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1063.転売屋は亀の甲羅を買う
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「あの~・・・。」
「ん?」
秋になると途端に日が短くなったように感じるのは気のせいじゃないだろう。
なんとなく物悲しいような、いつもならまだ明るいはずの時間にその客はやってきた。
申し訳なさそうに扉を開けて顔だけ出してこちらを見てくるのは、少年とも青年ともとれる若者だった。
他に客はいないんだし入るならさっさと入ればいいのにとも思うが、一見の客にも優しいのがうちの店、買取できるものであれば喜んで査定しようじゃないか。
「物凄く大きい物なんですけど買取できますか?」
「大きい物?店の中に入らないのか?」
「入らないことはないんですけど重たいので・・・。」
「ふむ、まってろ今そっちに行く。」
どれだけ重たいかは知らないが、無理矢理運び込まれて底板が抜けても困る。
カウンターをくぐって玄関まで行くと、運び込むのを躊躇した理由が分かった。
「でっか。」
「あはは、大きいですよね。」
「これはなんだ鉄鍋か?」
「アイアンタートルの甲羅です。」
甲羅と言われれば確かにそんな風にも見えなくはない。
真っ黒い半円状のソレは、端の方が地面にめり込むような形で壁に立てかけられていた。
よかった、これを持ち込まれていたらマジで床板が抜けていたかもしれない。
「確か鉄のように固い甲羅を持つ魔物だったな、それにしてもデカすぎだろ。」
「大きいですよねぇ。」
「これを一人で持ってきたのか?」
「はい。」
「どうやって?」
「どうって、こう背負うような感じで。」
その男は壁に立てかけられた甲羅に背中をくっつけ両端を持つと、フン!と気合を入れてそれを背負いあげてしまった。
甲羅といえば楕円形なものが多いがこれは完全な球形。
直径は1m程深さはその半分ぐらいだろうか、甲羅といえば腹の部分もあるはずだがこれは外側しかない。
「よくまぁこんな重いの背負ってきたな、どこから来たんだ?」
「港町です。そこで知り合った親切な魔導船の船長さんがここに持っていくとみてくれるって教えてくれたんです。」
「あー、ガレイの紹介だったか。わざわざこんな所までご苦労だったな。」
見た感じどことなく頼りない雰囲気を感じるだけにガレイもつい世話を焼きたくなってしまったのかもしれない。
とりあえず降ろしてもらってから鑑定させてもらおう、話はそれからだ。
『アイアンタートルの甲羅。真っ黒に輝く甲羅は見た目の薄さとは裏腹に非常に重く、また鉄の剣を折ってしまうほどに硬く、それを支える体は非常に強靭な為討伐されることがないため流通量も少ない。その丈夫さから盾として使われることもあるが、持ち歩くのは非常に困難。最近の平均取引価格は銀貨15枚。最安値銀貨10枚最高値銀貨37枚。最終取引日は285日前と記録されています。』
持ち歩くのは非常に困難と書かれているものを持ち歩いている彼はいったい何者なのか。
というか、よく見ると甲羅の中にさらに甲羅が仕込んであるじゃないか。
どこの少年漫画だよ、そりゃ地面にめり込むわけだ。
「いくらぐらいになりそうですか?」
「大きさにもよるが、全部でいくつあるんだ?」
「あ、そうか。ちょっと待ってください。」
甲羅の中に手を入れると、スライドさせるようにしてその下から同じものが出てくる。
その数全部で5枚。
厚みは1cmぐらいだろうか、あまりにも丸いのでまるで取っ手の無い中華鍋が並んでいるようにも見える。
というかそれにしか見えなくなってきた。
「全部で五枚、そうだなガレイの紹介ってこともあるし一枚銀貨10枚でどうだ?」
「え!そんなに高く買ってくれるんですか!?」
