくなることがあった。
 ハルカにわからない。
 そこに玄関のチャイムが鳴り、「ただいま」という明るい声が聞こえてきた。

「あ、ママだ。ママお帰りなさい」

 ハルカは立ち上がってママを出迎えるためにリビングをとびだす。
 ハルカはパパの話していることの全部をわかったわけじゃあない。
 だけど、こうしてパパとママが当たり前にいるのは、素敵なことなんだなってママに抱きつきながらハルカは思った。


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