「その反応を見るに他所じゃそこまで高くなかったて感じだな。」
「値段どころか買取ってもくれませんでした。」
「盾にしては重過ぎるし矢避けを必要とする世の中でもない。魔物の襲撃が多い土地ならともかくこの辺は比較的安全だからなぁ。」
もちろん襲撃が無いわけではない。
毎月とは言わないけれどそれなりの感覚で魔物の群れが襲ってくるのを何度も経験している。
この間の襲撃はディーネたちが仕込んだものの様だったが、それを除いてもワンシーズンに一回って感じだろうか。
とはいえ、矢を射ってくるような魔物は来ないのでこれを矢避けとして設置するとしたらダンジョンの休憩所ぐらいなものだろう。
それでも使わなさそうだけど。
中に運ぶのは無理そうなので持ってきた荷台に乗せてもらい、代金を支払う。
さて、こいつをどうしてやろうか。
「あの、これをどうするか聞いてもいいですか?」
「んー、いくつか候補はあるが・・・鍋だな。」
「え!お鍋ですか?」
「この大きさ、この厚み、取っ手さえ付けられればいい感じの中華鍋になりそうだ。」
「この甲羅をお鍋に、大きすぎません?」
「大きいのがいいんだよ大きいのが。」
この世界にも様々な調理なべがあるのだが、何故か小型のものが多い。
大きくても50cmぐらいがほとんどで、それ以外は鉄板のような感じばかりになってしまう。
個人で使う分には別に困らないけれど、うちみたいに大人数だったり大量の料理を一度に作らなければならない場所では重宝するんじゃないだろうか。
まぁ、熱伝導とかその辺を一切確認していないから何とも言えないけど。
その後、ダンジョンから戻ってきたエリザに荷馬車を押してもらって屋敷の裏庭に甲羅を移動。
奥に設置している簡易コンロの大きさを調整してそこにアイアンタートルの甲羅を設置。
うーむデカい。
予想以上にデカい。
でも、一個だけなら何とか持ち上げる事は出来そうだし両手を使えば鍋を振ることだってできそうだ。
とはいえ取っ手はまだないので布で軽く押さえながら中身をかき回すぐらいの事しかできそうにないけど。
「大きいですねぇ。」
「このぐらいの鍋ならハワードも使ったことがあるんじゃないか?」
「そりゃまぁ無い事も無いですが、ここ最近はさっぱりでして。でもこの大きさなら一度に全員分調理できそうです。」
やはり鍋としては存在しているのか。
いや、もしかするとこれを鍋に加工している可能性もある。
キキ曰く熱伝導性は問題無いようで、過去にも調理なべとして使われていた時期があったらしい。
とはいえ供給量が少なすぎてあまり広まらなかったんだろうな。
「今日は何を作るの?」
「チャーハンだ。」
「え、いつものやつ?」
「いつものやつと侮るなよ、今日のやつはいつもと一味も二味も違う・・・はずだ。」
チャーハン程火力が物を言う料理は無い。
という事で早速材料の下準備をして鍋の前に立つ。
いつの間にか観客が増えているのだがどうしてだろうか。
まぁいいんだけどさぁ。
まずは熱々に熱した鍋に油を回し入れ、そこにジンジンジャーのみじん切りを投入して香りを移してから溶いたワイルドチキンの卵・・・ではなくコッコが産んでくれた美味しい方の卵を投入。
大鍋の中でぐるぐると回る溶き卵の真ん中にお米を入れ、ほぐしながら卵を米にからめるように炒めていく。
程よくなじんだら海塩とペパペッパーで味を調えて、更には刻んだ煮豚ならぬ煮ボアの角切りとグリーンオニオニオンの新芽をみじん切りを炒めてやればほぼ完成だ。
チャーハンは火力と時間が勝負。
左手で熱くなった鍋を分厚い布で掴みつつ、右手でひたすらお玉を動かし続ける。
気温が下がったとはいえ熱が直接顔にかかり汗が噴き出してくるのを必至に我慢して、最後に鍋肌から醤油を投入するとジュワァァァ!という音と一緒に食欲をそそる焦げた香りが当りに広がり、観客から歓声が上がった。
「お腹空いた!」
「ちょっとまて、もうすぐだから。」
「待てない!早く早く!」
「ルカでも待ってるんだから・・・って、全然待ってないな。お前はまだ早い、我慢しろ。」
大騒ぎする母親に抱かれた息子はそれにつられるように大暴れをして空腹を主張してくる。
離乳食は始まっているものの、まだまだ固形物は早すぎる。
とはいえ食いしん坊すぎるのでリーシャよりも早く大人と同じものを食べ始めそうな勢いだ。
醤油を全体に馴染ませたら後は用意した皿にお玉で形を整えたチャーハンを乗せていく。
学生の頃にバイトしていた中華屋での修行がこんな所で役に立つとは思わなかったが、料理を作る楽しみを教えてもらったのはあそこが始まりだったのかもしれない。
「よし、出来たぞ。」
「いただきます!」
「ったく、ちょっと待つことを覚えろ火傷するぞ。」
「熱い!でも美味しい!」
欠食児童のようにチャーハンをかき込むエリザと、それを見て自分にも食わせろと暴れる息子。
あぁ、ここは天国だったか。
なんて一瞬だけ思ってしまったが、息子の泣き叫ぶ声に我に返る。
やれやれ、困った母親だよなぁまったく。
「これは、とっても美味しいです。」
「作り方を変えるだけでこんなに味が変わりますか。こりゃ使うのが楽しみだ。」
「王宮でもこんなに美味しい料理は食べられませんよね、お姉様。」
「えぇ、旦那様のおかげね。」
「そんなに褒めても出てくるのはチャーハンだけだぞ。お代わりほしいや・・・つは、全員か。」
一国のお姫様を含め、全員が立ったまま夢中でスプーンを口に運ぶ光景は最高のご褒美だ。
どれ、もうひと働きしますかね。
その後、鉄鍋ならぬ甲羅鍋はマートンさんの手によって取っ手を付けてもらい厨房の仲間入りを果たすのだった。
他にもいくつか引き取り手が見つかったので向こうでもいい仕事をしてくれることだろう。
今回は儲けよりも良い物を手に入れることが出来た。
さて、明日は何が食べられるかな。
食べる楽しみは生きる楽しみ、幸いにも今は食欲の秋。
暫くは楽しい日々が続きそうだ。
「ん?」
秋になると途端に日が短くなったように感じるのは気のせいじゃないだろう。
なんとなく物悲しいような、いつもならまだ明るいはずの時間にその客はやってきた。
申し訳なさそうに扉を開けて顔だけ出してこちらを見てくるのは、少年とも青年ともとれる若者だった。
他に客はいないんだし入るならさっさと入ればいいのにとも思うが、一見の客にも優しいのがうちの店、買取できるものであれば喜んで査定しようじゃないか。
「物凄く大きい物なんですけど買取できますか?」
「大きい物?店の中に入らないのか?」
「入らないことはないんですけど重たいので・・・。」
「ふむ、まってろ今そっちに行く。」
どれだけ重たいかは知らないが、無理矢理運び込まれて底板が抜けても困る。
カウンターをくぐって玄関まで行くと、運び込むのを躊躇した理由が分かった。
「でっか。」
「あはは、大きいですよね。」
「これはなんだ鉄鍋か?」
「アイアンタートルの甲羅です。」
甲羅と言われれば確かにそんな風にも見えなくはない。
真っ黒い半円状のソレは、端の方が地面にめり込むような形で壁に立てかけられていた。
よかった、これを持ち込まれていたらマジで床板が抜けていたかもしれない。
「確か鉄のように固い甲羅を持つ魔物だったな、それにしてもデカすぎだろ。」
「大きいですよねぇ。」
「これを一人で持ってきたのか?」
「はい。」
「どうやって?」
「どうって、こう背負うような感じで。」
その男は壁に立てかけられた甲羅に背中をくっつけ両端を持つと、フン!と気合を入れてそれを背負いあげてしまった。
甲羅といえば楕円形なものが多いがこれは完全な球形。
直径は1m程深さはその半分ぐらいだろうか、甲羅といえば腹の部分もあるはずだがこれは外側しかない。
「よくまぁこんな重いの背負ってきたな、どこから来たんだ?」
「港町です。そこで知り合った親切な魔導船の船長さんがここに持っていくとみてくれるって教えてくれたんです。」
「あー、ガレイの紹介だったか。わざわざこんな所までご苦労だったな。」
見た感じどことなく頼りない雰囲気を感じるだけにガレイもつい世話を焼きたくなってしまったのかもしれない。
とりあえず降ろしてもらってから鑑定させてもらおう、話はそれからだ。
『アイアンタートルの甲羅。真っ黒に輝く甲羅は見た目の薄さとは裏腹に非常に重く、また鉄の剣を折ってしまうほどに硬く、それを支える体は非常に強靭な為討伐されることがないため流通量も少ない。その丈夫さから盾として使われることもあるが、持ち歩くのは非常に困難。最近の平均取引価格は銀貨15枚。最安値銀貨10枚最高値銀貨37枚。最終取引日は285日前と記録されています。』
持ち歩くのは非常に困難と書かれているものを持ち歩いている彼はいったい何者なのか。
というか、よく見ると甲羅の中にさらに甲羅が仕込んであるじゃないか。
どこの少年漫画だよ、そりゃ地面にめり込むわけだ。
「いくらぐらいになりそうですか?」
「大きさにもよるが、全部でいくつあるんだ?」
「あ、そうか。ちょっと待ってください。」
甲羅の中に手を入れると、スライドさせるようにしてその下から同じものが出てくる。
その数全部で5枚。
厚みは1cmぐらいだろうか、あまりにも丸いのでまるで取っ手の無い中華鍋が並んでいるようにも見える。
というかそれにしか見えなくなってきた。
「全部で五枚、そうだなガレイの紹介ってこともあるし一枚銀貨10枚でどうだ?」
「え!そんなに高く買ってくれるんですか!?」
「その反応を見るに他所じゃそこまで高くなかったて感じだな。」
「値段どころか買取ってもくれませんでした。」
「盾にしては重過ぎるし矢避けを必要とする世の中でもない。魔物の襲撃が多い土地ならともかくこの辺は比較的安全だからなぁ。」
もちろん襲撃が無いわけではない。
毎月とは言わないけれどそれなりの感覚で魔物の群れが襲ってくるのを何度も経験している。
この間の襲撃はディーネたちが仕込んだものの様だったが、それを除いてもワンシーズンに一回って感じだろうか。
とはいえ、矢を射ってくるような魔物は来ないのでこれを矢避けとして設置するとしたらダンジョンの休憩所ぐらいなものだろう。
それでも使わなさそうだけど。
中に運ぶのは無理そうなので持ってきた荷台に乗せてもらい、代金を支払う。
さて、こいつをどうしてやろうか。
「あの、これをどうするか聞いてもいいですか?」
「んー、いくつか候補はあるが・・・鍋だな。」
「え!お鍋ですか?」
「この大きさ、この厚み、取っ手さえ付けられればいい感じの中華鍋になりそうだ。」
「この甲羅をお鍋に、大きすぎません?」
「大きいのがいいんだよ大きいのが。」
この世界にも様々な調理なべがあるのだが、何故か小型のものが多い。
大きくても50cmぐらいがほとんどで、それ以外は鉄板のような感じばかりになってしまう。
個人で使う分には別に困らないけれど、うちみたいに大人数だったり大量の料理を一度に作らなければならない場所では重宝するんじゃないだろうか。
まぁ、熱伝導とかその辺を一切確認していないから何とも言えないけど。
その後、ダンジョンから戻ってきたエリザに荷馬車を押してもらって屋敷の裏庭に甲羅を移動。
奥に設置している簡易コンロの大きさを調整してそこにアイアンタートルの甲羅を設置。
うーむデカい。
予想以上にデカい。
でも、一個だけなら何とか持ち上げる事は出来そうだし両手を使えば鍋を振ることだってできそうだ。
とはいえ取っ手はまだないので布で軽く押さえながら中身をかき回すぐらいの事しかできそうにないけど。
「大きいですねぇ。」
「このぐらいの鍋ならハワードも使ったことがあるんじゃないか?」
「そりゃまぁ無い事も無いですが、ここ最近はさっぱりでして。でもこの大きさなら一度に全員分調理できそうです。」
やはり鍋としては存在しているのか。
いや、もしかするとこれを鍋に加工している可能性もある。
キキ曰く熱伝導性は問題無いようで、過去にも調理なべとして使われていた時期があったらしい。
とはいえ供給量が少なすぎてあまり広まらなかったんだろうな。
「今日は何を作るの?」
「チャーハンだ。」
「え、いつものやつ?」
「いつものやつと侮るなよ、今日のやつはいつもと一味も二味も違う・・・はずだ。」
チャーハン程火力が物を言う料理は無い。
という事で早速材料の下準備をして鍋の前に立つ。
いつの間にか観客が増えているのだがどうしてだろうか。
まぁいいんだけどさぁ。
まずは熱々に熱した鍋に油を回し入れ、そこにジンジンジャーのみじん切りを投入して香りを移してから溶いたワイルドチキンの卵・・・ではなくコッコが産んでくれた美味しい方の卵を投入。
大鍋の中でぐるぐると回る溶き卵の真ん中にお米を入れ、ほぐしながら卵を米にからめるように炒めていく。
程よくなじんだら海塩とペパペッパーで味を調えて、更には刻んだ煮豚ならぬ煮ボアの角切りとグリーンオニオニオンの新芽をみじん切りを炒めてやればほぼ完成だ。
チャーハンは火力と時間が勝負。
左手で熱くなった鍋を分厚い布で掴みつつ、右手でひたすらお玉を動かし続ける。
気温が下がったとはいえ熱が直接顔にかかり汗が噴き出してくるのを必至に我慢して、最後に鍋肌から醤油を投入するとジュワァァァ!という音と一緒に食欲をそそる焦げた香りが当りに広がり、観客から歓声が上がった。
「お腹空いた!」
「ちょっとまて、もうすぐだから。」
「待てない!早く早く!」
「ルカでも待ってるんだから・・・って、全然待ってないな。お前はまだ早い、我慢しろ。」
大騒ぎする母親に抱かれた息子はそれにつられるように大暴れをして空腹を主張してくる。
離乳食は始まっているものの、まだまだ固形物は早すぎる。
とはいえ食いしん坊すぎるのでリーシャよりも早く大人と同じものを食べ始めそうな勢いだ。
醤油を全体に馴染ませたら後は用意した皿にお玉で形を整えたチャーハンを乗せていく。
学生の頃にバイトしていた中華屋での修行がこんな所で役に立つとは思わなかったが、料理を作る楽しみを教えてもらったのはあそこが始まりだったのかもしれない。
「よし、出来たぞ。」
「いただきます!」
「ったく、ちょっと待つことを覚えろ火傷するぞ。」
「熱い!でも美味しい!」
欠食児童のようにチャーハンをかき込むエリザと、それを見て自分にも食わせろと暴れる息子。
あぁ、ここは天国だったか。
なんて一瞬だけ思ってしまったが、息子の泣き叫ぶ声に我に返る。
やれやれ、困った母親だよなぁまったく。
「これは、とっても美味しいです。」
「作り方を変えるだけでこんなに味が変わりますか。こりゃ使うのが楽しみだ。」
「王宮でもこんなに美味しい料理は食べられませんよね、お姉様。」
「えぇ、旦那様のおかげね。」
「そんなに褒めても出てくるのはチャーハンだけだぞ。お代わりほしいや・・・つは、全員か。」
一国のお姫様を含め、全員が立ったまま夢中でスプーンを口に運ぶ光景は最高のご褒美だ。
どれ、もうひと働きしますかね。
その後、鉄鍋ならぬ甲羅鍋はマートンさんの手によって取っ手を付けてもらい厨房の仲間入りを果たすのだった。
他にもいくつか引き取り手が見つかったので向こうでもいい仕事をしてくれることだろう。
今回は儲けよりも良い物を手に入れることが出来た。
さて、明日は何が食べられるかな。
食べる楽しみは生きる楽しみ、幸いにも今は食欲の秋。
暫くは楽しい日々が続きそうだ。
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